前回、アヤの抱える謎に踏み込んだ弥子たち。

一方刑事たちは、アヤを狙うストーカーの事件に乗り出していました。

2つの事件に、関係性はあるのでしょうかー。

感想です☆





ひとりきりの歌姫~第13話 「締【しめ】」




※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

刑事たちは、ストーカーの送りつけたプレゼントを見て、絶句した。
中には動物の死骸が入っていたのだ。

熱狂的なファンが多いからこういうことは時たまあるが、最近のは異常だー
マネージャーの三木(みき)はそう言った。
今も事務所に大量に届き、ゴミで運ばれるのを待っている最中だという。

他にも窓ガラスを割られたりしているらしい・・。
笹塚(ささづか)は、警察を呼ぶのも当然だ、とうなづいた。

ネウロは、アヤ絶大な能力はそういう輩も引き付けてしまうのか、と感心する。
それを聞いたアヤは、絶大なんて・・と謙遜する。

そこでネウロは笹塚に、自殺事件については詳細を知っているのか、と尋ねた。
それで、笹塚は2人がここにいる理由に気付く。

だが笹塚たちは直接関わっていないし、警察の中ではもう終わった事件となっている。
だから自分たちには手伝うことはできないぜ・・彼はそう言った。

ネウロはうなづき、自分たちが徹底的に調べることで、アヤの心に平穏が訪れるといいーと笑う。
アヤも2人がやる気になっていることに、感謝を示す。
そこで笹塚も、資料を取り寄せる、と2人に力を貸すことを約束するのだった。


ー笹塚は、早速FAXで資料を取り寄せてくれた。
ネウロはその資料を見ながら、事件当時の状況を検証する。

どっちの事件も、被害者の死亡時刻ははっきりしている。
そしてその時間から死体が発見されるまで、誰も被害者の部屋に入っていない・・。

おまけに両方の事件で、不審な者の目撃もない。
確かに自殺としか思えないな・・笹塚はそう話した。

だがネウロは資料の全てに目を通しながら、不敵な笑みを浮かべる。
さあ・・先生は何と言うでしょうね・・。

その弥子(やこ)は、アヤと一緒にいた。
彼女はさっきからずっと、アヤのオーラに圧倒されっぱなしだった。

ネウロがこの人に関心を示すのも、当たり前かもしれない・・。
弥子はそう思う。
アヤにはネウロの求める絶大な知名度と、魔人の理解をも超えた力を合わせ持っている。

自分はたまたま探偵役に任命されただけなのに・・
そのことを思うと、何だか自分が情けなく思えてくるのだった。

そんな様子に気付いたアヤが、弥子に声をかけた。
心配させた、と慌てた弥子は、アヤの能力がすごいと思って・・と笑う。

孤独を感じる人たちの脳を揺さぶる音楽・・
ふと、弥子は訊いてみた。
でも、どうして自分の歌にそんな力があると気づいたのかー?

そう訊くと、アヤは彼女を見つめた。
探偵さん、あなたは私の歌を聞いて、脳に直接響くものがある・・?

尋ね返された弥子は、首をひねる。
すごい良い曲だとは思うけど、脳に直接となると・・?
そう考える彼女に、アヤは言った。

世界で私は一人きりー
そんな人たちへの曲を作れるのは、私も世界で一人きりだからよ・・。

そう話す彼女の中に深い孤独を見た気がして、弥子は口を噤む。
私は自分の脳を揺さぶる音楽を作るだけ。そうすれば私と同じ人たちに、その音は届くから・・
アヤはそう言うと、ほほ笑んだ。

あなたはきっと、皆から愛されて育ってきたのね。羨ましいわー
そう言われて、弥子は慌てて取り成そうとする。
だがその時ネウロがやってきて、彼女の自由は奪われてしまった。

ネウロは調査を終え、戻って推理をしよう!と弥子に声をかけた。
彼はアヤに聞こえないように、そっとささやく。
資料を見て、大体の見当がついたぞ。この謎は、もはや我が輩の舌の上だー

だが・・と彼は言った。
我が輩に考えがある。謎を喰うのはもう少し後にするぞ・・。

その珍しい言葉に、弥子は困惑する。
けれどもネウロはろくに説明もせず、まずは強い光に誘われてきた小虫の方から片付けておくか・・と彼女を引き連れていくのだった。


その夜、アヤは事務所を出て、駐車場へと向かった。
彼女が車に乗り込もうとした瞬間、前方に一人の男が現れた。

その男は、なぜか不自然に両手を掲げていた。
アヤ、無駄だよ、警察に頼っても・・。
彼はそう言うと、彼女に近づいた。
男の頭から、パーカーのフードが取れる・・

フードの中から出て来たのは、自分の体をガチガチに拘束した姿だった。
自分の首を締めながら、男はアヤに近づく。
君の助けになれるのは、俺だけなんだ・・

その異様な姿に、アヤは目を見張った。
男は首を締めることで、気持ちよくなって頭が冴えわたるのだ、と笑った。
もっとも君の無能な仕事仲間たちは、首を締めても全く進歩はなかったね・・。

彼はポケットから手錠を取り出し、アヤに向かう。
でも君は違うはずだ。俺なら君をもっと進化させられる。
自分の用意した部屋で余すところなく締め付ければ、2人で最高の楽曲が作れるはずだー

その手を、石塚(いしづか)が掴んだ。
それを機に、隠れていた一行が出てくる。
ネウロが、やっぱりそうですか・・と口を開いた。

彼はストーカー事件の傾向を調べる内に、犯人がわざわざ警備の重いところで行っていることに気付いた。
ならば対策は簡単ー

警察の介入は犯人を締め付け、ますます燃えさせるはず。
つまり近いうちに、犯人は警備の締め付けが厳しいところの死角に現れるだろう、と踏んだのだ。

その思惑は当たった・・
そう話すネウロの後ろから、本物のアヤが出てくる。
その姿に、男は驚き後ろを振り返った。
彼の前にいるアヤは、弥子が変装した姿だった・・。

全て罠だった・・
そのことを知った男は、石垣を振り切ってアヤに近づこうとする。
彼はアヤに向かって叫び、暴れるー

俺だけが、俺だけが君の最愛の人になれるー!!

・・すると、彼を止めようとする石垣に、笹塚が声をかけた。
石垣、そのままー

彼はそう言うと、真っすぐに男の顔を蹴り飛ばした。
その威力に、男は床を転がっていく。

早めに黙らせた方がいい。あんまり言わせると、被害者にアレだから・・。
笹塚は、そう言い、息をついた。

ネウロが床を這う男に近づき、その姿を観察する。
大したものだ、1人の女の音楽がここまで人を引き付けるとは・・。

彼はうなづくと、男に言った。
・・だが貴様は邪魔だ。謎解きの途中で乱入でもされたら、我が輩の食事の時間が台無しになる・・。
ここはアヤに倣って、音楽で癒して大人しくさせるかー

そう言うと、ネウロは男の頭に魔界道具を刺した・・。
我が輩から貴様に、1曲プレゼントだー

その道具は、楽器へと姿を変えるー
拷問楽器「妖謡・魔」ー

その楽器は人に寄生するが、自分の弦を持っていない。
その代用として、宿主の神経線維を引きずりだして使うのだ・・
ネウロはそう説明した。

男の頭の中から神経が引っ張り出され、魔物がその神経を使って、彼の頭の中で音楽を奏でる・・。
男はその痛みに、悲鳴をあげた。
魔物が使った神経は、痛覚神経だったのだ・・。

叫びながら頭を抑え転げまわる男に、笹塚たちは戸惑った。
また急にテンションが下がったな・・。
弥子もネウロが何かまたエグい能力を使ったのだろう、と顔をしかめる。

その時、彼女の横でアヤが小さな声で呟いた。
弥子にしか聞こえなかったが、アヤは確かに言った。

あなたが私の最愛の人になる・・?
あなたじゃ無理よ。だってあなたが側にいても、私は歌えるものー

その言葉に、弥子は目を見開いた。
―男は苦しみのたうち回って、気を失ってしまった。
さっき彼が言っていたことは、もしかしたら自殺事件に関連しているかもしれない・・
刑事たちは彼を連行することにした。

そんな中、ネウロは弥子の頭を掴んだ。
さあ弥子よ、邪魔者は消えた・・。
後はじっくり謎を喰らうベストな場所を探すとしようー

彼の言葉に、弥子は考える。
彼女の頭はまだはっきりと整理がついた訳ではない。
だが、この事件が男を捕まえて終わるようなものではないことだけは、確かに理解できた・・。

ネウロの表情、アヤの言葉・・
絡み合う思念の更に奥で、謎がぽっかりと口を開けて待っているのを、彼女は感じるのだったー。











一人きりの人に届く音楽。


今回はストーカー事件を解決することで、弥子たちが自殺事件の核心に迫っていく話でした。

ストーカー事件は、これにて解決ですね!
彼の言っていることは自殺事件に関係ありそうに見えますが、恐らくは思い込みから出た発言なのかな・・と思います。

でなければ重要な証言を抱える男を、ネウロが駄目にしてしまうことはないでしょう。
彼はあくまでアヤの歌に引き付けられた、一介のファンだったということでしょう。


それにしても、気持ち悪い見た目でしたねーw
締め付けが気持ちいいという人は一定数いそうだけど、あれだけ締め付けるのはちょっと・・。

それもやっぱり、孤独を抱えているからなのでしょうかね。
孤独だから、自分を締め付けるものに依存してしまうというか・・。

アヤの歌に魅入られるのだから、彼も一人きりという思いを抱えていたのでしょう。
それが歪んだ形で表出したのでしょうね。

それにしても、目が気持ち悪かった・・。





さて、そしてこの事件をきっかけに、弥子はだんだんとアヤの心の闇に気付きます。

これはもう、アヤが自殺事件の犯人で間違いないでしょう。

彼女はきっと幼い頃から、自分は一人きりだと思って生きて来たのでしょう。
その思いが、彼女に特別な能力を与え、それを見出す人がいた・・。
それが台島とひばりだったのだと思います。


が、恐らく台島とひばりは、彼女にとって大事な人になったのでしょう。
その結果、アヤは自分の持ち味の歌を歌えなくなってしまった・・。

だから再び孤独になるために殺したー
そんな感じではないでしょうか。

彼女の今回のセリフを総合すると、その線しかないように思われます。

でもだとしたら、なんと悲しい事件なのでしょうか・・。

歌い続けるために、愛する人を殺して一人きりになるしかないなんて、そんなことがあるでしょうか。
アヤは歌を捨てることは考えなかったのでしょうかね・・。

どうして、という気持ちでいっぱいです・・。


ネウロは謎にはたどり着いたようですが、アヤの深層心理を推理できるのは恐らく弥子の方だと思います。
今回の事件で、弥子とネウロの立ち位置が見えてきた気がしますね。

ネウロが理詰めで迫り、弥子が心理面で攻める・・
そんな構図が出来てきたのではないでしょうか。


弥子もまた、犯罪の被害者です。
そんな彼女は、きっと心を病んだ人たちに思いを届けられると思います。
そしてそれは、決してネウロにはできないことです・・。


今回の事件を機に弥子は有名になるのでしょうが、彼女自身は探偵という身分に不安を感じているようです。
でも不安にならなくてもいいと思いますけどね。

こうして、ネウロにはできない部分で活躍する道筋が見えてきた訳ですし・・。


次回、謎解きになるのかな。
弥子はアヤの闇を知り、彼女にどう向き合うのでしょうか。

探偵としての弥子の活躍を、初めて見ることができる時ですね。
期待して待ちたいと思います。







というわけで、次回は自殺事件の謎解き回でしょうか。

ネウロは舞台を整えるつもりでいるようなので、やっぱりテレビに映る形で推理を披露しようと考えているようですね。

ライブか音楽番組というところでしょうか・・。
アヤが出るなら、世界中で放送される可能性がありますね。

そんな場で、アヤが犯人だと断定したら、どんな騒ぎになるかー

どんどん新たな展開が見えて、続きが待てませんね!

次回も楽しみです☆