前回、それぞれに心の傷を抱え、ばらばらになった安吾たち。
そんな中小瑠璃は、繭たちへの復讐を胸に、先生たちを殺そうと動きますー。

それを見ていた涼は、どう動くのか?

感想です☆





穀雨の章11 「-組曲<惑星>より木星ー」




※以下、ネタバレあり※










   <現在地>  
・春のチーム 神奈川県経ヶ岳シェルター 
花・ハル・新巻・・九州へ
・夏のAチーム ?
・夏のBチーム
 ナツ・嵐・ 蝉丸・・仙台名取富士シェルター
  その他    ・・大分県由布岳シェルター
・秋のチーム 兵庫県神戸富士シェルター




◎あらすじ◎

小瑠璃(こるり)は飛び去り、茂(しげる)は怒って消え、繭(まゆ)は土の中ー。
一人になった安吾(あんご)は、孤独を感じたー。

一人になってみると、少しの物音でも、神経がささくれ立つ。
正念場だぞー
彼は気を引き締めるのだった。


その頃、源五郎(げんごろう)は端午(たんご)を必死に探していた。
すると彼は野営をするグループに出会った。
彼らに端午のことを尋ねると、なんと一人が喰われたという。

驚く彼に、仲間たちは育てた責任を取れ、と迫る。
あいつらもいきなり放り出されて怯えているんだー
彼のその言葉は、同じく命の危険に怯える皆には届かなかった。

あふれ出る涙をぬぐいながら、源五郎は走った。
テストなんかどうでもいい。早く見つけてやらないと。
端午、絶対にお前を殺させないー!!


一方小瑠璃は、涼(りょう)たちの元、焚火で体を乾かしていた。
着替えないと凍死すると言われても、彼女は動かなかった。
冷たいと感じるのは、生きているからだ。
繭は、もうそれを感じることもないのだろうかー

そうぼうっとしていると、見かねた涼が彼女の服をはいだ。
途端に我に返り、彼女は自分で着替えをする、と突っぱねる。
荷物は濡れていたが、衣類はビニールにくるんでいたので無事だった。
それも繭に言われて、やったことだった。

繭のことを思い出して、小瑠璃は泣く。
そんな彼女に、今日は寝て明日の朝教員たちを探そうー
涼はそう言うのだった。


そして朝ー
3人は昨日音楽が聞こえた辺りを探索することにした。
彼らは絶対に近くにいるー
虹子(にじこ)が見張りを申し出たとき、ふと潮の匂いがした。

こんなところに海がー?!
3人は驚いた。
以前実習で船を出したときは、海に出るまでかなり時間がかかったのだ。

内陸の山奥だと思い込ませたかったのかも・・虹子が言う。
本当は、島なのかもしれない、と。
ーその海の方から、「木星」が聞こえた。

要がいるー!
彼らは海に浮かぶ船から、音がするのを突き止めた。
あそこがアジトなのかもしれない。
そう言うより早く、小瑠璃が走った。

涼もそれを追おうとするが、虹子はここで待つと答えた。
彼はうなづくと、自分は確かめたいことがあるーと小瑠璃を追った。
情報を知りたい。要と話がしたい。

彼は振り回されることに辟易していた。
それにー先生を殺しても未来に行けるものなのか、興味がある・・。
涼は小瑠璃が引き付けている間に接触を試みようと動くのだった。


小瑠璃は叫びながら、船に飛び乗った。
扉をぶち破り、誰かいないかを探す。
途中で拾った斧で、彼女は船内を壊して回った。

するとー通信機から要の声がした。
どうやら彼はここにはいないようだった。

繭の事は残念だったー
要はそう言った。
辛いだろうが、彼女のことは乗り越えて、未来に行け。
繭もそれを望んでいた・・。

その言葉に、小瑠璃の血の気が引く。
やっぱり見ていたんだ・・。
彼女は震えた。
全部仕組んで、助けを呼ぶのを見ていた。
死ぬと分かっていたのにー!!

するとそこに、卯波(うなみ)が現れた。
そりゃあ未来では助けなんか来ないから、助けないさー
彼はそう言うと、風のクラスは脱落者が多いから小瑠璃が有力候補だ、と讃えた。

だが小瑠璃にはそんなことどうでも良かった。
のばらも殺したの・・?
彼女が尋ねると、卯波は直接手は下していないが・・と肯定した。

そして、安吾はその事実を知り、強くなった。
だからお前も・・と彼は言った。
それを聞いた小瑠璃は、卯波に飛びかかる。

だがーすんでのところで彼女の足元の床が抜けた。
小瑠璃はそのまま、下に落ちていくのだった。

自分たちだって男女のバランスを考えたりと、大変なんだ・・
卯波は静かになったのを見届けると、暫くそこで眠っているよう声をかけ、去っていくのだった・・。


それを陰で見ていた涼は、小瑠璃が失敗したことに舌打ちした。
卯波はパスだ。だが、自分も高見の見物では済まされない。
なら、こっちから行ってやるー
彼は動いた。

船は傾いていた。
中には火薬やガソリンが、無造作に置かれていた。
それを見やりながら、彼は地下への階段があることに気付く。

小瑠璃を先に助けるか・・
彼が足を進めた途端、床が滑った。
それに足を取られた涼は、咄嗟にハシゴに捕まるが、その瞬間ワイヤーが彼の頬を掠めた。

気づくと、下にはワイヤーが張り巡らされていた。
そこに、要の声が響いてきた。
彼は涼の無事を祝い、何人かがこのワイヤーの犠牲になったことを教えた。

涼は用心深いから、どうしようかと思っていた・・
要はそう言いながら、なぜ小瑠璃と来た、と尋ねた。
その問いに、小瑠璃はいつも食事を大盛にしてくれたからーと笑みを浮かべる涼。
そうして彼は、既に何人脱落したのかを訊いた。

それによれば、もう4分の3は死んだ、とのことだった。
残りは20人弱・・7人になるまでテストは続くという。
それを聞いた涼は、今度は要は何者なのだ、と尋ねた。

だが要はそんなことを聞いても、どうせ自分たちは死にゆく人間だから関係ないーと告げる。
教員は皆死ぬつもりなのか・・涼は考え、ならば持っている情報を全部教えてくれ、と頼む。
どうせ未来に行ったら役立たない情報なのだから・・。

するとー要の声色が変わった。
それはどうかな?
彼は言う。
涼は未来に行けるのかなー?


何だと?
その言葉に不審を感じた涼。
すると、船が揺れ出した。
涼はー息を呑んだ。

さっき足を滑らせたのはガソリン・・?
船内には火薬やガソリンがあった。
今日の満潮は何時だ?

もし潮が満ちて船の傾きが変わったらー
涼は動いた。
マズい!!

だがその彼の体を、誰かが掴んだ。
それはー貴士(たかし)だった。
卒業試験だー
彼はそう言って、襲い掛かってくる。

周りには張り巡らされたワイヤー。
時間はない。
涼に初めて焦りが浮かんだ。

マジかよー
彼はよけるのに必死だった。
体を動かす度、ワイヤーが体に食い込む。
それでもなんとか、彼は貴士の背後を抑え込んだ。


息を荒くする涼に、貴士は言う。
殺せーと。
殺さないと、また今度も自分は襲う、と。

彼は射撃の訓練では人を撃ったのだから、撃てるはずだーと言う。
だが・・涼は撃てなかった。

涼は貴士を放すと、小瑠璃を先に助ける、と動いた。
しかし小瑠璃はもう教員に確保されていた。
彼女は風のクラスの生き残りとして、7人に選ばれたのだー。

それを聞いて涼は、クラスに1人ずつ選ばれることを知る。
1人になった時点で、収容されるのだ。

貴士は去っていく。
その背中に、涼は叫んだ。
自分が貴士を殺してたら、それは加点だったのかー?!

すると貴士は、加点だ、と答えた。
そして見掛け倒しだったなーと涼に告げていくのだった。


その後、彼もすぐに船内を移動した。
船は傾き、今にもガソリンにマッチが引火しようとしていた。
爆発するー

そう思ったその時、下から虹子の声が聞こえた。
彼女はボートで、涼を助けに来たのだ。

涼が飛び降りた瞬間に、船は爆発した。
その火炎を見ながら、虹子は小瑠璃が教員たちに連れていかれたことを告げる。

そうして彼女はー涼の顔を見て、眉を上げた。
涼の顔は蒼白で、一気に百歳も老けたかのようだった。

クラスに一人ー
涼はそのことを考え続けた。
火と水のクラスから1人ずつ。
自分と安吾と茂、3人は選ばれないー

彼は傷ついた掌を見た。
おれはいつか、人を殺すんだろうかー。


















涼の試練。


今回は小瑠璃と行動した涼に、試練が襲い掛かる話でした。

小瑠璃はついに7人に選ばれましたね!
初めてですよね、選出されたの。

繭ものばらも仲間も皆失った彼女にとって、それが嬉しいことであるかは違うと思いますが、とりあえず命は保証されたので良かったのかな。。

ただ要の宣告は余りにも無慈悲。
子供たちを見捨てて死なせておいて、本当に何の気持ちも起きないのでしょうか。

それで憤っている小瑠璃に、皆のこと乗り越えて未来へ行けーって・・。
確かに皆の思いを考えたらそうすべきですが、小瑠璃がどんな気持ちなのかも理解できないのかな。

まさか選ばれて嬉しい、とでも言うと思っているのかな?
ちょっと人間の気持ちが分からな過ぎて、疑いますね。

この試練を乗り越えて、心から喜ぶメンバーは果たしているのかな・・。
少なくとも源五郎や小瑠璃、鷭は喜ばなそうだ・・。
皆、何かを乗り越えて行くことになるのだから。。

最初の1人が出て、終わりが見えてきましたね。
まだまだ試練は続いていますが、皆が何かの痛みを抱え、何かを残して行かなければならないなら・・
彼らに明るい未来など待っているのでしょうか。

まだ未来の地では見ぬ夏のAチームがどんな状態でやってくるのか・・
気になるところですね。



で、今回は涼の試練がメインでした。
虹子は見ているだけ・・本当に慎重ですね。

まったく危険な目に遭っていないのは、彼女だけじゃないかな?
彼女にとっての試練とは何になるのでしょうね・・。


さて、小瑠璃が教員に復讐するというので、面白がってついて行った涼。
彼にはいつも、結局は教員の手の内にいるという歯がゆさがありました。
だからその答えを、求めに行ったのです。

この計画の全貌。
そしてたとえば教員を殺したとしても、このサバイバルを生き延びれば未来へ行けるのかー。

彼はいつも一歩先を見ていますね。
渦中でバタバタしません。
やっぱり彼は未来に行くべき人物だと思います。


だからこそ、今回は少しの心の隙に付け込まれたのだと思います。
教員たちもそのチャンスを逃すことなく、なんと貴士自ら涼と対峙することに。

そこで彼は、自分の甘さを知ります。

貴士に殺せ、と言われ、ためらい殺せなかった涼。
銃の的は撃てても、本当に人を殺したことはなかった・・。
その現実が、彼に重くのしかかります。

殺しておけば、加点だった・・。
そう言われても、やっぱり生身の人間に手をかけることなど普通はできるはずがありません。
未来では、そこまでしなくてはいけないのか・・?

茂も以前言っていましたね。
人を撃たねばならないなら、僕は未来には行けないー。


最後に、涼には貴士から厳しい現実が突きつけられます。

7つのクラスから、1人ずつが選ばれる。
安吾、涼、茂3人が選ばれることはないー。

これ、まだ既出ではなかったのですね。
勝手に7つのクラスがあるからそこから1人ずつだと、当然のように思っていました(^^;)


この事実に、涼は2人といずれ戦わなければならない運命を知ります。
その時、自分は人を殺すことになるのかー?

それも生まれた時から一緒だったライバルたちを・・。

貴士も殺せなかったのに・・ということですね。
でもそれは、安吾にも茂にもできないと思います。

彼らにも、そこまでの覚悟はないでしょう・・。


となると、悪役を引き受けるのはやっぱり涼になる気がします。
貴士もそれを見込んで涼に向かい、彼にヒントを残していったのでしょう。。


残酷ですね・・。


これから少しずつ、7人が決まっていくのでしょう。
3人が戦う日も、もう後少しでしょう。

その時、涼はどんな決断を下すのかー
展開を揺るがす、大きな動きが起きた回でした。








さて、次回は涼と小瑠璃が終わったので、安吾たちの話に戻るのでしょうか。
源五郎も追い詰められているので、心配ですね・・。

もう4分の3が脱落し、いよいよ終わりは近づいています。
7人に残るのは、一体誰になるのか・・。

次回も楽しみです☆