前回、乾季への対策を始めた一行。

そんな中、満月の夜に動きが。
安吾は教師たちに憎しみを募らせ、ハルと小瑠璃は夜を共に迎えますー

彼らの関係は、どう変化していくのでしょうか。

感想です☆




夏至の章14 「-歪むー」



※以下、ネタバレあり※










 <現在地>  
・春のチーム 
 花・ハル・新巻・のび太・・関東 夏のAの村
 角又・ひばり     ・・佐渡へ
 藤子・ちさ      ・・不明
・夏のAチーム 関東 夏のAの村
・夏のBチーム 海上
・秋のチーム  関東 夏のAの村





◎あらすじ◎

朝―
ハルは葉から水滴が落ちる音で目覚める。

そして目覚めた彼ははっとして、横で眠る小瑠璃(こるり)を起こした。
2人はあのまま眠ってしまい、外で一夜を過ごしてしまったのだ。

皆にバレるとまずいー
彼らは急いで戻る。
だがそんな中2人は、気持ち良かった・・と互いに話すのだった。


村では、新巻(あらまき)と源五郎(げんごろう)が目覚めて動き出していた。
源五郎は新巻が犬たちを散歩させるのを見て、怪我が治ってきたことを喜んだ。
彼は眠れなくて、ぐりとぐらを見ていたのだ・・と話す。

それからふと思い至り、彼は他の冬のメンバーはどうしたのか、と尋ねた。
その問いに、新巻は自分以外虎に襲われて死んだのだ・・と伝える。
すると源五郎は虎がいることに驚きを表すのだった。

更に虎は北海道にいたと聞いた彼は、熊もいたか?と問う。
だが新巻は熊は見ていない、と答えた。
熊はいないが、本州にはいないような動物がいっぱいいたー
彼の話を聞き、源五郎は行ってみたいなーと呟く。

それを聞いた新巻は、源五郎は動物が好きなのだ、と思う。
彼は犬たちが怪我をしたときも、血も気にせず抱き上げた。
それはなかなかできないことだと思うー
そう言うと、源五郎の目は曇った。

動物を好きだなんて言う資格、自分にはない・・。
彼はそう言って去ろうとした。
だが新巻はその背中に言う。

動物を好きになるのに、資格なんていらないー

源五郎はそれには答えず、行ってしまうのだった。


そこに、花(はな)がやってくる。
彼女はハルの姿が見えない、と探していた。
朔也(さくや)によれば、夜中からいなかったらしいのだ。

すると反対側から安吾(あんご)もやってきた。
彼は小瑠璃を知らないかーと2人に尋ねた。
その顔は、真っ青だー

と、そこにハルと小瑠璃が駆け込んできた。
その姿を見た安吾は、血相を変える。

彼は小瑠璃に事情を訊いた。
そして2人が夜通し一緒だったと知ると、いきなりハルを殴り飛ばした。

小瑠璃に近寄るなと言ったはずだー!!
その剣幕に犬たちは吠え、花はすぐにハルの元へ駆ける。
そしてー小瑠璃が2人の間に入った。

彼女はハルをかばうと言った。
ハルは悪くない。自分が行くと言ったのだ、と。

その言葉に、安吾は目を見開く。
その瞳を、小瑠璃はしっかりと見つめた。
確かに黙って出ていって、心配をかけたのは悪かった・・。

彼女がそう言うと、安吾はそういうことじゃない・・と拳を震わせる。
すると小瑠璃は彼に近づいた。
じゃあなぜそんなに怒っているの?

彼女は言うー
どうしてハルと仲良くなったら駄目なの?どうして安吾がそれを決めるのー?

ーそれを聞いた安吾は、それ以上は言わなかった。
いつのまにか涼(りょう)も来て、一部始終を見ていた。
安吾は話を終え、食事の後に水場を確認しに行くから、ハルも来て少しは働けーと言い捨てる。
そうして彼は行ってしまうのだった。


ハルが行くなら、あたしも行こうー
騒ぎが収まり、花はハルの介抱に当たった。

安吾の尋常ではない様子に、彼女は汗を浮かべた。
ハルを彼に近づかせないようにしないとー

すると小瑠璃がごめん、と謝った。
彼女は安吾は本当は優しい人なんだ・・と呟く。

それを聞いた涼は、安吾はお前を心配しているんだ、と釘を差していく。
それからハルを一蹴りすると、彼もまた行ってしまうのだった。

そんな2人の様子を見ていた新巻は、小瑠璃に2人は保護者のつもりか?と問う。
花も2人に普通の感情があることはいいことだ、と考えた。
仲間がよそ者と仲良くなるのが気にくわないのだろう・・と。

だが手を出すのが早すぎるのは脅威だ。
彼女はハルを守ろうと思い、まさか小瑠璃と逢引きしていたとはーと軽口を叩いた。

するとハルは、そんなんじゃないから茶化さないで、と真面目な顔で返した。
その言葉に、花はハルの本気の思いを感じ、謝る。
同時に、彼女は寂しさを感じるのだった・・。


食事の後、乾季に備えて遠くの水場を見に行くこととなった。
メンバーは安吾、涼、虹子(にじこ)、花、ハル、新巻、蘭(らん)。
乾季にはどこが干上がるか分からない。遠くても、水を引かなければならない可能性もあるのだ。

彼らは10㎞圏内になる湖をいくつか見て回ることにした。
歩きながら、蘭はふと気になって質問をする。
そういえば夏のAのガイドはどうしたのか?と。

安吾はガイドは元からいない、と答えた。
そこで今度は新巻が話を振る。
彼は夏のAは野球はしないのか?と訊いた。

するとー安吾は彼を睨んだ。
野球やサッカーなんて生きるのに必要ない。
あれは暇人のすることだ、と。
それを聞いた新巻は、生きるのに必要な人もいるのに・・と苦笑するのだった。

その時、ハルが口を開いた。
夏のAには趣味とかないのー?
どこか突っかかった口調に、花はどきっとする。

暇な人がするものというなら、どうして戦時下にピアノを弾くのだ。
飢え死にしながらも絵を描くのだ。
全て人として生きていくためじゃないかー

彼の言葉に、皆黙る。
そういうことが分からないから、すぐ暴力に走るんだよ・・。
彼はそう言い切るのだった。

花は安吾の様子を窺う。
ー彼の顔は、真っ白だった。
今も銃を持っているかもしれない・・
花はぞっとし、ハルをかばう。

だが彼は何も言わず、そのまま歩くのだった。
それを見て、花も息をつく・・。

ハル、真っ向勝負だー
いつもどこか斜めってたのに、かっこいいじゃん。
彼女はそれが小瑠璃(こるり)のおかげなのだ・・と少し寂しく思った。

でも素直になれる人がいたら、離しちゃだめだよ・・。
花は彼にそう話すのだった。


1つ目の湖は、駄目だった。
水が急激に減っているので、乾季には干上がってしまうだろう。
彼らはすぐに次を目指した。

2つ目は、既に泥沼化していた。
ここもだめか・・安吾は周囲を歩く。
すると彼は泥に足を取られた。
底は深い・・涼は彼に注意を促すのだった。

そこで、暫く休憩を取ることにした。
これ以上遠くでは水を引けない・・。
結果として、彼らは溜池を作る方向にシフトすることとなった。

そんな中、ハルは楽器になるようなものを物色していた。
そうして沼に近づいたときー
彼は突然誰かに背後から殴られる。

一方蘭は虹子に訊いた。
それで本当は、ガイドをどうしたのー?

すると涼が答えた。
決まってるだろ、殺したのさ・・。


そこに、木切れを拾っていた安吾が合流する。
更に花が走ってきた。
彼女はハルの姿が見えないと言い、彼らに尋ねた。
だが2人共知らないと言う。

そこで花は一人ハルを探しに行こうとした。
だがーその時、彼女は嫌な予感がして立ち止まった。

・・どうして思わないんだろう。
彼女は考えた。
また小瑠璃と会っているって、どうして思わないんだろうー

その瞬間、背中を寒いものが走り抜けた。
花は安吾に、ハルをどうしたのか問うた。
彼女の焦りに新巻も反応し、2人はすぐに沼へと駆けた。

2人は周囲を探した。
だが沼は濁り、中がよく見えない。
焦ったその時ー花はふと音を聞いた気がした。

何かを叩くような音ー
2人は耳を澄まし、音のする方へと走る。
するとー木を叩き合わせる2つの手が、彼らの目に映った。

ハルー!!

彼女はすぐさま自分にロープをつなぎ、新巻にそれを渡して自分が沼へと入った。
騒ぎを聞きつけた皆も合流し、ようやくハルは救い出されるのだった。


誰かに突然殴られた・・。
泥を吐きながら、ハルは言った。

それを聞いた安吾は、何か危険な動物がいるのかもしれないな、と返す。
その言葉に、花は怒りをたぎらせた。

危険なのは、あんただろー

そうして・・彼女はナイフを取り出した。
涼が眉を動かす。
花は真っすぐ安吾に対峙した。

ハルに手を出さないで。銃をしまって。
彼女は震えながら話す。
だが安吾は自分は何もしていない、と言うばかりだ。

新巻が止めに入る。
だがそれより先に、涼が口を開いた。
彼は花に言った。
持っているナイフを見せろーと。

彼は言う。
前からそのナイフが気になっていた、と。
自分たちのナイフは特注だが、花が持っているのは同じものに見える。
涼は花に詰め寄った。
どうしてお前が同じものを持っている?

そこで花はその剣幕に怯えながらも、これは自分のものではない、と答える。
このナイフは父が使っていたものだー
彼女はそう伝えるのだった。




















暗雲。

今回はハルと小瑠璃の一件から、一気に安吾と涼との雲行きが悪くなる回でした。

ちょっとハルの件はさすがに笑えませんね。
少し遅れていれば、彼も死んでいたかもしれません。
そこまでやるのは、やりすぎです・・。

ただ、これは安吾じゃなくて涼がやったのでは?と個人的には思いました。
安吾は木切れを抱えていましたからね。
普通に作業していたのではないでしょうか。

逆に涼は手ぶらで戻ってきましたからね。
彼が安吾のために、ハルを殺そうとしたーと考える方が近い気がします。

朝の一件も、彼は見ていましたしね。
安吾がおかしくなる前に、手を打った感じかなーと思いました。


でもそうなると、涼の思考回路もかなり怖いですね。
元々他のチームを管理しようと言ったのも彼でしたし、やっぱり彼も最終テストで精神が少しおかしくなっているようです。

これ以上危険なことをしないといいのですが・・。
命に関わることは、いくら法がない世界とはいえ、倫理的にアウトです。
彼らのためにも、皆から孤立しないようこれ以上のトラブルは控えてほしいですね。




ただ・・ついに涼が花のナイフの件に触れてしまいましたね。
そろそろだとは思っていたけど、やっぱりこの展開は緊張しますね。

蘭がどう出るのかも気になります。
写真を見せるのかな・・。
大分花とも打ち解けたと思うので、彼女の動きはちょっと予想つかないですね。


個人的には写真のことは内緒にしておいてほしいけど、難しいのかなー・・。
でも花は写真を見たら、二重にショックを受けることになりますよね。

両親の本当の顔、そして両親が確実に死んでいることを知ることになるのですから・・。

皆どこかで理解しながらも、でももしかしたら生きているかも・・という気持ちでいます。
けれど写真を見て、その写真がシェルターにあったと知ったら、あの日記の貴士が父親の貴士だと結びついてしまいます。

そうなると母が溺死したことも知ってしまいますね・・。
それは余りにも酷な知り方ではないでしょうか・・。


そして、彼女の場合は嵐のこともあります。
花の恋人まで入っているなんて知れたら、夏のAは勿論ですが、皆はどう思うでしょうかー。

前回の話を考えると、新巻だってどう思うかは分かりませんね。
ずるい・・と思うのでしょうか。


ああ、そう考えると花が可哀想でなりませんね。
どうして貴士は彼女に色々伝えていかなかったんだ・・。

何回も言ってますが、余りに無責任すぎますよね。
親子である事実が明らかになったとき、娘がどういう目に遭うか、考えなかったのでしょうか。

要がいるから、嵐がいるから大丈夫?
そんな訳ありませんよね。


本当この展開は花には気の毒すぎます。
次回は修羅場でしょうかー。
安吾たちが手を出さないといいのですが。。




さて、最後にハルと小瑠璃について。

今回で、ハルが本気で小瑠璃のことを思っていることが分かりましたね!
本当一気に大人びちゃって、なんだか愛らしいです。

小瑠璃も恋愛感情まではまだ行かないかもしれないけど、ハルのことは確実に大事に思っていますよね。
一晩一緒に眠れたのだって、今の夏のAの状態からしたら奇跡みたいなものです。

それほどに、彼の存在が小瑠璃にとって心地いいものなのでしょうね。


この2人の関係は、今後夏のAに変化をもたらしそうですね。
安吾と涼の抑止力につながるといいな、と思います。

そう考えると今回のことは、逆に風穴を開けるには良かったのかもしれません。
小瑠璃が2人を見る目が変わり、今の流れが破綻するかもしれませんから・・。


暴力では何も解決しない。憎しみしか生まない。
安吾たちだって、小瑠璃たち夏のAの仲間にそう言われたら聞く耳持つかもしれません。

折角生まれた縁なのですから、つなげていきたいですよねー。

そのためにも、ハルと小瑠璃の関係は大事だと思います。
ゆっくりと育んでいけるといいですね。





さて、次回はいよいよ花と貴士の関係が明らかになるのでしょうか。

その時、夏のAは、秋は、そして新巻はどんな反応を見せるのかー

そのことを思うと胸がドキドキしますね。
真実は、安吾たちを怒りに掻き立てるでしょうー
その時、何が起きるのでしょうか。

次回も楽しみです☆