今回から15巻です!

前回、花のナイフに触れた涼。

いよいよ貴士と花の関係が、明るみに出てしまうのでしょうかー。

感想です☆




夏至の章15 「-解るー」





※以下、ネタバレあり※










  <現在地>  
・春のチーム 
 花・ハル・新巻・のび太・・関東 夏のAの村
 角又・ひばり     ・・佐渡へ
 藤子・ちさ      ・・不明
・夏のAチーム 関東 夏のAの村
・夏のBチーム 海上
・秋のチーム  関東 夏のAの村




◎あらすじ◎

このナイフは、父が持っていたものだー
花(はな)は涼(りょう)にそう話した。

彼女はハルの件を反らされまい、と強気で挑む。
この世界では、見知らぬ強盗や殺人犯なんて滅多にいない。
もし何か起きたら、必ず犯人は近くにいるのだー

花は安吾(あんご)を睨む。
それはあんただ!!

だが、涼は再び2人の間に割って入った。
彼は確かめたいことがあると言い、安吾に銃をしまうように言った。
そしてー彼は安吾のナイフを借りると、花の持っているものと見比べた。

・・ナイフは全く同じものだった。
ただ花のものの方が、年季が入っていた。

特注のはずなのに、マークまで一緒・・?
花は訝しく思う。
そんなはずはない・・。
あのナイフは同じものは売っていない、と父は言っていた。
欲しくて探したが、そのメーカーのものは見当たらなかったのだ。

涼はそれを確認すると、花を見据える。
花、お前の父親は何者だー?


その問いに、花は戸惑った。
だが涼は続ける。
彼は初めの頃から、花に対して違和感を持っていた。

未熟ではあるが、多少訓練を積んでいる。
危険を察知すると、人より一歩前に出る。
自分たちが武器を持っていようが、平気で突っかかってくる。

お前は何だ・・?

-その問いに、皆沈黙した。
ふと、虹子(にじこ)が口を開く。
涼、もしかして花が死神だと思っているー?

その言葉に、皆は反応する。
だが花は必死に訴えた。
自分はただの高校生だ。死神なんて知らないし、何者でもない。

わたしは末黒野花(すぐろのはな)だー

すると虹子が眉を上げた。
末黒野?
彼女は花に、父親の名前を訊く。

父の名は、貴士(たかし)だー。
そう花が答えると、涼も目を見開く。
事情を理解できない安吾に、虹子は説明した。

貴士先生の本名は、末黒野貴士(すぐろのたかし)というのだ、と。

それを聞いた安吾の、動きが止まる。
貴士先生の娘・・?
安吾と涼の顔から、血の気が引くー


貴士先生・・。
安吾はうつろな表情で呟いた。

父を知っているのか・・?
花は戸惑った。
だが父は先生ではない。公務員だった。
山登りが趣味だが、格闘技なんて全然やらない。

安吾が貴士のことを話す。
だがそのどれも、花にはぴんと来なかった。
父はくそ真面目で、ふざけたりなんて一切しない人だー

けれども、安吾には確信があった。
それは、彼の言葉を思い出したからだった。

来年、子供が生まれるー

その言葉から、17年は経っているのだ・・。



ー夏のAの3人は、花を見つめた。
虹子が話した。
貴士は自分たちの施設に、教師としていた。
そしてこの7SEEDS計画のメインスタッフの一人だったのだ、と。

それを聞いた花は、困惑する。
そんなはずがない。父はただの公務員だ。
毎日役所に通っていたー

すると、蘭(らん)が動いた。
彼女はポケットから写真を取り出し、皆の前に出した。
この人のことー?

その写真を見た花は、目を見開く。
彼女は蘭の手から、写真をひったくった。
ー写っていたのは、確かに花たち家族3人だった。

龍宮シェルターにあったのだ、と蘭は言う。
3人も写っているのが貴士だと確認した。
マークの日記にっも貴士の描写はあったのだから、おかしいこともない。

だがー花は写真を見て、動けなくなった。
その写真には、確かに見覚えがあったのだ。
最後に3人で旅行した時に撮ったのだ。

これが龍宮にあった・・?

呆然とする彼女に、安吾は言葉をぶつける。
貴士は面白がっていた。
自分たちを騙し、いたぶった。
穴から落とし、ロープを切り、俺たちに茂(しげる)を殺させるように仕組んだー

彼は花の反応がないのに苛立ち、彼女の首元を掴んだ。
貴士は自分たちに言った。

これから生まれる子供は、君たちの年までしか生きられない。
僕はちょっと、君たちが憎いのかもしれないなー

それなのに、テストもせず、お前を入れたんだ!!
安吾は叫んだ。
自分の子供だから入れた。
俺たちのように、茂のように、あの山を歩かせることなく入れたのかー!!

彼は花を突き飛ばし、息をついた。
その目に、涙が浮かび、流れる。
汚い・・。
彼は呟いた。

汚いー・・


そう言い、安吾は泣いた。
その姿を呆然と見つめながら、花は考える。

安吾は何を言っているのだろう。
父は休みの日はパソコンの前か山歩きに行くだけの公務員で、母は習い事が好きな主婦だった。
龍宮の貴士とは、イメージがまるで合わない。

大体彼は、シェルターの責任者で、マーク達を選んだ人だ。
そして・・彼女は震えた。
大勢の人を殺した人だー

要(かなめ)は知ってる?

ふと、花は虹子に声をかけられて、正気に戻った。
虹子は百舌戸要(もずのとかなめ)を知っているか、と彼女に訊いた。

要・・?
花は考え、首を振った。
知らない・・。

だが彼女は何かが引っかかり、考えた。
かなめ、かなめ・・

そして彼女は思い至る。
・・めーちゃん?

その呟きに、虹子と涼は反応した。
貴士と仲が良かったから知っているのだな。
2人は言った。
彼も首謀者の一人ーいや、貴士より大物かもしれなかった、と。

それを聞いた花は、思考を巡らす。
めーちゃん。
確かにいた。すごく小さいときだけだが、彼はいた。
今まで忘れていたが、彼と貴士は一緒にいたのだー


その様子を見ていた新巻(あらまき)は、蘭に近づく。
一体どういうつもりだ、と彼は蘭に問うた。
シェルターで写真を見つけたのなら、すぐに渡してあげればよかったのに・・。

すると蘭は、様子を見ていたのだ、と返した。
そして彼女は花に歩み寄った。

花、あなたのお父さんは、予想より大物だったみたいねー

彼女はそう言いながら、花を見据えた。
私たちを選んでここに投げ入れたのも、あなたのお父さんなのかしらー?

・・その言葉に、皆黙り込む。
安吾が熱っぽい、と涼が言った。
それを機に、彼らはようやく動き出す。

花はー安吾がすごい形相で睨んでいるのを、見たー。


彼らは来た道を戻った。
雨の降り方が変わった、と新巻が呟く。
その内一滴も降らなくなる・・彼は乾季の到来を危惧した。

ハルが安吾に言う。
うやむやになったけど、今度自分を襲うときは、正面から撃つようにしろーと。
自分は逃げないし、悔い改めたりもしない、と。

だが新巻は今の安吾ならやりかねないーとハルを制す。
安吾はその言葉に眉を動かすが、涼がそれを止めた。

死神の件についても、後で詳しく聞きたいものだ・・
蘭が虹子に言った。

花は・・足が重かった。
彼女はまだ信じられない気持ちもあったが、どこかで本当のことなんだろうーと納得もしていた。

要のことを言われたとき、彼女は理解したのだ。
夏のAは本当のことを言っているのだろう。
あの写真だって、撮ったときのことを覚えている。
全てー事実なのだ。

そう思い、花は泣いた。
一つ、はっきりしたことがある。
自分はマークの日記を読んだとき、両親の最期を見ていたんだー

涙は次々こぼれる。
本当は、どこかで生きているのではないかと期待していた。

でももう違う。
両親は本当に、本当に亡くなっていたのだー



ー涼は、歩きながら貴士のことを思い返していた。
彼は最終テストの時、自分に言った。

だからあの時僕を殺しておけば良かったんだ。
向こうへ行ったら、そういう判断を間違うなよー

ああ、間違わないようにするよー
彼は一人、そう呟くのだった。



















7SEEDS計画の真実。


今回は辛い展開でしたね。
終始息苦しく、読むのがキツかったです。


やっぱり貴士のことが皆に明らかとなってしまいましたね。
夏のAは当然として、誰一人花をかばおうとしない状況に、事態の深刻さを感じました。

まぁそうなりますよね。
花が悪い訳ではないけれど、彼女が選ばれた基準や恋人も一緒に選ばれていることを考えたら、汚い・・とは誰しも思いますよね。

わたしも貴士のやり方は余りにむごい・・と感じました。


安吾や涼にあんなことを言っておいて、しれっと娘とその恋人を計画に入れているんだもんなぁ。
これはちょっと見過ごせないですよね。

蘭だって、花のことが嫌いとかではないと思うのです。
でも、ここに自分を送った人間に対しては、許せないという気持ちが先行してしまったのでしょう。

花の様子を見たら、彼女が知らずに来ていることは分かったでしょう。
では、今後どんな対応をしていくのかー?

そこが重要ですね。
皆どう思い、花にどう接するのか。
とても気になります。


珍しくハルも新巻も彼女をフォローしなかったので、やっぱりショックを受けているのでしょうね。
特に新巻は、気持ちの整理がつかないのでしょう。

彼もまた、ここに送った人間を恨んでいますから・・。

彼らが選ばなければ、冬のチームはあんな凄惨な死に方をしなくても良かったのです。
そのことを思ったら、いくら花とはいえすぐに味方になることはできなかったのでしょう。

仕方のないことです。


でも花にしたら、誰もかばってくれず、辛かったでしょうね。
本当に可哀想でした。

前回も危惧しましたが、貴士のことを知るということは、両親の死も知るということですからね。
二重に彼女は辛い思いをしなければならなかったのです。


生きている望みは薄いとはいえ、死を確認できなければ、生きていると思うこともできますよね。
でも花にはもうその望みはないのです。

両親はシェルターで死んでいたのです。
この状況でそれも知ることになった彼女を思うと、胸が締め付けられます。

嵐が側にいてくれれば・・。
こんなに思うことはありませんでした。

今後も彼女には辛い状況が続くでしょう。
その時、一人でも彼女の側にいてくれる人がいればいいのですが・・。


そして花自身も、この夏のAとの因縁にどう向き合っていくのでしょうね。
彼女は何も知らなかったし、父親のしたことです。
責任を取る義務はないでしょう。

でも安吾たちはきっとそれを許しませんよね。
死ぬまで償わせようとするでしょう。


いよいよ対立が深まったと思います。
花は父のしたことをどう受け止め、どう動くのかー

辛いですが、見守りたいと思います。




さて、次は安吾たちの視点から。


彼らも今回は衝撃が大きすぎて、可哀想でしたね。

気持ちの整理がつかないのも当然でしょう。

教師たちのしたことを思ったら、汚いという感想は正常だと思います。


ただ、親がしたことの責任を子供に求めるのは違うと思います。
そんなことをしたら、永遠に苦しみ・恨みは続くことになります。

誰も幸せになることが、出来なくなってしまうのですー。


気持ち的には許せないのは分かります。
でも花を見れば、彼女もまた知らずに送り込まれた被害者なのだということが分かるでしょう。

憎むべきはあくまで教師たちであって、花ではありません。

安吾と涼にはそのことを理解してもらいたいですね。


それにしても、安吾はこんなに感情むき出しでいて、大丈夫でしょうか。
リーダ―を期待されてきたのに、誰より不安定で見ていて怖いです。

今回も一番騒いでいましたし、いよいよ精神状態の心配をしたほうがいいと思います。
夏のAも自分たちのことに必死なのはわかるけど、さすがに安吾の様子がおかしすぎるのには気付いてもいいのになー。
特に鷭とか。


このままでは、憎しみ恨みのあまり、一線を越えかねません。
すでに十六夜が死んでいるのに、これ以上殺し合いなんかになったら、この世界は崩壊ですよ?

どうかそうならないよう、こんな時こそ皆が力を合わせて乗り越えられるといいですね。

時間は必要です。
だからこそ、短絡的な行動に走らないことを願います・・。






さて、次回は貴士のことが明らかとなり、花が皆にどう扱われるか・・ですね。

秋のチームも、この調子だと穏やかではなさそうです。
春は大丈夫かな、と思うけど、新巻もどう出るのか・・。


花にはまだまだ辛い日々が続きそうですね。
これ以上安吾と揉めないといいのですが。。

次回も楽しみです☆