今回から、31巻です!

前回、佐渡救出に向けて動く佐渡側メンバーたち。
そんな中、地下水の流入が早くなってきました。

その水はくるみたちの元にも迫ってきています・・。
果たして虹子たちは、地下水を止めることができるのでしょうかー。

感想です☆




山の章22 「-レベル1-」





※以下、ネタバレあり※








   <現在地>  
・花・ナツ・蝉丸・・佐渡
・藤子・ちさ・・佐渡
・角又・あゆ・・佐渡
・ひばり  ・・佐渡
・ハル・小瑠璃・・鍵島
・のび太・蛍・秋ヲ・鷭・・鍵島

・安吾・嵐・新巻・・佐渡
・涼・・佐渡へ
・源五郎・茜・・鍵島
・虹子・ちまき・牡丹・蘭・刈田・・鍵島

・まつり・朔也・・佐渡へ
・百舌・・佐渡へ

・くるみ・流星・・鍵島




◎あらすじ◎

早くちかすいの流出を止めろー
安吾(あんご)にそういわれ、虹子(にじこ)たちは水車の元へ向かった。

蘭(らん)に訊かれ、彼女は現在の状況を説明する。
あちこちで湧き出た地下水や雨水がここに集められているが、その水車が崩れて川の入り口をふさいでしまったようだ・・。

それを聞いた蘭は、水が地下の川に正常に流れていかないから、佐渡も鍵島も水浸しになっているというわけか・・と理解する。
ボタン(ぼたん)が横にある倉庫の扉を開けた。

中には、ロープにカンテラ、脚立やシャベルがあった。
それを見た刈田(かりた)は、ガレキをどけてちゃんと川に水が流れるようにすればいいのか、と腕まくりをする。

そうして水に潜る準備を始めた刈田に、虹子はロープを結びつける。
引き上げる合図などを決めると、刈田は早速水に潜るのだった。

水の中は、様々なガレキが絡み合い、なかなか簡単にはどかせないようになっていた。
一旦水面に上がってそのことを伝えると、彼は小さいガレキをどけようと再び潜る。
だがその時、彼はガレキの中から蜘蛛が現れるのを見たー

慌てて刈田は水面に顔を出しそのことを告げたが、すぐに蜘蛛に足を引っ張られ、彼は水中に引きずり込まれる。
驚いた蘭は、叫び声をあげるのだった。


一方茜(あかね)と源五郎(げんごろう)は、虹子たちの元に向かっていた。
気づくと、蟻の姿はなくなっていた。
どうやら水から逃げるために上に向かったようだ。
茜はくるみは大丈夫だろうか、早く水を止めなければ・・と心配そうな表情を浮かべた。

すると源五郎も、うなづいた。
ここには多様な生き物がいて、自分が扱えないような機械もある。
学ぶことがたくさんあるのに、水に埋めてしまうのはもったいない・・
そう話す彼を見て、茜は源五郎はいつも学ぼうとしている、と笑った。

他にすることがありますかー?
その言葉に、驚いた様子の源五郎。
茜は、彼はレベルの上りが早そうだーと思うのだった。

そこに、お掃除ロボットごしに蘭の叫び声が聞こえた。
茜たちはすぐに走り、蘭たちの元へ合流する。

すると刈田が水の中に潜ったまま上がってこないのだと蘭は言う。
牡丹もロープを引くが、何かに引っかかっているようで上げることができずにいた。

彼らが蜘蛛がいるらしい、と話すと、源五郎は水に住む蜘蛛もいる、と説明する。
そこで蘭が水の中に入ろうとするが、虹子がそれを制した。
蘭はけが人だから、ここは自分が・・
そう言って彼女は上着を脱ごうとしたが、その前に源五郎が動いた。

彼は自分のほうが蜘蛛に詳しいから・・とすぐさま水に飛び込み、自分が戻らなかったら助けてほしいと茜に頼む。
茜はうなづき、2人の無事を祈るのだった。

ーそれを見ていた虹子は、自分が水に潜ろうとしていたことに驚く。
彼女は考える。
刈田が死んだって別に困らない。蘭が飛び込んだってそうだ。
なのにもうずっと、自分は皆のためにこの水をどうにかしようと動いている。

最終テストのときを思い出し、虹子は思う。
あの時と、何が違うんだろうー


源五郎は、水の中を進んだ。
すると蜘蛛に足を取られた刈田が目に入った。
どうやら蜘蛛も足をガレキに挟まれ、動けないらしい。

このままでは刈田の息がもたない・・
彼はそう判断し、水蜘蛛にあるはずの空気室の中に刈田を引っ張り込む。

そこでようやく息ができるようになった刈田は、大きくむせこんだ。
蜘蛛は水の中で暮らすために、空気を貯める空気室を持っているのだ・・源五郎はそう説明すると、蜘蛛の足をガレキから外しに向かう。
刈田もそれを手伝い、2人は無事に蜘蛛を逃がすのだった。

その後、2人はロープを引っ張った。
だが蜘蛛が動いたことでガレキのバランスが崩れ、流れが一部戻ったようだ。
源五郎はその水流に、引きずられてしまう。

一方合図と共にロープを引っ張る牡丹たちも、流れが速くて引き上げられないでいた。
そこで茜は、呼吸を整え水の中に入る。
この世界に来たときは、皆レベル1だった・・
彼女は蘭にそう言い、今はだいぶ上がったかな、と笑みを見せる。

蘭はロープもなしに潜ろうとする彼女を止めたが、茜はかまわず水の中に潜り込む。
レベル1だったらできなかったことも、今はできるかもしれないー
茜はさっきの皆の会話を思い出す。
ーゴールに着いたら、何になりたい?

うちは、どこにいても海女やわー

その時、彼女は水流に引きずられている刈田と源五郎を見つけた。
急いで2人をつかむと、茜はロープを引くよう合図をする。

だが4人で引っ張っても、ロープはなかなか上がらなかった。
このままでは時間がかかりすぎて3人は死んでしまう・・
皆が焦る中、虹子ははっとした。
クレーン・・

彼女は3人にロープを任せると、すぐに脚立で動いている水車の方へと登っていく。
そしてそこにロープの先端を巻きつけると、水車の力で茜たちの体は一気に上がった。

そうしてー3人は水中から救い出される。
牡丹たちはすぐに彼らに布を渡し、体を温めるように促した。
鷭(ばん)が末端から温めず体幹を温めるよう、お掃除ロボットごしに指示する。

レスキューシートにくるまりながら、刈田はガレキをどかしたら流れができたことを話した。
それを聞いた牡丹たちはうなづき、クレーンも見つかったことだし更にガレキをどかそうーと動き出す。

そこに、虹子が戻ってきた。
蘭は彼女を見つめ、彼女もまた蘭を見つめ返すー
レベル・・
虹子はその単語を、噛みしめるのだった。


一方小瑠璃(こるり)とハルは、蟻の大群の中をグライダーを持ちながら移動していた。
このまま空を飛んで佐渡まで移動したかったが、蟻が多すぎるのと佐渡の入り口が分からないので、彼らは再び地下へと戻ったのだった。

そんな中ー小瑠璃も茜の言葉を反芻していた。
レベル・・自分は上がったのだろうか?
彼女は考える。
今ならもっと、繭(まゆ)の役に立てるんだろうか?

今なら誰も死なさずに、間に合うんだろうかー

その言葉を、安吾もまた考えていた。
レベル1・・あの時は確かにそうだった・・。
彼も、最終テストのことを考える。

レベルは少しは上がったのか?
今の自分なら、あのテストをもっと冷静に、先生たちに躍らされずに切り抜けられるのか?
茂(しげる)も繭も死なさずに、大勢を救えるのか?
彼は新巻(あらまき)の足元が崩れるのを見て、さっと手を伸ばした。

決して相いれない相手でも、誰も死なせずに全員でここを出るー
その時、彼を支えていたパイプが折れた。
よろけた安吾を、今度は嵐(あらし)が支えるー

その彼の体には、安吾同様支えが巻かれていた。
俺もレベルを上げたいんで・・。
嵐はそう言い、息をつく。
その姿を、新巻は微笑んで見つめるのだった。

その後、彼らは縦坑を閉じるために手動で隔壁を動かした。
秋ヲ(あきを)の支持の元、3人は力を合わせて隔壁を閉じていくー

1枚閉めると、次の隔壁を閉めるために今度は安吾が一人で出向いた。
足場が悪いため、嵐は彼を支える役割を担う。
隔壁は3層になっているらしく、上に移動しつつすべてを閉めなくてはならない。
すると新巻が手を出して、安吾を上へと引き上げた。

2人は見つめあい、安吾は思う。
レベルはもう1じゃない。
だから俺たちは、ここで誰も死なせないー。

だが一方で、新巻は成長していく安吾と嵐を、どこか遠くで見ていた。
僕はレベル1だ。いつまでも変わらない。
彼は冬の北海道を思うー
決して彼らを助けられない、あの時のまま、レベル1だ・・。


その後m安吾たちはっ東側の縦坑を閉めるために再び移動を始めた。
真ん中の1本は、通路のために開けておくー
彼は皆に通信でそう話した。
それを聞いた源五郎も、引き続きガレキを片付けるーと連絡を入れる。

その様子をー百舌(もず)は陰から見ているのだった。




















レベルを上げるー


今回は地下水の流入を止めるチームと、縦坑を止めるチームが、それぞれのミッション達成のために動いた回でした。

それぞれの場所で、それぞれのメンバーができることをする・・
なんだRPGみたいで面白いですね。

地下水チームは窒息してしまうのではないかとハラハラしましたが、源五郎と虹子の機転でどうにか無事ミッションクリア。
やっぱり夏のAは能力面で頼もしいです。


虹子の戸惑いと、成長してゆく姿もよかったですね。
いつのまにか自分を第一に考えず、皆で助かる方法を考えるようになった・・
とてもいいことですよね。
まさにここから成長し、彼女の人生は始まるのでしょうー

彼女の成長には、蘭が欠かせないようですね。
蘭と切磋琢磨し刺激し合うことで、彼女は成長していくのでしょう。

本人はそこまでは気づいていないようですが、自分の中に眠っていた感情に気づけたのは大きな成長だと思います。
まさにレベル1をクリアし、つぎのステップへ進んでいく過渡期・・といった感じでしたね。

ここを出て生活する段になったら、虹子も蘭も建築や生活の基盤を整える方面できっと大活躍することでしょう。
その時が楽しみになる、今回でした。


そして今回は、茜の成長も見られました。
彼女は源五郎に惹かれ、彼といると成長できるようですね。

皆互いにそういう相手がいるのってすごくいいですよね。
ただライバルではなく、友達であり仲間であり、分かり合える関係・・素敵です。

そして彼女がレベルを上げることを意識したおかげで、夏のAチームにひらめきが宿ったように感じます。
夏のAチームは物事を直截的にみる傾向があるので、レベル、などの分かりやすい単語が心に響くようになっているのでしょう。

最終テストのときから、レベルが上がっただろうか・・
その答えは、まだ出ていません。

でも彼らの精神面は、あの時より格段に成長していると私は感じます。
皆それぞれに抱えているものは違うし、相いれない相手もいて割り切れない思いもあるけれど、それでも虹子も小瑠璃も安吾も、前へ進もうと踏ん張っています。

それは、あの最終テストのときには見られなかった姿です。
確かに彼らは成長しているのではないでしょうかー。


きっと目に見える結果が出るのは、地下を脱出するときでしょう。
でもその片鱗はもう見えています。

皆が力を合わせ、それぞれの課題をクリアしていくー
そこには、レベルが上がる素養が詰まっています。

夏のAだけでなく、どのチームの成長も楽しみですね。
全員が再会するとき、皆の表情がどう変わっているのか、期待したいと思います。




さて、そんな中、再び新巻に不穏な感じが・・。

彼だけは、レベルが永遠に上がらないと感じているようです。
やっぱり彼は、どこか刹那的に生きているのですね・・。


皆が前を向いて、佐渡で生きようと希望を抱いているなか、新巻はそうは考えていない様子。
やっぱりここで死ぬつもりなのかな・・なんだか嫌な予感がいっぱいで心配です。

野球を皆でしたくないのかな?
今後の人生を、人間と一緒に過ごしたくないのかな。

悲しいですね・・。
皆の思い、彼には届いていないのでしょうか。。


新巻がいなくなったら、どれだけの人が悲しむかー
そこに、彼は思いいたってほしいですね。

新巻の気持ちも分からなくないけど、彼だけ(百舌もか)置いてけぼりを食らっているようで、見ていて苦しいです。

どうやったら彼の心を救えるのでしょうか・・。
大事な人を失ってきている夏のAのメンバーが、彼を助け出すのではないかな。と思っているのですが、果たしてどうなるか・・。

個人的には、あゆに期待したいところです。

新巻にとって吹雪と美鶴が大事なように、皆にとっても新巻が大事な存在であること・・
どうか彼に、届くといいですね・・。






さて、次回はいよいよ百舌と安吾、涼のぶつかり合いでしょうか。

彼ら3人に、裁きはどう下るのかー
百舌は自分を死神と信じて疑わないようですが、彼もまた安吾たち同様罪を犯しているのです。

そんな彼に、裁きを下す権利はあるのかー

お掃除ロボットでつながるメンバーたちが、3人の対決をどう受け取るのか気になりますね。

次回も楽しみです☆