前回、地下水の流入を止め、縦坑を一つ閉めることに成功したメンバーたち。
彼らがレベルアップを目標にする中、ついに百舌が再び安吾の元へ現れようとしていますー。

彼らの結末は、一体どうなるのでしょうかー。

感想です☆




山の章23 「-帰り道ー」




※以下、ネタバレ感想※








 <現在地>  
・花・ナツ・蝉丸・・佐渡
・藤子・ちさ・・佐渡
・角又・あゆ・・佐渡
・ひばり  ・・佐渡
・ハル・小瑠璃・・鍵島
・のび太・蛍・秋ヲ・鷭・・鍵島

・安吾・嵐・新巻・百舌・・佐渡
・涼・・佐渡へ
・源五郎・茜・虹子・ちまき・牡丹・蘭・刈田・・鍵島

・まつり・朔也・・佐渡へ

・くるみ・流星・・鍵島







◎あらすじ◎

体が熱い・・。
百舌(もず)は涼(りょう)の撃った銃弾でえぐられた脇腹を、抑えた。
血が漏れる・・。

だが頭は冷静だ。冷静なはずだー
そう思った矢先、彼は蟻に襲われた気がして思わず手を振る。
そうしてそれが幻覚だと知ると、彼は大きく息をついた・・。

安吾(あんご)がまだ嵐(あらし)と、更に新巻(あらまき)と一緒にいるとは・・。

その時、ダイが人の気配に気づき、大きく鳴いた。
敵認定している・・新巻が気付き、嵐がはっと息を呑む。
もしかして・・百舌さん?!

そこで嵐はダイが吠えた先に向かって、声をかけた。
もしかしてそこにいるのは百舌かーと。
彼は安吾の前に、安吾をかばう形で立った。
降りてきて、ちゃんと話をしようー

その声は、涼の耳にも入った。
嵐?安吾?
彼は急いで近づき、要(かなめ)が床に座り込んでいるのを見つける。
要さんー
涼は、再び銃を構えた。

だが・・要の衰弱ぶりに、涼はその腕を下げた。
ふらふらしているな・・今すぐ安吾を殺す気はないのか?
彼は様子を窺うことにした。

その内、ダイが吠えるのをやめた。
百舌が移動したのだ。
それを知った安吾は、追いかける、と立ち上がる。

だがそれを、嵐は止めた。
彼は涼に百舌に安吾を近づけないよう頼まれていたことを話し、近づいてどうする気だーと問う。
冷静に話ができるのか。またナイフを出すのではないかーと。

安吾はそんな嵐を睨む。
口を出すな、お前に関係ないー
彼はそう言い、嵐を遠ざけた。

百舌は茂(しげる)や施設の皆を見殺しにした。
今回もまた、全員をここに連れ込んだ。涼だってどうなったか分からない。
嵐、お前に何が分かるんだー
その時、嵐は叫んだ。

やめろよ、それを言うのは。

彼はまっすぐ安吾に向かい、怒鳴った。
そりゃ一緒に育ったわけじゃないから分かるわけがない。
でもそれを言ったら、皆分からないじゃないかー。

彼は言う。
自分には安吾のことは分からないし、自分にも安吾にも新巻がどんな思いで15年間過ごしたかも分からない。
花(はな)がどんな思いをしたかも、安吾には分からないだろうー?

ーその問いかけは、お掃除ロボットを通じて皆の元にも届いていた。
嵐・・!
花は息を呑み、状況を見守る。

だけどそれを言ったら、話はそこで終わる。それでは誰とも付き合えないじゃないかー
嵐がそういうと、安吾は別に付き合う必要はない、と答える。
分かってほしくもないし、誰のことも分からなくても構わないー
彼がそう言い返すと、嵐は息をついた。
でも・・あんたはそういう奴じゃないー。

嵐はそう言って、安吾に触れた。
他人なんか、どうでもいいって人間じゃないじゃんー。

彼は思った。
花・・聞いてるよな。
ごめん、こんな奴ぶちのめしてくれって思ってるよな。関わるなって思ってるよな。
ごめん花、だけどー

ー花は、嵐が自分が安吾に襲われたことを知っているのだ、と悟った。
そうして立ち尽くす彼女を、蝉丸(せみまる)は心配げに見守る。
彼は嵐をフォローするしかできないのだった。

・・冷静に話ができるのなら、追いかけようー
最後に、嵐はそう言った。
安吾は思う。
ああ、こいつは本当に、苦手だー
彼はうなづいた。

すると新巻は別行動をしよう、と身を翻す。
だが嵐は、それもまた止めた。
一緒にいましょうー
そう言われ、新巻もうなづく・・。

ダイに百舌のにおいを追わせ、3人はその後を歩いた。
彼の行った後には、血痕がたくさん落ちている。
ふと、安吾は犬の名前はダイというのか・・とつぶやいた。

ダイヤモンドのダイだよ・・そう新巻が答えると、安吾は石の?と訊き返す。
野球用語だ、と言うと、どうやら安吾は知らないようだった。
その様子に、新巻は息をつく。
君は本当に何も知らないな・・。

僕もその百舌って人に会ってみたいよ。どんな育て方をしたんだー
彼はそう話すのだった。


その頃、まつりと朔也(さくや)はようやく佐渡にたどり着いていた。
まつりが涼の目印のトランプを見つけたところで、朔也は別行動をしよう、と提案する。
彼は花たちの元に行くので、ジェミニを持ってまつりに別れを告げた。

若干面喰いつつも、まつりは明るく朔也に手を振る。
それを見た彼はー思わず声をかけた。

あんまり調子よくしてたら、嫌われませんかー?

彼にそう訊かれ、まつりは考える。
嫌われないために、調子よくしてるとkろおもあるから・・。
そういうと朔也もうなづき、でもそれが裏目に出ることもある・・と息をつく。

それは朔也が嘘くさいからだー
そう言いながらも、まつりは朔也とは気が合いそうだ、と笑う。
そうして元気に去っていく彼女を見て、朔也は苦笑するのだった。


百舌はー一人地下をさまよっていた。
どこかで傷の手当をしなければ。力が抜けていく・・。

彼はさっきの光景を思い出していた。
嵐が安吾をかばった。あの場には、新巻もいた。
安吾は・・夏のBとはどうだったのか、まだそこを確認していない・・。

そう考え、彼は他のメンバーにも思いを馳せた。
それどころか、ここにさまよいこんだ全員がどうなったのかも聞いていない。
確認を怠って、現状認識ができていないじゃないかー

その後、彼は水場に出た。
そこで彼は手当をするために、一旦休むことにする。
蟻には服の上から噛まれたのに、彼の体は傷だらけだった。

その傷に触れながら、百舌は小さい頃のことを思い出す。
誘拐されたときのことー
ー君はそれを乗り越えたおかげで、強くなったと思うんだね?

その時ー百舌の前に、茂が現れた。

茂・・
彼は立ち尽くす茂を見て、つぶやいた。
どうして・・いや、そうか・・。
彼は一人うなづく。
そうだったな・・。

茂は、ずっと百舌を見つめたまま、目をそらさない。
そこで百舌は語りだした。
茂・・君が選ばれていたら、安吾はもっと違ったんだろうな。

でも君はダメだったー
彼は言う。
あのテストを乗り越えたものでなければ、ダメなんだ・・。

あのテストの筋書きは、自分が書いた。
自分は子供のころ誘拐されたことがあり、解放された後に山の中に迷い込み、遭難した。
幸い寒い季節じゃなかったが、夜や麻は冷え込んだ・・。

彼は思い出す。
川の水を飲んで、食べられそうな実を食べて、腹を壊したこと。
何か分からない虫に刺され、草木のせいで手足は傷だらけになったこと。
結局、助けられるまで2週間さまよった・・。

だがそれは彼にとって、トラウマになったわけではなかった。
彼はむしろ、それを教訓にしようとしたのだ。

食べられる草や実を知らなければならない。
水の飲み方を、寒さの防ぎ方を、危険な生き物を、山の歩き方を、眠る方法を、応急処置を、救助の呼び方を知らなければならない。
それらをクリアしいてこそ、未来にだって行けるのだー

彼はそう信じて疑わなかった。
自分は乗り越えた。彼らも乗り越えた。
やりとげ、強くなった・・
百舌は、頭を押さえた。

間違ったのか?失敗したのか?
私は、壊れた人間を送り込んだのかー?


一方安吾たちは、ダイの後を追っていた。
辺りは天然の洞窟のようになっていて、空気も冷えてきていた。
防寒対策をしながら、安吾は息を吐く。

俺は要さんを殴りたいのか、殺したいのか。
何を言いたいのか、何を聞きたいのか・・
彼は考える。
俺たちのこと、本当はどう思ってたんですかー。

テストで死んでいく俺たちを見て、どう思っていたのか。
優しい先輩のふりをして、卯波(うなみ)と一緒に笑っていたのか。

ふと、彼は足を止めた。
洞窟。辺りは水が滴っているー
彼は目が回るような感覚を覚え、周囲を見回した。
ーえ?

まさか・・な・・?

その感覚は、涼も感じていた。
彼もまた洞窟で足を止め、周囲を見渡した。

おい、まさか・・。

彼は要が一人で座り、何かぶつぶつつぶやいているのを見て、声をかける。
要さん、ここはどこだー

すると、要は答えた。
ここは佐渡だよー

それは分かっている・・
そういった涼は、要の先にあるものを見て、目を見張る。

全身の毛が逆立つー
彼は体が震えるのを感じ、身を退けた。
そこへ、安吾たちがやってくる。

安吾もまた、要を見つけ近づいた。
それに気づいた涼は、身を翻す。
安吾、来るな・・

来るな!見るなー!!

彼は安吾に飛びつき、彼が進むのを遮った。
その剣幕に、安吾は驚き息を呑む。

佐渡だったんだ・・。
涼は静かに言った。
見覚えあるだろ、この穴蔵・・。

そう言われて、安吾は洞窟を見遣る。
水の流れ落ちる高い壁、天然の洞窟・・。
安吾の瞳から、涙が流れ落ちた。

壁から落ちた水は、地面にたまり水場を作っていた。
そこにー彼はいた。
安吾はその姿を見つけ、言葉をなくす。

茂・・?

そこにいたのは、あの日のままの姿の茂だったー




















再会。


今回は、百舌を追った安吾たちと涼が、一堂に会した回でした。

ラストが衝撃過ぎて、声が出ませんね・・。
まさか施設があったのが、佐渡だったとは。

全然気づかなかったので、明かされたときの衝撃といったらなかったです。
すごすぎる・・この展開は、まったく予想できませんでした。


最後の、茂の姿は何だったのでしょうか。
最終テストから何十年も経っているでしょうに、なぜあの姿のままでいるのでしょう。
何か訳がありそうですね・・次回明らかとなるのでしょうか。。



さて、今回は要の7SEEDS計画への考え方が垣間見えましたね。
彼は自分が誘拐され遭難した経験から、未来に行く子供たちには生き抜く術を身につけさせてあげたかったのですね。

その気持ちは、理解できます。
自分が苦しんだからこそ、そんな思いをさせたくないというのは当然の感情ですもんね。


ただそれが、子供たちを管理するーという意識にいつのまにかすり替わってしまったのでしょうね。
子供たちに期待をかけるあまり、自分の理想を押し付けていたように思います。

そして問題なのは、本人がそのことに気づいていないこと。
本来は未来に送りだすまでが彼の役目だったのに、心配になった要は未来にまで来てしまいました。
そしてそこで自分の思うように進まなかった子供たちに失望し、管理し裁こうと考えるようになってしまったのでしょう。

理屈は分かります。
でもそうなると、そもそも未来に一緒に来たことが間違いだったのでしょうね・・。

計画立案者だからこそ、彼はこの計画に希望も理想もあったのでしょう。
だからこそ、彼は来てはいけなかったのだと思います。

自分の思い通りにいかなければ、不満に感じるのは思い入れの量からしても当然ですから。
だから、あえて見ないようにする・・という選択肢を彼は取るべきだったのではないかな、と感じました。

心配ではあるけど、子供たちに託す・・。
それができなかったのが、彼の最大の間違いだったように思います。

計画者だからこそ、踏み込んではいけない一線があった。
百舌は、そのことに気づけるのでしょうか・・。



さて、一方の安吾と涼。
2人にとっても、ついに決着のときが来ましたね。

戻ってきた佐渡。
始まりの場所、佐渡。

ここで彼らは、自分たちの思いにどう決着をつけるのでしょうかー。


安吾は嵐に言われてナイフを出していませんが、茂を見つけた今、彼もどうなるか・・。
激昂して百舌に襲い掛かる展開も、十分にあり得ますね。

嵐と新巻に、それが止められるのか・・疑問ではあります。


また涼も、まだピストルを所持しています。

一度百舌のことを撃っているし、安吾が横にいるこの状況・・。
安吾が手を出すなら・・と自分が動きそうで怖いですね。


嵐とまつり・・夏のBの2人は、それを止めようと必死に動いています。
その気持ちを、2人も気づいていると思います。

そのことが彼らの抑止力になるのか、それとも彼らは百舌に手を下してしまうのかー
2人を信じたいですが、パニックにもなるようなこの状況。

どんな展開になるか読めなくて、恐ろしいですね・・。




最後に、嵐について。

安吾を守ろうと必死になる嵐。
花にしたことは赦せないけど、やっぱり安吾のことは好きなのでしょうね。

ただ花がいる手前、それを表に出すことはやっぱり憚られますよね・・。
難しいなぁ、本当に・・。


皆の感じ方が一緒である必要はないけれど、恋人であるのだから嵐は花を選ぶべきですもんね。
安吾が花にしたことは、事実な訳ですし・・。

そこの折り合いがどうつくかもまだ分かりませんが、個人的には嵐と安吾の組み合わせは好きなので、断絶はしてほしくないなぁ。。


安吾・涼・百舌の決着は皆が見守っています。
その顛末を見て、皆がどう判断し、今後彼らと付き合っていくのか・・

その答えも、出そうですね。

本当に毎回、見逃せないですねぇ。。






さて次回は、いよいよ安吾・涼・百舌の3人が対峙しますね。

果たして話し合いはできるのか。
安吾たちは百舌から満足のいく回答を得られるのでしょうかー。

長かったこの問題にも、ついに終止符が打たれるときが来ましたね。

次回も楽しみです☆