前回、花の生存を知ったナツ。
彼女の中に芽生えた恋は、終わってしまうのでしょうかー。

また、彼らはまつりと合流し、牡丹たちを救出することができるのでしょうか?!

感想です☆





夏至の章4 「-想うー」




※以下、ネタバレあり※











  <現在地>  
・春のチーム 
 花・ハル・新巻・・神奈川県経ヶ岳シェルターへ
 角又     ・・兵庫県神戸富士シェルター付近
 ひばり    ・・海上
 藤子・ちさ・のび太・・不明
・夏のAチーム 龍宮シェルター付近
・夏のBチーム
 ナツ・嵐・ 蝉丸・・兵庫県神戸富士シェルター
 牡丹・まつり・ちまき・蛍  ・・兵庫県神戸富士シェルター付近の島?
 百舌      ・・兵庫県神戸富士シェルター付近 
・秋のチーム  神奈川県経ヶ岳シェルターへ





◎あらすじ◎

花(はな)も、ここに来ているー


ナツが衝撃を受けていると、そこに様子を見に嵐(あらし)がやってきた。
この手紙を渡したら、嵐は喜ぶのだろうー
ナツはそう考え、震える。
そうしたら、彼は行ってしまうー!!

ー彼女は手紙のことを、なかなか切り出せなかった。
今渡さないと・・。
そう思うが、嵐との関係が崩れるのを考えると、彼女の喉は動かなかった。
今渡さないと、隠したことになっちゃう。
でも・・!

結局、ナツは言いだすことができずに、皆で船へ戻ることとなった。
もう遅い・・見なかったことにするしかない・・。
彼女は必死に自分にそう言い聞かせる。

その時、彼女は蝉丸(せみまる)に話しかけられた。
浮かない顔をしているが、秋のチームのことが心配なのかー?
そう問われたナツは、戸惑い、浮ついた返事をしてしまう。
蝉丸はその様子に、怪訝なものを感じるのだった・・。


その後、船に戻ってからも、ナツは何度も手紙を読み返した。
文がしたためられたその紙は、恐らく「ロビンソン・クルーソー」を破ったものだった。

花だ・・。
ナツは確信を強め、胸の底から沸いてくる嫉妬に苦しむ。

恋人同士が選ばれるなんてずるい!
どうして花まで、ここに来ているのー?
どうしようもない思いと嵐への罪悪感で、彼女はふさぎ込むのだった。

その頃、ひばりは戻ってきた2人に、秋のチームの話を聞いていた。
嵐はもう彼らがどこへ行ったかは分からない。二度と会えないかもしれない・・とうつむいた。
この世界で出会うということは、本当に奇跡的なことなんだ・・彼はそう、ひばりに話した。

だからひばりと蛍(ほたる)のことも、すごいことなんだ・・。
嵐がそう言うと、ひばりはでも彼女がいるのはもっと西の方だ・・と答える。
今は風が吹かなければ、船を動かすことができない。
彼らは焦れるのだった。


それを聞いていたナツは、いたたまれなくなって2人の側を離れた。
ひばりも春のチームなのに、花とはどうして分かれたのだろう・・。
そんなことを考えながら部屋に戻ると、彼女は蝉丸に声をかけられた。

彼はナツの部屋にいた。
そしてーその手には、花の手紙が握られていた。

ひっ・・
ナツは思わず、声を漏らした。
見られた!!
彼女は体をガタガタと震わせた。

そして膝から崩れ落ちていく彼女に、蝉丸は驚きその腕を掴んだ。
それからー彼は笑った。
なかなかやるじゃないか・・
蝉丸はそう言った。彼はナツを責めるつもりではなかったのだ。

ここに来る前だったら、ナツはすぐに嵐に手紙を渡しただろうー。
蝉丸は彼女の顔を覗き込んだ。
でも今は他人のことがどうでも良くなくなった。
それは人間として深みが出たということだー

彼はそう言って、ナツの人間的成長をほめる。
だが手紙は嵐に渡してやりなー
彼はそう言い残し、ナツの元を去るのだった。



夜ー
まつりは木切れをまとめたものを浮き輪替わりに、船に向かって泳いでいた。
だがいくら泳いでも、船にはたどり着かない。
どうすれば・・彼女がそう思ったとき、木切れが分解してしまう。
支えを失った彼女は、海の中に落ちてしまうのだった。

と、その時ー
彼女の足を、誰かが掴んだ。
そしてその腕は、彼女を引き上げた。

誰かと思ったら、まつりじゃないか。
その声に、まつりは目を見開く。
助けてくれたのは、なんと百舌(もず)だったのだ。

何をしているのかを尋ねられた彼女は、すぐさま牡丹(ぼたん)たちがピンチであることを伝える。
そして助けを呼ぶために船を目指していたのだと話すと、百舌は彼の小舟で船へと向かってくれるのだった。

そしてー彼は船に向かって、手製の笛で合図を送る。
するとその音は、嵐たちに届いた。
彼らは音の所在を確かめに、甲板に出てくるのだった。

その姿に、百舌とまつりは眉を上げる。
思いがけず、夏のBチームは合流したのだった。


その後、事情を知った一行は、夜明けを待たずに動き始める。
あるだけの器具を持ち、衣類や食料を持って動けー
百舌の指示で、彼らは慌ただしく用意をした。

それから、彼らは船から小舟に乗り換え、まつりの案内で島を目指す。
途中、百舌は牡丹たちと離れてからどれくらい経つのかを、まつりに尋ねた。
大体10日くらいだ・・と答えると、彼はその間飲まず食わずか・・と考えた。

覚悟はしとけよ。
彼は皆に、そう告げるのだった。


それから昼まで移動し、彼らはついに牡丹たちのいる穴へとたどり着いた。
どうやらそこは何かの建物の残骸のようだった。
ふと、蝉丸が声をあげる。
彼はひばりが言っていた場所とはだいぶ違ったことを指摘し、彼女は嘘をついていたのだーと言及した。

嵐が止めるが、彼はやめない。
嵐はひばりを見た目で判断しすぎだ。
ひばりは蛍の心配なんかしてないんだー
2人は口論となり、揉み合った。

その様子を見て、百舌は元気だな・・と意外そうに呟く。
まつりが2人を制し、彼らは建物の上から、様子を窺うことにするのだった。

だがー声をかけても、中の3人からは返事がなかった。
姿も確認できない。
そこで、百舌は誰かをロープで降ろして確かめようーと話した。

その為には、一番軽い者が行くことになった。
ひばりが嫌だと言うので、ナツが行くことになる。
彼女は突然大役を任され、怯えながら百舌主導で穴の中へと降りるのだった。

ロープはするすると下へ降りた。
百舌に言われ、ナツは周りを窺う。
だが、牡丹たちの姿は見えないー。

戸惑う彼女を、百舌は更に降ろす。
するとーナツの目に、蛍の髪の毛が映った。

その姿は、全身を何かに覆われてしまっていた。
思わずナツは悲鳴をあげる。
彼女は更に降ろしてもらい、蛍へと近づいた。

彼女の体は、カチカチに固められていた。
更にその側には、牡丹とちまきの姿も確認できた。
生きているのかー?
ナツは恐怖で、叫ぶ。

するとそこに、穴を掘って向かっていた嵐と蝉丸が合流する。
彼らもまた、3人の姿を見て息を呑んだ。
百舌が、残念だな・・と呟く。

全員の背筋を、絶望が襲ったー
だがその時、ひばりが口を開いた。
まだ生きているー
彼女はそう言った。

その言葉に、ナツははっとする。
彼女はロープから降ろしてと叫び、嵐たちと共に道具を持って牡丹たちに向かった。

泣きながら、彼女は必死でスコップを動かすー


そうして数時間が経っただろうか。
ようやく彼らは3人を掘り起こした。
カチカチに固まった樹液のようなものを、今度は砕いていく。
百舌が脈を確認し、3人が生きていることがはっきりした。

そのまま、彼らは牡丹たちを外へと出した。
ナツはその間もただ必死に泣きながら、3人に向き合った。
その胸に、花の手紙のことはもうすっかりなくなっていたー。


その後、救出された3人は目を覚ました。
まつりが泣く中、百舌は3人が元気そうなのを見て疑問を口にする。
すると牡丹は、なんだか気持ち良かったのだ・・と話した。

そこに、嵐と蝉丸が固まった樹液を運んできた。
樹液は使えそうだから、と百舌が指示したのだった。

彼はそれを一口舐めると、甘い、と言った。
どうやらこの分泌液はカイガラムシが出すものと似ていて、糖分が含まれているようだった。

つまり、3人は体液を吸われていたのと同時に、糖分の天敵を体に受けていたのだー。
虫に助けられたのか、と彼らは笑う。

それから彼らは、体を洗うために水場に移動することになった。
するとひばりは疲れたからテントに戻る、と背を向けた。
その背中に、嵐と蛍はありがとう、と声をかける。

ひばりと蛍の間には、再会の喜びはなかった。
色々あるのだな・・嵐は去っていくひばりを見ながら、そう考えるのだった。


その時ー急に周りが騒がしくなって、嵐は振り返る。
蝉丸が悲鳴をあげる。
その先を見て、嵐もびくっとした。

なんとー牡丹が水を浴びるため、裸になったのだ。

その豊満な体を見て、蝉丸は溜まらず彼女に抱き着く。
1回だけでいいからやらせてーそう懇願する彼に、牡丹は言った。
いいけど、子供ができたとき父親になる覚悟はあるのかーと。

その言葉に、彼は手を放す。
そうして固まる蝉丸を横目に、牡丹はいい機会だから・・と口を開いた。

この世界での行為は、子供を作ることだと理解するようにーと。

彼女は話す。
男も女もよく考えること。
ここで子供を産むということは、命がけであること。
そしてこの世界で子供を育てることになるということをー。

その覚悟があるならいつでも来なさいー
牡丹の言葉に、蝉丸はしおれる。

するとー百舌が牡丹に訊いた。
子供を産んだことがあるのか?と。
牡丹の体つきは、妊娠したことのある女性の体つきだ、と彼は感じたのだ。

その質問に、牡丹はうなづいた。
彼女はここに来る前は結婚していたのだという。

だが・・彼女は妊娠はしたが、出産はしていなかった。
臨月のときに飲酒運転の車に追突され、子供は生まれてこなかったのだ・・。

その後、旦那ともうまく行かなくなって別れたと彼女は言い、この世界の良いところは酔っ払いの車がないことだ、と笑う。
彼女の旦那は再婚し、牡丹は一人この世界に来た。
それでも、彼女は言うー

最後の時、旦那と奥さんが幸せでいてくれたらいい、とー。


気が付くと、すっかり夜が更けていた。
辺りには、一面に蛍のような虫が飛び交っている。

その光景を見て、牡丹は灯篭まつりのようだ・・と呟く。
お祭りや盆踊り、懐かしい・・彼女はそう言い、踊り出す。
思いをこめたその踊りは、とても美しかった・・。

ふと、百舌が笛で祭囃子を鳴らした。
それに合わせ、ちまきも鍋を叩く。
するとまつりと蝉丸も、その踊りに加わった。

束の間の、祭りがそこにはあったー。
ナツたちはその光景を、笑みを浮かべながら見つめる。
牡丹の背中に、月が光るー


その後、皆は夜中まで踊りで盛り上がった。
そんな中、ナツの元に牡丹がやってきた。
彼女はナツが一番に助けてくれたことに礼を言い、かごを作ったりと頑張っているのね・・と笑った。

そこでーナツは思い切って牡丹に質問した。
どうして旦那さんと新しい奥さんの幸せを願えるんですか?
すると牡丹は意外だと言うように笑い、それから答えた。

嫌いになって別れたわけではないから・・。
彼女はそう言った。
ちゃんと愛していたのだ、と。

愛する人には、幸せになってほしいでしょうー

その言葉は、ナツの胸にすっと落ちた。
相手が幸せでも、自分が幸せじゃなかったら?
更に問うと、牡丹はそれにも答えた。

それでも、自分が幸せだけど相手が幸せじゃないよりはマシじゃないかー?
彼女はそう言い、ナツがちゃんと目を見て話せていることをほめる。
ちょっとは成長したんじゃない?
そう言われ、ナツは頬を赤らめるのだった。


それからーナツは動いた。
彼女は手紙を嵐に渡しに行った。

気づいた蝉丸が、自分が隠したのだーとフォローを入れる。
だが・・その言葉は嵐には届いていないようだった。

彼は立ち尽くし、目を丸くしてその手紙を見つめていた。
祭りは続く。
その中で、ナツは手紙を見つめる嵐を見つめる。

彼女は、段々心がふんわりしていくのを感じていた。
まるで猫のナッツを抱いたときの温かさだー
ナツはそう思うのだった。




















夏のBチームの再会。


いやー、今回は心がじんわりとする良い話でした!
ようやく夏のBチームが全員揃いましたね!!


いや、ラストの余韻に浸っちゃいますね・・。
昔を懐かしんでの祭り。
でも夏のBチームだと、不思議と悲壮感とか一切ないんですよね。

温かく、幸せな気分になれました。
うん、夏のBチームはやっぱり最高ですね!

百舌がここに馴染んでるのは意外な気もするけど、案外夏のBのような緩さが彼には合うのですかね。
もしかしたら、夏のAチームも夏のBと触れ合うことで、変わるのかも・・?

なんだかそんなことを感じさせる展開でしたね。



それにしても、牡丹たちが無事で本当に良かった。
一瞬かなり絶望させられましたからね。
まさかあの状態で生きているとは・・。

ひばりがいて、本当に良かったです。

彼女も悪い子ではないのですよね。
蛍とは色々ありそうですが、心から死んでほしいなんて思ってはいなかったのでしょう。

確かに場所は違うところに誘導しようとしていたのかもしれませんが、土壇場で見捨てない・・
そこに、彼女の本質を見た気がしました。


ただ・・ひばりがこのチームでこれからもやっていけるかというと、微妙ですね。
祭りにも参加していないし、これは早々に別れるかもしれないですね。

百舌がうろうろしているので、それについていくかもしれないなー・・と感じました。
蛍がいるからというのもあるけど、根本的に夏のBとはタイプが違うようにも感じます。

そしてそれを我慢するタイプでもないので、誰か一緒に行ける相手を見つけたら、お別れかな~とそんなことを感じました。


そういえば、蛍がさりげなく佐渡出身だと言っていましたね。
ということは、ひばりも同じですかね?

佐渡島・・いかにも、ご神託がありそうな感じもします。
もしかしたら、ひばりは今後はそこを目指すことにもなるのかな、と思いました。

今のところそっち方面に向かってる人はいなそうだけど、そういえばちさが北陸のほうだって言っていた気がします。
となると、春のチームはそこで全員が揃う可能性もあるかも?

まぁあくまで思っただけなので分かりませんが、角又なんかも雰囲気は合うな~とか思いましたw
春のチームの集合も、期待したいところですね。




さて、続いてはナツについて。

彼女、今回は頑張りましたねー!!

3人を必死に救おうとする姿にも感動したし、牡丹と普通に会話しているところにも成長を感じました。

いつのまにか大きい声も出せるようになって・・。
本当彼女の成長は眩しいですね。


また牡丹の話はショックでしたが、それでも彼女は強いですね。
そしてなんと美しいことか・・。

愛した相手が別の相手と幸せになっても、それでいいと思える・・。
ナツがその心境になるのはまだ時間はかかるでしょうが、そうやって生きている人がいるというのは大きな励みになりますよね。

加えて、牡丹の偽りないまっすぐな言葉が、彼女を動かしたのでしょう。
本当に良いガイドだと思います。


この先、ナツは何度も辛い思いをするでしょう。
嵐の心は、ますます花に向かっていくでしょうから。

でも彼女の周りには、真っすぐ物事を捉えられる人たちが沢山います。
彼らがいれば、ナツは昔のように引きこもらず、前を向いて歩いていけるようになるでしょう。

蝉丸といい、本当に温かいメンバーに恵まれたと思います。
っていうか最近ずっと感じてるけど、蝉丸はナツにちょっと皆とは違う感情を抱いている感じがする・・。
恋愛感情かは微妙ですが、すごく大事に思っているのが伝わってきます。

となると彼女を嵐への失恋から救うのもまた、蝉丸なのかもしれませんね。

ナツと蝉丸の恋愛とか、すごく見てみたいです・・!
実現するかは分からないけど、期待していきたいと思います!!




というわけで、次回は夏のBチームの出航でしょうか。

花がこの世界にいると分かったので、恐らく経ヶ岳シェルターを目指すことになるのでしょう。
夏のBチームの物語は、一旦ここで終わりかもしれませんね。

今度こそ、彼らは再会できるのかー
期待したいと思います!

次回も楽しみです☆