前回、夏のAが暮らした施設が佐渡にあったことを知った安吾たち。
そして地下で、彼らは茂の亡骸を見つけてしまいますー。

安吾・涼・百舌3人の因縁の結末は、どうなるのでしょうかー?!

感想です☆




山の章24 「-ふるさとー」



※以下、ネタバレあり※








 <現在地>  
・花・ナツ・蝉丸・・佐渡
・藤子・ちさ・・佐渡
・角又・あゆ・・佐渡
・ひばり  ・・佐渡
・ハル・小瑠璃・・鍵島
・のび太・蛍・秋ヲ・鷭・・鍵島

・安吾・涼・嵐・新巻・百舌・・佐渡
・源五郎・茜・虹子・ちまき・牡丹・蘭・刈田・・鍵島

・まつり・・佐渡

・くるみ・流星・・鍵島
・朔也・・佐渡




◎あらすじ◎

あれは佐渡だったんだー
安吾(あんご)は、思い出の渦に飲み込まれた・・。


来るな安吾。見るな!!

初めて聞く涼(りょう)のうろたえた大声に、夏のAのメンバーは背筋を震わせた。
施設で過ごした厳しくも楽しい時間、地獄のような最終テスト。
仲間が死んでいき、茂(しげる)もまた脱落していった。

彼は死んだはずなのに、なのに・・
どうして?
安吾は涙を流しながら、あの時のままの姿の茂を見つめたー。

時間が経ったんじゃないのか?未来に来たはずじゃなかったのか?
あの後まだ時間は過ぎていないのか?
まだ助けられるんじゃ・・

その時、百舌(もず)が口を開いた。
屍蝋化したんだよー

彼の言葉に、涼は息をつく。
低温で、水中や土中などの通気性のない湿潤な環境下では、死体は腐敗せず全身蝋化することがある・・。
それを聞いた安吾は、再び茂を見つめた。

では死んでいるんだ。やっぱり死んでいるんだ。
あの時に、彼は死んだのだ・・。
ー放っておいたのか・・。

安吾は震えた。
何年経ったんだ。
あのままここに、放っておいたのかー!!
彼は要(かなめ)につかみかかった。

こんなところで、こんな寒くて暗いところで、何年もずっと一人で・・
安吾は泣いた。
あの怖がりで寂しがりな茂を、こんなところに放っておいたのかー
そう怒鳴る彼に、要は静かに話した。

危険を冒して回収する意味はなかったのだ、と。
彼は安吾をじっと見つめる。
安吾、お前には期待したのになー

これだけの犠牲を払って、そのざまか。
失敗したとは思いたくなかったが、残念だー

その言葉に、安吾は激昂した。
うるさいー!!
彼は叫び、ナイフを取り出す。

瞬間、涼は銃を構えた。
同時に、要もナイフを繰り出す。
だがそれより先に、嵐(あらし)が動いた。

彼は要の腕を引き、安吾を蹴り飛ばした。
そうして、彼は3人に叫んだ。
やめろ、百舌さんがやめろ!!

嵐は一人ずつに指示を出す。
涼、撃つなよ。
すると安吾が割って入った。
嵐、お前には関係ない。どいていろ。

こいつは、俺たちを、茂を・・
安吾は要を睨んだ。
殺してやる、茂の代わりに俺が。
嵐が止めに入っても、彼はやめない。

殺してやる。こいつも俺たちと同じように、茂と同じようにー
その時だった。

良かったな。

新巻(あらまき)がそうつぶやくのを聞き、安吾は叫ぶのをやめた。
彼は信じられないという表情で振り返り、新巻と見合った。

新巻は困惑する安吾に、静かに言った。
良かったな。もう一度会えて、良かったなー

そのまじめな物言いに、安吾は言葉を失う。
普通は二度と会えない・・。
新巻は続けた。

顔を見ることも骨を拾うこともできない。
写真もなく墓も作ってやれず、僕らはただー思い出すことしかできない。

その言葉に、安吾の瞳から涙があふれた。
新巻はもう一度言った。
もう一度会えて、良かったなー


・・安吾は、口を閉じた。
そうして彼は、茂の元に歩み寄る。

百舌はまだナイフを構えていたが、嵐が安吾に近づけまいとその前に立ちはだかった。
腕を大きく伸ばして牽制する彼を、百舌はただ見つめる・・。

涼も息をつくと、口を開いた。
お前を待ってたのかもな・・。
彼は安吾に言った。
茂の顔は、笑っているようだーと。

お前を助けられて、未来へ送り出せて嬉しかったんだろうよー
涼の意外な言葉に、安吾は瞳をうるませる。
涼もまた、自身の変化に戸惑いを隠せないでいた。

ああ、俺は本当に毒されているらしいいー

安吾は、水の中に入り、その手を伸ばした。
彼は泣きながらも、微笑む・・。
茂、ずいぶん待たせたなー

戻ってきたよー


それを聞いていた小瑠璃(こるり)の瞳からも、涙があふれた。
戻ってきた・・。
繭(まゆ)ちゃんに向かってた・・。

ハルが彼女を気遣うが、小瑠璃は大丈夫だ、とうなづく。
辛いところなのに、思い出すのも怖い嫌な場所なのに、繭ものばらも皆そこにいるー
彼女は笑った。
楽しいこともいっぱい、あったんだよ・・。

帰ってきた・・
そうして、彼女は再び泣いた。
それを聞いていた虹子(にじこ)が、「家路」が聞こえてきそうだ、とつぶやく。
その言葉に、夏のAは皆昔を思い出した。
「家路」-


百舌は、嵐たちが持ってきたお掃除ロボットに目をやり、皆全員無事なのか?と問うた。
蘭(らん)が、くるみと流星(りゅうせい)だけが連絡がつかないことを話す。
すると百舌は、今度は嵐に声をかけた。

なぜ安吾をかばう・・。
彼は訊いた。
夏のBにとって、安吾はどうだったのかを。
そう言って、彼は皆にも訊きたい・・と言った。

安吾はここにいて意味があるのか。脅威ではないのか。
必要かー

彼は話した。
安吾が秋のガイドである十六夜(いざよい)を殺したこと。
横暴な政治を振舞おうとし、ハルを殺そうと考え、花をレイプしかけて見殺しにしようとしたこと。

更に、彼は夏のAのガイドも殺しているだろう・・
そう言うと、小瑠璃がそれは違う、と口を開いた。
卯波(うなみ)は皆で撃ったのだー
そう話す彼女を見て、ハルは驚く。

すると涼が口を開いた。
要は誤解しているーと。

彼は言った。
ハルと花を殺そうとしたのは、自分だ、と。
夏のBをテストして何度も殺しかけたのも俺だーと。




















過去との再会。

今回は、安吾が茂との再会を果たす回でした。

いやー、かなりの緊張感がありましたね。
いつ誰が死んでもおかしくなかったように思います。

皆無事に済んで、本当に安心しました・・。
パニックも収まって、これで本当に百舌とも向き合って話ができそうですね。


茂は、屍蝋化していたのですね。
知らなかったのですが、そういう現象があるのかー・・。
何十年もあの姿のままあそこにいたのかと思うと、安吾じゃなくても胸がつぶれますね。
やっぱり教師たちは、酷かった・・。

確かに危険を冒すリスクはあります。
でも自分たちが育ててきた子たちなのに見捨てていけるなんて、どういう神経しているのか・・。
やっぱりどこか彼らはおかしかった、と改めて思いました。


その後の百舌にも違和感です。
このタイミングで、よく安吾を叱責することができたなーと。
どっちかっていうと裁きにかけられるのは、彼じゃないかなーと思いましたよ。

そりゃ安吾も罪を犯してはいますが、このタイミングではどう考えたって百舌の方が分が悪いでしょう。
彼がしたことだって、白日の下にさらされた訳ですからね。

それなのに、ぬけぬけと安吾の裁きを皆に持ち掛けるー
百舌の精神、ちょっと普通じゃないな、と恐ろしくなりました。

蟻との戦いで、本当に疲れて辺になっているのかもしれないですね。
この状態でまともな話し合いはできるのでしょうか・・。
ちょっと不安になりました。


そんな中で、ファインプレーだったのは嵐。

涼が百舌を撃たないように、百舌が安吾に手を出さないようにー
最適のポジションで安吾を守りました。

こういう時にしっかりとした判断を下せる嵐は、やっぱり人の感情を見るのに長けているなぁと感心。
皆の気持ちを理解できなければ、このポジションは取れませんよ。
本当にすごい。


そして、なんといっても新巻ですよね。
良かったなー
これもなかなか出てくる言葉ではありませんよ。

安吾を黙らせるすごみ。
それはやっぱり彼が、悲しい別れをいくつも経験しているから出せたものでしょう。

北海道の地で亡くした冬のチームの仲間たち、山火事に消えていった犬たち・・
新巻はもうその誰とも会えないのです。

その思いが伝わったからこそ、安吾にも言葉は届いたのでしょう。
もう一度会えて良かったー
そう思わせた彼もまた、すごいな・・と感動しました。


ただその物言いがすごく怖く感じもしましたけどね。
やっぱり新巻、死亡フラグ立ってる気がします・・。
大丈夫なのか、不安になりますね。



でもそんな流れで、安吾は茂ともう一度向き合うことができました。
彼が笑顔になれて、本当に良かった・・。
胸が熱くなりました。

その後の、夏のAのメンバーの表情も、泣けますね。
小瑠璃も、やっぱりここで繭たちに再会したのは偶然ではなかったのですね。

皆ここでメンバーたちを待っていてくれたのですね。
そう思うと、帰ってきたのですね、彼らは・・。

「家路」が聞こえてくるような気がしたのも、故郷に帰ってきたからなのでしょう。
この展開は泣ける・・。
楽しいこともいっぱいあった・・
小瑠璃のその言葉が、全てですねー



で、そんな中、百舌は皆に安吾への裁きを委ねます。
安吾がしたことを皆に伝え、彼をどうするかを問う百舌。

正直これ以上何も言うな・・と思いましたが、この話もしないと終わらないのでしょうね。
夏のB以外に安吾たちをかばう人なんていないの分かってるんだろうなー・・本当ずるいというか何というか。

ポイントは、涼の言葉がどれだけ効くかですね。
彼が安吾をかばうことも、安吾が必要だということの現れですが・・果たして百舌がそれを理解できるのか。

ここはやっぱりまつりと蝉丸の出番かな?
何か気の利いたことを言ってくれること、期待しています!!


殺すという判断は出ないでしょうが、排除は十分にあり得るこの状況ー
皆がどんな意見を述べるのか、気になります。

嵐は、新巻は、そして花は何と言うのかー
心して見守りたいと思います。




さて、次回は安吾に裁きが下される回ですね。
百舌との因縁も、これで決着となるのでしょうか。

メンバーたちは彼をどう思い、今度どうするのか・・。
その答えが明らかにされますね。

緊張します・・。

次回も楽しみです☆