前回、ついに再会した勝と鳴海。
しかし宇宙へ向かう鳴海を前に、彼はある決意をしますー

感想です☆




機械仕掛の神~第85幕 「ゆけカトウ、オレが上がる。」




※以下、ネタバレ感想※










◎あらすじ◎

オートマータとの戦いを終えた鳴海(なるみ)と勝(まさる)。
すると突然、勝は正体が見られないように、鳴海の網膜を焼くのだった・・。


突然のことに驚く鳴海。
そんな彼に、勝はグリュポンを通して語りかける。
自分はえんとつそうじという名の「しろがね」だ、とー。

2人の会話は、管制室にも届いていた。
固唾を 飲んで、一行はそれを見守る・・。
勝は言った。
カトウ、俺はフェイスレスに因縁がある。
だから俺が宇宙に行って奴と戦い、ゾナハ病の止め方を聞きだす・・と。

お前は地上に残れー
戸惑うグリュポンに、勝は続けさせた。
自分はお前よりもベテランだから大丈夫、そして帰ってくる方法も知っているから大丈夫だーと。

だが鳴海に、そんなことが認められるわけがなかった。
彼は反論し、仮に自分が地上に残ったとして、何をすればいいんだー?!と叫ぶ。
今までずっと、ゾナハ病を止めるために戦ってきたのだ・・と。

すると勝は言った。
フランスで、ある女教師に伝言を頼まれたことを。

彼女は鳴海にこう言った。
今度はあなたがきっと助かって、とー。
鳴海には人のために自分を燃え上がらせてしまうところがある。
だから今度は、鳴海に助かってほしいのだ・・と。

それでも、鳴海は表情を曇らせた。
自分は色々な人の不幸を見てきた。
自分を守るために命を譲った人だって沢山いる。
なのに一人また助かって、幸せになるなんて・・

そう言った瞬間、勝は怒鳴った。
馬鹿野郎、過去はもう過ぎてしまったんだーと。


彼は全力で思いを伝えた。
過ぎてしまったことは、もうどうにもならない。
でも今なら、まだどうにかなる。

お前には、幸せにしてやれる人がいるだろうー?!

それを聞いた皆も願い・・
鳴海は呆然と、その言葉を聞いた。

鳴海の理屈では、人間なんて誰一人幸せになれない。
人間が皆昔を背負って生きなきゃいけないなら、この世は幸せになってはいけない人ばかりだー

そうして勝はほほ笑んだ。
だからお前は考えろ。
幸せにできる人のことを。そして自分自身の幸せを。

ゆけ、カトウ。オレが上がる。

彼はそう言うと、目の見えない鳴海を置いてシャトルへ走り去ってしまうのだった。



その一部始終に、管制室の人間たちは言葉を失う。
あんな子供が宇宙に行くなんて無理だ・・
兵士たちは子供を止めようと、動こうとする。

だがその時、リーゼが叫んだ。
行かせてあげてください!!
彼女は一生懸命説明した。

勝は、オートマータを大量に倒す力もある。
それにフェイスレスのダウンロードだって阻止できた。
きっと今回も、何か勝算があるのだ、とー。

自分は勝を信じるー
そう話すリーゼに、フーもうなづいた。
それもアリだ、と・・。

勝はフェイスレスの記憶をダウンロードされて知っている。
だからゾナハ病について訊きだすには、適任かもしれない・・と。

更にバンハートも、もう時間がないのだから、勝に託すしかない、と同調する。
そこでようやく兵士たちも諦め、彼らは発射の準備に移るのだった。

だが涼子(りょうこ)は納得できなかった。
宇宙へは片道分の燃料しかない。
戻ってこれるなんていうのは大嘘で、一度行ったら勝はもう戻ってこれないからだー

それをリーゼに伝えようとした彼女は、ふとリーゼの姿が見当たらないことに気付く。
彼女はー
平馬(へいま)に手を引かれ、シャトルへの近道を走っていた。

最後にちゃんとお別れぐらいしたいだろうー?
リーゼの気持ちを知る平馬は、彼女にそう笑うのだった。


シャトルの前では、宇宙服に身を包んだ勝が待機していた。
フーの指示を待っていた彼は、ふとリーゼが走ってくるのに気づく。
彼女もまた勝に気付くと、駆け寄り彼を抱きしめるのだった。

リーゼは泣きながら、嘘つき、と勝に叫んだ。
彼女は分かっていた。
勝が本当はもう戻ってこないことを。
それでも、勝の考えを理解した彼女は、フーに頼んだのだ。

勝もわたしも嘘つきです・・
ボロボロ涙をこぼしながら、リーゼは言った。
本当は勝としたいことがもっと沢山ある。
だからこれっきりなんて嫌、行かないで・・と。

それを聞いた勝は、静かにうなづく。
彼は決めた、と言い、来週一緒に動物園に行こう、と彼女を誘う。
帰ってきたら、もっと仲良くなろうねー
彼はそう言い、笑顔を見せるのだった。

その笑顔にーリーゼもほほ笑む。
嘘つき・・でも、約束ですよ・・
2人は指切りを交わし、別れるのだった。


その様子を見ていた平馬と涼子。
涼子は平馬もリーゼが好きなのに、馬鹿だ・・と息をつく。
そして本当は自分だって勝の元へ行きたいのを必死で我慢した平馬を、彼女は元気に慰めるのだった。


そうしてー
ついに、ロケットは発射の時刻となるー




その頃ー
ロシアのある町を、しろがねは花嫁姿で必死に逃げ回っていた。

その後ろには、ハーレクインの姿。
彼は結婚式を挙げるため、しろがねを捕まえようとしていたのだ。

そんな彼から逃げるため、しろがねは身を隠す。
彼女は自分の体が重くなっていることに気付いていた。
恐らくもう血が少ないのだ・・

死を覚悟しながら、ハーレクインだけは倒すー!と彼女は心に誓う。
そうして戦いに出向く前に、彼女は鳴海に思いを馳せる。

もう宇宙へ無事に旅立っただろうかー
どうか気を付けて、使命を果たしてくださいねー

彼女はそう願い、鳴海に今生の別れを告げるのだった。


そんな彼女を探しているハーレクイン。
彼はふと教会の中から、赤ん坊の泣き声がすることに気付く。
血が飲めるかもしれない・・彼は寄り道をする。

すると、そこにはゾナハ病に倒れる母親と神父。
そしてその横に、泣きじゃくる赤ん坊の姿があった。

思わぬ御馳走に、舌なめずりするハーレクイン。
彼は神父が必死で止めるのも聞かず、赤ん坊をつまみ上げるー

だがそこに、しろがねが入った。
彼女は赤ん坊をもぎ取ると、ハーレクインに最後の戦いを挑んだ。

このしろがねの命ある限り、人間に手出しはさせないー!!












過去の鎖を断ち切る者。


いやー、もう恒例の・・

今回も泣いた!!

勝の意志、そしてリーゼとの別れ・・
これを書いていても、もう一度泣いてしまいました。

勝、立派すぎるよ・・!


鳴海の網膜を焼き、目を見えなくした勝。
彼は自分を「えんとつそうじ」だと名乗り、自分には策があるから、宇宙に行くのは自分だーと告げました。

この「えんとつそうじ」、皆さん覚えてますか?
初見じゃ無理だと思います・・w
なんせ、7巻で勝たちが初興行でやった際のキャラクターですから。
59話60話参照)


そのストーリーは、ヘビ魔王という敵にさらわれた姫を救いだしたえんとつそうじが、2人が和解し仲良くなるのを見守り去っていく・・というものでした。

まさかこんなふとしたストーリーが伏線になってるとは・・
「からくりサーカス」、何回も読まなければその深さは堪能できませんねw


で、このえんとつそうじの行動こそが、今の勝とリンクしているのですよね。
2人を救い、自分は何も言わずに去っていく・・
彼はそのことを思い出し、今その名を名乗ったのですね。




そこからの、勝の熱い思いの畳みかけはスゴかったです。
いや、本当鳴海が小さく見えるくらい。

これは勝が子供だからこそ、ここまで熱く主張できたのかもしれないですね。
ギイとかじゃ、絶対無理だったw


過去を見てきて、辛い思いをしながらも後に生きる人のために、一生懸命に生きた人がいることを、勝も鳴海も知っています。

鳴海はそれを、皆が苦しんだのだから自分も幸せになってはいけない・・と変換します。
でも勝は違うのです。
だからこそ、皆の思いを継いで、今度こそ幸せにならなければいけないーと考えたのです。

どっちも一理ありますが、今に生きる者からすれば、惹かれるのは勝の生き方でしょう。
そこには希望がありますからね。


そして今幸せを手に入れるということは、その幸せを未来につなげられるかもしれないーということなのです。


これは、これから人生が開けるはずの、子供である勝だから言えた言葉だと思います。
大人はどうしても、色んなものに縛られてしまいますからね。

だからこそ、今2人が出会うことに意味があったのですね。
いやー、深い。深いですね。





というわけで、結果宇宙に向かうのは、勝となりました。

これも行かせる側からしたら、辛いですねー。
子供に全ての責任を負わせなきゃいけないなんて。。

でも勝にはグリュポンがいるので、まだよかったかもしれないですね。
鳴海一人で行ったら、フェイスレスを倒した後完全に一人でしたからね・・。



そして、リーゼとの別れ。

これも泣きました。

互いにもう会えないと知りつつも、笑顔で未来を語り、別れるー
ここにきて、リーゼは急激に活躍しましたね。

誰にも会えずに旅立つーなんてことにならなくて良かった。
皆が勝のことを思っていることを知れて、本当に救われたと思います。

たとえもう2度と会えなくても、そのことを大事に生きていけますからね。
しろがねとは言葉を交わせなかったけど、勝は皆を思って生きていくでしょう・・。


また、平馬と涼子も憎いですね!
やっぱりこの2人は、くっつくんじゃないかなー。

平馬は弟気質だから、これくらい引っ張ってくれる女子のほうがいいんじゃないかと
思いますw
一人になっちゃうリーゼはちょっとかわいそうですけどね(^^;)

彼らなら、仲町サーカスをきっと引き継いでくれるでしょう。
ちゃんと全てを託していける相手がいる・・
勝は幸せでしたね。




さて、そしてしろがねも、最後の戦いへと向かいます。

ハーレクイン、引くほど気持ち悪いですね。
花嫁衣裳着せて、追い回すとか・・ストーカーも真っ青ですね。

そんななか、まだ泣く力のある赤ん坊を見つけた彼は、その赤ん坊の血を飲もうとします。

この赤ちゃんはゾナハ病にかからなかったのでしょうか?
赤ちゃんはもしかして大丈夫だった、とかあるのかな・・?


けれども、もう人間を傷つけることは許さないー
そこに、しろがねが立ちはだかります。

そして最終戦。
正直、しろがねに勝ちは見込めませんね。

本人がもう血が足りなくて体が重いと言っていますし、まだ鳴海と勝の一件を知らない彼女は、鳴海はもう宇宙へ行ったと思いこんでいます。

愛する人のいない世界に、しろがねはもう未練がないようなので、彼女は赤ん坊を守りながら死んでいくつもりなのでしょう・・。
となると、鳴海が間に合わないと彼女も危ないですね。


まぁ間に合わない訳がないですけどw

それでも、ハーレクインは手ごわいです。
そう簡単には倒せないのではないでしょうか。



でも・・ついに、2人の思いが通じ合うときですね。
散々焦らされ待たされた分、期待がすごく高まっています。

ようやく皆の願いが叶うときー
勝の決意を無駄にしないためにも、今度こそ鳴海の本領を発揮するときです。

本来、モテる男なんですからねw


しろがねの笑顔も、ようやく見れるのかなー
今までの積み重ねを思うと、既に涙腺が・・。

次回、本当に楽しみですね!






というわけで、次回は鳴海としろがねがついに結ばれるのではないでしょうかー。

ハーレクインとの戦いは、ちょっと手ごわそうですね。
でも2人一緒なら、勝てると思います!

どんな結末を迎えるのかー

次回も楽しみです☆