前回、自分と動物との運命に決着をつけた源五郎。

一方安吾は7人に選ばれるのは、火のクラスは涼、そして水のクラスは自分と茂のどちらかだと知らされます。
彼への試練に、安吾はどう決着をつけるのでしょうかー。

いよいよクライマックスです!!





穀雨の章13 「ー流浪の民ー」



※以下、ネタバレあり※










<現在地>  
・春のチーム 神奈川県経ヶ岳シェルター 
花・ハル・新巻・・九州へ
・夏のAチーム ?
・夏のBチーム
 ナツ・嵐・ 蝉丸・・仙台名取富士シェルター
  その他    ・・大分県由布岳シェルター
・秋のチーム 兵庫県神戸富士シェルター




◎あらすじ◎

冷たい雨が、初雪に変わった。
このままでは凍死する者も出るかもしれないなー
安吾(あんご)は一人、そんなことを考えた。

生活の基盤を作りながら、彼は貴士(たかし)が言ったことをずっと考えていた。
選ばれるのは安吾か茂(しげる)の一人だけー。

彼は食事をしながら、茂のことを思う。
茂は馬鹿ではない。記憶力はすごい。
ただ、要領が悪いだけなのだ。

体力・実技は自分に劣るが、集中すれば十分に脅威になる・・。
そうしてナイフを研ぎながら、彼は考えた。

貴士は茂に7人の座を譲るか、と訊いた。
だがその選択肢は自分にはないー
改めて考えた末、それが彼が出した結論だった。

茂は譲るかもしれない。
小瑠璃(こるり)や繭(まゆ)もそうかもしれない。
だが、自分にはそれはないー。

ふと、彼は依然涼(りょう)に言われたことを思い出した。
お前はオレと同類の匂いがするー
それはこういう意味だったのか・・?
彼は一人、問いかけるのだった。



その頃、あゆは未だ動けず、同じ場所にとどまっていた。
動こうと思っても、体がなぜか動かないのだ・・
ふと、彼女は物音を聞き、テントから身を出した。

そこには、死んだいじめっこたちの荷物を漁る仲間の姿があった。
一人でいるその少年は、あゆに気付くと気まずそうに弁護する。
だがどうでもいい、とあゆは意に介さない。

するとー彼はあゆも一人であることに気付き、一緒に行動しないかと誘ってくる。
あゆは断るが、彼は2人の方が安心だろうーと彼女を無理やり押し倒した。

あゆの表情が変わる。
少年はあゆのことがずっと好きだったと言い、こんな時だから一緒に過ごそうとすがる。
そして何の経験もしないまま逝くのは嫌だーと言って、彼女に触れようとした・・

その手が彼女に触れたとき、あゆの中で何かが切れた。
馬鹿すぎる・・
彼女はそう呟くと、少年にナイフを振るった。
そして叫んだ。
馬鹿は野垂れ死ねばいいのだーと。

その剣幕に、少年は怯える。
ナイフを振り回す彼女から逃げながら、彼は足を踏み外す。
そしてそのまま、崖下に転落していくのだったー。

その姿を見つめながらも、あゆは冷静だった。
馬鹿が何人死んでも、自分のせいではない。
だから思い悩むことはないー

彼女は呟くと、荷物をまとめ、移動することにした。
そこに、もうためらいはなかった。

わたしは未来に行く。
馬鹿が全て滅んだ美しい世界に、行ってみせるー!!



一方、茂も一人、野営をしていた。
上手く火がつけられず、苦戦する茂。
そこへー目を汚して蒼白な、鵜飼(うかい)が現れる。

彼は安吾をおびき出すために、茂を利用しようと近づいていた。
そうとは知らず、茂は傷ついた彼を心配し、招き入れる。
そんな彼に、鵜飼は安吾はどこだ?と尋ねた。

知らない・・少しむくれたように答える茂。
彼は鵜飼が小瑠璃たちと行動していたことを思い出し、小瑠璃以外は皆亡くなったことを告げた。
それを聞いた鵜飼は、全部あいつのせいだ・・と呟く。

それが教員を指すと思った茂は、うなづく。
すると鵜飼は頭が痛むと言って、うずくまった。
そして、安吾に会いたい・・と彼は茂に懇願する。
そこで茂は考え、モールスを送れば安吾は気づくかも、と提案するのだった。


同じ頃、安吾も森を歩いていた。
彼は茂の姿を見つけ、足を止める。

茂のいる方は、磁石がきかない。
そう声を掛けようとした彼は、貴士の言葉を思い出す。
選ばれるのはどちらかだー

・・自分で何とかするだろう。
安吾はそう考え、口を閉じた。
その時、彼は茂の側に鵜飼がいることに気付く。

なんだ、もう違う奴を見つけたのか・・。
彼は胸にざわつきを感じ、その場を離れる。
それは、怒りに近いような感情だった。
俺じゃなくてもいいんだなー

そのまま彼は移動し、別の場所にテントを張るのだった。



移動を続けたおかげで、安吾は大体の地形を把握するようになっていた。
食料のあるポイントも押さえた。
きっと未来でもこんな生活をするんだろうな・・
そう思い少し休んでいると、彼はふと空が光るのを見た。

小瑠璃かー?!
思わず体を起こすと、そのメッセージは小瑠璃からではないが、安吾に宛てたものだった。

茂、大けが。すぐここに。鵜飼。

ーそのメッセージは、涼の目にも入っていた。
彼は面白いことになったと笑い、様子を見に行くことにする。

虹子は行かないと言い、2人はここで別れることに。
去っていく涼を見送りながら、虹子は一人息をつくのだった。
どうせ、また一人に戻るだけのこと・・。


ーモールスを送った鵜飼は、安吾の返事を見届け、準備をした。
茂は安吾には会いたくないので、隠れている、という。
彼のことは気にせず、鵜飼は安吾を出迎えた。

安吾ははやる心を押さえながら、一目散で茂の元へ向かった。
昼間声をかけていけば良かったー
彼の胸に、激しい後悔が襲う。

すると彼は、鵜飼を見つけた。
すぐさま茂の状態を聞くと、鵜飼は彼を導く。
偶然倒れているところに通りかかったんだ・・
鵜飼は道中そう言った。
それを聞いた安吾はー足を止める。

偶然?さっき一緒にいただろ?
そう問う安吾に、鵜飼は足を止める。
2人の足音を聞き、様子を見に茂が出てきた。
ー彼は怪我をしている様子はなかった。

茂・・?!
安吾が叫んだその瞬間、鵜飼が動いた。
彼は安吾を突き飛ばし、横に空いた大穴に落としたのだ。

突然のことに、安吾は全く受け身を取れなかった。
そのまま落下していく安吾。
茂は驚き、飛び出した。

鵜飼は今までの恨みを、全て叫んだ。
お前のせいで皆死んだ。自分たちは穴の中をさまよう羽目になったー
彼はそう話すと、必死に岩にしがみつく安吾の手目掛けて銃を撃った。

その弾が岩に当たり、崩れ落ちるー
安吾は深い闇の中へ、落ちていくのだった。


それを見ていた茂は、鵜飼の前に飛び出す。
安吾は何もしていないーそう叫ぶ彼に、鵜飼は荷物を置いて逃げるよう言う。
だが茂は動かなかった。
嫌だ、安吾を助けないとー!!

安吾は未来に行くんだ。
茂はそう話した。
離れて分かったが、自分で全て決めて動くのはとても怖いことだ。
でも安吾はいつもそうやって生きてきた。
そういう人が、未来に行くべきなんだー!!

その言葉を陰で聞いていた涼はうなづく。
その通りだ。
彼は持っていた火薬を鵜飼の足元に投げつけた。

その小さな爆発に、鵜飼がたじろぐ。
その隙に、茂は彼から逃げた。
パニックになった鵜飼は、そんな茂にも銃を向ける。

彼は茂のいる方に弾を撃ち続けた。
茂は森の中に逃げ込みながら、どうやったら鵜飼をまけるかを考えた。
この森は迷う。きっと今の鵜飼には、道は覚えられないだろうー

でも、僕は出来る!!
彼は鵜飼の声を聞きながら、用心深く動いた。
鵜飼は道に迷い、ぐるぐると中をさまよう・・

どこだ、茂。どこだー

彼はそう叫びながら、次第に頭を押さえてうずくまった。
頭の中では、大合唱が起きていた。
割れるように痛むー

・・そうして、彼は雪の中に倒れた。
そしてそれから、動くことはなかった・・。


鵜飼の足音はしなくなった。
茂は彼を撒いたことを確認すると、安吾の元へと戻る。
必ず助けるからー

そう決意する彼の脇腹からは、血がにじんでいた。
鵜飼の弾は、掠めていたのだー。


そしてー
安吾は暗闇を落ちながら、悲鳴をあげた。
岩を掴もうとしても、すぐにすり抜けてしまう。

彼は深い後悔に襲われていた。
あの時茂に声を掛けていればよかったー

あの瞬間生じた薄汚い感情を、俺は一生後悔するだろうー
そのまま彼は底まで落ちていくのだった。

















安吾と茂の試練。


今回はついに安吾と茂(それと涼?)の試練が始まりましたね!
いよいよ最終テストの終わりも近そうです!!


テスト自体は何日くらい経過しているのでしょうね。
いつのまにか本格的な冬の始まりのようです。


っていうか、改めてここはどこなのでしょうね?
涼の試練のときに島っぽい情報が出ていましたが、雪の降る島・・?

北海道とか北陸なのかな?
日本ではない可能性もありますが・・貴士とかに普通の生活もあるのだとしたら、そんなに遠いところではなさそうです。

この辺、テストの後に明らかになるのでしょうかね。。




さて、まずは久しぶりのあゆから。
どうもいじめっこたちを見殺しにした罪悪感からか、鬱っぽくなっているようです。

彼女はあれが試練だったのでしょうか・・?
あの後特に何かあった記載はありませんね。

でもその精神状態は、思った以上にヤバそう・・。
最後に吹っ切れたように見せていますが、全然吹っ切れてなさそう。
自分に言い聞かせて、どうにか精神保っているように見えます。

馬鹿はいなくなるべき、自分は優秀だから生き残るべきー
本当に言い聞かせていますね。

まぁ7人に選ばれたメンバーなら、くだらないことはしないでしょう。
でもだからといって、未来に希望があるかも謎ではありますが・・。

彼女にとっては、今の世界は捨てたい思いでいっぱいなのでしょう。
いじめっこたちのことも、向こうでは忘れてくらせるといいですね。。


後は今回の件で、男嫌いを発症しないかもちょっと心配。

夏のAは子孫を残すとかも使命にしているのかな・・。
卯波の言い方だとそんな感じだし、本人たちも優秀な遺伝子を残そうと考えていそう。

だとすると、彼女にとって今回のことがトラウマにならないといいですね。
美人はこういうとき大変だなぁ・・。
未来に行ったら、安吾とくっつくのかなぁと思ってたけど、ここは様子見ですねー。


・・で、たぶん彼女も7人に確定したのかな?
大分メンバーの予想が固まってきましたね。
まぁやっぱり予想通りでした。

後は虹子が残るか、かなぁ。。
彼女はどうも不思議な存在なので、まだ選ばれるかは正直半信半疑です。

優秀ではありそうだし、7人の内訳は男4:女3くらいが妥当だとは思うけど、突出したところも見られないんですよねぇ。

彼女もまた、どうなるか・・ですね。





で、今回の本筋は安吾と茂ですね!

離れてみて、初めてお互いに気付いたこともあったようで・・。

元々やっぱり仲は良かったんですよね。
ただ安吾が、茂は自分についてくるもの・・と扱ってしまったのが悪かったのです。

友達なら対等であるはずという茂の思いを大事にしなかった安吾に、果たしてリーダーの素質はあるのか。。
何度も書いていますが、ここを打破できないと未来行きは厳しいのかな、と思います。

能力的には涼の方が上ですからね。
安吾に期待されているのは、皆を統率するリーダー力だと思うのです。
それを発揮できないのでは、未来に選ばれるのは茂でもアリなのかもしれません。

だから教員たちも様子見しているのでしょう・・。
安吾がそこに気付けるか、ですね。


本来は繭がやったように、茂の良いところを活かして活躍の場を用意してやるのが最善だと思います。
安吾自身も、茂は馬鹿ではないと言っていますしね・・。

なのになぜそれができないのか・・。
まぁ小さいときからずっと一緒にいたからこその甘えなのでしょうが、教員たちがそれを見過ごすことはないでしょう。

今こそ自分と向き合い、茂と向き合うべきです!
ラスト、ピンチに陥った安吾。
これが最後のチャンスです。

茂と力を合わせ、脱出できるのかーそれが最終課題でしょう。
その結果どちらか一人は切られると思うと辛いですが、そういう局面の乗り越え方で未来に行く資質は問われるのだと思います。

選ばれるのは、安吾か茂かー。
残酷な物語なので、まだどちらもあり得るかと思います。

少年漫画なら安吾が残るところでしょうが、少女漫画ですしw
次回、結果が出るのか・・気になりますね。




さて、一方茂側からの視点も。


やっぱり安吾と一緒にいないと火も上手につけられない茂。
うん、心配・・w

そしてそんな彼に近づいたのは、なんと鵜飼!!

彼よくもってますね・・もう結構瀕死なのではないでしょうか。


頭ももう上手く働かないようで、何でもかんでも安吾のせいになってしまっているようです。
しょっぱなの衣類独り占めが、相当効いたようですね。
でもあそこでじゃぁどうしていれば良かったかというと・・安吾を責められないなぁ。。

あの場では先に気付いたものに奪われてしまっても、仕方なかったと思います。。



さて鵜飼は茂をダシにして、安吾を呼び出す作戦に出ます。
ここも茂はちょっと迂闊だなぁ・・。
仲間を疑うことはしないんでしょうね。

でも安吾と鵜飼が対面する場面に立ち会わせた彼は、そこでようやく事態を把握します。
そして・・言ったのです!

未来に行くべきは、安吾だ、とー!!


これ、胸が詰まりますね。
彼は安吾と離れて、改めて自分と向き合ったのでしょう。

そして、安吾が今まで自分の横でどう動いていたのかを知ったのです。
いつも決断し、導いてくれた。
それがどんなに勇気がいることか・・茂はそのことに気付いたのです。


このテーマ、いつも出てきますね。
結局、これが生きることの本質ということなのでしょう。

自分で考え、自分で動くー

安吾も以前そのことに気付いていましたね。
そして今回茂も、そのことに気付きました。


結局自分に責任の持てない人間は、未来ではやっていけないということなのでしょう・・。
そのことを知らせるためにこんな苛酷な試験が必要かは疑問を呈しますが、考え方は間違っていないかなーと思います。

鵜飼は全てを安吾のせいにしているので、その点でももう駄目ですね。
何があっても、自分の行動は自分が引き起こしたものだと思わなければ、極限状況では生き抜けないのです。

彼は雪山の中で生を終えましたが、最期の時まで恨みを唱えていたのでしょうか・・。
気の毒ではありましたが、茂の言うように全てが安吾のせいではなかったはずです。

そのことに思い至れなくなっていた彼に、やっぱり未来に行く資格はなかったです。
ご冥福、祈りたいと思います・・。



さて、茂に戻りますが、彼は一人で過ごしたことで、7人に選ばれるべきなのは安吾だと決断を下しました。
自分ではない、安吾が残るべきだーと。

こんな皆が自分のことで必死な時に、そういう決断を下せる彼は、決して臆病ではないと思います。
だって7人になれなかったら死ぬことだってもう分かっているのですよ?

なのに、自分ではなく安吾を未来に行かせたいと思えるー
繭に通じるものがありますね。

茂がどんな思いでその決断を下したのかと思うと、胸が詰まりました。
安吾はやっぱり自分が行こうとしか考えられなかったので、本人の言う通りどこか違うのでしょうね。

あゆや涼と同じタイプか・・。
でもそういうタイプも、やっぱり必要だと思います。


互いに自分と向き合い、その結果下した決断は安吾が未来に行くーというものでした。


彼は穴を落ちましたが、無事なのでしょうか。
大けがを負っていたら、未来への道は絶たれてしまいます・・!

茂がすぐに助けに行きましたが、果たして出られるのかもわかりません。
涼はこの状況に参戦するのかな?



いよいよ最後の試練ですね・・。
結末がどうなるのか、見守りたいと思います。

どんな結果になっても、選ばれるのは3人の内2人だけ・・。
誰かが次回は死ぬことになるのでしょう。


茂の怪我の程度も心配ですね。
一体どうなるのでしょうか・・。





さて、次回はいよいよ最後のテストでしょう。
これで7人が決まるのかな?

小瑠璃、源五郎、涼、鷭、あゆは確定かと思われます・・。
虹子についても、次回触れられるかな?

恐らくこの夏のA編も後1、2話で終了でしょう。

どんな結末を迎え、どんな思いで未来に行くのかー
心して見て行きたいと思います!

次回も楽しみです☆