前回、ついに始まった最終テスト。

涼に遅れを取った安吾ですが、彼はここから巻き返しを謀れるのか。
そしてこれから彼らに迫る試練とは一体ー?

感想です☆





穀雨の章6 「-アヴェ・マリアー」




※以下、ネタバレあり※









 <現在地>  
・春のチーム 神奈川県経ヶ岳シェルター 
花・ハル・新巻・・九州へ
・夏のAチーム ?
・夏のBチーム
ナツ・嵐・ 蝉丸・・仙台名取富士シェルター
その他    ・・大分県由布岳シェルター
・秋のチーム 兵庫県神戸富士シェルター





◎あらすじ◎

今頃気づいたのかよー

呆然と立ち尽くす安吾(あんご)に、涼(りょう)はそう言った。
それを聞いた安吾は、自分が涼に出遅れたことを痛感する。

涼は彼に、皆には言うなよーと釘を刺した。
テストなんだから、分からない奴は分からないままでいいんだ。
彼はそう言い、虹子(にじこ)と共にどこかに歩き出す。

虹子が振り返って言った。
私たちは、今突然未来に放り出されたのと同じ状況だ、と。
それから彼女は涼に耳打ちした。
安吾はヒントには気づいていないようだ、と。

それに対し、涼はいずれ気づくだろうーと答えるのだった。


その後、安吾は小瑠璃(こるり)と繭(まゆ)と合流した。
2人はけがもなく、また安吾のモールスに異変を感じていた彼女たちは準備も整えて待機していたという。
その判断に安吾はほっとし、2人にこれが最終テストであることを告げる。
そしてテストは今始まったのではなく、銃の暴発のあたりからすでに始まっていただろうこともー。

それを聞いた小瑠璃は、あの風車の事故もテストだったことを知り、青ざめる。
安吾は驚愕する彼女たちに、告げた。
これは生死のかかったテストだ。腹を据えてかかれよーと。

それから、彼は茂(しげる)を探しに行った。
彼はなんとパジャマのまま逃げていた。
生き残れるのか・・安吾は不安になるのだった。


その後、火はあっというまに燃え広がった。
ジャージで飛び出してきてしまった安吾は、寒さに震える。
彼は装備を取りに、炭焼き小屋へと向かうのだった。

その間、皆は一棟だけ焼けていない第一校舎へと向かっているようだった。
だがそんな中、畑に集まる集団もいた。
その中にあゆを見つけ、安吾は駆け寄る。
すると、彼女は畑が荒らされ、作物が全滅していることを彼に伝えた。

それを聞いて動きを止める安吾に、あゆは尋ねる。
これが、最終テストなのねーと。
うなづく彼に、あゆはよかった、と笑った。

ようやくこれですべてに決着がつくー
そう話す彼女の表情は明るかった。
2人は別れたが、あゆの言葉に安吾も別の考え方を得ていた。

そうか、これで終わるという考え方もあるのか・・。
彼は決意を新たにする。
これで7人が決まるんだ。絶対に選ばれてみせるーと。


そうして炭焼き小屋に行った彼は、中にあった衣類をすべて自分の荷物に詰めた。
少し茂にも分けてやろうーそう考えていると、後から何人かの男子が入ってきた。
彼らもパジャマ姿で、衣類を調達しようとやってきたのだった。

だが安吾は先に来た自分がすべての衣類を持っていく、と告げる。
同じ火のクラスだった鵜飼(うかい)が分けてくれ、と頼む。
それでも安吾は、その頼みを断固として断るのだった。

やがて夜が明け、雨も上がった。
安吾は第一校舎に向かう途中で、動物たちの名を呼ぶ源五郎(げんごろう)と出くわす。
声をかけると、源五郎は青ざめた様子で、動物たちがすべて放たれていることを伝えるのだった。


そしてようやく安吾が第一校舎に着いた頃ー
安吾は繭が皆に中に入らないよう止めている姿を見つける。

彼女は安吾に気づくと、校舎の周りにできている亀裂を指差した。
その亀裂は、校舎の周り中にあるらしかった。
そして彼女は以前土クラスの授業で、このあたりが昔は深い窪地で沼地であったことを知っていたのだ。

水はけが悪いのか・・
そう理解する安吾に、繭はさらに伝える。
大雨が降ったのに、このあたりは排水された形跡もない、と。

きっと土は水をためこんでいる。
そしてスポンジ状になった土がひずみに耐えられなくて、割れてきたのだろう・・。

2人は顔を見合わせた。
安吾は校舎の入り口に茂を見つけ、急いで彼を引き戻す。
そして中にいる皆に、出てくるよう声をかけたその時だった。

水が、地面から吹き上げたー

その途端地面が抜け落ち、校舎は傾いた。
そしてそのまま、数秒ももたずに崩落したのだった・・。

その惨劇に、安吾たちは言葉を失った。
崩れた家や水の中から、腕などが見えるー
それを必死に引き上げようとする仲間を見ながら、安吾はふと「アヴェ・マリア」が聞こえるのに気づいた。

崩れた校舎の前で、数人が歌っているー
「私の祈りを届かせてくださいー」
その歌詞は、今の状況に合っている、と彼は思うのだった。


生き残った者は、焚火で暖を取った。
ふと繭が、涼たちはどこへ行ったのだろうーと首を傾げる。
そこで安吾も彼のことを思い出し、どうして涼は迷いなく動けるのだろう、と考えた。

何かヒントがあるのだろうかー
そう頭を巡らせた彼は、はっとして花札を見る。
源五郎や繭も、札を拾っていた。

何か意味があるのでは・・。
彼は素早く頭を巡らせる。
花札の絵は、元々数字を表していたというー
12か月の季節と、花鳥風月が対応しているのだ。

ふと、安吾は思いつく。
彼はカードを拾った場所と、その数字を照らし合わせた。
するとそれはー方角と一致した!

拾ったカードが指す方向へ、それぞれ進めということなのではないかー
安吾の案に、源五郎や繭もうなづく。
きっと涼も札を拾っていたのだな・・。
彼らは皆指し示す方角が違うので、ここで別れることにした。

安吾は茂と同じ札を持っていた。
茂は安吾を避けようとしたが、彼はそれを許さず引っ張った。
なぜ茂が不機嫌なのかは分からない・・。
それでも、止まる訳にはいかないのだった。


それから、彼は皆にこれは最終テストだ、と告げた。
自分が知った情報を皆に共有し、後は皆が動くのに任せることにする。
涼には釘を差されたが、それくらいはしておきたかったのだ。

出発するにあたって、安吾は食料を持たなければ・・と考えた。
だが彼が見つけた食料は、既に鵜飼たちの手に渡っていた。
衣類の恨みもあり、鵜飼は安吾には絶対に渡さない、と凄い剣幕で睨みつける。
そして彼らは髪がくりくりしていることから集まったくりくり同盟で、一緒に行動しないか、と小瑠璃を誘った。

安吾は迷ったが、繭がついていくというので任せることにする。
彼女は小瑠璃が風車の件でフラフラしている分、よく感覚が研ぎ澄まされているようだった。

源五郎も、安吾と共に選ばれようーと誓い、自分の道に進む。
あゆもまた、いじめっこたちに連れられて歩き出した。
そこで安吾も不機嫌な茂と共に、出発するのだった。

その道中、彼らは必死に怪我人を助けようとする医療クラスの人間に出会う。
鷭(ばん)もその中にいて、彼らはここに残る、と言った。
死人を踏み越えてはいけないーそう話す彼らに、安吾は思う。
自分はこれから、死人をひたすら越えていくのだー。


2人は山を登った。
花札が示す方角は、彼らが今まで踏み入れたことのない地域だった。
懸命に注意しながら、2人は登るー

その時、後ろで大きな音がした。
目の端に、上流にあるダムが決壊したのか、水がほとばしるのが映った。

安吾はー後ろを向かなかった。
きっと水は焼け落ちた校舎の辺りを、綺麗に洗い流してしまうのだろう。
畑も風車も人間も、何もかもを飲み込んでいくのだろうー。

鷭たちのことが、胸をよぎった。
また「アヴェ・マリア」が聞こえる。
彼女たちは助かったのかー?


彼の瞳から、涙がこぼれ落ちた。
アヴェ・マリア。たとえ世の人がどんなにむごくても、わたしたちは朝まで安らかに眠りますー

アヴェ・マリア。わたしたちは静かに運命に従いますー

施設は沼に戻り、何もなくなった。
もう帰る場所はどこにもない・・。
彼らは追い込まれた。

安吾はひたすら、山を登る。
きっとどこかで教員たちは見ているのだろう。

絶対残ってみせるー!!
彼らは皆、各々の道を進むのだった。


そしてー
小瑠璃と繭はくりくり同盟の皆と一緒に、森を歩いていた。
鵜飼はまだ気がおさまらないらしく、安吾への怒りを口にしていた。

そこへー彼らは岩壁に突き当たる。
行き止まりかと思われたが、その奥には坑道のようなものが見えた。

薄暗く、使われていないような坑道ー
皆は息を呑んだ。
ここに入れ・・というのだろうかー。

















極限のサバイバル。


今回は最終テストが始まり、それぞれが7人に選ばれるために道を進み始めた話でした!

今回だけでもかなり犠牲者が出たと思います・・。
なんてむごい。


涼に完全に遅れを取った安吾。
彼はヒントの意味も理解しているようですね・・。

安吾に比べて、余裕といった感じです。
元々疑うことを知る涼なので、安吾とは着眼点が違うのでしょうね。

残念ですが、極限の未来においては涼の能力のほうが重宝されると思います。
いずれ同じクラス同士の安吾、涼、茂は2つの席を巡って戦うこととなるでしょうが、涼はもう決まったも同然なのではないでしょうかー。

ラストは安吾と茂の戦いになると思います。
運命とは残酷なものですねー・・。



その後、小瑠璃、繭、茂と合流する安吾。
彼は皆に、これは最終テストで死人も出るテストだーと告げます。

それを聞いた小瑠璃たちはどんな思いだったのでしょうね。
本当に17歳の子たちには余りに重い、試練だと思います。


あゆのように考えられる子は、ごく僅かでしょうね。
これが終われば、馬鹿は残らない世界になるー
いじめに耐えた彼女だからこその、発想ですね。

でもそういう前向きに捉えられる感性も、また教員は欲しがるのではないか・・となんとなく感じます。
あゆ、涼はもう決定かなー。

残りが誰になるか、気になるところですね。



で、火事から逃れて行き場を探す生徒たち。
そんな彼らをあざ笑うかのように、教員たちはその行き場をことごとく消していきます。

火事、陥没、そしてダムの決壊ー
彼らは完全に帰る場所を失うこととなりました。

なぜここまでやるのでしょうね。
子供たちに少しでも愛情はないのか・・
教員たちの仕打ちには、憤りしか覚えません。

確かにこういう状況を生き延びる力も必要でしょうが、じゃぁ自分の子供にも同じことをするのか?と問いたいです。

貴士なんて、子供が生まれるのですよね?
その子供を、同じ目に遭わせられるのでしょうか。


余りに人間とは思えない行為で、反吐が出ますね。
これを要が考えたのかもしれないと思うと、彼はやっぱり死神ですね。

未来の世界でも、彼が何をするかは気を付けたほうがよさそうです。
こういう人には、滅んでいてほしかった・・。




さて、なんとかそんな状況からも生き延びた一行。
彼らは花札にこの先のヒントが隠されていると考え、それぞれ拾ったカードの示す方向に散ることになります。


安吾と鵜飼のもめ事は、ちょっと気にかかりますね。
鵜飼が余りに気にしすぎいているので、この件でもうひと揉めあるかもしれませんね。

本来は安吾と小瑠璃たちは一緒に行動したほうがいいと思うのですが・・2人の件もあり、彼らは散り散りになってしまいました。
互いに無事だといいのですが、なんだかどちらが進んだ先にも、嫌な予感しかしません・・。

安吾と茂、小瑠璃と繭は、どちらかしか残れないように、対で用意されているような気もします。。
それにここの4人の内2人が抜けたら、有力候補は7人ちょうどになりますしね・・。


彼らに待ち受けている試練、どんなものなのでしょうかー。




ただ、鷭がもしかしたら脱落したかもしれないのですよね。
それが気になります。

そうなると小瑠璃が医療クラスも取っているので、繭が風、小瑠璃が医療クラスで選ばれることもあるかも?

鷭はなんか気になる存在だったので残念ですが、医療者としてその使命に命を燃やしたのだから本望だったのかな、とも思います。

まだ生死は分かりませんが、死んだ可能性は高いでしょう。
皆の冥福と共に、彼の冥福も祈りたいと思います。。




最後に、茂について。

彼の不機嫌の理由は、安吾と源五郎が仲良くなったことでしょうか。

安吾が源五郎の肩で泣いているのを見ていたし、今回も2人が一緒に選ばれようと言うのを見ていました。

なので嫉妬なのではないか、と思います。


彼は薄々、安吾に下に見られていることを気付いているのでしょうね。
安吾は一緒に未来に行きたいというのも本音でしょうが、どこか茂には自分がいないと駄目だーt9お考えている節もありますので。

そんな安吾が他の男子と対等にしていたら、そりゃ親友のはずの彼には面白くないですよね。

ただこの小さな諍いが、命とりになる可能性も十分にあると思います。
不安要素は、こういう状況ではどんなに小さくても排除しておくべきです。

安吾は今、それにあえて触れようとしません。
その選択が何か大きな間違いにつながらないといいですね。


いずれ安吾と茂のポジション争いは起きるでしょう。
その時、選ばれるのはどちらか一人です。

どうか後悔のない戦いとなるといいな、と思います。
この運命からは逃れられないと思うので、せめて2人の苦しみが少しでも減るよう、祈るばかりです。。






さて、次回はバラバラになった彼らのその後ですね。

安吾たちの進んだ道は、そして小瑠璃たちの進んだ道は、果たして正解につながっているのかー
どうすれば、7人に選ばれるのか。

その答えは、明らかになるのでしょうか。

次回も楽しみです☆