前回、シャルスが刺客であることと同時に、彼の本当の出自が明らかになりました。

ヴィクシア王政地区の王のクローンだという彼・・
世界の謎は、全て明らかとなるのでしょうか。

感想です☆




「FRIEND-SHIP」#43




※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

シャルスの一番古い記憶は、石の柱だった。
立ち並び入り組み、自分がどこにいるのか分からなくなるー
そこはまるで、石でできた森のようだった。

彼がそこをお城だと認識したのは、何歳の頃だろうかー


幼い頃から、シャルスはいずれ王の肉体になることを教え込まれていた。
怪我をしようものなら、王に呼ばれ怒られる・・。

彼の使命は、王の肉体となるその日のために、健康な体を保ち、いつか来るその日に命を捧げることだった。
ずっとそう言われて育ってきたので、シャルスはそのことに疑問を持つこともなかった・・。

その秘密を知る者は、ごくわずかだった。
王とその娘の王女、そして数人の側近・・。
そのため、シャルスは側近の息子として育てられ、城の外へ出ることは一切許されていなかった。

日常は勉強と体力作りの日々。
彼は運動はそんなに好きではなかったが、知識を増やせる勉強は好きだった。

特に好きだったのは動物や植物で、シャルスは夢中で学んだ。
城の外に出られない彼にとって、生物学は未知の魅力にあふれていたのだ。

そしてそんな彼を、王女はよく気にかけてくれた。
彼女はシャルスを敷地内に誘い出し、一緒に虫や草花を観察した。
彼はその時間が大好きで、それ以外の楽しみを知らないから、それが全てだと思って生きて来た・・。


その後、月日は過ぎ、彼は17歳になった。
ある日シャルスは王に呼ばれ、ゲノム管理法案の成立を告げられた。

ゲノム管理法案の下には、クローンの存在は許されない。
シャルスは王に、消えるように命じられた。

王は彼に、ワームホールのスイッチを託した。
それはヴィクシアに伝え遺されてきたもので、出口は地球にあると教えられた。
同志と共に宇宙の彼方で死ぬよう、彼は任務を言い渡されたのだったー。

シャルスは、それを何の疑問もなく受け入れた。
彼の命は王のためにあり、器である自身が生きがいを持つことはあってはならない。
そういう風に育ったから、彼にはそのことに何の不安もなかった・・。


ーシャルスの話を聞いた仲間たちは、涙を浮かべた。
彼の生きて来た環境に思いを馳せ、皆言葉も出なかった。

王の命令は絶対だ。
自分は刺客となり、自身もろとも全員を殺そうとしたのだー
シャルスはそう語った。

そこでアリエスは、以前語ってくれた話は何だったのか、と尋ねる。
シャルスは、あれは作り話だと言った。
その答えに、アリエスの表情は悲しく歪む・・。

その時、ザックが口を開いた。
彼はシャルスの忠誠心が理解できないと叫んだ。
なぜそこまでして言いなりになる。
シャルスが告発すれば、皆逮捕されて助かったはずなのに・・

だがザックは言う。
自分の命は生まれたときから王のものだ。
たとえ若返り計画がなくなったとしても、自分は王が死ねと言えば死ぬのだ、と。

彼はカナタの瞳を見て、不幸だと思うか?と訊いた。
皆には分からないかもしれない。でも自分は王のためなら死ねる。
それが幸せなのだー

すると、カナタはその言葉を遮った。
違う、間違ってる。
だがシャルスは受け入れない。
間違っていない。君が価値を決めるな。

どの考えが正しいと、誰が決められる?
誰が他人を責められる?
そういう風に育ったから、そういう風になっただけなんだー
そう言って、彼は両手を広げた。

宙を仰ぎ、シャルスは歪んだ笑みを浮かべる。
何のために生きているか分からない人間が大勢いるなかで、自分は胸を張って言える。
なんてすばらしい人生だーと!!

その笑みに、皆は沈黙したー


全部演技だったって言うのか?
ふと、カナタが足を前に出した。
嘘だ、お前は俺たちを仲間だと思っている。

そう言いながら近づく彼を、シャルスは来るなと牽制した。
だがカナタは笑みを浮かべながら、どんどん歩み寄る。
あんなに楽しそうだったのが演技だったと?
なめるなよ、嘘の表情かどうかくらい分かるんだ。

お前は俺たちのことが大好きなくせにー
カナタは真っすぐにシャルスを見つめる。

そうじゃなきゃ、ここまで来れない。
助け合いながら死に物狂いで一緒にやってきた俺たちをー
彼は叫んだ。

仲間じゃないなんて言わせないぞ!!

ーその言葉に、シャルスの顔が歪んだ。
やめろ・・
彼はカナタの腕を払う。
違う、自分には仲間などいない!!

するとーカナタは言った。
じゃあ何で、2回も球体を引っ込めたんだ?

彼はヴィラヴァースでもガレムでも、シャルスが途中で球体を消したことを不思議に思っていた。
あのまま追っていれば殺せたはずなのに、しなかった。
それは殺すのをためらったからじゃないのか?!

そう問われたシャルスは、違う、と答えた。
彼は抹殺実行にはためらいはなかったと言い、理由は別にあると話した。

途中でやめた理由は、アリエスを巻き込まないためだー

彼の言葉に、アリエスは目を見開いた。
意味が分からず、カナタは問い返す。
シャルスはそんな彼に言った。
自分の目的はアストラに一人で帰ることじゃない。アリエスを連れ帰ることだーと。

それは皆にとって、予想外の話だった。
シャルスは、本来の目的は全員の抹殺だったが、途中で方針を変えたことを告げた。
その理由は・・アリエスを見つけたからだった。

空港で初めて見たときから、似ていると思っていた。
その後記憶映像能力があること、オッドアイであることを知り、彼の中の疑惑は確信に変わったー
遺伝子が同じだ、と彼は思った。

話を飲み込めない一行は、首を傾げる。
だがアリエスだけは・・シャルスから目が離せなかった。

そんな彼女に、シャルスは言った。
アリエス、君は王の一人娘ー
王女セイラのクローンなんだー




















器の子供。


今回はシャルスの育った環境が明らかとなった回でした。

余りに悲しい物語に、胸が詰まりました・・。
彼が受けてきたのは、洗脳ですよね。

愛情も知らず、自分の価値も知らず、ただ王の器として生きて来た・・

酷すぎて言葉にならないです。


シャルスは、きっと本心から王のことを正しいと思っているのでしょうね。
今までの旅で楽しさや幸せを感じても、本来はそんなものは必要ないと自分にブレーキをかけてしまう。

自由に生きていいはずなのに、囚われて逃げ出す術も知らない・・
こんな生き方を強いる王を、許すことができるでしょうか。


皆の悲痛な表情が、また胸に来ますね。

シャルスを信じたい気持ち、怒り・・そんなものを超越する悲しみ・・
思いが交差し、表現できないのだと思います。


シャルスをこんな風に閉じ込めてしまった王には、怒りと嫌悪しかありません。
世界のトップだとしても、到底許される所業ではないですね。

しっかりと罰を受けてほしいと思います。


そしてシャルスには、どうか皆を選んでほしいですね。

カナタに詰め寄られたとき、彼の本心が一瞬垣間見えました。
きっとシャルス自身も、どこか王のことを認められない部分があるのでしょう。

でもそれに触れることは許されないから、必死に蓋をしている・・
そんな感じに見えました。

もう一歩・・
カナタが彼の心を開けたら、シャルスは助かると思います。

皆を憎くて殺そうとしていた訳ではないのです。
シャルスにも、やり直す余地はあるはずです。

どうか彼自身がそのことに気付いて、王の呪縛から逃れられますように・・。
皆の絆が試されるときですね。

必ず思いは通じると信じています!!





さて、今回はもう1つ大事なことが明かされました。

ついにアリエスの正体が判明しました!
彼女は王の一人娘、セイラのクローンだったのです。

これは全く予想できなかった!!
まさか彼女まで、王族のクローンだったとは・・。


どうやらシャルスの過去話は作り話だったようですが、セイラが存在していたのだけは本当のようですね。
彼の思い出の中のセイラは優しそうだったので、恐らくシャルスはセイラを慕っていたのでしょう。


ただシャルスの話から察するに、セイラとアリエスには何かあったようですね。
シャルスは初めアリエスを見てもセイラのクローンだとは思わなかったようですから、アリエスと会うのは空港が初めてで間違いないようです。

ということは、セイラと暮らしたことはあっても、アリエスの存在を知ることはなかったのですね・・。

あえて城から出してエマに育てさせたのか、何か理由があったのでしょうが別々に生きてきたのでしょう。



で、更に疑問なのが、なぜシャルスがアリエスに執着するのかです。

セイラを慕っていたのなら、セイラに思いを告げれば良かったはずです。
なのに彼の気持ちはアリエスに向いている・・
これはどういうことなのでしょうか。


考えられるのは、セイラがもう生きていないという可能性ですね。
それか作り話のように、何か事件があって彼女は目覚めなくなってしまったのかもしれません。

だからアリエスを見たとき、生きているセイラを見つけたと彼は思ったのではないでしょうか。
そして彼女を愛し、一緒にアストラに戻りたいと考えたのでは・・

そんな風に予想してみました。


後は、叶わない恋を前にセイラのクローンが見つかって、人生をやり直したいと考えた・・とかかなー。
セイラは王族だから無理でも、アリエスならどうせ殺される運命の持ち主。

2人でひっそり生きていくことは可能だと考えたのではないでしょうか。

閉ざされた生活を送ってきたシャルスにとっては、セイラだけが光のような存在です。
そんな彼女のクローンが現れたとあったら、独り占めしたいと考えても不思議はありません。



まだセイラのことが語られていないので推測にすぎませんが、シャルスの気持ちが彼女に向いていたのは確実でしょうね。
そしてそんな彼の前で、偶然は起きた・・
そういうことなのでしょう。

シャルスはアリエスをどうするつもりなのか。
またセイラとアリエスの間には、何があったのか・・。

次回語られる答えはこの辺りでしょうか。
全ての謎が明らかになるまで、後少し・・

固唾を飲んで見守りたいと思います!!









さて、次回はアリエスの真実が語られる回ですね。
セイラとアリエス・・2人が結びつくときです。


また、シャルスの今後の動きも気を付けて見て行きたいですね。
彼は改心するのか、それともアリエス以外抹殺の意志を崩さないのか・・

どう転ぶのか、まだ分かりませんね。


真実が明らかとなったとき、10人の関係はどうなるのかー

次回も楽しみです☆