前回、謎という食料を産み出す人類を奪われたことに、怒りを隠せなかったネウロ。
皆の心に様々な衝撃を与えたDR戦・・

その裏では、シックスたちの恐るべき目論見がありましたー。

このまま戦いを続けたら、ネウロに勝ち目はありません。
彼らはこの問題に、どう対処するのでしょうかー?!

感想です☆




魔人の天敵~第140話 「父【ちち】」




※以下、ネタバレあり※









◎あらすじ◎

DR(ディーアール)のテロから、一夜が明けた。
東京の街は未だ水の中に沈んだまま・・。
被害者の数は20万人以上に上ろうとしていた。

弥子(やこ)はホームレスの男性と会った川の辺りに出向き、現実に呆然とする。
こんなの・・どうしようもない・・。

こんな時はネウロ、只の人間は何もできないよー

すると彼女の背後に、川の様子を見に来た自衛隊たちがやってきた。
彼らによれば、上流7か所の決壊箇所は、幸いにも土砂が詰まって塞がっていたのだという。
あれが無ければ被害は10倍以上になっただろうが、それにしても・・
彼らは川の水深を見て、息を呑む。

全て排水できるまでには、1ヶ月はかかるだろう。
こうしている間にも人間はどんどん死んでいるのに・・。
彼らは無念に、唇を噛みしめるー。

その姿を苦し気に見つめていた弥子に、声をかける者がいた。
野次馬か?
その声にはっとして、弥子は振り返る。

そこには、あのホームレスの男性がいた。
元気そうな姿に喜ぶと、彼は役所の人間に無理やり連れていかれたのだと不平を言った。
だがこんな時は、いくら役所でも助けてやらねばなー

彼はそう言うと、1人の自衛隊に声をかける。
市井(いちい)という男のところへ案内してほしい。
そう言うと、自衛隊は怪訝な顔で対応した。

そこにー騒ぎを聞きつけた市井が、男性に気付いて近づいてくる。
2人は再会を喜び合うと、彼は古い友人だと仲間の自衛隊に紹介した。

それを見ていた弥子は、男性の謎のコネに驚く。
彼女はそのまま男性たちと共に、川の様子を一望できる場所へと移動するのだった。


高台から見ると、被害は更に手に取るように分かった。
市井は最大の不運はあの部分だーとある場所を指し、あそこに土砂が溜まっているからこの一帯は湖になってしまっているのだ、と話した。

すると男性は、不運だ?と鼻を鳴らした。
バカ言え、犯人はこうなるようにやったんだ。より多くより長く、ここの人々を水で苦しめるためにー。

彼は夜中の内に、決壊した堤防を見て来たのだという。
あの位置のあの堤防を切れば、この場所に土砂が溜まってダムになるように計算されている。
全て計算ー並外れた知能と悪意を持つ奴らの仕業だー。
その言葉に、弥子と市井は言葉を失った。

だから・・今からあれを崩すぞー
彼らはその後の男性の言葉に、更に驚いた。
溜まった水を流すためとはいえ、崩す?!
市井はその素っ頓狂なアイディアに声をひっくり返らせるが、男性は住民は避難したのだろ?と涼しい顔だ。

ここから海の間には、完成目前のビル群がある。そこは国の再開発の目玉だ。
そこを崩せば、今度はそこが一気に水浸しになる。
国の許可が下りるわけないー
市井はそう訴えた。

だが男性は笑みを浮かべると、役所の都合なんぞ知るか、と手に持ったボタンを押した。
その瞬間、がれきが爆発によって崩れだし、地響きを立て始める・・。
その音を背に、彼は笑った。
自然に崩れたことにすればいいんだろ?全部私がやっておいたわー。

彼は積もったばかりの土砂の内部は不安定だから、必ずどこかに力のベクトルが不自然に集中している場所があるーと計算していた。
その一点を突き止めるのは至難の業だが、自分には容易いものだー
彼はそう言って、計算式を2人に見せた。

後は少量の火薬だけで、十分だ。これで水は一気にはけるー
弥子は全く理解できないその数式を前に、唖然とした。
その顔に、男性は語りかける。

このテロは全てが計算ずくだ。
水が溜まることも計算ずくなら、その水を一気に流す決断が国にはできないのも、また計算の内。
ならばその計算を崩すには、やっぱり計算しかないだろうー?
その言葉に、弥子は思わず尋ねた。

おじさん、一体・・。

また、市井もまだ呆然としながらも、これで迅速に水が破水できたーと呟いた。
救助班が街に入れれば、多くの人命がまだ救えるぞ・・!
そう言うと、彼はすぐに現場へと駆けていく。
礼を言うぞ、またな本城(ほんじょう)ー。

ーその名前に、弥子は目を見開く・・。
男性ー本城は、弥子の方を見なかった。
ただ彼は静かな声で、話した。

お前は私のことは知るまいよ、桂木弥子(かつらぎやこ)。
だが・・娘の名前は知ってるだろう?

本城刹那(ほんじょうせつな)ー
彼の口から出た名前に、弥子は言葉を発することができなかった。
春川(はるかわ)の思い人であり、脳の病気で亡くなった女性ー
彼女の父親こそが、今目の前にいる人物だったのだ・・。

本城は、娘を死に追いやったのは、決して病気ではないと言った。
その元凶を、父親である私は憎んでも憎みきれんー
彼の表情には、苦渋が刻まれているのだったー。


その頃ー
葛西(かさい)は、ある屋敷を訪ねていた。

次はお前のお出ましだー
そう言われた人物は、返事をせずただ葛西が話を切り出すのを待つ。
すると葛西は、ある資料を投げた。

ちょっと計画の方が面倒くさくなってなー。
彼はそう切り出すと、警察の中に用心すべき人物がいることを話す。
昨晩も刑事が増員され、DRのパソコンも先に回収されてしまったのだ・・。

その後警察内部の血族を使って調べたところでは、刑事が増員されたのはここ1ヶ月の間のことらしい。
1ヶ月といえば、シックスが警視庁に姿を現した頃だ。
まだ血族が何をするかも分からないときから、シックスの危険性を感じ取り、迎撃態勢を整えてきた奴がいるー。
葛西の話に、その人物は興味深げに瞳を見開いた。

ーその人間は、邪魔なの?
そう問われた葛西は、場合によってはな・・と答える。
するとその人物はターゲットの写真を手に取り、しげしげと眺めた。

分かった・・邪魔ならボクが片付ける。
そう言って彼は、写真を捨てた。
その写真には、笛吹(うすい)の姿が映っているのだったー。




















本城刹那の父親。

今回はホームレスの男性の正体が明らかになり、新たな血族が動き出した話でした。

いやー、今回はかなり話が動きましたね!
次から次に情報が入ってくるので、食い入るように読んでしまいました。


まずはホームレスの男性から。

彼が本城刹那の父親だったとは、まったく思いつきませんでした。
そういえば父親の話、少し出てきていましたね・・。すっかり頭から抜けてました(^^;)

なるほど、だから春川と面影が似ているのですね。
研究への飽くなき姿勢、そのために世間への関心が薄く変人のように見えるー
それがこの事実への布石だったのかと思うと、納得です。

そして今回のことで、やっぱりXと刹那の脳の構造には関連があるのでは、とますます強く思うに至りました。
以前からXの脳細胞の変異と刹那の脳細胞の変異は似ていると書いてきましたが、これはもう間違いないでしょう。

となると本城が憎んでも憎み切れない人物というのは、やっぱりシックスなのでしょうか。
彼がXの脳細胞の進化を実験する前に、人間で試してみたーということは、十分考えられます。
そして本城のような天才の娘を研究材料にするというのも、彼ならさもやりそうに見えます。

これらから予想すると、刹那の脳の異常は病気ではなく、やっぱり人為的に引き起こされたものだったと思われます。
なんとも刹那と春川のことを思うと、胸が苦しくなりますね。
2人の人生を変えてしまったのがシックスだとしたら、到底許すことはできません。

今後本城が新しい血族との戦いに関わっていくなかで、自ずと真実も明らかになるのでしょう。
でもいい予感はまったくしませんね・・。むしろ知るのが怖くなるくらい、鬱展開が待っていそうです。

春川と刹那のあの再会を見て来た私たちにとっては、きっと辛い展開が今後待ち受けているでしょう。
でもその無念が晴らされるときが来るなら、その時を見届けたいとも思います。

ますますシックスたち新しい血族を倒さねばーという気にさせられました。
本城、今回はDRに一矢報いたと思います。
この調子で、人類を救う手を見つけ出してほしいですね。

弥子やネウロと共に、どんな形で関わっていくことになるのかー
見守りたいと思います。






さて、後は新しい血族の仲間について。

ラストでボクと言ってるので、男性でしょうか。
小指の次なので、薬指に当たる人物の登場です。

ネウロがまったく回復しない内に、もう次の血族が出てきてしまうのですね・・。
これは本当に、今後が不安になる展開です。


更に不安なのは、彼らが警察を狙いだしたこと。
笛吹の身が危険にさらされるなんて、恐ろしくて考えたくもありません!!

彼ら血族が、アンドリューに何をしたか・・。
あのことを考えると、笛吹が彼らの手にかかるなんて絶対に思いたくない!!
本当に恐怖でぞっとしました・・。


恐らく笛吹は、自分がいずれ狙われることも折り込み済でしょう。
彼は頭が切れるので、あらゆる手を読んで動いているはずです。

しかし新しい血族はその上を超える悪意を持つ集団です。
常識の通じない相手に、警察がどこまで対応できるのかー
これは実際に対峙しないと、分かりませんね。。

次回、新たな血族が警察に手を伸ばすのでしょう。
その時に警察はその危機を察知できるのか。そして対抗できるのかー?
そこに、人類が今後血族に敵うかの希望が込められているような気がします。

笛吹たちならやってくれるだろうーそう思う反面、余りに巨大な悪意には不安も隠せません。
でも、やっぱり警察を信じたいですね・・。

ネウロが弱体化している今、彼らがどれだけ対抗できるかに人類の命運はかかっています。
強く凛々しい姿が見られることを祈って、終わりにしたいと思います。









さて、次回は新たな血族のメンバーが、笛吹にその手を差し伸べる回ですね。

人間VS新しい血族ー
いずれは向き合わねばならないカードですが、こんなに早くその対決のときが来るとは・・。

笛吹がとにかく心配ですが、シックスを間近で見た笹塚のことも心配です。
Xを奪われた今、変な気を起こさないといいのですが・・。

第2戦ー
一体どのような展開が待ち受けているのでしょうか。

次回も楽しみです☆