前回、蛭に挑発され、怒りを露わにしたネウロ。
2人の戦いの行方は・・?!

そして弥子の前には、竹田に扮したXがー!!
彼の目的は、弥子!
彼女はどうなってしまうのでしょうかー?!

感想です☆




怪盗の真価~第113話 「蛭【ひる】」




※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

蛭(ひる)は訊いた。
溶解仮面という殺人鬼の名を聞いたことがあるか・・?と。

それは狐の仮面を被った男が、都内の高校で学生の顔面を溶かして、次々に殺した事件だった。
その事件では、1人の男が犯人として疑われた。被害者グループにいじめられていた、ド田舎から上京してきた小心者の男が・・。

でも、そいつは捕まらなかったー
そう言いながら、蛭は1滴仮面から液体を垂らす。
その液体は顔をかばったネウロのグローブを溶かした。
それを見て、蛭は話を続ける・・。

容疑者と疑われた男は、入念なアリバイ工作をしていた。だから捕まらなかった。
彼が使っていた殺害方法は、今みたいに相手を押さえつけてから消火液を垂らすというものだったんだ・・。
蛭はそう語りながら、当時のことを思い返していたー

顔って不思議だ。ここをドロドロに溶かしただけで、まるごとその人間がいなくなったみたいだ。
大菅(おおすが)は、生徒の1人を押さえつけながら、ただひたすらに液を垂らした・・。

猛勉強して都会の進学校に入学して、待っていたのは妬みと差別とリンチの世界だった。
村にも都会にも、嫌な感じの凹凸がある・・。
それを全部溶かしてしまおうー

彼は全員の顔をドロドロにすれば、まっ平な世界がやってくると信じていた。
だからひたすら消化液を垂らし続けた・・。

だが今は、違うー
蛭はそうネウロに言った。
垂らすのはもうやめた。見せてやるよ、ネウロ。
今の俺には、新しい場所で得た力がある・・!!


・・ねえ、俺の正体って、やらしい人間だと思う?

突然押さえつけた男が口を開いたので、大菅は驚いた。
彼の背後にアイが現れ、帰ってゆっくり調べてみればいいのでは?とアドバイスする。
すると、顔がドロドロになった男はー笑って起き上がった。

そうだね、アイ。ドロドロにしたほうが、より個性がはっきりするしねー
そう言うと、男は大菅の首を掴んで引き倒した。

で、こいつ誰・・?
男はそう問い、アイが男がいじめていた生徒だ、と答える。
ああ、あの・・。
男は大菅に目をやり、俺がこいつになったのは昨日からだってのに、とんだ人違いだねーと大菅の体に馬乗りになった。

こいつをどうしようか・・。
男とアイは、相談していた。
その男の姿が、次第に少年の姿へと変化していく・・。
それを目の当たりにした大菅は、彼ーX(サイ)という存在に圧倒されていたー。

ドロドロにしても、尚消えない個性。ケタ違いの力。
ああ、なりたいー
その場所を選ぶ理由は、それだけで充分だった。

待って・・。
大菅は、Xに声をかけたー


ネウロと蛭の戦いは続いていた。
大菅は消化液を垂らすのではなく、吹き付けて攻撃をした。
これも電子ドラッグの効力だーと彼は語る。

その威力は、あっというまに周囲の竹を溶かしていく・・。
ネウロはそれを見ながら、ただひたすらにその攻撃をよけ続けた。

それを見た蛭は、逃げてないで力を見せてみろ、とネウロを挑発する。
魔人の力って奴があるんだろ?それで俺の攻撃を防いでみろ!!
でないと、今のお前なら俺でも簡単にドロドロにできるぜー!!
彼はネウロを執拗に、追い回す・・。

その時、ネウロは竹を2本掴んだ。
貴様の主は、Xだなー
彼はそう呟くと、思いっきり竹をしならせ、後方にいる蛭の体に弾き飛ばすー!!

その威力に、蛭の体はもたなかった。
腹部に竹がめり込み、彼は地面に崩れ落ちた・・。

・・我が輩が魔人であることを知っているのは、XとHAL(ハル)、そして弥子(やこ)だけだ。
ネウロは蛭に近づきながら、言った。

そして蛭は、「今のお前」と口にした。
自分の弱体化の進行を教えたのは、弥子とXのみ。
その中で、自分を殺す理由があるのはXだけだー

彼は蛭を見下ろすと、にやりと笑みを浮かべた。
さて、自分の使ったトリックで叩きのめされた気持ちはどうだ?
雑木林から元の竹林に誘いこまれたのも気付かないとは、その程度で魔人の力を使わせようなど1000年早いぞー。

その笑みを見た蛭は、完璧だ・・と笑う。
あんたは次元の違う、完璧さだ・・。

だが彼は、完璧すぎる・・と呟いた。
他人からああなりたいと思われたことなど、きっと無いに違いない。
人間があんたを見るときは、諦めの視線が混じっているはずだー。
その言葉に、ネウロは眉を動かす・・。

蛭は続けた。
Xは近くで見ると欠点だらけで、体も心も気まぐれで一貫していない、と。
けれどもだからこそ、身近なんだー。

欠点だらけの同じ人間であることに安心し、同じ人間があれだけの力を持てることに憧れを持つ。
ああなりたい、と。
それはネウロには全く感じない感情だー
そう蛭は言った。

魔人ネウロ、あんたはいつか追いつかれる。
人間の中から抜けだした人間に、俺たちの怪盗Xに敗れるんだー!!

・・それから、蛭は血を吐き、震えながら最後に言った。
で、いいの・・?俺なんかを相手に、こんな時間をかけててさ・・。

その言葉に、ネウロは感覚を研ぎ澄ませたー。
そして彼は蟲の反応がないのを見て、呟く。
・・やってくれたなー。


その頃ー弥子は、ようやく目を覚ますところだった。
目を開けた彼女は、見知らぬ光景に一気に意識を取り戻した。

彼女のいる部屋は真っ暗で、足元には血だまりがあり、そして無造作に斧が転がっていた・・。
ここは・・?!
弥子は自分が縛り付けられていることに気付き、驚き警戒するのだったー。




















ネウロVS蛭!!


今回はネウロが蛭と戦い、ついに裏にXがいることを嗅ぎつけた回でした。


蛭の能力は、自身で考えて産み出された技でしたね。
その背景には、いじめ・・よくある話でしたが、希望を持って田舎から出て来た青年にとってはさぞかし辛い経験だったのだろうと思いました。

希望が打ち砕かれた彼は、誰もが平等なまっ平な世界を目指すようになりました。
そのやり方は間違っていますが、彼がそう思うに至った経緯には同情しますね。
いじめがなければ、彼がこんな思想に取りつかれることもなかったのだと思うと、悪いのはいじめた人間ではないでしょうか。

蛭も、被害者だったのですね・・。


で、そんな蛭はXとの衝撃的な出会いを果たしました。
ドロドロに溶かしても再生する彼の個性、常人を凌駕するパワー。
そのどれもが、蛭が欲するものばかりでした。

彼がXに心酔するのも、当たり前ですよね。
希望を持ってやってきた新天地に、希望などなかった。
でもXと一緒に行けば、新しい世界が見られるのかもしれないのですから。


以前書いたように、Xとネウロには決定的な違いがあります。
今回、蛭もそこに言及していましたね。

ネウロは魔人ーその力は真似できるものではなく、彼はあくまでも人間とは別の生物だと皆は捉えます。
でもXは違います。
彼も常人からはかけ離れていますが、それでも人間なのです。

だから隙も見せるし、感情の起伏も激しい。
そして何より、彼は常に自分の正体が分からず苦悩し、答えを欲しているのです・・。

この弱さも併せ持つ姿こそが、Xが仲間たちを引き付ける魅力となっているのでしょう。
ネウロも少しずつ人間を認め近づこうとする姿勢は見せるものの、根本がそもそも違うので、確かに彼と同等を目指そうとは誰も思いませんよね。

この違いが、今後何かネウロに不都合をもたらすのか・・。
今回の戦いは、新たな課題を示唆してくれた戦いとして、なかなか有意義だったと思います。

やっぱり怒りを見せたネウロに蛭が敵うことはありませんでしたが、色々と考えさせられる話でしたね。
次はいよいよXとの再戦!

どんな展開が待っているのか、楽しみです!!





さて、後は弥子について。

やっぱりアジトに連れてこられたようですね・・。
となると、次回はアイとの再会となるのかな。

彼らの目的はネウロをおびき出すことと、やっぱり弥子を使っネウロに戦いを仕掛けようという感じでしょうか。
前回は思い到らなかったけど、よく考えたらXはHALⅡの目を持っているので、その目で弥子を洗脳して自分の仲間に仕向けるのかもしれませんね。

彼女が敵になるぐらいでネウロの感情が乱されるかは不明ですが、少なくとも攪乱させて隙をつくことくらいはできそうです。
能力的にはネウロのほうが上なので、Xはなんとしても彼の油断を誘おうとするでしょう。
その作戦に、弥子は有効なのかなーと感じました。

Xと弥子、絵石家家の事件で少し会話をした2人・・今回はどんな再会をするのでしょうね。
弥子はXの心を読み取ることができるのかーはたまたアイの心を動かすことができるのか。

いよいよ弥子のターンもやってきたようです!
彼女の活躍にも期待ですね!








さて、次回は弥子がXのアジトでXとアイに再会する話でしょうか。

ネウロもすぐにXの行方を追うでしょうね。
きっとXのことだから、挑戦状を残しているでしょうし・・。


1人きりでXと向き合うこととなった弥子。
Xの目的は一体?!そして弥子は、彼の心を知ることができるのでしょうかー?!


次回も楽しみです☆