前回、ついに明を捕えたネウロ。

彼の中に、Xは潜んでいるのか・・。
そしてネウロはXの正体の謎を解くことができるのでしょうか?!

ついに2人が出会う時です!!

感想です☆




鮮明なる゛X〟~第21話 「差【ちがい】」





※以下、ネタバレあり※











◎あらすじ◎


癌は遺伝子が突然変異を繰り返す病だ。
変異した細胞が、肉体に致命的な悪影響を及ぼすのだ。

自分もどうやら、癌という病名らしい・・。
ただ自分が他と決定的に違ったのはー


ネウロは明(あきら)ににじり寄った。
さあ、正体を現したらどうです。あなたの発する気配は、その姿が仮のものであると語っていますよー

ネウロの言葉に、弥子(やこ)や筒井(つつい)は息を呑む。
それじゃやっぱり、こいつは・・!!

ーすると、明が笑った。
正体ねぇ・・。

彼は楽しそうに語った。
もう見てるだろ・・?今お前たちの目の前にいるのが、誰も気づかなかった自分の正体さー

その答えに、筒井はかっとなる。
それでは答えになっていない・・
彼は周囲に転がった赤い箱を指さす。

自分が知りたいのは、お前がX(サイ)かということだー!!

それを聞いた明は、息をつく。
Xか・・、あいつに皆恐怖している・・。馬鹿げたことさ・・。

その言い方に、弥子は疑問を感じる。
あいつ・・?
明は興奮したように、饒舌になっていく。

標的を決めたらどんなものでも盗んでいく。
残されるのは、たった一つの赤い箱だけ。
彼は犯罪者というより、芸術家だー!!

先入観に囚われずにXを見れば、皆恐怖じゃなくて憧れを抱くはずだ。
自分も彼の境地に少しでも近づきたい・・
ここで箱を作り続けたのも、Xの研究をし、いずれは彼のように人間を箱にする予定があったからだ。

叫ぶ明の肌に、鳥肌が浮かんでいく・・。
その異様さに、筒井たちは圧倒された。

どうせ未成年だし、大した刑期にはならない。
また出てきたら、自分はXの模倣を続ける。彼にはそれだけの魅力があるー
明の言葉に、弥子は自分の祖母を殺したのに全く反省をしていない、と眉をひそめた。
・・その時、彼女は気づく。

ネウロがー酷く退屈そうにしているのだ。
その表情は、初めての事件のときにも見たことがあった。
謎が解決し、犯人が自白を始めたときだ・・。

違和感を感じる弥子の横で、彼は息をついた。
そして首を傾げながら、彼は訊いた。
・・あなた誰です?あなたの底の浅い正体になど、誰も興味を示していないのですが・・。

その発言に、皆驚く。
ネウロの中では、さっき話した弥子の言葉が思い出されていた・・。

ーXにまつわる最大の謎はね、誰一人彼の姿を見たことがないってことなの。
公然と犯行を繰り返してこれだけ厳重に警戒されるようになっても、本当に誰一人として、影も形も捕えていない・・。

さあ、もうごまかせませんよ?いつまで正体を隠すつもりですー
ネウロの笑みに、明が怒鳴った。
だから言ってるだろう、これが俺の真の姿だ・・


その時だった。
死んだはずの祖母が、突然血を吐いたー。

彼女の手が動き、体が痙攣し出す・・。
その光景に、明を含む皆の瞳が、一斉に彼女に向かった。

ーmonster robber X・I
海外のメディアは率直な言葉を並べ立てて、彼をそう表現した・・。
その直訳が、日本ではそのまま呼び名になった。

未知を表すXと、インビジブル(不可能)を表すI-
つなげて読むと、怪物強盗X・Iー
略して、X!!

祖母の体から、ナイフが飛んだ。
そしてー彼女はゆっくりと起き上がっていく・・

その姿が、老婆から次第に若い少年の姿に変容していくー
ネウロはその姿を眺め、目を光らせた。
・・素晴らしい。

あーあ、まさかこんなへき地で正体がバレるなんて、夢にも思わなかった・・。
突然現れた少年は、そう言うとため息をついた。

皆驚き、言葉がまったく出てこない。
彼は一瞬の内に、老婆から少年へ、死体から生者へと変貌した。
その非現実な風景に、弥子は以前も自分がこんな状態になったことを思い出す。

そう、ネウロと出会ったときのようにー

Xが、弥子とネウロの方に向き直った。
どうして自分に気付いたの?
彼はそう尋ねる。

自分は完璧に気配を消していたし、心臓も止めたしナイフも刺さっていた。
何より・・
彼は自分の顔に触れる。
その顔が、ぐにゃりと祖母の顔に変化した。

細胞をここまで変異させてもバレてしまうようでは、怪盗Xの評判もガタ落ちになってしまうじゃないかー

それを見た筒井は、Xだ!!と目を見張る。
ネウロが弥子を前に出し、気づいた理由を伝えた。
会話への反応や、生態反応に細胞の振動、そのことごとくを彼女は見逃さなかったのだーと。

それを聞いたXはほほ笑み、次回からは気を付けるようにする、とうなづく。
すると黙っていた明が、声をあげた。

すごい・・!!
彼は震えながら、Xに少しずつ近づいた。

あんた、マジでXなのか・・?!
そうして明は、ずっと祖母と入れ替わっていたのかと尋ねる。
その問いに、Xはうなづいた。

ああ、おばあちゃんはとっくに死んでるよ・・。
そしてその後のそれは、俺だよー

彼はある時に偶然、祖母が山中で事故死しているのを発見していた。
それを自分の顔の一つとして、使っていたのだ。

完璧だっただろう・・?
そうほほ笑むXに、明は再び鳥肌を立てる。
なんて運がいいんだ・・。

彼はそう呟きながら、Xに自分を相棒にしてほしい、と頼み込む。
あんたに近づくためなら何でもやる。あんたみたいな犯罪者に、自分もなりたいんだー!!

するとXは、考える素振りを見せた。
連れてけって?・・
その瞬間、彼の顔が化け物のように変わった。

ーやだ。

そう言うと、Xは明の体を自分の着ている服で飲み込んだ。
その中から骨が折れる音が響き、弥子はぎょっとして後ずさった。

明の断末魔の叫びが部屋中にこだまするー
そんな中、Xは静かに話した。

そもそもあんた、箱の意味分かってないよ・・。
彼は明の不完全な箱を許してはいなかった。
自分は箱を作るのが目的じゃない。余すところなく中身を見たいから、箱に入れて観察しているだけなんだー

そう言うと、布の中から明が出て来た。
中から出て来たのが彼一人であることに、警察は驚き、Xはどこだと騒ぐ。
だが・・弥子は気づいていた。

彼が、Xであることにー

明に扮したXは、皆に1つの箱を見せた。
その箱こそが・・明だ。
弥子は笑って目の前に立つXに、恐怖を感じて動けなかった。

違う・・
彼女は最初にネウロに会ったときも、動けなくなった。
だが今この瞬間、彼女は本当は逃げ出したいのだ。
そこが、違うー

ネウロとXの恐怖は、種類が違うー!!




















怪物強盗X。

今回はついにXが、弥子たちの前に姿を現す回でした。


まさかおばあちゃんに扮していたとは・・死んでいるとばかり思っていたので、盲点でした。
心臓を止めたりもできるんですね・・本当に彼は人間なのでしょうか。

最初の説明を見る限りは、癌による細胞変異によるものなのかな?そうなると、一応人間なのでしょうか・・。

でも到底人間とは思えない芸当ですよね・・。
果たして彼の本当の正体は、何なのでしょうね。


自分の正体が分からないというのも、掘り下げると何かありそうですね。
単純に記憶を失っているだけかもしれないし、細胞変異により脳にまで異常を来たして記憶が曖昧になっているのかもしれないですし・・。

彼の体に何が起こっているのか、それが自然発生的なものなのか、人為的に為されたものなのかも気になります。
次回以降、明らかになるのでしょうか。

でもX自身も、自分の正体が分かっていないから、この謎はもう少し後回しかなぁ。。
気になりますが、いずれは明らかにされていくのでしょう。

楽しみながら、見て行きたいと思います。



で、この謎にネウロがどう立ち向かうのかも見ものですよね。
今までで一番の謎ではないでしょうか。
そんな謎を、ネウロが見過ごすはずありませんもんね。

Xとはライバルのような関係になる気もしますし、一体どうなるか・・。
また弥子がどのように絡んでいくのかも必見ですね。

アヤ事件で頭角を現した彼女なら、きっとネウロには気付けないような視点でXを見ることもできそうです。
そうなると、この謎は今すぐ解いてしまうよりも、ゆっくり進んでいくほうが面白いような気がしますね。

こんな凶悪な犯罪者を野放しにしておくのは不安ではありますが、Xの能力だと警察の手には負えないだろうし、すぐに捕まっても脱獄してくると思われます。
誰にでも擬態できるわけですしね。

となると、Xの謎は長期戦となるのかな、とやっぱり感じます。
3巻にして、ラスボスの登場なのでしょうか・・?

これからの展開に、期待大ですね!!





それにしても、今回は魔人と人間の対比が濃かったと思います。

今までの人間らしい犯人の範疇を超えた凶悪犯罪者X・・
その姿に、弥子たち人間はとてつもない恐怖を感じ、動くことすらできませんでした。


でも、ネウロは違うんですよねぇ。

純粋に興味対象として見ているのですよね。
そこが彼と人間の、絶対的な違いだと今回改めて感じました。


で、そこがこの作品の面白さでもあるな、と思ったのです。
こういうミステリーのような作品は、大体動機や犯人の背景などに焦点が当てられ、その善悪が問われるものですが、ネウロにはそんなことは関係ないのですよね。

彼が興味あるのは、単純に謎のみー
そこにある悪意や欲望には、目を向けないのです。

そういう描き方ができるのは、松井先生のすごいところだと思います。
私にはその着眼点はないな~と純粋に感心。


だからこの作品は面白いのですよね。
犯人が多少ぶっ飛んでても、気にならないしw

Xなんて普通のミステリーに出てきたらおいおい・・ってなるけど、全然そうは感じないですもんね。
そもそもネウロが魔人だしw


今回はその部分が特に感じられる、面白い回だったと思います。
これから判明していくXの正体が、本当に楽しみですね!








というわけで、次回はXに対するネウロの反応が見られる回でしょうか。

Xはきっと初めて自分を見抜いたネウロに興味を持っているだろうし、ネウロは彼から沸き立つ謎の匂いに引き寄せられていることでしょう・・。
一体2人はどんない応酬を繰り広げるのか・・

次回も楽しみです☆