前回、2人の自殺事件の犯人を、アヤだと断定した弥子とネウロ。

その姿はテレビを通して、人々の目に留まるところとなりました・・。

果たして弥子たちは、アヤの中の謎を喰らうことができるのでしょうかー?!

感想です☆





ひとりきりの歌姫~第15話 「一【ひとりきり】」




※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

原因は私の生い立ちにあるのだろう・・。
それを今更思い返す必要もない。

はっきりしているのは、気が付いた時には自分の心の中に、何者の侵入も許さないようになっていたこと。
一人きりの閉じた心、澄み切った暗闇の中でのみ、アヤは最大限の音を発揮できたのだったー


ネウロの推理に、観客は静まり返った。
彼はアヤへの追及を続ける。

被害者の首を締め気を失わせたアヤは、中間にフックを結んだロープで首をくくり、天井を走るパイプにそれをかけた。
そして反対に垂らしたロープには、重しとしてポリ缶をくくりつけ、ホースから水を入れて部屋を出た。

すると、水がたまることで重しの重量は増していく。
それに伴い、緩やかに縄は被害者の体を持ち上げ始める。
恐らく全身が上がる前に、被害者は死ぬだろう・・。
まさしく、あなたが歌っている最中にねー
彼はそう言って、アヤを見つめた。

そうしてアヤは、歌う前でも後でもない絶妙な時間に、死亡時刻をずらすことができた。
後は現場に戻れば、被害者の体はすっかり浮いている。

アヤはロープの途中のフックをパイプにかけ、余ったロープを切り落とし、
重しにした水は、水道に捨てれば良い・・

こうすることで、どの事件現場の場合も、アヤは自身の手で一切死体を持ち上げることなく、アリバイを作ることが可能になるー

だがこのトリックは、第一発見者が後始末をしないと意味がない。
動機のない不自然な自殺と、それを他殺にしうる2つの部屋の共通点・・

それは、アヤが犯人だということを物語っているのだー
ネウロは、そう言い切るのだった。


その推理に、観客は息を呑む。
アヤは・・息をついた。
彼女は微笑み、自分の負けを認める。

大したものね、私から付け加えることは何もないわー

それから、彼女は弥子(やこ)に向き直った。
探偵さん、あなたの口から直接聞きたいわ。どこで私が犯人だと確信したのー?

そう言われた弥子は、口を開く。
彼女はアヤのファンや関係者が作ったホームページを見て回ったことを話し、そこから彼女のCDやライブの全体的な評価を得たことを説明した。

そこで、弥子は気づいたのだ。
3年前の世界ツアーが評判が良くなかったにも関わらず、最終日だけは絶賛されていたこと。
また1年前のアルバムがある時を境に全て録り直しされ、結果今までの中で一番の売り上げを記録したこと。

ツアーの最終日は、プロデューサーが死んだ日、アルバムの作り方が変わったのはマネージャーが死んでからだった。
共通している絶賛へのきっかけは、アヤの大事な人が死んだことで、彼女が再び一人きりになったことだ、と弥子は気づいたのだ・・。

あなたは大切な人を殺すことで、あなたと同じ「一人きり」の人たちの脳を揺さぶる歌を再び歌えるようになったんですよね・・?
そう問う弥子の顔を、アヤはじっと見つめた。

でも・・理解できない・・。
弥子は訴える。
大切な人を失う悲しみは、自分も知っている。
なのに、よりにもよって自分自身で殺さなくちゃならないなんてー!!

・・すると、アヤは笑った。
彼女はトリック暴きも殺害動機も、寸分違わず弥子の推理通りだ、と称賛した。
そして、彼女は語りだした・・。

2人共、かけがいのない人だからこそ、殺したのだ、とー。


台島(だいじま)は、路上で歌っているアヤに声をかけ、彼女の音楽を最初に理解してくれた人だった。
ひばりは、アヤにとって初めての親友だった。

2人共自分のことよりも彼女を大切にした。
アヤはそれぞれと一緒に笑って泣いて・・
気が付いた時には、澄み切っていたはずの彼女の心の暗闇は、暖かくて優しい光に満たされていたー

その結果、彼女の歌は客に届かなくなった。
作る曲も、自身の脳を揺さぶれない・・。
 アヤが2人を大切に思うほど、彼女が一人きりでなくなるほどー

彼女の音楽は、輝きと力を無くしていったのだった・・。

アヤは苦悩した。
2人の優しさは、彼女の心を照らす。
だが、そうなると歌が歌えなくなるー

やめて、私の暗闇に入ってこないで。
2人共大好きだから、私の中からいなくなって?

・・そうして、アヤは2人の背後で、ロープを手に取った。
いつも通り笑顔で迎える2人に、アヤは普段通りの笑顔で応えた。
そして、ロープを2人の首に回すー

私は一人きりじゃないと歌えないから、私の心に暗闇を取り戻すために・・

さよならー

2人の死体を確認した後、アヤの中から光は消えていった。
これで戻れるのだ、完璧に閉じた世界に。
心地よい一人きりの暗闇へー

私は後悔していない、これでまた一人きりになれたんだもの。
アヤはそう言って笑う。
今の私は、歌へのアイデアと愛で満ちている。
たとえ死刑台に登るとしても、私はその時まで歌い続けるわー

それを聞いた弥子は、反論する。
嘘だ、アヤの中は罪の意識でいっぱいのはずだ。
彼女は分かっていた。
でなければ、うちに来る必要なんかないのだからー

それを指摘すると、アヤは本当に何でもお見通しなのね、と呟いた。
彼女はトリックが解けても解けなくても、その運命に従おうと思っていた、と話す。
それを一度きりの贖罪の賭けとしたのだ。

頼むのは誰でも良かった。でも・・
アヤは笑った。
あなたにお願いして良かったと思ってるー

そう言って、彼女は刑事を呼んだ。
こうして、アヤは自分の罪を認め、自ら警察署へ出向いたのだった・・。


弥子は何とも言えない思いを抱えていた。
だが、事件は幕を閉じてしまった・・。

稀有な能力を持つ女だったが、謎はこんなものか・・。
食後、ネウロはそう感想を述べた。
そんな彼に、弥子は問いかける。

アヤはこれで満足なのだろうか・・と。
自分が何を言ったって、彼女や殺された人の救いになったとはとても思えない・・。
沈んだ声で、彼女はそう話した。

それを聞いたネウロは、それは分からないが自分にとって今回の弥子はよく役に立った、と言った。
舞台の上で、弥子はアヤの信頼を得た。
それは結果として、弥子の探偵としての説得力を増すことにつながったのだ。

人間として、人間の心を捕える力ー
それは貴様やあの女が持っていて、自分にはない能力なのだから、誇っていいぞー
彼はそう言うと、夜の闇に消えていくのだった・・。


その夜はアヤの事件とネウロの珍しく率直な誉め言葉が頭に残って、弥子はまだ気づいていなかった。
翌朝、彼女は母親と家政婦に呼ばれ、新聞を見て事態の大きさを知ることとなるー

その朝の新聞の一面には、大きくアヤの事件のことが載っていた。
そしてその横には、弥子の写真もしっかりと載ってしまっていたのだった・・。




















歌姫の孤独。

今回はアヤの事件の謎解きと、彼女の心の闇が明らかとなる回でした。

ネウロの推理よりも、弥子がアヤの心情に迫る描写が心に残る回でしたね。
自身で彼女の心の闇に気付き、謎に近づいた弥子の能力は、本当に誇れるものだと思います。

それだけに、彼女もアヤの孤独に触れてしまい、キツかったのでしょうね。
弥子の何とも言えない切ない表情を見るのは、少し悲しかったです。

謎を解いて誇らしい気分になんて、到底なれませんよね・・。
今回の事件に関しては、誰も救われない結末だったので・・。


アヤも大事に思っている人たちを自らの手にかけないといけないのは、どんな気持ちだったのでしょう。
彼女は歌を選んだわけですが、どうにか別の道を探ることはできなかったのかな・・。
その能力を、どうしても使わないといけなかったのでしょうか。。

なんだかやりきれないですよね。
大事な人たちに、相談することはできなかったのだろうか・・とか、色々と考えてしまいます。
でもそれができないからこそ、アヤは今までずっと孤独だったのでしょうね。


彼女はきっと刑務所の中でも歌い続けるのでしょうね。
でないと、殺された2人は浮かばれないですから・・。

微妙なところですが、彼らは歌と引き換えに命を失ったのです。
であれば、アヤが歌わなくなってしまったら、2人が死んだ意味はなくなってしまいます。

だから、アヤはずっと歌い続けるのでしょう。
それが彼女にできる反省であり、贖罪なのだと思います。。

一生を孤独に、歌い続ける人生・・
アヤが選んだものは、彼女に歌い続ける人生は与えましたが、そこに救いや幸福はあるのか・・。

本当に、やるせない気持ちになる事件でした。。




さて、そしてラストで新展開です!

ネウロに認められたのは凄いことですよね!
彼もああいうところは素直なんだな~と感心しましたw

これからの2人の関係、変化があるかもしれませんね。
今回のように、心情が分からないと解けない謎も出てくるかもしれません。

そんな時に、弥子はネウロの良き相棒として活躍することができるでしょう。
毎回怪人のような犯人ってこともないでしょうし、弥子の活躍楽しみにしたいと思います!



そして、一夜にして有名になってしまった弥子。
これは警察にも目をつけられるし、私生活にも影響が出そうですね。

今までの事件は騒ぎになっていないところを見ると笹塚が押さえていたのでしょうが、もうそれも難しくなりそうです。
どういうスタンスでやっていくのか、判断を迫られることになりそうですね。

ネウロに関しても、あまり無暗に魔界能力を使うのは控えたほうがいいかも。
魔人だと色んな人に勘づかれるのは、都合が悪いですもんね。

そこを狙って近づく輩が来ても物騒ですし、マスコミの目も気になるところ・・。

ネウロがそこまで考えているとも思えないので、弥子はしばらく大変な日々を過ごすことになりそうですね。
どんな新展開が待っているのか・・
気になるところです。









というわけで、次回は弥子の周囲の環境が変わる話でしょうか。

捕まえたのが世界の歌姫ということで、暫くはマスコミに追われる日々が続きそうな感じですね。
あんな見るからに怪しい事務所に出入りしてて、大丈夫なんだろうか・・。

そして、また新しい事件が始まる予感ですね。
一体どんな謎が待ち受けているのかー

次回も楽しみです☆