今回から、30巻です!

前回、水の流入によって隔壁が閉じ、分断されてしまった嵐と新巻。

彼らはこのピンチを乗り越え、花と再び出会うことができるのでしょうかー?!

感想です☆




山の章17 「-対峙ー」



※以下、ネタバレあり※








 <現在地>  
・花・ナツ・蝉丸・・佐渡
・藤子・ちさ・・佐渡
・角又・あゆ・・佐渡
・ひばり  ・・佐渡
・ハル・小瑠璃・まつり・・鍵島
・のび太・秋ヲ・茜・鷭・・鍵島

・安吾・・佐渡?
・涼・・鍵島
・源五郎・・鍵島
・虹子・・鍵島

・嵐・・佐渡へ
・蛍・・鍵島
・ちまき・牡丹・蘭・・鍵島
・百舌・・鍵島

・くるみ・流星・・鍵島
・刈田・・鍵島
・朔也・・鍵島

・新巻・・佐渡




◎あらすじ◎

アナウンスと共に、隔壁は閉じられた・・。
川の中に閉じ込められてしまった嵐(あらし)は、途方に暮れる。

彼は壁を叩いて助けを求めたが、返事はもちろんない。
水は、壁の隙間から漏れ出ているようだった。
どうやら隔壁は閉まりきってはいないらしい・・。

嵐は水に潜ることを決意した。
そのことを伝え、お掃除ロボットがダメになることを彼は花(はな)に告げた。
そして花やナツたちの無事を確認すると、彼は笑った。
良かった・・また後で、花・・。

そう言うと、彼はケンを捨てて水の中に潜る。
そうして彼は隔壁の隙間をくぐり、壁を抜けた。
だがその先の水路は、どんどん狭くなっているようだった。

嵐は安吾(あんご)に言われたことを思い出し、足を川下に向けて流れに身を乗せた。
頭をぶつけないように、足を先に向けるー
そう教えてくれた安吾は、どうしてるのだろうか・・。


その頃、安吾はダイと共に水路を歩いていた。
彼もまた、隔壁が閉まるというアナウンスを聞き、警戒していた。

彼は目の前の壁が閉まっていくのに気づき、ダイと共にそこをくぐる。
その時ー彼は後ろを嵐が流れてくるのに気が付いた。

2人は互いに見つめあうー

すぐさま、安吾はナイフを壁に刺し、隔壁が閉まるのを防いだ。
早く来い!!
その声に、嵐は急いで彼の元へと泳ぐ。
そうして、間一髪のところで嵐は隔壁から逃れることができたのだった・・。

ありがとう・・。
嵐は息を荒くしながら、安吾に言った。
お前とはどうしていつも水の中なんだろうな・・安吾がそうつぶやく。

2人共泳ぐのが得意だから、逆に得意なことに足元を掬われる気がする・・
嵐がそう返すと、安吾はうなづいた。
なるほど、肝に銘じようー

ふと、ダイが吠えた。
見ると、隔壁が閉まったのにも関わらず、そこから水が漏れ出していた。
向こうの壁も閉まりきっていなかった・・
嵐がそう話すのを聞き安吾は、ここはもたないから急ごう、と指示するのだった。


一方新巻(あらまき)も、隔壁に通路をふさがれていた。
彼は花たちに呼び掛けるが、壁は分厚いらしく何も聞こえない。

そんな彼の足元に、水が流れ込んできた。
逃げないと・・そう思った彼の耳に、聞きなれた犬の声が響いた。

すぐさま振り返ると、ダイと共に安吾と嵐が水路を流れてくるのが見えた。
だが新巻と彼らの間には、格子があり、安吾たちはそこで水に飲まれている。

そこで新巻は彼らを助けようと動いた。
幸い壁はもろく、何度か揺らし蹴ったら、格子は壁ごと外れた。
そうして安吾と嵐は、無事に水路から脱出することができたのだった・・。

新巻は、ダイとの再会を喜び、彼を抱きしめる。
その姿に、安吾は新巻・・とつぶやく。
それを聞いた嵐は、彼が新巻であることに気づき目を見張った。

3人の間に、緊張が走るー

嵐はすぐに過去の非礼を詫びようとしたが、それを安吾が遮った。
またすぐ水が迫ってきたのだ。
彼は周囲を見回し、上の通路へとジャンプして上がる。

それを見た嵐も、彼に続いた。
そこで安吾は、新巻にも上ってこられるか、と尋ねる。
誰に言ってるんだよー
嵐がそう言うのと同時に、新巻が悠々とジャンプして上がってくる。

それを見た安吾は眉を動かし、嵐はさすが、と感心するのだった。


それからー嵐は新巻に、花たちと一緒じゃなかったのか、と尋ねた。
新巻はうなづき、自分だけ壁に分断されたことを話す。
あの壁の向こうに、花がいる・・
嵐は手すりをぎゅっとつかみ、感慨に震えた。

こんなに近くまで、来た・・。

・・花?
その名前に、安吾が反応した。
そこで新巻は、花が無事で今ここにいることを彼に伝える。
残念か?そう問われた安吾は、目を見張り息をつく。
生きてたのか・・。

その様子に、嵐は彼がほっとしたことに気づく。
新巻が、嵐に花の事件のことを伝えようとしてくれた。
嵐がそのことはすでに知っていると答えると、安吾はもういい加減にしてくれ、と迷惑そうに言った。
いつまでもうだうだとー

それを聞いた新巻は、彼の首根っこをつかむ。
いつまでも?
彼は安吾を睨んだ。
誰かに対して罪を犯すというのは、そういうことなんだよー。

一生責められても、仕方ないんだ。
相手が心から赦さない限り、君は赦されない。
もう赦すこともできなくなった被害者も、君は作り出しているけれどね・・。
新巻のその言葉に、嵐は十六夜(いざよい)のことを思う・・。

新巻は尚も続けた。
安吾たちも、されたことを忘れないだろうー?と。

いつかその人たちを赦せると思うか?それと同じだ。
安吾の胸に、貴士(たかし)や要(かなめ)、鵜波(うなみ)の顔が思い出される・・
他人も同じなんだよ、君たちにはそこら辺が抜けているー

そう言うと、新巻は怪我をさせたことも謝る。
それから彼は嵐に、夏のBにも安吾たちが何か仕掛けたらしいことを伝える。
だが安吾はそれには反抗した。自分は何もしていない、と。
俺は悪党じゃないんだ!!

彼はそう叫ぶと、上に続く階段を上りだした。
浮いた階段で一か所に固まるなー
彼の注意を聞きながら、嵐たちも後に続く・・

新巻は嵐に、自分が言うことではなかったかも、と謝った。
ただ自分は秋のガイドが殺されるところも見たんで・・
そうつぶやく彼に、嵐も十六夜には世話になったことを話す。

昔の世界なら、警察沙汰だ。
新巻は言った。
こんな世界に来たからって、無法地帯になってたまるかー。


その後彼らはどんどん上へと上ったが、その先は壁が下りたらしく行き止まりになっていた。
とりあえず着替えようー
安吾がそう言い、3人は休憩することにする。

その間、3人の間に会話は一切なかった。
気まずい・・
嵐はうつむいた。

安吾は一人考えた。
さっきの新巻の言葉・・赦す?
彼は教師たちのことを思い浮かべ、首を振る。
あいつらを赦すことなんか、ないー

ふと、ダイが安吾の側に寄って行くのに新巻は気づいた。
彼は止めたが、ダイは安吾の側を離れようとしない。

・・犬は、傷ついたものに寄り添うー
その姿に、新巻は安吾もまた傷ついていることを知る。

分かってはいるんだ・・。
誰もが傷つけ、傷つけられていることー

その時、嵐が新巻に声をかけた。
花ととても深く、信頼関係を築いているんですね・・。

彼がそう言うと、新巻もまた口を開いた。
嵐君、僕は冬のチームのたった一人の生き残りです。
皆に助けられて生かされて、死に損なって生き延びた・・
彼のその言葉に、嵐は死に損なった‥?と違和感を覚える。

その後15年さまよった後に嵐たちに会い、その後すぐに花に会った。
彼はそう笑い、言ったー
この人に会うために、生きてきたのだと思った・・と。

そうして彼は、さっきのことを思い出す。
蜘蛛から助けるために、幻覚から目を覚まさせるために、彼女が水を口移しでくれたことー
・・ファーストキスだったんですよ。
彼はそっと微笑んだ。

その様子を見て、嵐は考えた。
新巻鷹弘(あらまきたかひろ)、憧れのスター、エース新巻だ。
とても敵わない。けれど・・彼は言った。
花は渡しませんからー

すると、新巻は笑った。
そして言う。そういうんじゃないのだ、と。
その答えに、嵐は疑問を感じた。

そういうんじゃない・・?
じゃあ・・


一方、蛍(ほたる)はようやく源五郎(げんごろう)の元へ到着していた。
彼女の姿を見て、源五郎はそんなに幼かったのか、と驚き、一人で頑張ったことをほめる。

そこに茜(あかね)たちも合流した。
彼女は源五郎と再会できた喜びに、思わず涙を見せる。

秋ヲ(あきを)が、さっそくモニターに近づいた。
彼が画面を触るのを見て、源五郎はここはお掃除ロボットを作った2人の研究室だったようだ、と説明する。

秋ヲはひとしきり画面を触ると、これが気になる・・と一つのファイルをクリックした。
どうやらそのファイルには、映像が入っているようだった。
再生すると、例のお掃除ロボットの2人の姿が映し出される・・

彼らは言った。
もしこれを見る人がいたら気を付けて。
そのままでは佐渡は沈みます。

どうか佐渡を・・方舟を守ってくださいー




















因縁の3人。


今回は、水から逃げる中で、嵐・安吾・新巻の3人が合流する話でした。

そうか、この3人が合流してしまうのか・・
田村先生も、なかなか思い切ったことをするものですね。


でもここの問題もいずれ決着をつけなくてはいけなかったので、このタイミングで良かったのかもしれませんね。
安吾が花と会うのは、最後にしてほしいですからね。
見てると緊張感があってピリピリしますが、これも必要な流れ・・ということで。


それにしても安吾はすごく頼りになるのに、打たれ弱いのと偉そうなところが裏目に出てしまって残念ですねぇ。
女性目線からだとそういうところも可愛いんだけど、この作品では裏目ですよねぇ。。

そこが人間味があっていいとも思うのですが、花の件に関しては言葉を選ばないとこれからも責められ続けるでしょう。
そろそろその辺は自覚してほしいですね。

新巻の言葉も、怒りをぶつけるのではなく淡々と教えてくれているのだから、もっと耳を貸すべきでしょうね。
新巻は本当に大人だなーと思います。

こんな風に憎む相手に語り掛けられるのは、なかなかできることじゃありませんよ。


ただ赦す赦さないの問題は、本当に答えが出ず難しいですよね。

一生責められても仕方ないというのも分かるけど、どこかで折り合いをつけて生きていかなければ永遠に囚われてしまうのもまた事実で・・。

それをどう調整して生きていくか、というのもまたすごく難しい問題ですよね。
本当それぞれの問題で、答えなんて出ない気がします。


ただ一生赦さないというのは、双方にとって辛いのではないかな~とは感じますね。
憎み続けることでも、前に進めなくなってしまいますからね。
花にも安吾にも、前へ進んでほしいと私は思います。

そのためには、どこかで折り合いをつけることもまた必要なのではないでしょうか・・。
花は安吾に、安吾は百舌に、どう引導を渡すのでしょうね。

その選択は辛いものになるかもしれませんが、誰かに対して罪を犯すということはやっぱりそういうことなのでしょう。
その結果を、私たちは見守るしかありませんね。

安吾と涼、百舌・・
彼らに、どんな審判が下されるのでしょうかー。





さて、後は今回新巻も気になりましたね。

嵐と新巻の会話・・
その中で、新巻はまた死に損なった、生かされた・・という発言をしていました。

そしてライバル心を見せる嵐に対しても、花のことはそういうのではない、と言いました。
以前あゆにも同じ旨のことを話してましたよね。


これ、やっぱり彼は花のために死のうと思っているのかな、と感じます。

自分が吹雪たちに生かされたから、今度は自分が花を救って死ぬー
それが彼の言う、花に会うために生きてきたと思ったということなのではないでしょうか。


でも何度も書いてますが、これってある種新巻の独りよがりで、花は全然そんなこと望んでいないですよね。
むしろ彼女のために新巻が死ぬようなことになったら、どれだけの傷を負うか・・。

新巻は安吾に怒りを見せていますが、彼だって花に傷を負わせようとしている・・
そのことに、ひどく違和感を覚えますね。
まぁ新巻にその気はなく、本人は気づいていないようですけどね・・。


でも新巻にも、そろそろその考えが間違っていることに気づいてほしいですね。
そもそも吹雪たちはそんな考えで新巻を救ったわけではないですし、この考えは自己犠牲精神が強くて到底受け入れられません。

長い年月孤独だったことで考え方が少しいびつになってしまったのでしょうね。
幻覚からも、彼だけは戻るのを拒否していましたし・・。

生きたい、という強い原動力になるものがあるといいのかな、と思います。
個人的にはそれはあゆとの野球の思い出なのかな、と予想しますが、果たしてどうなるか・・。

とにかく、彼だけ退場・・というシナリオだけは絶対にやめてほしいと願います。
全員で佐渡を救い、地上に出て一緒に住む!

これが最良のハッピーエンドだと思います!






さて、次回はお掃除ロボット開発者2人の映像の回ですね。

どうやら佐渡を救う手立てが分かりそうな予感です!
これは佐渡を守り、そこに住むためには必要な情報ですね。

どうすれば、この美しい佐渡を守ることができるのか・・
皆がここに集結した本来の理由も、そこにきっとあるでしょう。

次回も楽しみです☆