今回から、5巻です!いよいよ最終巻ですね!

前回、故郷の星を目にして感慨に浸る一行。
そんな中ポリーナだけは、その惑星が地球でないことに驚愕します。

カナタたちの故郷の星、惑星アストラとは一体?
地球と何か関係はあるのでしょうかー。

感想です☆




「FRIEND-SHIP」#38




※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

アストラ号は、超光速航行に入った。
自動運転をオンにすると、カナタとザックは皆の集まる部屋へと向かう。

部屋では、ポリーナが皆に惑星アストラの地名について尋ねているところだった。
シャルスが大陸名を答えるが、そのどれもがポリーナの知らない名前だった。

やっぱり私の知っている地球とはまるで違う・・。
ポリーナは額に汗を浮かべる。
大陸の形も違うし、一体どういうことなのだろうか。

それを聞いたシャルスは、自分たちの惑星とポリーナの惑星は違うとしか言いようがない、と話す。
ルカは同じ人間なのにおかしい、とその意見には否定的だ。

ザックが、同じ人間なのは明らかだ、とポリーナを見つめて言う。
言語も同じ。なのに惑星が違うという最大の矛盾を抱えているー

そこでポリーナは、自分はロシア人で普段はロシア語を話している、と語った。
ロシアを知らない?
そう彼女に尋ねられ、カナタは首を傾げる。
だがーアリエスは違った。

彼女はロシアを知っている、と答えた。
それは「国」の名前だー
その言葉に、ポリーナは飛びつく。

ザックも、昔あった領土形態の名前だ、と話した。
今はないが・・
そう話す彼を見て、ポリーナは息を呑む。

国がない・・?

アリエスは地形図を指さし、ロシアがあった場所を示した。
そこはアリエスが知る限りでは、その後ソビエトに名前を変えたという・・
地名が一致したことにポリーナは驚き、質問を続けた。

するとアリエスの口から、次々に聞きなれた単語が出てくる。
アメリカ合衆国、中国、日本、インド・・

それを聞いていた皆は、アリエスの記憶力に感心する。
旧時代の地図はざっくりしか覚えていない、と彼らは話す。

そんな中、ポリーナは考えた。
位置関係は大体合っている。ということは違うのは・・時代?!

彼女は皆に、互いの歴史をつき合わせてみようーと提案するのだった。


そこで、互いの知る歴史を擦り合わせる作業が始まった。
検証の結果、第一次世界大戦と第二次世界大戦、そしてその後の冷戦時代までは流れが一緒だった。
だが・・ポリーナはそこにも違和感を感じる。

9人の知っている歴史の知識が、かなり大ざっぱなのだ。
一番詳しいアリエスでさえ、歴史の知識は浅い・・。

訊けば授業でも旧時代の歴史はほとんど習わないし、歴史の本も少ないという。
歴史を学ぶのは大切なことなのに・・
ポリーナは絶句するが、ユンファは学校では過去を振り返るより未来に目を向けようと習ってきた、と話す。

何か作為的なものを感じる・・。
皆の無知に、ポリーナの胸に警鐘が鳴った。
あえて歴史を教えないようにしているような・・。

その時、アリエスが話を戻した。
彼女は冷戦時代の後に、大きなターニングポイントを迎える、と話す。

ー1962年、第三次世界大戦。

その単語に、ポリーナの背筋が震えた。
第三次世界大戦?!
驚いて尋ねると、アリエスは説明してくれた。
どうやらソビエトがミサイル基地を造ったことが発端らしい。

1962年といえば、キューバ危機だ!
ポリーナは息を呑む。

その戦争は、アメリカが基地を空爆したことによって、始まった・・。
アリエスの説明に、彼女は異議を唱えた。
自分の知る歴史では、そこでは戦争は起きていない、と。

それを聞いたザックが、ここが分岐点だ、と声をあげる。
皆はアリエスの話を支持した。
歴史の食い違いを目の当たりにし、ポリーナは困惑する。

彼女は思わず、神に祈った。
するとそれを見たカナタが、不思議そうに質問する。
ーカミって何だ?

その言葉に、ポリーナの心臓は更に大きく鳴った。
神を知らない?宗教もなくなっているのか?
・・これも意図的に伝えられていないのかもしれない。

その後何が起きたかを教えてー
彼女は9人に、そう頼むのだった。


9人は、自分たちの知る歴史を語った。
1962年、アメリカとソビエトが開戦。
その戦争では核ミサイルが使用され、やがて世界を巻き込む全面核戦争が始まった。

戦争は2ヶ月で集結したが、被害は大きく世界の人口は半分にまで減ってしまった。
人間は自らの愚かな行為を悔い、平和な世界を作り直すことを誓った。

そうして1963年に世界統一政府が樹立。
国という領域は廃止され、言語と法律は一つに統一された。

その後、人類は飛躍的な復興を遂げ、平和な世界を築いた。
そして今年2063年は、ちょうど世界統一から100年を迎えたのだー

これが、9人の知る歴史だった。
全く知らない歴史に、ポリーナは苦悩する。
なぜ歴史が分岐しているのか。そもそも、これは本当に起こったことなのかー?

そこで彼女は、どんな本で歴史を学んだのか、と尋ねた。
するとアリエスが、電子書籍を取り出して見せる。
彼らは紙の本には触ったことがないという・・

積み重なる違和感に、ポリーナは悩んだ。
紙の本を見たことがない?いくら電子書籍が普及したとして、そんなことがあるだろうか。

彼女はもう少しで何か掴めそうな気がして、歯噛みした。
ただ、間違いないことが1つだけあった。
恐らく惑星アストラは・・

ポリーナは、皆に自分の知ることを話すことにした。
9人が知るのとは違う歴史・・
それは、キューバ危機以後のことだった。

人類は冷戦を経て、テロの時代に突入した。
その後、全てを揺るがすような未曽有の危機が地球を襲ったのだと彼女は言う。

それは、2067年に地球に隕石が落下するという予測だった。
直径およそ300kmの隕石で、ぶつかれば地球の生物は確実に死滅する計算がなされたー

彼女の話に、皆驚き、そんなのは嘘だ、と叫ぶ。
2067年といったら、もうとっくに過ぎている。
だが、隕石なんて落ちていないのだ。

ポリーナは続けた。
人類は生き残る手段として、別の惑星に移住を検討した。
全ての人と選ばれた動植物、歴史的遺産やその他必要なもの・・
それらを全て別の惑星に移そうと考えたのだ。

それを聞いた一行は、ますます困惑する。
惑星に全ての人間を移住させるなんてできる訳がないー
そう疑問を呈す彼らに、ポリーナは言った。

人工ワームホールを使えば、可能なのだーと。

その言葉に、カナタの心臓がどくんと波打った。
人工ワームホール・・
その脳裏に、あの光る球が思い出される。

あれが人工ワームホールだとしたら・・
彼の瞳は、驚愕に見開かれるのだった。




















分岐する歴史。

今回は9人とポリーナが歴史を擦り合わせていくことで、新たな事実が明かされていく話でした。

いやー、面白い!!
まだ何が起きたのかは分かりませんが、ゾクゾクして読む手が止められませんね!!

最終巻にしてこの盛り上がり・・最高ですね!!



それにしても、ポリーナと9人の知っている歴史が違うというのが、何とも不思議。

地球とアストラのことに関しては、ポリーナの予測が正解でしょう。
人類は隕石で滅亡する地球を捨て、惑星アストラに移住したというのが事実だと思います。

でも、そこは分かっても、謎は全然消えないんですよね。
数年の間に遭った出来事なのに、9人が何も知らないのですから・・。


これは一体どういうことなのでしょうか。
やっぱり全員記憶を改ざんされているのかな・・。
でもそんなこと可能でしょうか?

人工ワームホールの話が出ましたが、移住に関してはそれで解決するかもしれません。
けれど記憶の問題に関しては人道的な問題もあるし、そもそも1つの惑星の全人類の記憶の改ざんなんてできるとは思えません。

では、どんな理由が考えられるか・・。


1つ考えたのは、パラレルワールド説ですね。
実はアリエスたちとポリーナの世界線は違っていて、だから歴史が食い違うというもの・・。

いや、でもそうなると矛盾があるか・・。
もし本当にパラレルワールドなら、カナタたちがポリーナの世界線に来たことになるから、惑星アストラの話はなかったことになりますもんね。

うーん・・。


後はやっぱりここでも歴史の改ざんがあったのかな、と思ったけど、上手く言語化できないんですよね。

恐らく歴史に関してはポリーナの説が正しくて、アリエスたちの知る歴史は政府?の手によって改ざんされたものなのでしょう。
何か都合が悪くて、一度世界が滅びかけたことにしたかったのだと思います。

そこで歴史的遺産もなくなったとなれば(本とか)、誰も疑問に持たないですしね・・。


だからここに大きなヒントがあるとは思うのですが、それが何か掴めないんですよねー。
世界政府の樹立からちょうど100年というのも気になるし、人類が第三次世界大戦で半分以下になったというのも気になる・・。

でもそれを1つにまとめることができない・・もどかしい!!


もしかしたら人類の人数はアリエスたちが知るほど多くなくて、全員記憶を改ざんして移住させたってこともありえるかもしれませんね。
今思いつくのでは、それが一番ありえそうかな・・。


次回、ポリーナがもう少し深く話を掘り下げてくれそうなので、真実も明らかになるのかなと思います。

本当最終巻にして、巨大な謎が現れましたね。
カナタたちの事件とは直接関係ないのかなとも思いましたが、人口ワームホールという点でつながりましたし。


彼らはアストラに戻ったら、きっと巨大な嘘を暴くことになるのでしょうね。
恐らくそこがゴールになるのかな。

残る旅路も後わずかですが、どんな展開になるのか目が離せませんね!!







さて、次回は人口ワームホールの謎から、真実にたどり着く話でしょうか。

あまりに巨大な謎に、なかなか真実が見えてきませんね。
それが面白いんですが!!

アストラに戻る前に、彼らは全ての謎を明らかにすることができるのでしょうかー?

次回も楽しみです☆