今回から、33巻です!

前回、方舟への扉が開き、無事助かったナツたち。

一方花の側の水は減らず、彼女の危機は増すばかりとなりました・・。
果たして助かる術はあるのでしょうかー?!

感想です☆




空の章4 「-覚悟ー」




※以下、ネタバレあり※








 <現在地>  
・花・・佐渡
・藤子・ちさ・・佐渡
・角又・・佐渡
・ひばり  ・・佐渡
・ハル・小瑠璃・あゆ・・佐渡
・のび太・蛍・秋ヲ・鷭・・鍵島

・安吾・涼・嵐・まつり・新巻・・佐渡
・源五郎・茜・虹子・ちまき・牡丹・蘭・刈田・・鍵島

・ナツ・蝉丸・朔也・・佐渡
・百舌・・鍵島へ?

・くるみ・流星・・鍵島 




◎あらすじ◎

なぜ僕だけが生きながらえたのか、その答えを僕は知ってるー


花(はな)のいる場所は、もう足元まで水が来ていた。
嵐(あらし)は花の動揺を感じ、落ち着いて事態を説明するように求める。
その言葉に花は息をつき、話を始めた。

花がいる場所は、方舟から一つめの隔壁の上にある、1メートル四方くらいの穴だった。
行き止まりで、恐らく1時間もしない内に水で埋まるだろう・・。
彼女も壁を広げようとしているが、岩盤は固くて開けられないままだった。

それを聞いた嵐たちは、隔壁を上げるしかないようだ・・と判断する。
花によれば、反対側の穴からはサイドホールという広い空間が見えるという。
そこで安吾(あんご)は、自分たちがサイドホールへ行き、花と共に両側からk辺を掘れば脱出できるのではないか、と考える。

嵐とまつりも、以前安吾と涼(りょう)が火薬で岩盤を砕いたことを思い出し、きっと大丈夫だろうと話す。
だが花の感覚では、この壁はとても固い。
そうとは思えないよ・・彼女はその案に、不安を感じるのだった。


そこで、嵐たちはひばりの案内で、サイドホールまで行くことにした。
走り出すと、至る所で隔壁が降りていた。
これでは通れない・・
彼らは焦りを感じる。

涼が、まつりと朔也(さくや)が来た道を戻れば、大回りでも行けるだろう・・と考える。
だがそれでは間に合わない・・新巻(あらまき)は不安を募らせる。

そして彼は、皆が話し合うのも待たず、下へと進む道を模索し始めた。
隔壁に邪魔されずに、下に降りる道はないのか・・
彼は周囲を見回し、地盤に裂け目があるのを見る。

この辺りはさっきは水がたまっていたけど、今は抜けている・・
ということは、下に流れ出る先があるということだ。
水が流れる音も確認し、彼は考える。
一か八か・・新巻はダイを連れて、裂け目の間に入り込んでいく。

その行動に、安吾が警鐘を鳴らす。
闇雲に動くな・・そう言われて、新巻は彼を睨みつける。
安吾たちは花を助ける気はないだろう、放っておいてくれ、と。

その言葉に、涼はうなづく。
だがまつりと安吾はそれを諫めた。

騒ぎを聞いた花も、新巻に無茶しないように声をかける。
だが嵐も、このルートはアリかもしれない、と考えていた。
彼がその旨を伝えると、花はますます心配そうな声を出す。

するとー新巻も、嵐に警告した。
嵐は花のために生きなくてはならない。だからここは、僕が一人で行くーと。
それを聞いた嵐は、何を言っているんだ、と眉をひそめる。

あなたこそ、死なせない。花のためにもー!
彼は新巻に話す。
自分は新巻を信じて、花を助けに行く。ふざけたことを言わないように、と。

一方涼は、安全策を取って迂回しようと安吾に提案した。
だが安吾はー振り返って言った。
自分は花はどうでもいいが、嵐を置いていく気はないー

彼はそう言い、降りるための準備を始める。
涼は、安吾を置いてはいけないよねー
まつりが涼の気持ちを見透かし、声をかける。
その言葉に、涼は頭を抑えた。

本当に・・腹立つ。
彼はそう言いながらも、安吾の後に続くのだった。


裂け目の間は、水が通ったせいかよく滑った。
新巻は気を付けながら降りるが、つい足を滑らせてしまう。
すると安吾が、彼に自分の作ったハーネスをつけるように言った。
用心深く着実に動いたほうが、かえって時間がかからないこともあるんだー
彼にそう言われ、新巻は受け取る・・

嫌な予感がするー
新巻はかなり焦れていた。
彼は花が流されたときのことを思い出し、あの時と同じだ、と思った。

あの時も、無様に壁にへばりついて間に合わなかった。
あの時も、水にやられたー!
彼は目をつぶり、悪い考えを払おうとした。

ダメだ、今度こそ助けるんだ。花を助けるんだ。
僕はこの人に会うために、生きて来たのだと思ったんだー


花は、一人不安に押しつぶされそうになっていた。
嵐も新巻も、無理して助けようとしてくれている。
あの2人に何かあったらどうしよう・・
彼女は膝を抱えて、震える。

来なくても大丈夫だって言えばいい。
嵐たちには見えていないんだから、もう大丈夫だよ、抜け出せたよって言えば・・
そう考えた花は、涙を抑えた。
言えない、助けてー・・

だがその言葉は、どうにかして呑み込んだ。
ダメだ、泣き言なんて言ったらもっと無理させる。
そんな彼女の不安が通じたのか、嵐が声をかけてくる。

花、深呼吸して、手を動かして。
花にはまだ仕事が残っている。方舟を動かさなくちゃー。
ナツたちもきっと待っているよ、とまつりも優しく話しかける。

隔壁の向こうにいる朔也(さくや)も、花がいないと路頭に迷うから、早く来てくれ、と言う。
皆の声を聞き、花は涙を拭った。
そして朔也に危ないから先に行くように言うと、花は嵐に周りの状況を話した。

それを聞きながらハルは、嵐は花のことをよく分かっている、と感じる。
嵐は花に話をさせて、落ち着かせようとしているんだー
彼は祈った。
頑張れ、嵐!!


裂け目を降りると、そこは行き止まりだった。
この道は間違いかー
失望する新巻に、安吾が下がっていろ、と声をかける。

そうして彼と涼は、火薬を使って壁を開けた。
すると5人は、水路に出た。

ひばりによれば、そこは排水路の一つで、彼らはサイドホールのある階にたどり着いたらしい。
それを聞いた新巻は、真っ先に走り出る。
もう少し、もう少しだ。間に合って!!

一方嵐は、花を落ち着かせようと常に話しかけながら歩いた。
それを見ていた安吾と涼は、嵐の方が落ち着いているとはどういう訳だ、と不思議がる。
そこでハルが、嵐は花を落ち着かせようとしているのだ、と2人に話す。

そう言ってから、彼は新巻も心配だな・・と呟いた。
その言葉に、小瑠璃(こるり)とあゆはぴんと来ないようだ。
そのため、ハルは2人にも話した。

嵐は花のことを考えている。
でも新巻は、自分のことを考えているー


新巻は、ただひたすらに走った。
彼の中には、一つの思いがあった。
吹雪(ふぶき)と美鶴(みつる)が自分にしてくれたように、自分も花を助けて、そして・・。

彼は思う。
そのために、自分は生きながらえて来たのだから!!

すると、前方にドアが見えた。
新巻は必死で開けようとするが、鍵がかかっているのか開かない。
そんな彼をどかし、涼が銃を構えたー

そうしてドアを開けると、そこは水が流れていた。
通路は落ちて、途切れてしまっている。
どうやらここは小佐渡とつながっていたらしく、それが沈んで引っ張られたようだ・・。
無理に切り離しが行われたために地下まで裂け、そこに海水が流入しているのだ、と安吾が言った。

彼らの現在地を見て、ここがサイドホールDだとひばりが皆に教える。
それを聞いた嵐は、花に何か合図をしてくれ、と頼む。
そこで花は、矢を通して場所を示した。

それは、嵐たちの位置からも確認できた。
だが問題は、そこに足場がまったくないことだ。
どうやってあそこまで行けば・・周囲を見回した嵐は、配電盤のようなものがあることに気付く。

すると新巻が、前方に見える扉のパルプに、着目した。
あれは隔壁を開け閉めするものではないだろうか・・
彼はそう考え、1番の扉のパルプを回せば隔壁が下がり、花は抜け出せるのではないかと推測する。

だが問題は、足場が崩れて存在しないことだ。
おまけに壁のコンクリートはボロボロで、ハーケンも打ち込め無さそうだ。
もし落ちたら、渦に飲み込まれてしまう・・
そう言って、安吾は唸る。

そして彼はパルプは諦め、花のいる側の岩壁を進む案を提示した。
そっちは固い岩壁なので、ハーケンが打ち込める。
ロープが足りないので、安吾と涼でマルチピッチで進むことにした。

時間はかかるが、これが最良だー
涼にそう言われ、嵐もうなづく。
彼は自分も行きたいと頼み、ロープをつなぐ。
新巻は・・そう尋ねると、彼は首を振った。

間に合わない。嵐君、それじゃ間に合わないー
新巻は、考えた。
僕は彼らのように壁を行けない。水の中も行けない。だからー

彼は周囲の状況を照らし合わせ、ある可能性に賭ける。
嵐君、野球ってね、攻守ともに色んなパターンを想定して、何度も何度もシミュレーションを繰り返すんだよー

そしてそう、体を動かす・・。
新巻は一人そう呟くと、真っすぐ前を向いた。
そしてー一気に跳んだ。

一塁ベース。
彼は足場に足をかけ、そこに手をかけてそのまま飛ぶ。
次に二塁を蹴って、サードー

一気に飛び続け、彼はパルプに手を伸ばした。
そしてホームベースへ!!

その手はギリギリ届き、彼はパルプにぶらさがった。
彼が突然起こした行動に、皆目を見張り息を呑むー

届いた!!
新巻は体が震えるのを感じながらも、パルプが動くのかを試した。
錆びているのか、動きが固い。
それでも彼は念じた。動け・・!

その姿に、安吾が怒鳴った。
馬鹿か、どうやって戻る気だ!!
その言葉に、嵐は青ざめる。

彼には分かっていたのだ。
新巻には、戻る気なんてないことを・・。




















花を助ける意味。

今回は花を助けるために、嵐たちが奔走する話でした。


33巻の表紙の新巻を見るに、嫌な予感はしていましたが・・やっぱりこうなってしまうのか・・。
花もですが、新巻が大ピンチです。

自分の死に場所を探して、花を助けるために必死になっている新巻。
いや、気持ちは分かるけど・・無茶しすぎて、見ていて辛いです。

傍目に分かるほどに焦り出してるし、そりゃ皆不審に思うでしょう。
でも彼の本意に気付いているのは、今のところ嵐だけなのかな?

ここは嵐がきっぱり、新巻は間違っていると伝える流れになるのでしょうか。
彼氏としても、彼女に不幸を背負わせようとしている姿は黙っていられないですよね。


新巻の気持ちは理解できますよ。
吹雪と美鶴に置いていかれたのが、ずっと寂しくて苦しいのですよね。
大事にしていた犬たちも去ってしまったし、心が喪失感でいっぱいなのでしょう。

だから自分も死にたい。
でも吹雪たちが自分を救ってくれたように、誰かのためになって死にたい・・。
そう思ってしまうのも、仕方ないことでしょう。

以前も死に損なった、というようなことを言ってましたもんね。
彼にとっては生き残ったのではなく、死に損なった、なのですよね。

それほどに、あの冬の体験・・そして犬たちとの別れは彼にとって堪えているのでしょう。
花には気取られないようにしていたけど、本当は心の傷は癒えてなどいないのですよね。


そこにもっと誰かが入り込んでいけば、こんなことにはならなかったのかもしれません。
でもあまりに分かりにくかったかな、と思います。

花もあゆも、気づくことができなかった・・。
だから、新巻はそのままこじらせてここまで来てしまったのでしょう。

おまけに、花は新巻には体当たりできませんからね・・。


でもこのまま新巻が死んでしまったら、花の心の傷はどれくらい酷いものになるでしょう。
あの時、ちゃんと関わっていたら・・。
あの時助けてもらわなかったら・・。
彼女はそう自分を責めるでしょう。

嵐もそれが分かるから、何としても新巻が死のうとするのを止めたいですよね。
っていうか、新巻が死んで悲しまない人などいません。

ハルだって源五郎だって、彼とは親しくなっていました。
あゆだって、一番信頼している彼が死んだらどうすればいいのでしょう。


今の新巻には、そういうことが全く見えていませんよね。
それがハルの言うところの、自分しか見ていない・・ということなのでしょう。

それは少々、自己中心的にも見えます。
どうして残される者の気持ちを考えないのか・・。
そして新巻に希望を託した、吹雪と美鶴の思いはどうなるのか・・。

新巻に、それをもう一度考えるチャンスがほしいですね。
どうかここで彼が亡くなりませんように・・。

嫌な予感しかしませんが、強く願いたいと思います。




後は、気になったのは涼。

安吾と違い、彼は花のことがやっぱり嫌いなのですね。
安吾が花を意識しているからでしょうか?w

彼のいちいち花に突っかかるカンジが触りますね。
安吾やまつりが諫めているから、大事にはならないけど、このまま続けたらまた皆に悪印象を与えることになるのではないでしょうか・・。

まつりも今までは見なかった彼のそういう面を見て、どう感じるのでしょうね。
ハルのように、小瑠璃の意外な面を知っても理解していこうと思えるのか、それとも失望するのか・・。
2人の関係にも、変化が生じるときだと思います。


安吾は吹っ切れたようですが、涼はまだ課題ありますね。
ここを出るときには、皆で笑顔で再会してほしいものですが、果たしてどうなるか・・。

気になるところです。






さて、次回は新巻が命を懸けて花を助ける話でしょうか。

花は恐らく助かるでしょう・・。でも新巻は?
彼は足場もないあの場所から、どう助かるというのでしょうか。

嵐は彼の死を食い止めることができるのか・・緊張が続きますね。

次回も楽しみです☆