前回、ネウロに期待外れの烙印を押された弥子。

落ち込む彼女は自分の能力に疑問を感じ、あの女性の元へと向かいますー!!

弥子は、何かを掴むことはできるのでしょうか?!

感想です☆





髪とハサミとキリトリ線~第48話 「歌【アヤ】」






※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

面会時間は、10分間だった。
看守に言われて、弥子(やこ)は緊張しながらもその人物と向き合う。

自分の名と共に語られることがもっとも多い人物。
彼女が大切な人を殺した事件の謎をネウロが喰ったことで、弥子の知名度は一気に上がったー

アヤは、弥子に微笑みかける。
久しぶりー
その相変わらずの眩しさに、弥子は改めて彼女のカリスマ的人気を思うのだった。

アヤは本人にしか分からない苦悩を考慮され、極刑は免れていた。
彼女は刑務所の中で、今も歌い続けている・・。

そして彼女が塀の中でレコーディングした新曲は、今までより更に多くのファンを引き付けることとなった。
その新曲を聞いてきた弥子は、良かった・・と感想を述べる。
彼女の元気のない様子に気付いたアヤは、今日はどうしたのか、と話を振ってくれる。

そこで弥子は、今の自分の思いを口にしてみることにした。
時間だって限られている・・
彼女は考えながら、アヤに相談を始めた。


面会も残り5分ー
弥子の話を聞いたアヤは、彼女がピンチに陥り助手に助けられたことで悩んでいることを知る。
弥子はうなづき、分からなくなってしまったのだ・・と息をつく。

今までも自分は犯人に対して無力だった。
自分には何の力があるのだろう・・。
そううつむく彼女は、アヤが聞いているのを確認して続ける。

こんなことで友達や刑事には心配をかけられない。
だからアヤの元へ来てしまったのだー
そう言うと、アヤは笑みを浮かべた。

それだけじゃないでしょ?
彼女は真っすぐに、弥子の瞳を見つめる。
数ある犯人から自分を選んでくれたのは、あなたが自分の事件を通して探偵としての力に手ごたえを感じたからでしょー?

目を見開く弥子に、彼女は優しく言う。
心配ないわ、あなたの力は自分が一番よく知っている。
現にあなたの力で、私はここにいるじゃない・・。

大好きな2人を殺して、自分は望んだ1人きりの世界に戻ることができた。
そして今、ここで2人の事を考えて、罪を悔いる時間も与えられた・・。
全部あなたの力のおかげよー

その言葉に、弥子は身を乗り出す。
違う。違う。
彼女は叫んだ。
違うの、それは全部自分の力じゃなくて・・!!

その時、看守の女性がアヤの髪を思いっきり引っ張った。
時間切れでーす!!
そう言って彼女を引きずっていこうとする看守に、弥子は驚いて立ち上がる。

さっき彼女は残り3分だと言った。
明らかに早すぎるー!!
弥子はそう抗議するが、看守は黙れ、と怒鳴り声をあげる。

この囚人はこっちに来た自覚が足りないのだ。
大罪を犯したくせに歌姫だという理由で、こっち側でもちやほやされてカリスマ気取り・・
こっちにはこっちのルールがあるのだから、そろそろ認識させてやらなくては!!
彼女はそう叫び、わなわなと震える。

いつのまにか、看守の両頬には棘が生えていた。
彼女はアヤに分からせるために、その頬で頬ずりをしようと近づく。
恐怖を感じた弥子は人を呼びに行こうとするが、それをアヤは止めた。

探偵さん、ちょっと耳を塞いでてー
彼女はそう言って、にっこりとほほ笑む。
そしてーアヤは歌を歌った。

その歌声は、看守の脳に揺さぶりをかけた。
その光景を目の当たりにした弥子は、ただ目を見張るー

新曲もそうだったが、彼女の歌声にはより一層の凄みと繊細さが備わっていた。
更にそれに加え、音楽への愛だけがあふれている・・
弥子はその歌を聞いたとき、彼女の音楽は完成したのだと思った。

その歌は、自分のような1人きりでない人間の脳をも揺さぶったのだからー


その後、アヤの歌で看守の女性は倒れた。
私の歌は、今までになかったほど澄み渡っている。だから今ではどんな人の脳でも揺らせるのー
その姿を見ながら、アヤは弥子にそう語る。

今の自分なら、誰一人触れることなく、歌うだけでここを出ることだってできる。
でもそれをしないのは、1つは自分が殺した2人への償いのため。
そしてもう1つはーあなたを尊敬しているからよ。
彼女に言われ、弥子ははっとする。

自分を・・?
半信半疑の弥子に、アヤは笑ってうなづく。
弥子は事件を解決すると同時に、全身で自分の心に接してくれた。
誰にも話せなかった苦しみを、真っ先に理解してくれた。

だから、今の自分の歌には迷いがないのだ。もう何も隠し事をしていないから。
そんな優秀な探偵に捕まったことは、この上なく名誉なことだー
アヤの言葉に、弥子は首を振る。

違う。本当は事件を全部解いているのは、助手の方なのだ。
自分の力なんて、彼は必要ともしていない・・

だがアヤも、その言葉を遮る。
同じことだ。あなたが自分を解いたことに、変わりはない・・と。

むしろ助手が外側を壊して、弥子が内側から捕まえるという態勢は最高の役割分担じゃないかーとまで、彼女は言う。

本当に、必要とされていないの?
今はそう思っていても、近い将来必ず、彼はあなたの力を必要とするはずよー

そう言われた弥子は、ネウロのことを思う。
何か理解したような弥子の様子に、アヤはほほ笑んで顔を覗きこんだ。

あなたが大好きよ、探偵さん。
他人に流されているように見えて、自然と他人を引き付けている・・。

これ以上、好きにならせないでね。殺しちゃうから。
そう笑うアヤに焦りながらも、弥子はすっきりした気持ちで刑務所を去るのだった。

ー自分によって、少しでもアヤは救われたのかもしれない。
それが自分の力なのだとしたら・・。

弥子は、拳を握りしめた。
どの道やるしかないのだ。だったら次こそは犯人に一矢報いて、ネウロに一泡吹かせてやるー!!

彼女は晴れやかな気分で、リベンジを誓うのだった。

 
その頃ー
首相官邸では、首相の右森(みぎもり)が側近たちをなじっていた。
彼はある人物の調査を頼んだが、欲しかった情報は手に入らなかったのだ。

側近の男たちは自分たちの不手際を謝りながらも、その人物はまるで霧のようで手がかりすらも掴めなかったのだ・・と弁解する。
それをつまらなそうに聞きながら、右森は写真を投げ捨てた。

やはり私自ら、調べなくてはならんか・・。
そう言う彼の手元から、ネウロの写真が舞い落ちていく・・。

首相自ら?
驚く側近たちに、彼は言う。

私は・・実は私じゃなくて、俺なんだー

先の選挙で大勝したのも、全部俺のいたずらなんだ。
そう語る右森の姿に、やがて側近の男たちは違和感を感じるようになる・・。

総理・・あなた一体・・?
その質問に、右森は笑みを浮かべた。

総理でもあって、誰でもない。どこにでもいるけど、どこにもいない。
それが俺だよー諸君。




















新たな事件への布石。

今回は自分の能力に自信を失った弥子が、アヤに助言を求めに行く回でした。

なんかレクター博士とクラリスの面会シーンみたいで、ワクワクしました。
アヤ、前よりも明るくなった感じがしますね。

きっと弥子によって、自分を隠さなくて済むようになったからなのでしょうね。
2人の人命が奪われた事実は消せませんが、彼女が心を解放できるようになったことは純粋に良かったと思います。

その方が、自分の罪とも真摯に向き合えますもんね。
歌に向き合い、死に向き合い、自分だけが生きることに向き合うー
それがアヤに定められた、罪の償い方なのでしょう。

そう思うと、弥子がいなければ今の彼女はいなかったと言えますね。
やっぱり弥子は必要なのだと思いますよ。
自信も復活したようだし、これからも自分らしく謎に向き合っていってくれれば、と思います。





そして今回の話で改めて感じたことですが、やっぱりXの正体に気付くのは、弥子なのではないでしょうか。

Xがずっと求めている自分の正体ー
それは外側の話ではなく、内面のことです。

今回の話に出たように、内側から捕まえるのが弥子の強みなら、彼女はXと関わり合うにつれて、彼の正体に気付いていくのではないでしょうかー。

ネウロは謎を求めますが、Xの正体って謎と果たして言うのか・・。
どっちかっていうと、その謎を解くのは弥子向きの気がしてならないのですよね。


そう思った途端にXも出て来たし、これは弥子の面目躍如に彼が一役買う気がします!
側近ですら未だ掴めないその正体に、弥子は迫るのかー?

注視していきたいと思います。





で、X登場で不安なのが、やっぱりネウロの体調ですよね。
百舌の謎も空腹を満たすほどではなかったようだし、傷もまだ治癒しきっていないですよね・・。

その状態で、Xとやり合えるのでしょうか?
正直不安ですね・・。

だからこその弥子の今回の話なのでしょうが、それでもいざぶつかり合うとなったらネウロも出ていかざるを得ないでしょう。

その時、ネウロはXとまともに戦えるだけの魔力を残しているのか・・?
彼の衰弱具合がどの程度か分からないので、とにかく不安ですね。

X・・どうぞ、お手柔らかにw








というわけで、次回からはX編のようですね。

首相にさえなってしまうX・・。
日本、大丈夫なんですかね?(^^;)

彼はどうやってネウロをおびき出すつもりなのか?
あまり犠牲者が増えないことを、祈るのみです!!

次回も楽しみです☆