前回、至郎太の成功を呼ぶ料理のからくりを見抜いたネウロたち。

彼らは海野殺しの件も含めて、至郎太の謎を喰いに動きます!!

感想です☆




脳髄の空腹~第6話 「食【えじき】」




※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

ネウロと弥子(やこ)は、刑事や店の人間を連れて、至郎田(しろた)の厨房に入った。
彼らの乱入に、至郎田は鍋を見つめたまま、何の用だ・・と尋ねる。

ネウロは用など決まっていると言い、今から弥子が犯人を指さすのだ、と話した。
それと同時に、弥子の腕に力が加わる。
彼女は言ったー

犯人はお前だ・・!!

それを聞いた至郎田は、呆れたように息をつく。
弥子たちは一度生きている海野(うんの)を見ている。その間、自分はずっと彼らと一緒にいた・・
彼がそう話すのを聞き、ネウロはうなづく。
そう思わせるように、至郎田はトリックを使ったのだ、と。

至郎田にとって、海野は生きていなくても良かった。
ただ彼が「立っていれば」用は足りたのだ・・。
それを湯気の向こうに見せれば、生きていると思わせるには充分だった・・
ネウロはそう説明する。

彼は床に散乱した仕込み鍋の具材の中に、全く火の通っていないトマトがあったことに気付いていた。
周囲に同様の食材はなく、その裂け目は不自然な形をしていた・・
これがトリックの種でしょうー?
ネウロは何も言わない至郎田に、そう問う。

トリックの手順はこうだ。
まず穴を開けたトマトに2本のロープを通して、それを凍らせる。
その後警察が来る時間を見計らって、海野を殺害する。

後は急いでコンロの上の2つの換気扇にロープの両端をくくり、できた輪の間に死体を通して立たせ、コンロには鍋を置いておく。
そうして換気扇のスイッチを入れれば、トリックの完成だ。

その後は鍋から上がる蒸気でロープを見えにくくして、首の角度はコックタイをきつめに巻いて調整する。
そしてその死体をさりげなく自分たちに見せたら、後は皆と雑談でもしていればいい。
時間が経てばコンロの熱と蒸気でトマトは溶け、体重に耐え切れず裂ける。

それから中に入っていたロープは換気扇に巻き取られ、死体は派手な音を立てて床に倒れるー
これが至郎田が行ったトリックの全てだ。

その証拠に、換気扇からはロープが2本出てきていた。
果汁らしきものも付着しているという。

更にネウロは、脅迫状の件についても言及した。
2通の脅迫状ー
そこにはよく見ると、異なる点がいくつかあった。

1通目は店に何か秘密があるように書かれているが、2枚目だけを見ると店への逆恨みに見えてくる。
恐らく1通目は海野が書いた本物で、2通目は至郎田が書いたもの。
筆跡も似せてあるが、別のものだった・・。

つまり至郎田はあえて2通目を書くことで店への疑念を消し、且つ逆恨みの男がいるように演出したのだー

そうネウロが言うと、ようやく至郎田が口を開いた。
・・証拠はあるのか?
彼はそう尋ねた。

するとネウロは厨房の棚を調べ始めた。
彼はこのトリックの欠点は、死体が新鮮でなくてはならないことだ、と述べた。

警察まで証人に呼んだのだ。殺害後数十分も経ってしまえば、犯行時刻がバレてしまう・・。
だから警察が来るタイミングに合わせて殺し、すぐ死体をセットしなければならなかったー
ネウロは棚の中の道具をひっくり返しながら、お目当てのものを取り出す。

それは、血のついたこん棒だった。
至郎田の計画では、凶器を捨てる時間はない。だから厨房の中にあるだろう、と彼は踏んでいたのだ。


ーその証拠を目の前に、至郎田はもういい・・と呟く。
彼の言葉に、場の人間は彼が自白したものとして、息を呑む。

至郎田は自分の罪を認めながらも、煮ていたスープを皿によそった。
そうしながら、彼は話す。
海野は自分の究極の料理ができるのを邪魔したのだーと。

それを聞いた弥子は、自分には分からない・・と口を開いた。
そんな料理を作る理由も、人を殺す理由も・・。

すると至郎田は弥子の口ぶりから、彼女が料理の秘密に気づいていることを察する。
彼は弥子たちも海野も、自分の料理を理解できなかった・・と笑った。

海野は究極の料理を作る至郎田を止めようと、彼に事態を公表すると迫っていた。
至郎田は食の千年帝国を作ると豪語したが、海野はその考えを否定する。
違法薬物が大量に入った料理の、何が究極か!!

彼はそう言うと、脅迫状の効果もなかった・・とうなだれた。
その背中を見ながら、至郎田はこん棒を手に取った。

彼は自分の料理を否定されたことが許せなかった。
だから殺したのだー

そう明かすと、至郎田は高らかに笑った。
なぜ自分があっさり自白したと思うかー
彼は皆にそう問うと、自分には確実に逃げる算段があるからだ、と言った。

その手には、注射器が握られていた。
至郎田はその注射器でスープを吸うと、それを自らの腕に注入する。
皆はその狂気に、悲鳴をあげた。

至郎田の瞳孔は見開かれ、彼の体が震えるー
スープには、数えきれないほどの食材と薬物が配合されていた。
それは血液や尿からは決して検出されないようにできており、尚且つ今までの数倍の効果が見込まれた。

これが長年にわたる研究の結果たどり着いた、俺の究極の料理ー
今や、至郎田の体は筋肉で膨れ上がり、面影もなかった。

ードーピングコンソメスープだ・・。
彼は巨大化した体で、自分を捕まえられるか、と皆に凄む。

その異形となった姿に、刑事たちは困惑した。
弥子も目の前の化け物に、言葉を失う。

だがその時、ネウロが前に出た。
くだらない・・
彼はそう言うと、至郎田を挑発した。

弥子は至郎田の料理の呪いに気付いていた。
そして食べることはそれ自体が幸せだ、と言っていた。
そんなこと、自分だって分かるのにー

彼は笑う。
至郎田の料理はゴミだ、と。
その言葉に、至郎田の血管ははちきれんばかりに膨れ上がった。

取り消せ、お前らごときが俺の料理を語るんじゃない・・
彼は怒鳴った。
俺の料理は至高にして、究極だー!!!

そう叫ぶと、至郎田はネウロに飛びかかった。
2人は床を転がるが、その時至郎田は気づく。
ネウロの細い体が、まったくダメージを受けていないことに・・。

彼は至郎田の巨大な拳を易々と抑えると、笑った。
これが究極・・?

そう言いながら、彼は髪の毛を操り、至郎田の脳に刺すー
料理も謎も、貴様のは究極には程遠い・・。
その姿が、魔人に変わるー

だが安心しろ。貴様の謎だけは我が輩が喰ってやるー

そうして、ネウロは至郎田の謎を食べた。
体中のエネルギーを吸い取られた至郎田はげっそりとし、床にひれ伏す・・。
その彼の姿に、笹塚(ささづか)たちはただ混乱するだけなのだったー。


その後、至郎田の事件は明るみに出て、薬物を使っていたことも公表された。
知らなかったとはいえ薬物を摂取させられていたことで、世間は大騒ぎになっていた。
そのことを弥子から聞いたネウロは、つまらなそうに息をつく。

食べることに余計なものを求めるから、余計なものがついてくるのだ。
食物の価値は美味いかまずいか、多いか少ないか、それだけでいいのだ。

そう言って、彼は笑う。
ヤコ、そこに違いはないはずだ。物質を喰う貴様も、謎を喰う我が輩もなー

その笑みに、弥子もうなづき笑い返す。
相変わらず扱いは雑だが、2人の関係は確実に近づいているのだった・・。




















究極の料理。

今回は至郎田の事件を謎解く回でした。

ついに有名なあの、「ドーピングコンソメスープ」が出ましたよ!!
こんなの思いつくの、松井先生しかいないでしょう!!

そのインパクトに、息を呑んだものです・・w


まさかスープを直接体に注入して、あんな化け物化するとは・・誰が思ったでしょう。
ネウロにやられた点では彼も今までの犯人と大差ないですが、その思考回路のおかしさたるや、3つ目の事件にして頂点に達してしまったかのようですー!!

これが究極の料理とは・・分からないものだなぁ。。

これを理解するのが天才と言われたら、凡人でいいです。
結局至郎田は何をしたかったのでしょうね・・。
究極の料理と言いながら、逃走のために使用するその思考回路・・

う~ん、本当理解できない(^^;)


でもインパクトは強かったので、彼を忘れることはないでしょう・・。
わずか6話にして、強烈なショックを残す・・

まさしく天才の成せる業ですね。



一方トリックとしては、まぁ分かるけど結構無理あるなぁ・・というのが今回の感想でした。
でも今回で改めて思ったけど、トリックを楽しむ作品では断じてないんですよね。

そこを求めるなら、違う推理漫画読むほうが正しいでしょう。
ネウロの魅力は、そこじゃない!!


なんでこんなにネタの宝庫なんでしょうね。
それでいてキャラがそれぞれ立ってて、読みだすと止まらない・・。

今回の事件は、それをよく体感させる物語でした。
どんどん新しい魅力が出てきますね。
もう目が離せない・・。


なんかじわじわとネウロの魅力に取りつかれていく自分がいます。
また弥子との関係がどんどん親しくなっているのもいいですよね。

ネウロがただの非人間ではなくて、ちゃんと人間を理解しようという部分もある・・
そういうところ見せられると、普段のギャップもあってハマっちゃうんですよね~。

弥子の方も笑顔を見せることが多くなったし、良い傾向。
このまま2人の謎探しがどんな形で進行していくのかー

そういうところにも期待させる、まさに名作回だったと思います。
次はどんな謎が待っているのでしょうか。
楽しみです!




後は少し心配していた笹塚ですが、今回では特に何もなく終わりましたね。

でも事件を重ねるごとに、2人への疑惑の目は強くなりそうだなぁ・・。
ちょっと警戒したほうがいいのかも。

味方になってくれる人だとは思いますが、魔人ってことを打ち明けるのは微妙ですもんね。
彼との関係もどうなっていくのか、気になるところです!










さて、次回は新たな謎を求める回ですね。

なかなか謎を追い求めて出向いていくって、地道な作業ですよね。
同じ街でそう何度も事件も起きないだろうし、そろそろ警察と連携できたりするといいですね。

弥子の探偵能力を知ってるのが、笹塚と石垣だけなのがもどかしいです・・。
もっと有名になれたらいいのに。


とにかく、今回も面白かったので、次の事件も非常に期待しています!
次回も楽しみです☆