前回、吾代を倒し、怪しげな用件を伝え残していったユキという男・・。

吾代と仲間割れしたネウロたちは、ユキの組織のボスの申し出を受け入れるのでしょうか?!

感想です☆





鎧の兄弟~第37話 「広【ひろさ】」




※以下、ネタバレあり※











◎あらすじ◎

帰ってきたユキを、2人の男が出迎えた。
探偵とは会えなかったが、またいずれ迎えに行くとユキが話すと、男の一人がうなづきながら笑みを浮かべる。

事務所には探偵一人ではないのだろう?君が手こずりそうな人間はいなかったか?
そう問われ、ユキもうっすらと笑いを浮かべる。
そんな奴いませんよ。あそこにいたのは、牙の抜けた寒い飼い犬だけだー


その頃吾代(ごだい)は、道端で一人気を静めていた。
彼は弥子(やこ)やネウロ、そしてユキの自分を見る瞳を思い出し、苛立ちを覚える。
どいつもこいつも、弱者を見るような目で見やがって・・。
今の俺は、一体何なんだ・・。

一方弥子とネウロは、新たな依頼人について話し合っていた。
ネウロはこの事務所のそもそもの目的は安定的な謎の供給だったと述べ、現状ではまだ全然足りていないことを示唆する。

彼は名刺を置いていった人物たちに、興味を持っていた。
裏の人間ならば、バックに大きな組織がついているかもしれない・・。
そう考えたのだ。

人脈というのは、表も裏もあればあるだけ困るものではないーと彼は語る。
男たちに謎の噂を入手できる情報力があるなら、どんな身の上であれ自分にとっては上客だ。
だから彼らに謎と自分を結び付けることが約束できるなら、裏の人間だろうと関係ないし、多少の雑用も聞いてやろうじゃないか・・。

いずれにせよ、彼らはまた接触してくるだろう。
今はまだ謎の匂いは感じない・・
ネウロはそう言って、椅子に落ち着く。

弥子は裏の人間と聞いて心中複雑だったが、ネウロにすぐ動く気がないのならまずは吾代を探しに行こう、と思い立つ。
彼女の中では、さっきの吾代の様子がずっと引っかかっていたのだー。

ネウロに関しては、怒られても仕方がない。
だが彼が怒った原因は、自分にもあるのかもしれない・・
何か接し方を間違えたのかも、と彼女は悩む。

それに・・と弥子はネウロを見た。
ネウロだって吾代が本当に出ていってしまったら困るはずだー
そう言われ、ネウロもまた考える。

それもそうだな・・。
彼はそう呟くと、吾代についた蟲を探す探知機を弥子に渡した。
これを指に貼れば、指がアンテナの代わりになるー
弥子は笑顔で、それを受け取るのだった。


ー休憩していたユキを、呼ぶ者がいた。
早坂(はやさか)さんー
ユキは振り返り、相手を確かめる。

早坂はボスがお呼びだ、と彼に言った。
そして彼を、奥の方へと連れていく・・。

そこでは、秘密を漏らした裏切り者が制裁を受けていた。
彼がいると、ボスのためにならないんだー
早坂は笑顔で、ユキにそう話す。

そこでユキは、コートのフードをかぶった。
その姿に、裏切り者の男は怯える。
だが命乞いをする間もなく、彼の体は切り刻まれたー

大した奴に見えないから、見逃してあげればいいのにー
そう笑うユキを見て、早坂もまたほほ笑む。
うん、仕方ないよ。ボスの安眠のためだもの・・。


その頃、吾代はパチンコで時間をつぶしていた。
相変わらずイライラしていた彼は、背後から弥子の声がしたのを耳にし、振り返るー

すると、なぜか指を突き立てた弥子が目の前に立っていた。
さっきはごめんなさい・・。
態度とは裏腹の言葉に吾代は再びイラつきながらも、2人で店を出るのだった。

公園のテーブルに落ち着くと、弥子は早速さっきのことを謝った。
人を餓死寸前まで追い込んだかと思えば、今度は菓子折りを持って謝りに来る・・
呆れる吾代を前に、弥子はどう切り出すか迷う。

その姿に、吾代は自分はもう戻らないぞ、と話す。
今まで雑用をしてやったのは、自分の心が広いからだ。
その心の広さに付け込んで好き放題やったんだから、キレて当然だー

その言い分を聞いて、弥子はうなづく。
でも・・彼女は迷いながらも、言った。
さっきの吾代の怒り方は、自分たちのせいで心が広くなっちゃった自分自身に怒ってる感じもした・・。

その言葉に、吾代は思わず言葉を失う。
弥子は今の彼の方が好きだと話すが、吾代の中では昔の自分に戻りたい心があるのではないか・・?とも感じていた。
それを指摘すると、吾代の中にある思い出がよみがえったー

それは早乙女金融の頃のことだった。
派手な取り立てで荒らしまくった部屋を見て、早乙女(さおとめ)はこの仕事は吾代の天職だ、と笑った。

彼らの会社に回ってくる客は、ろくでもない客ばかりだった。
だから一般には美徳とされる大人の対応は、ここでは禁物だー
早乙女は吾代にそう教えた。

許してくださいと言われたら、許さない。
話し合おうと言われたら、話さない。
今まで蔑まれてきた吾代のような男の行為が、ここでは美徳になるー

どうだ?お前にぴったりの職業だろうー?
早乙女が笑い、吾代も笑って応えたー

そのことを思い出した吾代は、弥子にもほほ笑む。
分かってるじゃないか、ガキのくせによ・・。

彼は自分のような人間には、負けないことが絶対的なステータスだ、と話した。
心が広くなるということは、彼にとっては多くの負けを認めることなのだ。
ちょっと前までの自分だったら、事務所に来た奴らなんか会話もせずぶっ殺していたことだろう・・と吾代は遠くを見つめる。

前にも言ったが、誰の下につくかは自分自身が決めることだ。
訳の分からない力でねじ伏せられたり、弱くなった自分に憐れみを向けられるようなのは心が広くなきゃやってられない。
そんなのは、自分のいるところじゃないんだ・・。

そう言って、吾代は背を向ける。
慌てた弥子は呼び止めるが、彼は笑顔で振り返り言った。

社長が生きてたら、さっきの男と同じことを言うだろう。
そんなところで働くなんて、お前にはあり得ないってなー

・・その笑顔に、弥子はそれ以上何も言うことができなかった。
今までで一番素直に出たはずの吾代の笑顔が、彼女には一番寂しく感じられたのだ・・。

そんな彼に、これ以上自分たちを手伝ってなんて、言えるはずもない・・。
弥子はただ、吾代が去っていくのを見つめるしかないのだった。


翌日、再び事務所に依頼人の男たちがやってきた。
彼らは先日の非礼を詫びた後、2人を車で自分たちの事務所へと連れ出した。

そこでは、ボスの男と早坂が2人を出迎えた。
ボスは腰の低そうな男で、2人が来たことへの感謝をしきりに述べ立てた。

ネウロが対応するのを見ながら、弥子は思う。
ネウロはどうなのだろう。
果たして目の前の人を、納得のいく飼い主と認めるのだろうかー?

2人を引き抜くための、会合が始まるのだったー。




















吾代の心の変化。

今回は怒って出ていった吾代を弥子が追い、彼の心境の変化を見る回でした。

なんだか吾代のラストの表情が切なくて、色々思わされる話でした。
早乙女社長との思い出話は悲しくなりますね。
もっと色々学びたかっただろうになぁ・・。

弥子とネウロとの出会いで、少しずつ変化を始めた吾代。
2人同様に、彼もまた進歩しているということなのでしょうね。

でも裏の世界にいた彼にとって、その変化は受け入れられるものではなかった・・。
そこが今回の問題の引っかかりとなっているのですね。

確かに今の心の広い自分を認めたら、今までの自分を全て否定することになりますもんね。
今までは人の気持ちなど考えなくてよく、むしろそれが良しとされていた。
吾代はただ淡々と任務をこなしていれば良かったのです。

でも弥子たちと知り合ったことで、彼は今までにしたことのない任務を突き付けられた。
そしてネウロには逆らえず、弥子には恐らく同等だったり同類として憐れまれたりしてきた・・。

それらの変化に、彼自身が対応しきれなかったということですね。
まぁそうですよね。180度生活が変わってしまったのだから・・。

用心棒という役割は彼の能力的には問題なくても、守る対象は女子高生ですよ。
ぬるくなったと言われるのも無理ないですよね。

でも吾代は自ら裏稼業から足を洗った訳ではなく、ネウロに半ば強引に仕事を追われ、今の状況になった・・。
そんな不満のある状態でぬるくなったなんて言われたら、どれだけプライドが傷ついたでしょうね。


まぁ捉え方の問題なので、彼が考え直す機会があれば、この問題は解決するのかな、と思います。
でもその扉を弥子が開けるのかは・・なかなか難しいでしょうね。

一度吾代自身が自分としっかり向き合わないと、根本的な解決は望めない気がします。
彼が求めているものは何なのか。
本当は弥子とネウロのことをどう思っているのか・・。

吾代の中身が色々と明らかになりそうで、面白くなってきましたね。
弥子たちが彼をどう必要としているのかも、はっきりさせたいところ。


いよいよユキたちの組織に乗り込んだので、ここに吾代がどう絡んでくるのか・・。
やっぱりユキとタイマン張るのかな?

彼は事務所に戻るのか。それとも・・?
色々気になるので、目を離さず見守りたいと思います。





さて、後はユキと早坂ですね。

今回登場した早坂。
ユキとは親しそうですが、彼がユキの直属の上司ということでしょうか。

なんだか貼り付いた笑顔が不気味な感じですね・・。
怒らせたら、ユキよりもかなり怖そう。


一方ユキの戦闘スタイルは、相変わらず分からず・・。
ただフードをかぶって発動させたので、コートに何か仕込んでいるようですね。

この2人が、組織を支えている感じなのかな。
注視していきたいところですね。


で、ボスですが・・これは意外と普通のおじさんですね。
なんだか毒気がなく、どっちかっていうと後ろに控える早坂のほうが怖い印象・・。

実はやり手なのか、それとも組織を裏で支えているのは早坂なのか?
気になるところですね。

彼らはどんな組織なのか。
何を手掛けていて、弥子たちのどんな能力を必要としているのか・・。

次回明らかになるでしょう。
それをネウロが受け入れるのかどうかも、焦点となりますね。

盛り上がってきた今回の物語・・
登場キャラも多いので、なかなか濃い話となりそうですね。

吾代を中心として、どんな謎が展開されるのかー
期待していきたいと思います!!









さて、次回は組織の内情が明かされる回ですね。

なぜ弥子たちを雇いたがっているのか。その目的は何なのか・・。
明らかにならないことには、同盟関係など結べないですもんね。


吾代のことも気になりますが、まずはこっちの話から展開していくようです。
ネウロは組織の傘下に入ることを承諾するのか・・?

次回も楽しみです☆