前回、蛭によって小さな村に惨劇が訪れました。
謎が生まれるなか、ネウロはXの気配に気づくことができるのでしょうか?

一方警察には、国際警察の捜査員がX逮捕に向けて協力を名乗りでました。
いよいよXを捕える日はやってくるのでしょうかー?!

感想です☆




怪盗の真価~第109話 「遭【であい】」




※以下、ネタバレあり※









◎あらすじ◎

朝起きると、謎は出来上がっていた・・。

村の住民たちが集まったのは、山の中。
そこには、狸崎(さとざき)と遺体があった。

村人たちが家を訪ねたがいなかったので、もしやと思って皆で探したらしい。
発見したときには、既に死後硬直が始まっていたのだというー。

狸崎は毒ガスが一番強く出る穴にハマって、亡くなっていた。
村の人間は駐在に、これは事故か・・?と尋ねる。
駐在は頭を抱え、まだ分からないが狸崎が今回のガスの件で相当参っていたのは確かだ・・と語る。

コツコツ奪い取ってきた自分の土地が自然現象で滅茶苦茶になってしまい、一瞬にして人が住めなくなってしまったのだー
宿泊者たちも彼が昨晩も苛立っていたのを思い出し、納得する・・。

それで生きるのが空しくなったか、はたまた単に土地を調べるためかー
いずれにせよ、正常な判断力を欠いたまま危険な森に立ち入ってしまったということはありえるだろう・・。
駐在はそう言った。

だがーその時、ネウロが口を開いた。
自分たちはそう思っていない、と。

彼は狸崎の足元に着目するように、皆に言う。
彼はサンダルを履いていた。
こんな起伏に富む森の中を歩くのに、サンダルを履いてくるだろうかー?
ネウロはそう指摘し、更にサンダルの裏を見るようにも話す。

むき出しの靴下もサンダルの裏も、まったく汚れていない・・
それを見た一行は、息を呑んだ。
狸崎が空を飛んだりしたのでないなら、考えられる理由は1つしかない・・。
ネウロは皆を見据える。

彼がサンダルで家の近辺にいたときに何者かが拉致して担いで移動したのだー!!

その推理に村人たちは感嘆し、急いで殺人の容疑に切り替えることになった。
バタバタと医者などが呼び出される間、弥子(やこ)はふとネウロの様子がおかしいのに気づいた。
念願の謎が現れたのに、彼が全然嬉しそうじゃないのだ・・。

それを指摘すると、ネウロは一言呟いた。
おかしい・・。

彼はこれは謎には間違いないが、不自然な匂いなのだ、と語る。
まるで養殖されたかのような謎だ・・。
そうネウロは顔を歪ませるが、弥子にはイマイチその意味が分からない・。

ー恨みを晴らすとか自分の欲望を叶えるための殺人なら、必ずそこに純度の高い悪意が残る。
だがこの死体に残った悪意は、ひどく不純だ。
殺意もなく、ただ謎を作るために謎を作った。そんな感じがするのだ・・。

・・彼の説明を聞いても、弥子にはまだその違いの重要性が理解できなかった。
どうせ自分には感じ取れない違和感だ・・と彼女は聞き流す。

まさかこれがX(サイ)の仕組んだものだとは、この時は知る由もなかったのだー。


一方、警視庁では笛吹(うすい)・筑紫(つくし)とアンドリューの面会は続いていた。
アンドリューはアイの写真を見せ、彼女は国家テロリストで、その中でももっともマークされている人物だ、と話す。
ついた通り名は、飛行機落としのイミナー

彼女が落としたと思われる飛行機は、数が知れない。
そしてそれによって暗殺した人間も、これまた数知れない・・。
彼女は一般のテロリストは訳が違う。最高の資質を持った人間が最高の教育を受けて育った、いわばエリート中のエリートだー
アンドリューは彼女のことを、そう説明した。

ーそんな彼女が、ある時期を境に忽然と消息を絶った。
ずっとその消息を追っていたアンドリューたちは、ある時ついに彼女を発見する。
彼女は世界中のXが犯行を行った場所で、目撃されていたのだー。

それを聞いた笛吹は、彼女を追えばXの姿も掴めるかもしれないという訳か・・とうなづく。
筑紫はアンドリューに、なぜ彼女がXと行動を共にしているのか?と訊いた。

アンドリューは、それはまだ分からないと答える。
彼女がなぜXと出会い、行動を共にするようになったのかー
・・それは、アイとXのみが知る真実だった・・。


ある日、アイーイミナはサンフランシスコ行きの飛行機に乗っていた。
彼女の隣に、老人が座り込む・・。
ごく平凡な客を装いながら、彼女は自分の任務について考えていた。

国外を一度でも見たことある者なら、自分の国の政治体制の矛盾など誰でも気づく・・。
だが、それが何だと言うのだろうー?

恐らく自分は、自国で一番優秀な人間だ。
能力や性差、階級など全てを考慮しても、自分の能力は抜きんでている。

だが・・それが何だと言うのだろう?
大した差はないのだ。どこの国でも、頭の悪い支配者が頭の悪い国民を煽って操っているだけの話。
人間も同じ、賢者でも貧民でも大差はない。
ただただ自分を妄信し、隣人を恐れ、偽の強さで弱さを隠す・・。

皆、所詮は人間だ。
飛べる訳でもなく、死なない訳でもない。
人間だから、何をしても同じだ。だから私は目の前の任務をこなすだけだ。

可能性がない絶望、限界があると分かっている絶望的な世界から、目を背け続けるためにー。

イミナはそんなことを考えながら、飛行機の毛布に細工を施した。
ただ淡々と、余計なことは考えずに仕込んでいく・・。
そうして仕事を終え、息をついた時だったー

なるほど、貸し出される毛布の中に毒ガスを仕込んだのね。
急に隣の席の少女に声をかけられ、イミナは目を見張る。

少女は楽しそうに語った。
この飛行機の毛布の収納庫は、空調ダクトが操縦席とつながっている。
パイロットが死んだらオートパイロットだけでは操縦は不能だし、この飛行機が向かっているサンフランシスコでは外交会議が開かれている。
この飛行機に乗っている誰かを狙っているという訳?

その笑顔に、イミナは恐怖を感じた。
何者?!どうして自分のことを・・いや、それ以上に・・
ー離陸したとき、私の隣は老人だったはず!!

彼女はありえなすぎて、気づかなかったのだ。
自分の隣の人間が、何回も姿を変えていたことに・・。
その疑問に気づいた少女ーXは、再び姿を変える。
イミナは、彼女の細胞が変異していく様をただ見つめるー

あれ?乗ったときは、どんな顔だったっけ・・。
Xはそう苦笑した。
・・これが、人間の限界を超えたXとの初めての出会いだったー




















Xとアイ。

今回は謎の異変にネウロが勘づくなか、Xとアイの出会いが描かれた回でした。


まずはネウロ側。

謎は生まれましたが、ここに来てようやくネウロが違和感を感じましたね。
やっぱり謎の種類が違うため、匂いが違うものなんですね。

養殖された謎か・・。上手いこというものです。


蛭は、やっぱり村の中の誰かに扮しているのですよね?
そうでないと動機もないし、謎としてはどこを解き明かせばいいのでしょう・・。

何かトリックが使われたのでしょうか。
でないと、いくらネウロでも謎を喰うことはできないですよね。。


この事件、どう展開するのかまだ読めませんね。
一応容疑者は前回出て来た5人・・ということになるのかな?

その中で森永と稲荷山は女性なので、さすがに蛭が扮するのは難しいように思います。
後の3人の男性は割と体格がいいので、扮するのは可能かな・・。

個人的には前回書いたように、村人の大菅が狸崎に近づくには一番怪しまれないのではと踏んでいますが、ネウロなのでそう単純な推理でいく訳はないでしょうねw

今後の展開を楽しみに、待ちたいと思います。






さて、続いてはXとアイについて。

ついに2人の出会いが描かれることとなりました。
ずっと知りたかったから、これは嬉しい!!


アイーイミナは、飛行機での暗殺を得意としたテロリストだったそうです。
初めからテロリストとして育てられた人物だったのですね・・。
彼女のXへの援護を思えば、納得の経歴です。

そして生まれたときからテロリストとして育てられた彼女は、人一倍厭世観を持っていました。
当然ですよね、そういう教育を受けてきているのですから。

そんな彼女は、きっと自分の命すらどうでもいいと思っているのでしょうね。
淡々と毛布に毒を仕込む彼女を見ていると、命は彼女にとって相当に軽いものなのだな・・というのが伝わってきました。


でもそんな彼女の前に、Xが現れたー。
アイが今Xといるということは、彼女が彼に魅せられたということです。
自分の思っていた現実を塗り替えたX。つまらない存在だった人間の、限界を超えたX。

なんだかアイの気持ち、分かるような気がします。
自分の中の閉塞感を彼なら吹き消してくれそうですもんね。
彼にすがりたくなる気持ちは分かります・・。

これが、ネウロだと駄目なのだと思います。
彼は魔人で、その能力も人間とはけた違いです。
だからの能力はすごいと感嘆できても、余りに人間にとって別質なものなのです。

Xもその能力は常人とはかけ離れていますが、でも彼は人間です。
彼になら、もしかしたら近づけるかもしれないー
Xはそう思わせてくれる存在なのだと思います。

だからアイも蛭も葛西も、Xの元にいるのでしょう。
ある意味才能を持った人間のカリスマが、Xなのかもしれませんね。
と、そんなことを感じました・・。

次回、更に2人の出会いが掘り下げらるのでしょう。
アイが時たま言う、Xの正体を自分も知りたいという願いー
それこそが彼女を動かす原動力なのでしょうが、彼女はXのどこにそんなに魅力を感じたのか・・。

その心情を、是非掘り起こしてほしいですね。
2人の過去、引き続き追いかけていきたいと思います!!







さて、次回はXとアイの過去編の続きですね。
並行して、蛭の事件も進展していくのでしょうか・・。

でもやっぱり気になるのは、過去編の方!
アイがXと行動を共にするようになった経緯、早く知りたいです!


次回も楽しみです☆