前回、小佐渡の切り離しによってどんどん海水に埋まっていった花とナツたち。

そんな危機の中、身動きの取れない花は、方舟の扉の鍵を、蝉丸に託しますー!

果たして落ちこぼれ夏のBは、無事に任務を遂げ、助かることができるのでしょうか?!

感想です☆




空の章3 「-動くー」




※以下、ネタバレあり※








<現在地>  
・花・・佐渡
・藤子・ちさ・・佐渡
・角又・・佐渡
・ひばり  ・・佐渡
・ハル・小瑠璃・あゆ・・佐渡
・のび太・蛍・秋ヲ・鷭・・鍵島

・安吾・涼・嵐・まつり・新巻・・佐渡
・源五郎・茜・虹子・ちまき・牡丹・蘭・刈田・・鍵島

・ナツ・蝉丸・朔也・・佐渡
・百舌・・鍵島へ?

・くるみ・流星・・鍵島 




◎あらすじ◎

理可子(りかこ)は考えた。
以前ペルセウスのカメラで方舟を見たとき、方舟は本体が映っていた。

ということは、その手前の扉は開いていたということになる。
理由として考えられるのは、扉の鍵が壊れていたか、あの時点ではまだ生きている人がいた・・。
だとすれば、今は扉の暗証番号は変わっている可能性がある。

彼女はそう考え、鍵を開けるのに必要な自分の指紋を残すことにした。
いつかここを訪れて、方舟を助けようとしてくれる、誰かのためにー。


水は、どんどん増えてきていた。
このままじっとしていても、この空間はいずれ水に埋まる。
道は、潜った先にある方舟に続く扉だけー

蝉丸(せみまる)は体が震えるのを感じた。
扉の鍵は、花(はな)のおかげで手に入った。
後はちょっと度胸がいるだけだー
彼は何度も、自分にそう言い聞かす。

ナツはそんな蝉丸を見て、自分を責めた。
蝉丸だって怖いのに、行くと言う。
花だって、ここにいたら絶対に行くと言う。
なのにあたしは、いつも怖がっているだけ・・。

茜(あかね)がお掃除ロボットで話しかけてきた。
彼女は水が冷たいかと訊き、朔也(さくや)に扉までの距離を尋ねた。

水はそこまで冷たくないが、3,4メートルは潜って、5、6メートル進まなければならないー
それを聞いた茜は蝉丸に、流れはあるのか、そして垂直に潜れるのかと尋ねた。
蝉丸は戸惑いながらも、壁伝いなら何とか・・と返す。

すると茜は、ロープで体を結んでいった方がいい、とアドバイスした。
だがボートの上に、そんなものはない。
困っていると、朔也が突然自分の着ていたセーターをほどきだした。

手編みだからほどけやすいし、束ねたらロープ代わりになるだろう・・
そう彼が言うのを聞いて、花は誰の手編みだ、と訊く。
母親のだ、と朔也が答えるのを聞いて、蝉丸はだったらやめておけ、とその手を止める。
だが朔也は編んでくれた事実は消えないから・・と続けるのだった。

そんな彼の漢気を見た蝉丸は、ついに決心する。
彼は勢いよくズボンを脱ぐと、潜る準備を始めた。

その様子に、ナツの心は焦った。
本当は自分が行ったほうがいい。蝉丸が行ったら、何かあったとき自分は助けられない。
でもー怖い!
彼女は震えた。
皆できるのに、あたしと何が違うの・・?!

その時、蝉丸が口を開いた。
彼はナツに、頬にキスしてほしい、と頼んだ。

突然の申し出に、ナツは戸惑う。
何でこんな時に・・そう困惑する彼女に、蝉丸は真顔で答えた。
こんな時だからだろ。

その表情に、ナツは固まる。
彼女は蝉丸の頬に顔を近づけた。
どうしたら・・。目はつむるのかな。何秒くらいすれば・・。
考えると、一向に動けない・・

するとー蝉丸が顔を向けた。
彼はナツの唇に、キスをする。

口がすべった。
そう言って悪びれない彼に、ナツは驚いたまま大きくよろけた。
そこで一息つけた彼は、いよいよ潜ることにする。

茜が、何か着て行ったほうがいい、とアドバイスする。
嵐(あらし)もナイフを持っていけ、と言う。
だが蝉丸はそれを面倒くさい、と一蹴した。

周りがガヤガヤ言うのを彼はうるさいと怒鳴り、涼(りょう)にだけアドバイスを求める。
涼はいつも通り行け、とだけ返す。
それを聞いた蝉丸は、意気込んだ。

一方・・キスされたナツは、そのショックと同時に胸騒ぎを感じていた。
今のキスは何ですか・・。
彼女は震えた。
嫌だ、こんなの嫌だ・・

お別れみたいじゃないですかー


そうして、蝉丸は飛び込んだ。
彼は体が浮くのを抑え、何とか横穴までたどり着く。
藻のせいか暗くもなかったので、彼は壁にへばりついて先へと進んでいく・・

だがその時、彼は動きを止めるー

ナツは、蝉丸とつながった毛糸を必死に掴んでいた。
ふと彼女は、蝉丸の動きが止まったのに気づく。
進んでない・・?
ナツは水面に、何かあったらすぐ戻ってきて、と声をかけた。

朔也がどっかに引っかかったか、頭をぶつけたのかも・・と汗を流す。
何秒経った?!
ナツは毛糸がまったく動かないのを確かめ、背筋を震わせたー

すぐに、彼女は服を脱いで下着姿になった。
はあはあと呼吸を荒げる音を聞き、茜が呼吸の仕方をナツに伝える。
花も異変を感じ、皆の無事を祈った。

蘭(らん)が朔也を急かすのを横目に、ナツはそのまま水に潜っていく。
花は何もできず、ただ祈る。
ナッちゃん、ナッちゃん、頑張れー!!


ナツは、毛糸を頼りに進んだ。
すると彼女は横穴の先で、立ち往生している蝉丸を見つける。

蝉丸は、その先に流れがあって進めないでいた。
どうやら裂け目から水が噴き出しているようだ。
扉は目の前なのに、これ以上先に進めない・・
その時、彼は気が付いた。

いつのまにか、ナツが後ろに来ていたのだー!
驚いた彼は、ナツと共に一度上へ戻る。
彼女の覚悟を感じた蝉丸は、呼吸を整えると言った。

鍵を渡すか、ナツが扉を開けろーと。

そうして、2人は再び水の中へと潜る。
ペアマッチだぜ、ナツ!
蝉丸は先に進み、流れのあるところでナイフを取り出した。
彼はそこで自分の体を縦にし、流れをせきとめる。

その横を、ナツがすり抜けた。
彼女は一旦水面に出ると、茜に習った呼吸を思い出し、再び潜る。

流れがあって、扉の前ではうまく動けなかった。
だが彼女は蝉丸を思い、急げ、と自分に喝を入れる。
そして鍵を発見したナツは、そこに鍵を通すー

一方蝉丸は、息が苦しくなるのを感じていた。
だが離れていいのかどうかも分からない。
意識が遠のく中、彼は思った。

ナツが自分を助けにやってきた姿・・。
彼はそれが何より嬉しかった。
出会った頃は、ヘタレだったのに・・

そのまま、彼は目をつぶった。
なぁナツ、俺ちょっとかっこよくね?
なぁナツー

ナツは、鍵を通すと指紋のついた型を指にはめた。
そして押し付けると、これでいいのか?と戸惑った。

水圧で扉が開かなかったら?ドアの向こうも水で埋まっていたら?
様々な可能性が頭を駆け巡る中、彼女は祈った。
急げ・・開いてー!!


その時だった。
重たい扉が開き、隙間から水が流れ出す。

ナツがそれを確認すると同時に、彼女は水の勢いで扉の中へと流れ込んだ。
そのままナツと蝉丸の体は、勢いよく運ばれていくー

一方朔也は、水が引いていくのに気づいていた。
彼は花に、水位が下がってきたことを伝える。
これで花の方も、水が下がるのではないか・・
それを聞いた花たちは、ナツと蝉丸が成功したことに喜ぶー

ナツと蝉丸は、地面に打ち上げられていた。
すぐに気が付いたナツは、横にいる蝉丸に駆け寄る。

すると彼は気を失っているようだった。
嫌だ・・
ナツは震え、すぐさま人工呼吸をしようと胸を押す。
その途端、そこは胃だ!と叫んで彼は起き上がった。

ナツの顔を見て、笑う蝉丸。
そのいつもの表情に、ナツの瞳に涙が込み上げたー
彼女は蝉丸と共に笑いながらも、泣くのだった。

死ぬかと思った・・
そう言って、蝉丸は大きく息をつく。
死んだと思った・・

彼が震えるのを見たナツは、死なないでください、と叫ぶ。
それが一番怖かった・・
ナツはそう言いながら、泣いた。

自分にあんなことができるなんて。
あんな力が出るなんてー

そうして泣くナツを、蝉丸は優しく抱きしめた。
それから彼は落ち着くと、後ろを見るようにナツに言う。

見ると、そこには巨大な球体があった。
どうやらあれが方舟らしい・・。
105人の子供たちも、今頃自分たちのように寒い思いをして寝ているんだろうな・・
蝉丸はそうつぶやいた。


その頃ー
お掃除ロボットでつながったメンバーたちは、無事に方舟への扉が開いたことを喜んでいた。
角又(つのまた)は花からの報告に、理可子への思いをあふれさせる・・。

茜も2人が無事に渡ったことに、安堵の息をついた。
皆、一様に黙っていた。
それは、花の通信を邪魔しないためにだった。

皆、彼女からの報告を待っていた。
花は・・大丈夫なのかー?!

それに気づいて、花は息をついた。
彼女は自分の足元に、水が迫っているのに気づいていた・・。
仕方なく、彼女は言う。

こっちは水が減らず、増えていくばかりだ、と。

それを聞いた嵐と新巻(あらまき)は、息を呑むのだったー。




















ナツと蝉丸のペアマッチ。


今回は方舟への扉を開くため、ナツと蝉丸が2人で力を合わせる話でした。

いやー、今回すごく良かったです!!泣けた!!
ナツの成長に、もう涙が止まりませんでした!!


もうこの姿見れただけで、満足ですよ。
蝉丸も言っていましたが、1話2話の頃の彼女とは大違い。

その成長ぶりが嬉しくてしょうがありませんでした。



直前まで、怖くて動けなかったナツ。
皆と自分は何が違うのか・・と悩んでいましたね。

でもその答え、彼女は見つけたようです。
人のため・・ですよね。


蝉丸はナツに危険なことをさせたくなくて、怖くても行きました。
花だって、根っこにあるのは皆を守りたいという気持ちです。

ナツにだって、思い返せばそういう気持ちを経験する機会は今までたくさんありました。
牡丹たちが木に囚われた時や、富士号で嵐と安吾を助けたとき・・。

彼女も皆と同じく、助けたいという気持ちで動いていましたよね。
そのことに、彼女自身が気付いていなかっただけだと思うのです。


でも今、ナツはそのことに気付きましたね。
大事な人のためなら、力を出すことができるー
それに気づけたことも、大きな成長ではないでしょうか。


これは蝉丸、嬉しかっただろうなぁ。
自分のために、体を張ってくれたわけですからね。

ずっと一緒にいたから成長もよく分かるし、ますます好きになったんじゃないでしょうか(^^)



そして・・何気に朔也も男を見せましたよね。

潜るのは無理、でも蝉丸に任せるのなら、自分にできることはする・・
彼のその心意気がよく伝わり、本当泣けました。

セーター、お母さんの手編みだったんだね・・。
それをさらっとロープにできる彼の優しさに、感動しました。


本当に、誰一人賭けても成功はしなかったでしょうね。
皆が相手のことを思い、ちょっと勇気を出した・・
だからこそ得られた結果だったと思います。


いよいよ目の前に現れた方舟。
果たして子供たちは無事なのか・・ドキドキしますね。




そして、依然ピンチの花。

やっぱり真のヒロインは彼女ということでしょうか・・。


もう足元まで水が来ているし、この狭い空間では段々呼吸も苦しくなってくるのではないでしょうか。
本当に大丈夫かな・・水を引かせること、できるのでしょうか。

後は方法としては、隔壁を上げて花を通す・・これしか策はないのかな。
なかなかどちらも厳しそうですね。

ただサイドホールというものが見つかったので、これを使えば排水できる可能性はありますね。


時間との戦いですが、一応男4人いるのが救いかな・・。
新巻の行動が気になりますが、どうか皆無事に助かりますようにー

祈りたいと思います。







さて、次回は嵐たちが花を救出する回でしょうか。

一難去ってまた一難・・
今度は花がかなりのピンチです。

残り時間はわずか・・
その中で、嵐たちは花を救うことができるのでしょうか?!

そして新巻は、その時どう動くのかー?

目が離せませんね。

次回も楽しみです☆