前回、崩れる坑道の中に飲み込まれてしまった小瑠璃たち。
彼女たちは無事なのでしょうか。

そしてあゆもいじめっこたちとの関係に決着をつけましたが、彼女のテストはどうなるのでしょうかー

感想です☆




穀雨の章9 「-乙女の祈りー」





※以下、ネタバレあり※









  <現在地>  
・春のチーム 神奈川県経ヶ岳シェルター 
花・ハル・新巻・・九州へ
・夏のAチーム ?
・夏のBチーム
ナツ・嵐・ 蝉丸・・仙台名取富士シェルター
その他    ・・大分県由布岳シェルター
・秋のチーム 兵庫県神戸富士シェルター





◎あらすじ◎

あゆの瞳からは、涙がこぼれた。
悲しいんじゃない・・
彼女は思った。

良心の呵責だろうか。そんなもの自分にあったのか・・。
行かなきゃいけないー
見られたらまずい、と彼女は動こうとした。
だが足は動かなかった。

ああ、そうか・・彼女は納得する。
月が見ているのだー



その頃、小瑠璃(こるり)は落ちてくる石から必死に逃げていた。
どうにか窪みに逃げ込んだが、そこもきっとすぐに埋まるだろう。
皆はー繭(まゆ)は大丈夫なのだろうか。
彼女は焦る心を押さえながら、必死に考えた。

今夜は満月だ。
岩壁に光が当たっていないだろうかー
彼女は周囲を見回す。

すると僅かだが、光る部分があった。
あそこだ!
小瑠璃は懸命に岩肌を登る。

そしてついにー彼女は外へ出たのだった。


瞬間、小瑠璃は息が楽になったのを感じ、安堵する。
すぐに彼女は繭にモールス信号を送った。

小瑠璃は無事。外に出た。
繭ちゃんは?

返事が来るまで、彼女は震えながら信号を送った。
すると遅れてー空に光が見えた。

繭も無事。
雹(ひょう)くんと一緒にいるー

それを見た小瑠璃は安堵し、深く息をついた。
そのまま腰を抜かした彼女は、地面に倒れる。
そして倒れるように、眠り込むのだった。


一方鵜飼(うかい)もまた、外に脱出していた。
銃を持ちながら、彼は辺りをうろつく。
右目はもうぐちゃぐちゃだった。

視力が落ちただけで脱落なのに、これではもう7人に選ばれることはないー
彼は怒りに笑い、涙を流した。
そしてー探した。
安吾はどこだ!!


他方、源五郎(げんごろう)はまだ仲間の日雀(ひがら)と一緒にいた。
卯波(うなみ)は源五郎に告げた後、すぐにどこかに行ってしまった。
とりあえず生活できる場所を確保しようー
源五郎はそう言うと、周囲を確認しに行った。

だがその時、日雀の悲鳴が聞こえ、源五郎は急ぎ戻った。
するとーさっきまでそこにいた日雀の姿はなくなっていた。
ただ、血だまりだけが残っている・・

端午(たんご)?

彼は嫌な予感を感じ、その場を駆け出すのだった。



翌朝、小瑠璃は寒さに目覚めた。
陽が出てきて気付くと、ここは撃ち捨てられた鉱山の跡地のようだった。
土クラスの繭だったら詳しかったのに・・彼女は繭を思い、すぐに彼女の居場所を確認しようとした。

そこで、彼女は自分のいる場所に気付き、ぞっとする。
そこは周囲を水に囲まれた、切り立った崖の上にあったのだー



同じ頃、安吾(安吾)も目覚めた。
彼は看病されていることに気付いて起き上がる。
するとそこには、鷭(ばん)がいた。
彼が川を流れてきた2人を見つけ、助けてくれたのだ。

あの土砂流から逃げきったのか・・安吾はまだ生きていることを噛みしめ、ほっとした。
そして茂(しげる)の具合を確認すると、彼も熱があるだけで目立った怪我はないようだった。

だが彼は熱があるなら寝てろと安吾が言っても、なぜか大丈夫だと言い張り食料を探しに行った。
その姿を見ながら鷭は、お荷物になりたくないのかな・・と呟く。
お荷物だなんて、そんなこと誰が言ったー!!
安吾は憤り、茂とちゃんと話をしなければ、と決意する。

すると鷭は2人が元気そうなのを見て、他の人を助けに行くと離れていった。
安吾はやっぱり源五郎や小瑠璃たちと合流しよう、と考えるのだった。


一方小瑠璃は、どうやって崖を降りよう、と青ざめていた。
彼女は岩登りは得意ではなかった。
一人では到底降りられないだろう・・。

だが彼女がいる辺りも、どんどん端から崩れ始めていた。
地下の坑道が埋まったのだから、その内ここも崩れてなくなるのだろう・・
時間がない。
小瑠璃は繭に、モールスでどうすればいいかを尋ねた。

すると繭からは、小瑠璃なら大丈夫だよ、頑張って、と返ってきた。
その言葉に、彼女は心細くなり涙ぐむ。
繭がいれば、きっと大丈夫なのにー。

だが繭はその後も、頑張って、と送ってくる。
それを見た小瑠璃は、自分でどうにかしようーと決意する。


小瑠璃から、頑張る、という返事が返ってきた。
繭はそれを見て、ほっと息をつく。
頑張れ、小瑠璃ー

そう呟く彼女の体は、雹(ひょう)と共に半身土石流につぶされていた。
身動きが取れず、2人は互いを気遣い合う。
大分時間が経ち、もう下半身の感覚はなくなっていた。

あかざも草矢(くさや)の声も、もう聞こえなかった。
鵜飼はどうしたのだろう・・そう言いながら、雹はせき込む。
彼は繭をかばった際に肋骨が折れたらしく、それが肺を圧迫していたのだった。

自分をかばったっから・・そう呟く繭に、繭は好みだからいいよ、と返し、2人は笑い合う。
そうしながらー繭は空を見上げた。
小瑠璃とのばらと3人で、未来に行けると信じていたー。

そう言いながら空を仰ぐと、ミサンガが切れた。
願いが叶うんだよ・・雹がそう言うので、繭は笑った。
もう行けない・・けど、小瑠璃が必ず行ってくれるー

繭の瞳からは、涙がこぼれた。
未来に行きたかった。どんな世界だったのだろう。
小瑠璃と行きたかった・・。

彼女は願った。
小瑠璃、早く来て。あなたに会いたい。
最後に、未来でも頑張ってね、とちゃんと言いたいー


その頃、小瑠璃は途方に暮れていた。
決意はしたものの、彼女のいるところには廃物とがらくたしかなく、下まで届くようなロープもなかった。

すると繭が、グライダーを作れば?とモールスを送ってきた。
それを見た小瑠璃は、驚いて辺りを見回す。
グライダーを・・作る?

だが周りには偶然にも、グライダーを作る道具はなんとかなりそうだった。
現実的ではないと思いながらも、彼女は考える。
いや、崖を降りるよりはあたしにとっては現実的かもしれないー

繭から、大丈夫だよ、頑張って、とモールスが来る。
ー小瑠璃は、覚悟を決めた。

自分の大きさに合った廃材を選ぶ。
そして道具をかき集めながら、彼女はグライダーを作った。
一瞬浮けばいいのだ。後は降りるだけだから、できるはず!!

途中、彼女はオルゴールが落ちているのを見つけた。
「乙女の祈り」が流れる。
それは繭とのばらと3人で、よく聞いた音楽だった。
終業を知らせる調べだったのだ。

繭を思い、彼女は心細さに泣きそうになりながらも耐える。
そうして小瑠璃はなんとか、グライダーを作り上げるのだった。


練習はできない。
空中で分解するかもしれないから、一発勝負だー!
小瑠璃は夜の内に飛ぶことにした。
月明かりがあるし、明日までここはもたない気がしたのだ。

その連絡を受けて、繭は安心した。
小瑠璃ならきっと大丈夫だ・・
彼女はそう言うと、寒い、と震えた。

雹は彼女を必死に励ますが、繭は寝そうになっていた。
震えている・・
彼はそっと繭の口にキスをした。

その温かさに、繭は少し気力を取り戻す。
2人は未来はどんなだろう・・と話した。
そして小瑠璃とも話したい、と笑った。

小瑠璃がいれば何も怖くないんだ・・繭はそう言ってほほ笑む。
雹は小瑠璃も同じことを言ってたよ・・と話す。
それを聞いた繭は、彼に寄り添って泣いた。

ありがとう、今ここに一人じゃなくて良かった・・。

雹もうなづく。


そうして少し経った頃、小瑠璃から連絡があった。
今から飛ぶから、ライトをつけておいてー
そのメッセージに、繭は了解、と送る。

彼女は目を閉じた。
気を付けて、小瑠璃。
大丈夫、きっとできるから。あなたならできるからー

雹は気づく。
繭が動かないことに。
呼びかけに、応えないことにー。

小瑠璃は走った。
今すぐ繭の元へ行く!
その姿を、繭はまぶたの中で見ていた。

小瑠璃の飛ぶ姿が見える。
あなたはいつも白くてかわいい鳥のようなのー



その頃、そろそろ寝場所を決めよう、と安吾と茂は足を止めていた。
ふと彼らは空がチカチカ光っているのに気づく。

それがモールス信号だと気づき、安吾は小瑠璃と繭が近くにいることを知るのだった。


















小瑠璃に託す未来ー。


・・うわー、辛かった!!

もう書いてて涙が止まらなくて・・。
繭も雹もよく頑張ったね。
どんなに痛くて怖くて辛かったでしょう・・。

楽になれて良かった、と思う気持ちもあるけど、可哀想すぎて・・。
どうしてこんな運命を強いられなければならなかったのか。

教員たちへの怒りが止まりません。。


もう繭の思いが悲痛すぎて・・。
3人で未来に行きたかったよね。死ぬのは怖いよね。

それなのに小瑠璃にそんな不安は感じさせず、彼女を励まし続けた繭には頭が上がりません。
本当に惜しい。どうして彼女がここで脱落しなければならないのでしょう・・。

すぐに助ければ、間に合ったんじゃないのか?
未来には行けなくても、生きていける道はあったんじゃないのか?

もうそんな気持ちでいっぱいです。

余りに惜しい人をなくしました・・。
そして今度は、小瑠璃が苦しむ番ですね。

本当に、誰のためになるテストだというのか・・。
のばらも繭も失った小瑠璃も、果たして無事でいられるでしょうか。

自責の念に駆られ、精神を病んだりしないといいのですが・・。

これで彼女まで脱落では、余りに救われません。
辛いだろうけど、皆の希望を受けて彼女は行かなければなりません。

どうか、繭の死を知るときに安吾が側にいますように・・。
今はそれくらいしか祈れませんね・・。



そして、雹も立派でした。
彼も苦しかったのに、最後まで繭を笑顔でいさせ続けました。

きっと本当に繭を好きになっていたのでしょうね。
前回、そんな感じの描写はいくつかありましたもんね。


2人共、自分の死を知りながらも、小瑠璃に未来へ行く夢を託しました。
とても優しい人たち・・本当に最後、2人が一緒にいられて良かった。。

どれだけ生きたかったか。未来へ行きたかったか・・。
その思いを考えると、本当涙が止まりません。

そして草矢もあかざも・・皆夢を胸に抱えながら、死んでいきました。
どうか皆、安らかに眠れますように。。



さて、今回はあゆと安吾の話もありました。


あゆはやっぱり罪悪感を抱えているようですね。
いや、彼女曰く良心の呵責か・・。

平然としているように見えますが、人の死が応えないわけないですよね。
月に見られているーという彼女の表情、ちょっと気になりました。

なんだか少し不安定になっているような・・。
これもあゆにとっては、やっぱりテストだったのかな。

教員たちがいじめのことを知らない訳ないですもんね。
あゆがどう動くか・・見られていたのではないかと思います。


恐らく予想通り、彼女はいじめっこたちとの決着をつけました。
これは合格に値するのでしょうか?

それともこれから一人で行うサバイバルこそが、彼女にとってのテストなのでしょうかー。
あゆのことも、注意して見て行きたいですね。



そして安吾と茂。
2人もなんとかあの土石流から逃れ、生き延びていました。

鷭もあれで生命力がありますね。
やっぱり医療クラスで選ばれるのは、彼しかいない気がします。


茂はここに来て、安吾に反抗する気は失せたのでしょうか。
結局彼に助けられていることに気付き、せめてお荷物にはなりたくないーという考えにシフトしたのかな。

でもこの関係やっぱり良くないですよね。

この後安吾と茂、そして涼には2つの席を巡って戦うという運命があります。
その時この関係は必ずネックになります。

安吾は話をしようと考えているようなので、急いだほうがいいですね。
小瑠璃と繭のように、何が起きるかなんてわかりません。

彼らには、ある意味保証された時間などないのですー。


このままずるずると行くのは危険です。
そうだ、それこそ鵜飼もいるし・・。

不安要素は取り除け。
あれだけ安吾はそう考えていたのだから、今こそ向きあうべきときです。

どうか、彼らは間に合いますように・・。







さて、次回は小瑠璃が繭の死を知るのでしょう。
その時、彼女はどうなるのかー。

そしてまだまだテストは続きます。
安吾と茂は大丈夫なのか。
源五郎やあゆは?

まだまだ緊迫状態が続きますね・・。

次回も楽しみです☆