前回、春川の謎に近づくためのパスワード解析をネウロに頼まれた弥子。

ネウロが傷つき休息を必要とするなか、彼女は残り3日間という時間の中で、パスワードを導き出すことができるのでしょうかー?!

感想です☆





1と0の狭間~第84話 「独【ヤコ】」




※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

原子力空母オズワルドー
それは緊迫する極東情勢を踏まえ、日本に初めて配備されたものだった。

オズワルドには100機を超える戦闘機を発進させる力があり、その攻撃力は数百キロ先の都市を廃墟にすることも可能だ。
だが何よりもHAL(ハル)が目を付けたのは、2基の原子炉だった・・。

政治家たちは、HALへの対応に連日会議を重ね、頭を抱えていた。
原子力空母の安全性には何も問題はない。
だが今回のように自国内で敵の手に落ちた場合、彼らはHALに対して何もできなかった。

もしHALがその気になれば、原子炉を破壊することは容易いことだろう。
そうなったら、大量の放射能が撒かれることになってしまうのだ。
それどころか彼が空母中の火薬と共に爆発させたら、被害はどんな規模になるかー

試算を聞いた政治家たちは、皆呻いた。
電子ドラッグも、全てはこの為だったのか・・!!
彼らは空母の持ち主の国にも対応を求めていたが、恐らくはっきりした対策は取れないだろう・・。

HALのニュースは、文字通り国ーいや世界を揺るがす騒ぎを引き起こしたのだった。


一方弥子(やこ)は、ネウロに命じられた翌日、アヤの元を訪れていた。
アヤは彼女がここに来た理由を既に察していて、思いを聞かせてほしいーと話しを促した。
そこで弥子は、彼女の中でぐちゃぐちゃになっている思いを打ち明けた・・

彼女はまず、ネウロとの会話を話した。
ネウロはあの後、3日間を休息にあてる、と言った。
その間に弥子にはパスワードの候補を絞り込んでおくように、とも。

彼は3日後に原子力空母に乗り込むつもりだと語り、それはスフィンクスを破壊するためだーと述べた。
スフィンクスの破壊、そして弥子のパスワード解読・・
この2つをクリアして初めて、謎喰いープログラム上での命の取り合いが始まる。

ーその作戦を聞いていた弥子は、どうして自分に任せるのだ、と叫んだ。
もし自分がパスワードを解読できなくて違う答えを教えたら、放射能が飛び散り、自分もネウロも殺されてしまうのだ。
そんな危険なことを・・と彼女は言うが、ネウロはその時はその時だ、と言い切る。

彼はこれも謎を喰うための最大限の策だと話し、その手が間違っていたらーそれはすなわち自分が謎に負けたというだけだ、と言う。
それからー彼は笑みを浮かべた。
我が輩を誰だと思っている?魔界の謎を喰い尽くした男だぞー

喰うのを諦めた謎と同じ世界を生きることなど、我が輩の脳髄の空腹は許さない。
3日間よく考えて、そこに当てはまる答えを探し出すのだー

彼はそう言って、事務所に戻ってしまった。
残された弥子はまだネウロの真意が分からず、ただ途方に暮れたのだった・・。

ー今、弥子はそのことを全てアヤに話し、そして彼女に問うた。
今までは全部ネウロがやってきたのに、どうして自分の命がかかった時に限って、自分に任せるのか?!
パスワード・・HALにまつわる重大な言葉を探せと言われても、分かるはずないのに!!

そう言うと、アヤは口を開いた。
彼女は優しく弥子に言う。
あなたが会いに来るとき、決まってもうあなたの中で答えが出ているときだーと。

彼女は以前、ネウロが弥子の力を必要とする時が来ると言ったことを挙げ、それが今なのだと告げる。
彼の超人的な力をもってしても手の届かない場所に、弥子なら手が届く可能性を持っている・・
彼の作戦はとても合理的だ、とアヤは話した。

それに・・自分もパスワードを決めるなら、ネウロには解けなくて弥子には解けるものになると思うー
アヤがそう呟くのを見て、弥子はパスワードはHALの目的そのものなのだ、と彼が言っていたことを明かした。
自分にはこれだけたくさんの人を苦しめてまで犯罪を犯す目的なんて、理解できるだろうか・・。

そう話すと、アヤはうつむいた。
私が殺した2人にも・・たくさんの家族や友達がいて、私はその人たちを苦しめているー
彼女はそう言うと、自分はその人たち全てに償わなくてはいけないと語った。

そんなつもりはなかった。でも犯罪とはそういうものー1人のエゴが、多くの人を苦しめてしまうのだ。
一人きりの世界がほしい・・ただそれだけだったのに・・。
彼女の独白に、弥子は息を呑む・・。

ー自分がそうだったように、犯罪の目的ーすなわち動機はえてして単純なもの・・。
アヤは少しほほ笑むと、弥子の目を見て言った。
もう一度よく考えてみて、探偵さん。犯人の動機を複雑なものと決めつけたら、大切なものを見落とすかもしれないわー。

その言葉に、弥子は拳を握った。
分かった・・私にも何かできることがある気がしてきた!!

彼女は立ち上がると、アヤに別れを告げた。
ありがとう、本当に来て良かった!!

その笑顔を見て、アヤも笑う。
弥子が出ていくのを見届けながら、彼女は弥子の成功を応援するのだったー。


帰り道、弥子はやる気がみなぎってきていることに気付いた。
自分にできて、ネウロにできないことー

彼女は今まで事件を一緒に経験してきたことで、それが何なのか分かっていた。
彼は人間の細かな感情を読むのが、苦手なのだ。

パスワードは、確かにそれとよく似ている・・。
好きな言葉、文字列、それを知るには、大概その人自身を深く知る必要がある。
それができないネウロは、それを予期して、HALと自分を関わらせたに違いないー
弥子は確信する。

私の力を、見込んだのだー。

それじゃあ、自分はHALの何を知った・・?
彼女は今までのことを思い返し、ふとHALが言っていたことを思い出す。

ー春川(はるかわ)と私の目的は同じ、生きることだ。1と0の狭間の世界で、何としても生きることだー

これだけでは何のことかは分からない。
でも目的が同じということは、春川を知ることで何かヒントを掴めるかもしれないー。

弥子は笑みを浮かべた。
よし、やれるところまでやってみよう。
彼女はそう決意するのだったー。


同刻、あるバーでは吾代(ごだい)が爆破した愛車のことを聞き、涙に暮れていた。
だが一緒にいたネウロはそんなこと一切意に介さず、彼に頼んだものは調達できたのか、と尋ねる。
吾代は睨みながらも、調達できそうなのは奴らしか思い浮かばない・・とある方向を指さす。

そこにはー早坂(はやさか)兄弟がいた。
兄の早坂が、懐から拳銃を取り出す。
やあ、化け物。一杯おごる代わりに、一発ぶち込んでもいいかね?

それは彼なりの挨拶だった。
2組は早速、仕事の話に入るのだったー。




















動き出した2人。

今回は3日後の決戦に備えて、弥子とネウロがそれぞれ動き出す回でした。


パスワード解析をネウロに託されて、困惑した弥子・・
彼女がまず行ったのは、アヤのところでしたね!

これは予想してなかったなー。
でもXのときもそうだったし、今後も弥子は何かつまづく度に彼女の元に相談に行くのでしょうね。

これも新しい形の友情という感じで、個人的には好きなやり取りですね。
複雑な立場でありながら、互いが互いに好意を持っているのが伝わってきて、すごく安心します。


アヤは孤独を知っているので、春川を自分と重ねることがすぐにできたのでしょうね。
普通の人は電人ーなんて言われたら、同じ目線に立って考えることなんてできないでしょう。
そういう点で見ても、アヤにまず相談に行ったのは懸命な判断だったといえます。

お陰で、弥子はHALもまた1人の人格ーその根幹は決して複雑なものではない、ということに行きつくことができました。
はなから理解できないと思っていたら、見えるものも見えなくなりますからね。
この気付きは非常に大事だったと思います。


そこから、HALを知るには春川を知ることーと自身で考え、進めたのもすごいです。
弥子、やっぱりちゃんとできるじゃないですか。

この調子なら、絶対にパスワードを解読してくれることでしょう。
春川の過去に何があるのか。そして彼の言う1と0の狭間の世界とは、一体何なのかー。

次回、その謎にたどり着きそうですね。
どんな答えを導き出すのか、とっても楽しみです!!








さて、後はネウロ側ですね。


彼が吾代に頼んだものとは、何でしょうね。
恐らく原子力空母に乗り込む際に持っていく武器かなーと思いますが、ネウロは魔力の代わりに武器を使うつもりなのかな?

なんだかぴんと来ませんが、もしかしたら人間同士の戦いは吾代や早坂兄弟に任せるつもりなのかもしれませんね。
なるべく無駄な魔力は使いたくないでしょうからね。
ネウロはそういうところ合理的なので、十分にあり得るのではないかと思います。


となると空母に乗っているはずの船員たちと吾代たちを戦わせ、自分はスフィンクスを破壊する。
その後、弥子がパスワードを解く・・という流れでしょうか。

ネウロの言う流れなら、その後ネウロとHALが戦い合い、勝ったところで謎が喰える・・という寸法でしょうか。
まだまだ先は長そうですね・・。
ネウロの魔力、やっぱりラストまで温存しておきたいものです。


人間の力を借りて、敵と戦うー
これは今までにないネウロのやり方です。

でも今後は、こういうことが増えていくのかもしれませんね。
それこそ前回の事件で弥子がXと会話を試みていたのも、次の戦いでは一緒に戦うことの布石なのかもしれません。

ネウロは最初こそ無敵の魔人という感じでしたが、人間界に長くいることで徐々に弱体化してきています。
でもその分人間を理解し協力する術を覚えていくのなら、それは決して悪いばかりではないのかも・・。

ずっと不安だったネウロの魔力の問題ですが、意外な形で解決していくのかもしれません。
まずは弥子のレベルアップ・・
そして今後は吾代たちももっと深く謎に関わるようになり、レベルを上げていくのかな、と思います。

根本的な解決ではないけど、なかなか深いストーリー運びですよね。
まだまだこのメンバーでやっていけるな・・と思わせてくれて、希望も見えてきました。


HAL戦、どのような形の決着を見るのか、本当に楽しみですね!
パスワードを解いたとき、HALはきっと弥子のことを馬鹿にしたこと恥じ、彼女を見直すことにもなるでしょう。

残り2日ーかな?
弥子とネウロ、2組の動きを注視して見ていきたいと思います!











というわけで、次回も弥子がパスワード解析に挑む回でしょうか。

今度こそ、警察の協力を仰ぐのかな、と思います。
ネウロが闇の側で動く分、弥子は女子高生なので正攻法で攻めるって感じでw


いよいよ春川の過去が明らかになると思うので、そこも気になるところですね。
一体どんな目的が隠されているのか・・。

次回も楽しみです☆