前回、小瑠璃に未来を託し、死んでいった繭。
小瑠璃は彼女の元へ飛びますが、そこで彼女の死を知ることになるでしょう・・。

小瑠璃は果たしてその事実に、向き合うことができるのでしょうかー。

感想です☆





穀雨の章10 「-組曲<惑星>より火星ー」




※以下、ネタバレあり※










   <現在地>  
・春のチーム 神奈川県経ヶ岳シェルター 
花・ハル・新巻・・九州へ
・夏のAチーム ?
・夏のBチーム
 ナツ・嵐・ 蝉丸・・仙台名取富士シェルター
  その他    ・・大分県由布岳シェルター
・秋のチーム 兵庫県神戸富士シェルター





◎あらすじ◎

繭(まゆ)と小瑠璃(こるり)だー!!

モールスを見て、安吾(あんご)は叫んだ。
茂(しげる)が空を何かが飛んでいるのに気づく。
あれは・・小瑠璃ー?!

どうして離れたんだ・・
2人は光の見える方向に走った。

小瑠璃は空を飛んだ。
バランスがイマイチだが、なんとか繭のところまでは行くー
そう光を目指した彼女は、ライトが消えるのを見る。

彼女は焦った。
光がなければ、繭の元まで行けない。
何かあったのだろうか・・。

だがその時、再びライトが光った。
そして後少し、頑張れーとメッセージが来た。
小瑠璃は安堵し、苦手なランディングに切り替えるのだった。


彼女が降りる音は、安吾たちにも聞こえていた。
小瑠璃はなんとか着陸し、急いで繭の元へ駆ける。
やっと会えるー
そう思って走った彼女は、足を止めた。

崩れた岩山ー
そのがれきの下に、繭と雹(ひょう)が埋まっていたのだ。

小瑠璃・・大丈夫か?
雹の声に、彼女は彼に駆け寄る。
彼は言った。繭はさっき逝った・・と。

それを聞き、小瑠璃は気づく。
さっき一度ライトが消えた時だー!
あの後のメッセージは、雹だったのだ。

彼女は急いで繭の蘇生を始めた。
必死に心臓マッサージを行う小瑠璃。
彼女は教員たちを呼んだが、雹は先生たちは来ないと言った。

あかざたちも必死に先生を呼んでいた。
でも誰も来なかったのだという・・。

そして彼は、繭は頑張った・・と話した。
苦しかったと思うけど、もう楽になったんだ・・。

繭の手からは、ミサンガが外れていた。
それを手に取る小瑠璃に、雹は言った。
繭から伝言がある、と。

未来へ行っても頑張ってね。
小瑠璃には何だって出来るから大丈夫ー。
僕もそう思う・・雹は言った。
そして彼もまた、静かに息を引き取るのだった・・。


ー小瑠璃は呆然と、2人の姿を見つめた。
2人共、もう動かない・・
声にならない叫びが、小瑠璃の口から漏れた。
そこに、安吾と茂が到着する。

2人はそこにある光景に、言葉を失った。
小瑠璃が叫び声をあげながら、暴れる。
安吾はその体を、必死に抑えた。

繭を助けて!
ひたすら叫ぶ小瑠璃。
彼女は錯乱状態で、のばらの名を呼んだ。
のばらちゃん、繭ちゃんを助けてー

そこで、安吾は真実を告げることにした。
のばらはもういない。
彼の静かな言葉に、小瑠璃は動きを止める。
2人は向き合い、安吾は言った。

のばらはもう死んだのだ・・。
彼は赤いミサンガを渡すと、以前懲罰房に入れられたときにっ見た光景を話す。
のばらが先生たちに殺されていたこと。
家畜の臓物と一緒にされていたこと・・。

彼女だけではない。皆が今も殺されている。
だからーしっかりしろ。
安吾はそう言うと、2人に繭たちを埋めてやろう、と言った。

そのままにしていては、動物に食べられる危険がある・・。
彼は花札のヒントが自分たちを動かしバラバラにするための作戦だったのだと話し、これからは一緒にいるべきだ、と提案した。

小瑠璃は土をかけながら、揃ってしまった3本のミサンガを見つめた。
繭はこんな状態なのに、ずっと自分を励ましてくれた。
2人共最後まで、自分の心配をしてくれた。

あなたたちは、なんて強くて優しいのだろうー


埋め終わると、小瑠璃は2人に何も言わず、グライダーで飛び出した。
安吾は一人は危ないと止めたが、彼女は聞かなかった。
その後ろ姿を眺めながら、追いかけようと言った安吾に、茂は命令しないでよ、と口を開いた。

彼の態度に、戸惑う安吾。
すると茂は言った。
ようやくわかった。あの時変だったのは、のばらの死体を見たからだったのだ・・と。

安吾はうなづく。誰にも言えなかったと。
だが茂は源五郎(げんごろう)には言ったじゃないか、と迫った。
そして彼はー叫んだ。

どうして自分に相談してくれなかったのか。
一番の友達なのに、どうして源五郎の肩で泣いたのか!

安吾は僕を対等とは思っていない。
でも源五郎には思っている。
岩を登るときだって、僕にはロープを任せてくれない。
僕を信用していないんだ。

茂の口からは、次々に思いがあふれた。
成績を抜いたとき安吾がムッとしたのも、自分を下に見ているからだ・・。
彼はそう言い、同時に安吾には敵わない自分も認める。

吊り橋も山の崩落も、一人ではきっと助からなかった。
自分は安吾のおかげで生き残っているだけなんだー

そんなことはない、と安吾は言ったが、茂は首を振る。
そして安吾に見下されたまま、7人に残るのは嫌だー
そう言って、彼も一人走り去ってしまうのだった。



その頃、源五郎は動物を探しさまよっていた。
彼はその道中、鷭(ばん)に出会う。
鷭が泣いているのを見て、どうしたのかと問う源五郎。
すると彼は、先を指さした。

それを見た源五郎は、目を見張る。
そこには熊の青葉(あおば)が倒れていたのだ。

鷭が見たときには、もう死んでいたのだという。
たくさん銃で撃たれ、苦しい死に方だったと思う・・。
その言葉に、源五郎も涙を流すのだった。


一方涼(りょう)と虹子(にじこ)は、休憩を取っていた。
ふと彼らは音楽が聞こえるのに気づき、警戒態勢を取る。
曲は要(かなめ)の好きな、「火星」だった。

2人は荷物をまとめた。
どうやら高見の見物は許されないらしいー
虹子が呟く。
見ると、周りが火に巻かれていた。

そう簡単に殺せると思うなー
2人は、周りの木を切り倒し、道を開いた。
そうして火から抜け出すと、彼らは周囲を見渡した。

色んなところから、うめき声が聞こえる。
順調に減っているようだな・・。
涼は教員の無慈悲さに、悪態をつくのだった。



一方小瑠璃は、がむしゃらに空を飛んでいた。
だが途中でグライダーは折れ、彼女は川に落ちてしまう。
そこにはワニが彼女を待ち構えていた。

これも先生たちの・・。
彼女は怒りをむき出しに、ナイフで立ち向かおうとする。
だがその時、彼女は涼によって引き上げられた。

相棒はどうした?
繭のことを尋ねられ、小瑠璃は震える。
先生はどこ・・?
彼女は怒りを込めた声で、尋ねた。
その様子に、涼は何かあったことを悟る。

先生たちはどこ?ぶち殺してやる。
そう呟く彼女の目の色に、涼は本気を感じる。
面白そうだから、俺も付き合うぜー
彼はそう笑みを浮かべるのだった。

















散り散りになったメンバー。


今回は繭たちの死を経験し、皆が分裂する話でした。

安吾は皆で行動しようと思っていたのに、思惑とはまったく反対の方向に進んでしまいましたね。
ここで小瑠璃や茂と別れるのは痛いですね・・。
皆に平等に、試練は降りかかります。

小瑠璃はともかく、安吾と茂はどちらかしか生き残れないはず・・。
一人になると、その危険の可能性は増えます。
一体どうなってしまうのでしょうか・・。


ただここに来て仲間割れというのは、安吾にリーダーの素質があるかが問われているような気がします。
繭は立派に皆を導いていました。
友もいさめ、冷静に皆で力を合わせて出口を探していました。

けれども安吾にはそういう要素はないですね。
まず、皆で力を合わせようという発想がないと思います。

だから茂に見抜かれ、彼に捨てられたのですよね。
安吾はショックなようでしたが、恐らく見透かされている思いもあったのかな。
体力差などはありますが、見ている感じ茂も決してできない訳ではありません。

もっと頼りにする姿があれば、こんなことにはならなかったのではないでしょうか・・。


そろそろ、7人に選ばれる候補も見えてきた感じがあります。
涼、小瑠璃、源五郎、鷭、あゆは確実でしょう。
虹子はよく分からないんですよねー・・。
このままいくのかな?それとも涼と虹子、どちらか1人しか選ばれないのか・・。

そして安吾と茂のどちらかでしょう・・。


このメンバーを考えると、リーダーとして周りを引っ張る素質を期待されるのは、安吾と源五郎だと思います。
ただ、今の2人にその素質はまだ見えません・・。

ここでその力を発揮できないと、安吾のリタイアもあり得ると思います。
サバイバル能力にかけては涼のほうが優れていますからね。

なので、ここでの訣別は非常に痛いと思います。
安吾は早急に、茂と話をするべきですね。

前回も言いましたが、小さな不安の種を取り除かないとこういうことになるのです。
この先生き残るには、2人の仲直りが最優先でしょう。

安吾の真面目すぎる性格を、どうにか改善するチャンスでもありますね。
これが彼にとって、最大の試練となるのではないかーそう感じました。




さて、次は小瑠璃について。
彼女も辛いですね。
皆に助けられて、彼女の命は繋がれています。

それがどれだけ重荷か・・。
もうどんなに願っても、皆は戻ってこないのですからね・・。

皆の思いを受けて、彼女は未来へ行くべきでしょう。
でもそれが彼女の幸せなのか、と問われたら、それは違いますよね。

彼女の望んだ未来は、繭やのばらと行く未来だったのですから。


きっと未来に行かなければという思いと、行きたくないという思いがせめぎあってると思います。
そして一番大きいのは、繭たちを見殺しにした教員たちへの憎悪ですね。

今はやけになっているので、安易な方向に走らないといいのですが・・。
少し心配です。。


なので涼が側にいてくれるのは、なんだかんだ安心かな。
彼は教員の思惑に乗るのを嫌ってはいますが、暴走はしないでしょうから。
小瑠璃の抑止力にはなるのでは、と思います。

彼女にとっても、教員と戦うのが最後の試練となりそうですね。
そして小瑠璃を気にかけたことが、涼にとってもどんな展開につながることになるのか・・。

虹子も言っていましたが、教員は2人に高みの見物は許しませんでした。
きっとここで仕掛けてくるのではないか、と思います。

涼にとっての試練とは何なのかー
気になるところですね。



最後に、源五郎について。

今回青葉が無残な姿で死んでいるのを目の当たりにした彼。
青葉はやっぱり鵜飼の弾が当たっていたのですね・・。

人間を襲った脅威ではありますが、そうするよう仕向けたのは教員たちです。
彼もまた、被害者でしたね・・可哀想です。


源五郎にとっての試練は、やっぱり動物たちでしょうね。
生き延びるには、動物たちと戦い生き抜くことも必要です。

大事に育てた動物たちを屠り、食べることだって必要でしょう・・。


また既に動物に襲われている仲間もいます。
そのケリは、やっぱり彼がつけるべきなのではないでしょうか。


彼にとってもまた、身を切られるほどの辛い試練ですね。
でもそこを乗り越えないと、未来には行けないということなのでしょう・・。


教員の無慈悲さが、本当苦しいですね。
早くこんな地獄から解放されてほしい・・と願います。





さて、次回は小瑠璃と涼の話でしょうか。

一人になってしまった安吾と茂も気になりますね。

いつになったらこのサバイバルは終わりを迎えるのか・・。
まだまだ暗い地獄は続きそうですね。

次回も楽しみです☆