前回、さらわれた弥子を取り返すため、事務所へ戻るネウロと吾代。
一方弥子はXのアジトで、Xと再会していましたー。

またその裏では、警察が着実にXの動きを捕え始めていて・・?!
いよいよ本線の始まる予感です!

感想です☆




怪盗の真価~第115話 「突【つっこみ】」




※以下、ネタバレあり※









◎あらすじ◎

笛吹(うすい)に紹介され、アンドリューは笹塚(ささづか)と出会った。
ふけを飛ばしながら嬉しそうに挨拶するアンドリューに、笹塚は呆気にとられる・・。

そんな笹塚に、笛吹はアンドリューと組み、再度X(サイ)の調査にあたるように命じるー。
笹塚は驚き、目を見張った・・。

また指名してくれるのか・・?
そう彼が尋ねると、笛吹は自分には現場に降りる暇はないと語った。
そして、自分は仕事に私情は挟まない・・と言い、笹塚を見やる。

笹塚、Xと会ったらどうする?
その問いに笹塚はすぐに、生け捕りにする、と答える。
更に笛吹は、そのために死ぬ覚悟はあるかー?と問う。
笹塚はある、と即答するー

その表情を見た笛吹は、ならばお前が適任だーと告げる。
行けーそう言われ、笹塚はアンドリューと捜査に乗り出すことにするのだった。

ーその一部始終を見ていたアンドリューは、笛吹の判断は素晴らしく早い・・と彼を称賛する。
彼は知り合った頃から、笛吹のことは肯定していた。彼が推薦する人物であれば、間違いない・・。

アンドリューは笹塚の手を取り、協力を誓った。
まずは、ある村へ向かおうー
その笑みに、笹塚もうなづき応えるのだったー。


一方探偵事務所では、ネウロたちがXからの挑戦状を調べていた。
カードにはしずくのようなマークが描いてあるのみで、後は何もメッセージは残されていない・・。
吾代(ごだい)は何の要求もないことに困惑するが、ネウロは動じず語る。

Xの自分に対する要求は、金ではない。魔界の誘拐だって、こんなものではなかったぞー
そう口にすると、吾代は魔界?と素っ頓狂な声をあげる。
何ふざけているんだ・・そう呆れる吾代に、ネウロは突っ込み役の弥子(やこ)が不在なことを改めて実感する・・。

むずがゆいな・・。
ネウロはうるさい吾代を押さえつけながら、考えるのだった・・。


同刻ー
弥子は、Xの奇行に戸惑っていた。

彼は気分のムラが激しく、どうでもいいことを気にする・・。
元々人間離れした存在だし、性格は天然っぽい・・。
半ば呆れながら弥子はその光景を見やるが、下手に突っ込んだら殺されかねない残忍さも持ち合わせた人物なので、それを口にはしなかった。

すると彼女がぼーっとしているように見えたXは、これからが本題だよ、と近づいてくる。
彼は弥子の前に座り、自分はネウロを殺すためなら手段を選ばない・・と語った。

弥子はネウロの隠れ蓑にすぎない。
だがせっかく作り上げた名探偵の顔を、他の人物で1から作り直すのは面倒すぎる。簡単には手放せないはずだ。
だから・・絶対に助けに来るー。

自分はそれを最大限に有利な戦場で迎え撃つ。
そして今度こそ、ネウロの中身をかっさばいてやるー!!

そう話すXに、弥子はその目的を尋ねた。
ネウロの中身を観察して、自分の正体を知るため・・?
訊くと、Xはそうだ、とうなづく。

楽しみだよ、今度こそきっと俺の正体が分かる。
本当の俺の細胞の組成に人種、性別、年齢・・
それが解明できたら、やっと俺は元の自分に戻れるんだー!!

ーその言葉に、弥子は違和感を感じた。
戻るの?正体が分かったら、元の自分に?
彼女は尋ねる。Xは笑って、当たり前だと言った。

自分はいつだって不安だった。自分の正体が分からない宙に浮いているような状態から、一刻も早く抜け出したかった。
永く永くさまよってきた時間は、全てはあるべき姿に戻るためー

それを聞いた弥子は・・1つの疑問に囚われた。
そして彼女はそれを・・つい口にしてしまった・・。
アイがちょうど調理をするために、Xにメニューを聞きに来る。
その瞬間、弥子は訊いていた・・

ねえ、X。今ここにいるXも、怪盗Xの正体じゃないの・・?
ー弥子の言葉に、Xとアイは目を見張る・・。

弥子はさっき村で竹田(たけだ)と会ったときに、あの事件の前と今の自分では正体が全然違うと感じたことをXに話す。
環境が変わったことで、何もかも変わった。色んな人と出会って色んな人から教わって、ネウロと関わることで攻撃に対する耐性やストレスもついた。

そうやって、人の正体はどんどん付け足されていくと思う。
だから今までさまよってきたXだって、Xの正体の一部でしょ?
弥子は自分の目に映ってきた、Xの姿を示す。

自分のルーツを知るためには手段を選ばなくて、残酷でエゴイストで暴力的で幼くて、家族思いの人には少しだけ優しくて・・。
私にとっての怪盗Xは、そういう正体を持った人間だよー

・・それを聞いていたXは、俺はすでに正体を持っている・・?と呟いた。
今の俺が、俺の正体・・
彼は頭を押さえ、その言葉を繰り返す・・。

ーバカじゃないの?
その瞬間、彼は弥子の首を掴んだ。

ある訳ないじゃん、こんな化け物みたいな力を持った正体なんて。
そう苛立ったように話すXに、弥子はそういう意味ではないと訴える。
だがXは、もう御託はいいーとそれ以上聞くことを拒否した。

そしてー彼は弥子の目を覗き込み、その目にHAL(ハル)Ⅱの電子ドラッグを流し込んだー。
教えてあげるよ、HALの目の有効な使い方を・・。
笑いながらXはそう言い、弥子はその瞳から逃れられずただ見入る・・。

そうして洗脳が終わると、Xは悪魔の囁きを聞かせた。
言ってごらん?あんたのご主人様は、誰なのかー。




















弥子とXの攻防。


今回は再会した弥子とXが対峙し、Xの正体について語った回でした。

いやー、弥子、よく言いましたね!
あのXとアイを黙らせるとは本当スゴい!!
弥子の真価発揮といった感じでした。

弥子の言うこと、確かに一理ありますよね。
Xが求めている答えがそこにないのは分かるけど、アイにはきっと伝わったはず・・。
確かに人間って、一部分だけを切り取ってその人ということはできないんですよね。

今まで出会った人や経験、どんなことを感じてそれに応えてきたかで、人間の中身というのはどんどん変わっていきます。
変化しない人なんていないですよね。
皆少しずつ変化し、その人らしさを形成していくのです。

だからXが過去の自分を本当の正体だと言い、そこに戻りたいと話したことに弥子は違和感を感じたのでしょう。
それは今までの自分を否定することになるし、ただ白紙に戻すだけのようなものですから。
それが本当のXだと言われても、納得できないものでしょう・・。

アイはそれを指摘されて、どう感じたのかな。
彼女なら分かったと思うのですが、それが今後の活動に影響を及ぼしたりするのかな。
それともあくまでXに魅かれているので、彼にこれからも付き従っていくのでしょうか・・。

うーん、なかなか深い問題提起だったと思います。
わたしは弥子の正体説のほうが好きだなぁ。
なんか変化を認める余裕があって、未来も感じさせるじゃないですか。

Xにもこの感覚、伝わると良かったのですけどね。
彼もまたずっと苦悩していて、ある意味気の毒ですもの・・。
今の自分を認められたら、どれだけ楽になれるかー
いずれ気付いてくれることを期待したいな、と思います。


ただ・・Xがそういう答えを求めていないのも、事実なんですよね。

彼はどんどん変化して大事なことも忘れていく自分が怖くて、だから元の揺らがない自分を知りたいんですよね。
変化する前の自分ーそれだけが本当の自分だ、と強く願っているのです。

その感覚は、弥子には分からないものでしょう。
というより、普通の人には理解できないでしょうね。
そういう状況にならないと、その苦しみを本当に理解するのは難しいと思います。

今回読んで、改めて刹那とXの類似性を感じましたね。
刹那もまた、失われてゆく自分をずっと忘れないでほしい、と春川に願いました。
Xの苦しみも、それと同じことですよね。

どんなに変化しても、今のXには芯の部分があります。
弥子が言ったような、彼の個性ですね。
でもそれですら、いつ失われるのか分からないのです。

だからそんな不確かなものが自分の正体だと言われたことが、彼には我慢ならなかったのでしょう。
互いの言い分、よく分かるから難しいですね・・。
でもお互いに同じ線上で語っていないから、答えはつながらないでしょうね。。

うーん、この問題、本当に難しい!
ただやっぱりXの正体を暴くのは、ネウロではなく弥子なのだろうなと今回確信しました。

恐らくアイもそう思ったことでしょう。
Xの正体に興味のないネウロからは出てこない言葉・・
それを引き出せたことは、彼らの関係に大きな変化を与えたことと思います。

弥子は洗脳されてしまいましたが、今後アイにどのような変化が訪れるかは注目していきたいですね。
今回の問題提起が、どんな影響を及ぼすのか・・
楽しみなところです。





さて、後は警察側について。

ようやく笹塚が出てきましたね!
本当に笛吹はかっこよくなった・・彼が一番この作品で進化を遂げたキャラではないでしょうかw

なるほど、笛吹が指揮官となり、笹塚とアンドリューが現場で動くのですね。
アンドリューの立場的に指揮する方かと思ってましたが、確かにあの能力は現場でもかなり期待できますね。

笹塚のXへの執念とアンドリューの能力で、今度こそXを包囲することができるでしょうか。
・・なんだか今回はかなりいい線行くような予感がします。

恐らく弥子が拉致されているアジトで、X、ネウロ、警察がぶつかることになるのでしょう。
いやー、盛り上がってきましたね!
警察組も、絵石家家のときといいかなり有能な動きを見せるようになってきたので、今回はどんな作戦を取るのか非常に楽しみです!

笹塚とアンドリューもなんだか気が合いそうだし、引き続き注視していきたいと思います。






最後は、ネウロ側について。

まずは突っ込み不在でやりにくさを感じているネウロがかわいかったです。
もう弥子なしでは生きていけませんねw


で、彼の元に届いた挑戦状ですが・・気になるのはやっぱりあのしずくのマークですよね。
あれは何を意味しているのでしょうね。
水、雨、涙・・その辺しか連想できない貧弱な自分の頭が憎いw

ネウロは何やら落ち着いていますが、もしかしてもうメッセージを理解したのかな?
あのマークはメッセージを伝えているのか、アジトの場所を伝えているのか、それとも何か他に意味があるのか・・。

気になりますが考えても分からないので、次回を期待したいと思います。








さて、次回は洗脳された弥子を使って、Xがネウロをおびき出す回でしょうか。

電子ドラッグに洗脳された弥子ー
やっぱり彼女も超怪力みたいになっちゃうのでしょうか(^^;)
燃費悪そうだな・・ゴリラ肉、全部彼女が食べちゃうんじゃないだろうかw

弥子の今回の言葉に、アイがどんな反応をするのかも楽しみだし、動き出したネウロたちと警察組の動向も気になります。
物語も中盤戦・・ここから戦いに向けて、どんどん加速していきそうですね!


次回も楽しみです☆