前回、ついに安吾を本気で怒らせてしまった花。

怒りに我を忘れた安吾は、花に向かいますー。
一体どうなってしまうのでしょうか。

感想です☆




夏至の章17 「-守るー」




※以下、ネタバレあり※












 <現在地>  
・春のチーム 
 花・ハル・新巻・のび太・・関東 夏のAの村
 角又・ひばり     ・・佐渡へ
 藤子・ちさ      ・・不明
・夏のAチーム 関東 夏のAの村
・夏のBチーム 海上
・秋のチーム  関東 夏のAの村




◎あらすじ◎

安吾(安吾)が離れの扉を閉めた。
殺されるー!!
花(はな)は恐怖に青ざめた。

彼の顔は、尋常じゃなかった。
その手から、彼女は逃れようと動いた。
その瞬間、安吾は花の上着を引っ張った。
ボタンが飛び、下着が露わになるー

その上着を、安吾は剥いだ。
そこで花は気づく。

・・そっちかよー!!

花は必死で抵抗した。
何を血迷っているのだ。私のことを嫌いなはずなのに。
だがいくら叫んでも、安吾はその手を止めなかった。
彼は半ば強引にズボンも剥ぎ取る。

何よ、これー。
花は声にならない叫びをあげ、必死に頭を巡らせた。
なんでこんなことになっているのだ。
なんでこいつに・・

花は叫んだ。
嵐(あらし)!!

彼女は元の世界で不良たちに絡まれ、暴行されそうになったことを思い出す。
あの時は嵐が来てくれた。助けてくれた。
でも今はいない。

いないのにー・・

安吾が花の上にのしかかった。
父親を恨めよー
彼はそう言って、下着に手をかける。

花はそれでも抵抗しながら、言った。
こんなことであたしが傷つくと思うなよ。
こんなことで支配できると思うなー


その時、あゆが入ってきた。
彼女は2人の姿を見て、目を見張る。
涼(りょう)に安吾が花を殺さないか見てこいと言われたが、そんな心配はいらないようねー

彼女は冷たい声でそう言った。
その隙に、花は着衣を整え、飛び出していく。
その場には、安吾とあゆだけが残る形となった・・。

あなたが女を痛めつける方法を知っていたとは・・。
あゆはそう言い、彼に軽蔑の目を向けた。
薄汚いおっさんにならないで。殺したくなるから。

彼女は背を向ける。
その腕を引っ張ると、安吾はあゆに無理やりキスした。
そうして彼もまた、飛び出して行くのだった。


花は少し離れたところまで、走った。
シャツのボタンは2つなくなっていた。
後で取りに行かなきゃ・・
そう呟きながら、彼女は泣いた。

大丈夫、何もされていない。
花は自分にそう言い聞かせ、慰めた。
何もされていないー

一方涼は、花が飛び出し、その後に安吾とあゆが別々に離れを出てくるのを見ていた。
彼は何かあったのを察し、息をつくー

少し落ち着いた花は、一人休んでいた。
彼女は嵐を思い出した。

あの暴行されそうになった時、嵐は自分に構わず男たちに向かってくれた。
嵐に傷がつくからやめてー
彼女がそう言うと、嵐は真っすぐ返したのだ。
花が無事なら、俺は傷つかない。
だから花もこんな奴らのせいで傷つくなー

今、抱きしめてほしいー
花はそのことを思い出し、泣いた。
抱きしめてくれるその腕を求めて・・。


ーその後、学校では2人はやりすぎだ、と教師に怒られた。
相手は全治一か月の怪我をした者もいた。
ここまでやっては、嵐の水泳生命は断たれる・・教師はそれを一番心配した。

そして花があんな連中と関わるから・・教師はそうため息をついた。
だが嵐はそれを否定した。
ナイフを出したのは向こうだから、自分は悪くない。
花は被害者だ、何の落ち度もない、と。

だから自分は処分を受けても反省もしないし、花も悪く思わなくていいー
その言葉に、花は彼の手を強く握った。

と、そこへ呼び出しを受けた貴士(たかし)と美帆(みほ)がやってきた。
2人は花が無事なのを確認すると、嵐に礼を言った。

そしてー貴士は嵐の健闘を称えた。
その後、なぜか嵐は特段の処分も受けず、水泳部のほうも何の咎めもなかった。
花は父が何かしたのかと思い尋ねたが、貴士は何も・・とそれを否定した。

その代わりに、と彼は花に話した。
正義感や使命感が強いのは良いことだが、自分に火の粉が降りかからないようにしろ。
賢くなれ、自分の身を守るんだー

その時は、花は説教だ、とその言葉を深くは受け止めなかった。
だが思い出せば、あの時父は言ったのだ。
青田嵐(あおたあらし)・・青嵐か、と。


思えば、あの時父は嵐をこの計画に入れようと考えたのかもしれない。
花はふと考えた。
だが同時に彼女は父に注意されたことを全く生かせなかった自分に、嫌悪を感じた。

自分に火の粉が降りかからないようにしろー

全然できてないよ・・彼女は涙を拭った。
でも火の粉の元は、父だー

嵐がいないのに、父のことで夏のAに責められているのだ・・。

その時、新巻(あらまき)の呼びかける声で、彼女ははっと顔をあげた。
彼は木の上で一人でいる彼女を心配して、やってきてくれたのだ。

どうかした?
そう訊かれて、花は言葉をなくす。
抱きしめてほしい。抱きしめてほしい。
でも抱きしめてくれるその腕を・・この人に求めてはいけないー

自分の弱みにつけこむな、しっかり自分で立て。
彼女はそう自分を奮い立たせ、笑ってみせる。
安吾がいじわるで辛いのだーと。

すると新巻は、明日ではなく今日立とうかーと言った。
そこで彼女は準備を始めた。
今度は安吾たちに見つからないように、と慎重に・・。

その時、くるみが花が怪我をしていることに気付いた。
彼女は手当をしてくれた。
そして言った。
少しは落ち着いた・・?と。

くるみは花が両親の死を知りショックを受けているのではないか、と心配し、そっとしておこうと思ったと話す。
その言葉に、茜(あかね)もうなづいた。

そこで花は、自分がずるいと怒っているのではないのか?と訊いてみる。
すると2人は笑い、そんなことは全然ないと言った。
むしろ羨ましいーと。

他のメンバーは、両親がどうなったかを知らない。
かといって、生きている望みもない。
そんな状況の中、家族で写っている写真があって、両親の最期の様子を知れた花が羨ましい、良かったね・・と2人はほほ笑むのだった。

良かった・・のかな・・。
その考えは、花にはないものだった。
彼女が考えていると、他のメンバーも話に加わった。

壮絶だっただろうなぁ・・。
刈田(かりた)はそう息をついた。
自分たちの親はある日突然事情を知らされ、決断したのだろう。
でも花の両親は、産まれたときからこうなることを知っていたのだー

それは壮絶だ。
彼はそう話した。
朔也(さくや)もうなづき、どっちが幸せだったのだろう、と疑問を口にする。
すると、秋ヲ(あきを)が言った。

どっちも幸せだったさー

自分たちの子供が未来で生きると信じたのだから、幸せだったさ。
彼がそう言うと、くるみもお腹をなでた。
自分も、この子には未来までずっと長生きしてほしいと思うー
彼女はそうほほ笑んだ。

だから元気を出して。
そう言って、皆仕事に戻ることにした。
その姿を眺めていた花に、秋ヲが言う。

蘭(らん)の恨み言は気にするな。彼女は花を気に入っているーと。


皆の言葉に、花の瞳から涙がこぼれた。
この人たちを守ってほしいー

花は強く願った。
本当は皆でここを出たほうがいい。
でもくるみは、鷭(ばん)がいるここで出産したほうがいいんだー

・・安吾は他の皆を襲わないと言い切れるか?
彼女は動いたー。

まず、流星(りゅうせい)の元に行った。
そこでくるみをちゃんと守ってね、と花は言った。
今妊娠を考えずに性行為を行えるのは、くるみだけだからー

彼女がそう言うと、流星は驚いて身を起こした。
誰かがそうしようとしているのか?!
そう焦る彼に、そういう可能性もあるから、と花は念押しし、彼にくるみを託すのだった。

次に、刈田と朔也に花は声をかけた。
女性陣を守ってー
そう伝えると、2人は常に気を付けている、と答えた。
頼もしい・・花はそれを聞いて、ほっとする。

ふと、花は父が言っていたことを思い出し、青嵐の意味を朔也に訊いてみた。
彼は青嵐は夏の季語だ、と話した。
それを聞いて、花の心は納得した。

確かに父は、7SEEDS計画に関わっていたんだ・・。


その頃、茜と源五郎(げんごろう)は洞穴で倉庫の準備をしていた。
茜はこうもりの糞が落ちているのに気づき、最近現れなくなった彼らは、乾季に何を食べているのだろう・・と考える。

そこで彼女はふと思い至り、源五郎にそれを伝える。
こうもりの食べかすには、水棲動物のかけらが混じっている。
もしかしたら洞穴の奥に、水があるかもしれないーと。


一方、花はこっそりと荷物の準備をしていた。
そこに涼がやってくる。
彼は水を探しに洞穴の奥の縦穴を降りることにした、と言い、花に一緒に来るように命じるのだったー。




















身を守るー。


今回はショックでした・・。
まさか安吾が一線を越えるとは。

今までは、花に関してはまだ看過できるいじめでした。
でも今回の暴行未遂は、それとは訳が違います。

女性を無理やり犯そうだなんて・・人として最低のことです。
十六夜を殺したことも含めたら、彼は重罪を犯した犯罪者です。

未遂だし・・と思う方もいるかもしれません。
でも自分の大事な人がそんな目に遭ったら、どう思うか・・。
未遂でも、被害者の心はどれだけ傷ついたか・・。

もう安吾をかばう余地はなくなりましたね。
あゆが見ていますし、いずれ白日の下にさらされたとき、彼は裁きを受けることとなるでしょう。

もう警察も法もありませんが、ここを無法地帯にしてはなりません。
そんなのが許されたら、人は共存などできませんから。

さすがに涼もかばいきれないでしょうし、ここはきちんと罪に向き合ってもらうべきでしょう。

過去のことは同情しますが、今回のことはそれを加味しても許されるものではありません。
花の気持ちを思えば、リーダーを降ろされ、この地を追われても文句は言えないでしょう・・。



花も可哀想でしたね。
彼女と新巻は似ているなぁ・・。
辛くても、自分でどうにか立ち直ろうとするんですね。

嵐に遠慮もあるだろうし、新巻への遠慮もあるでしょう。
でもこんな時くらい、新巻に頼っても良かったのではないかな、と思います。

新巻も花に恋愛感情はなさそうだし、きっと受け止めてくれたはずです。
強い女性だけど、その強さが仇にもなるタイプですね、花は・・。

彼女の葛藤を見て、切なくなりました。
今こそ、嵐に抱きしめてほしかったですよね・・。


それなのに、他の女性を守るために動く花は、強いですね。
確かに今後、安吾がまた何かしないとも限りませんよね。

花への怒りに任せて襲ったように見えますが、あゆにも強引な手段に出ています。
彼の性的欲求は、またいつ爆発するか分からないと感じました・・。


教師たちも、こういうときの対処法を教えるべきだったのではないでしょうか?!
高校生くらいの年齢の子が、ろくな性教育も受けずに来たら、持て余すに決まっているではないですか。

勉強やサバイバル法も大事だけど、もっと性教育に力を入れておくべきだったと思います。
特にこういう限界状況では、子孫を残す本能で性欲求は強くなるものでしょうし・・。


教師の言うことを聞いて生きてきた子たちなのですから、今回のことは教師にも原因があると私は感じます。
正しい知識を持たせて、釘をさしておくー
夏のBでは、牡丹がそうしていましたよね。

ああいうことをちゃんと教えないから、安吾が間違ってしまうのです。
彼のしたことを許せはしませんが、全てが安吾のせいとは言い切れないな・・と思いました。



と、そんな訳で夏のAの村を立つ前に、皆に注意して回った花。
出ていく前に、秋のチームと理解しあえたことは本当に救いでした。

前回も書きましたが、秋のチームも付き合えば悪い人たちではありません。
きっと花を憎んではいないと思っていましたが、やっぱりでしたね。

むしろ温かい言葉の応酬に、ちょっと泣きそうになりました。
皆親の気持ちにも立てるなんて、大人ですね。

新巻に、ハルに、そして秋のチームに救われた花ー
出る前に、蘭とも話す機会があるといいですね。

そして残る皆が、本当に幸せに過ごせれば、と私も願います。
どうかくるみの子が無事生まれて、秋のチームの皆が心から生きたいと思えるようになりますように・・。
そんな気持ちになりました。



最後に、涼について。

今回何があったかまでは分からずも、安吾がおかしくなったのに気づいた彼。
あの眼差しが何を思っているのかを考えると、少し怖いですね。。

彼も、花を邪魔者と思っているのかな・・。

推測ですが、彼は恐らくハルも殺そうとしています。
ならば、今度は花をそうしようとしてもおかしくないですよね。

しかもそれが、貴士に言われた一言がきっかけだから、またややこしい。
花の父への疑問も当然ですよね・・。


ただ、ここで涼まで何かしたら、彼もまた重罪の裁きは免れないでしょう。
安吾と同じ道を辿るのか、彼は踏みとどまるのかー
気になりますね。

花にはまだまだ辛い試練が続くのかと思うと気が滅入りますが、ちゃんと顛末を見ないとな、という思いもあります。
どうか涼もまた、一線を踏み越えませんように・・。
祈って終わりたいと思います。






さて、次回は洞穴の探検ですね。

確かに力量的には花が行くのが正しいですが、涼や安吾が行くとなると話は変わってきますね。
ハルは無理だと思うので、新巻にはついていってほしいな、と思います。

後は源五郎とか・・。


どうか、これ以上悲劇が生まれませんように。

次回も楽しみです☆