前回、造られた謎に出会い、嫌な予感を覚えるネウロ・・。

一方警察はXの側近が、国家テロリストのイミナだと掴みますー!

Xとアイ、2人はどのようにして出会い、行動を共にするようになったのか・・。

感想です☆




怪盗の真価~第110話 「i【アイ】」




※以下、ネタバレあり※









◎あらすじ◎

X(サイ)は、イミナの名を聞いたことがあるーと言った。
工作員として華々しい形跡を上げた少女・・そのイミナもまた、Xの名は知っていた。

最近メディアを騒がせ始めた神出鬼没の殺人鬼ー
怪盗X!!

彼は最初に搭乗したときの顔を忘れてしまった、と何度も顔の形を変えた。
その摩訶不思議な光景を見つめながら、イミナは彼について語られた報道を思い出す・・。

彼は凄惨な殺人や盗みを働きながら、その姿は一度として目撃されていない。
それについて、ある研究科が仮説を立てていたのだ。

Xは常人には不可能な変装術で、関係者のだれかに「なっていた」としか考えられないーと。
マスコミはそれを聞いて、彼に名前をつけた。
未知を表すXと、インビジブルを表すIー
それが合わさって、怪盗Xと名付けられたのだ。

イミナは彼に、パスポートの写真を見て、元の姿に戻ればいいのでは?と提案する。
Xはその手があったか、とうなづき、元の老人の姿に戻った。
そして彼はイミナの膝にあった毛布を手に取ると、その匂いを嗅いだ・・。

毛布に仕掛けた毒ガスは、軍用のソマンかな?
その言葉に、イミナは驚く。
どうして分かったのかと問うと、Xは甘い匂いが微かにするのだ、と答えた。
常人には分からない程度だが、彼には感知できるらしい・・。

揮発性が高く100gで軽く1000人は殺せるこの毒物を、毛布に仕込んで時限装置で拡散させる。
この会社の飛行機では、毛布はクリーニングまで一往復するまで行われない。
つまり行きの便で仕込めば、帰りの便に乗り込む乗客を危険無しに殺すことができるのだー。

Xはイミナの手を明かすと、よくここまで綿密な計画を立てられたね、と笑う。
あんたが考えたのー?
イミナは全て見透かされていることを感じ、素直にうなづいた・・。

自分をー通報するつもりか?
彼女が尋ねると、Xは興味無さそうに首を振った。
別に・・ただ、あんたという人間には興味がわいたかな。
その瞳が、イミナを見つめる。
中身が見たくなったよー

Xはそう言うと、彼女に手を伸ばした。
その体を分解して、細胞の構造を自分のものと比べて観察するんだ。
何人もの人間と比べても分からなかった正体が、あんたを見れば分かるかもしれないー

その笑みに、イミナは動じることなく答えた。
・・どうぞ、職業上死ぬ覚悟はできていますから。
でも私を見ても・・同じことだと思いますよ?

その言葉に、Xは眉を動かす。
同じ・・?
イミナはうなづき言った。

所詮人間には大した違いはない。誰でも同じ、何をしても同じ。
定められた限界の中では・・人間という枠の中では私自身が誰であろうと同じことなのだー

そう言った途端、彼女の首をXは掴んだ。
彼は手に力をこめ、怒りを露わにする。
誰であろうが、同じ?許さないよー!!
俺の前で、そんなセリフは許せない・・。

そうして手を離すと、Xは元の落ち着いた姿に戻った。
限界がある?それはあんたが決めた限界でしょ?
彼は少女の姿で、無邪気に笑うー

それじゃ人間には限界なんてないって分かれば、あんたの中身も見せてくれるねー?


その後、飛行機は着陸し、イミナは空港を出た。
そんな彼女を仲間が出迎える。
任務は成功かと問われ、彼女は予定通りあの飛行機は次のフライトが最後になるーと答えた。

それを聞いた仲間の男は満足そうにうなづき、懐に手を伸ばす。
そしてー彼は銃をイミナに向けた。
そうか、それはご苦労ー。

その銃から弾が1発放たれ、イミナの体を撃った。
衝撃に倒れる彼女に、男は自分たちは亡命する・・と語る。
その土産に、イミナの首が必要だーとも。

彼女は仲間たちの罪を被せられ、消されることとなったのだ・・。
イミナは血を吐きながら、国を捨てるのかー?と訊く。
男は笑い、あんな国が祖国だなんて恥以外の何物でもない。
今までの自分を捨てて、新天地でやっていくのだーと語った。

それを聞いたイミナは、呟く。
自分を・・捨てるの?

そして彼女は、身を翻した。
手負いのはずなのに・・
男が戸惑うなか、彼女は口から弾丸と毒ガスの袋を吐き出した。
その顔に、笑みが浮かぶー

ムカつくね。俺がこれだけ自分の正体を探しているのに、あんたらは折角持ってる自分の正体を捨てようとしている・・。

その毒ガスは、任務に使ったはずじゃ・・!!
男たちが目を見張るなか、イミナーに「なっていた」Xは、その姿を現す。
彼は力を増幅させ、男たちに飛びかかった。
だったら今、殺してあげるー!!

そう言うと、Xは目にも止まらぬ速さで男たちを殺した。
そのスピード、強さ、残虐性・・
そのどれもが、イミナにとっては初めて触れる衝撃だった。

人間には限界がある。誰でも同じ、何をしても同じ。
空を飛べるわけでもなく、死なない訳でもない。
人間には・・


その後、Xが男たちの中身を観察する横で、イミナは毒ガスを地中に埋めた。
それを見ていたXは、そんなことをしていいのか?と尋ねる。

構わない、任務がどうなろうと、自分はここで死んだのだから・・。
イミナがそう答えると、Xは笑みを浮かべた。
じゃあ、やっとあんたの中身を見せてくれるの?

だがーその問いに、イミナはうなづかなかった。
代わりに彼女は語る。
今まで自分は、人間の可能性に限界をしていた。
そんな自分は、今ここで殺されたのだとー。

彼女はXの存在を知ってしまった。
そして彼女は言った。
怪盗X、私もあなたの正体が知りたいー。

あなたが一体誰なのか。あなたの限界がどこにあるのか、私も確かめたい。
それまで、私をあなたの側に・・。

その願いを、Xは大人しく受け入れた。
名前は?
そう問われたイミナは、自分はアイでいいーと呟く。

殺されて消えた見えない存在。あなたの側の、アイでいい・・。


ーアイはいつのまにか眠っていた。
そんな彼女を、Xが起こす。

彼はアイが起きると、早速いつものわがままを発揮した。
彼は細胞が常に変異しているので、少し前にしていたことも忘れ、気に食わなくなってしまうのだ・・。
アイは、これから向かう先は覚えているか?と尋ねる。

それには、Xは元気にうなづいた。
もちろん、ネウロに関することなら俺は忘れないよー。

ネウロの頭脳なら、蛭(ひる)の謎はすぐに解いてしまうだろう。
でもそれでいい。自分があの村に着いたとき、全ては始まるんだー。

彼はお土産を持って帰るから、と笑うと、早速出ていってしまう。
その後ろ姿を見送りながら、アイは薄く微笑んだ。

行ってらっしゃいませ、X。今度こそ、あなたの正体が見付けられますようにー




















Xに魅せられたアイ。


今回はアイがどうしてXに付き従うことになったのかが明かされた回でした。

なかなか唸らされる過去編でした。
うまい言葉が見つからないけど・・ドラマチック?
アイの人生で一番大きい出来事がXとの出会いだったのだな、ということが伝わってくる話でした。


Xは、そもそもどうしてアイに近づいたのでしょうね。
評判を聞いて、中身を見たいと思ったのでしょうか。
たぶん偶然ではありませんよね。
ということは、彼にとってはアイはある意味魅力的に映っていたのでしょう。

そんなアイもまた、Xに魅かれた・・。
これはもはや、運命ではないでしょうか。
出会うべくして出会った2人という感じがして、なんだか一気に引き込まれてしまいました。

このペア・・嫌いじゃないなぁ。


Xもアイも、どうにもならない閉塞感を持っています。
Xは自分の正体が分からないジレンマ、アイは人生に意味などないという厭世観・・。

その2つが交わったとき、彼らは互いの存在に魅かれ、人生においてなくてはならないものへと変化したのでしょう。
この話ではアイだけが惹かれているようにも見えますが、今までの話を読んでいるとそんなことないのは一目瞭然です。

Xもまた、アイを必要とし、大事に思っているのは伝わってきますよね。
だからこそ彼女には自分のどんな姿もわがままも、全てさらけ出せるのでしょう。

2人共進む道は悪の道ですが、互いの存在を知り合えたことは幸運だったのではないかな、と思います。
きっと出会えていなかったらイミナは早々に悲惨な死を遂げていただろうし、Xも誰にも理解されずにますます孤独を募らせていたことでしょう・・。

やっぱり、出会いは運命だったのでしょうね。
2人共、いつかXの正体を知ることができるといいですね。
きっと幸せな未来はないでしょうが、それでも人生を賭けた彼らの答えが知れるなら、それだけで彼らは本望なのではないでしょうか・・。


なんだか切なく、でも温かい関係を見られて良かったです。
これからネウロとの戦いが始まるので、その前に敵側の内情を知れたことで、物語を理解するのに深みが増した気がします。

ネウロと対峙することで、Xはその正体にたどり着くことができるのかー?
今後も注視していきたいと思います。




で、次回はついにXが村に訪れるようですね。
ということは誰かに扮するという訳で・・村の中には、蛭が扮する人物とXが扮する人物の2人が潜伏することになるんですね。

2人共・・当てられるかなw Xを見破れる自信、まったくない・・(^^;)
毎回様々な趣向を凝らした策を仕掛けてくるX。
ネウロは彼の気配を感じ取ることができるのかー
楽しみですね!








というわけで、次回は村での事件の謎解きでしょうか。

養殖された謎の違和感に気付いたネウロ。
しかしまずは謎を解かないことには、その違和感にも迫ることができません。

彼は蛭が作り出した謎を解き明かすことができるのかー?!

次回も楽しみです☆