前回、テラの策によって魔力を奪われてしまったネウロ。
消耗の激しいなか彼は反撃に転じましたが、果たして戦いの行方はどうなるかー?!

新しい血族との第2戦ー
苦戦するネウロに、勝利の女神はほほ笑むのでしょうか?!

感想です☆




共闘~第148話 「征【せいふく】」





※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

顔を攻撃されたテラは、その衝撃にふらついた。
ネウロはそんな彼に魔力で鎌を産み出し、振り上げる。
貴様らを野放しにすれば、必ず我が輩の食糧源・・人間を大量に殺すだろう。
だから即決で、とどめを刺すー!!

だがその瞬間、テラは自ら両足を断ち切ると、鎌からギリギリ逃げ切った。
すぐに足は再生していくー。
その光景に、ネウロは鼻を鳴らした。
ふん、貴様もその妙な細胞に頼っているのか・・。

テラは足を抑えてうずくまりながら、そうだ、とうなづく。
怪盗X(サイ)の強化細胞ーDR(ディーアール)は腕のみだったが、自分は全身に埋め込んであるのだ・・。
彼はそう説明した。

そしてこの細胞は、醜いものを埋めて隠すには最適だー。
テラはそう言うと、左腕からミサイルを発射した。

ミサイルは、ネウロの腕に穴を開ける・・。
埋めてしまえば、どんな醜いものでも美しくしてやれるー。
彼はそう言って、笑った。

埋めるーそれは征服することと同じなんだ。
テラは耽美な表情でそう語る。
その一方で、モグラに靴を持っていかれて慌てふためく・・
その敵らしくない姿に、ネウロはただ黙って見つめるだけだった。

テラは、更に言う。
本当はネウロと戦うのは、気が進まないと。
君を殺そうとすれば、大勢の人間が犠牲になる。ボクは人間の苦しむ顔を見たくないんだー。

ーその光景を観察しながら、葛西(かさい)はネウロの困惑を見て取って笑った。
彼には、ネウロの魔力がそろそろ限界なのが見えていた。
あの巨大樹だって、いつまでビルを支えていられるか分かったもんじゃない。

それに加えて、あのテラの相手までしなくてはならない。
DRにやったみたいな容赦ない攻撃はしないのか?まさかテラを、憎めない奴だと思ってはいないよな?
ーまさか、馬鹿に悪い奴はいないとか馬鹿げたことを考えちゃいないよな・・?
葛西はそう考え、笑むー


一方、テラの独演は続いていた。
彼は地面のタイルをなぜか剥がしながら、切々と訴える。
かつて、自身の先祖も大勢の人間を苦しめたことをー。

彼の祖先は、征服者と呼ばれたヨーロッパの民だった。
彼らは、かつての中南米で大いに栄えた古代文明群を百名程度で征服した。
そして征服した後は黄金を全て奪い取り、奪った後は全て埋めてしまったという。

彼らは文明全てを埋めた。埋めた後は、自分たちの街を作ってしまった。
征服された原住民の苦痛は、凄まじいものだったろうー。
そう話すテラは、手近な最後のタイルを剥がした・・。

たとえば、こんな感じでー。
その顔に、笑みが浮かぶ。
そして彼の後ろにはー地面に体を埋められ、拘束されている大量の人々の姿が覗いた。
それを見たネウロは、目を見開くー。

埋められた人々は呑まず食わずで放置されていたらしく、かなり衰弱していた。
これだけの数をこっそり埋めるのは大変だったよーとテラは屈託なく笑う。

彼の先祖が殺した人数、破壊した文化や芸術の数、略奪した黄金の数。
そのどれもが人類史上群を抜き、人間の仕業とは思えないものだった。
それもそのはず・・彼らは人間じゃなく、人ならぬ悪意をもつ新しい血族だったのだから。
テラはーそのことを誇った。

彼は埋まった人々を踏みつけ、痛めつける。
それを表情も変えずに行う様に、ネウロの眉が歪んだ。
だがテラはそんなことには構わず、再びネウロに語り掛ける。

ねぇ、ネウロ。
ボクは美しくないものが嫌いだ。傷のついた顔が嫌いだ。
だから・・人間たちの苦しむ顔を見るのは嫌なんだ。吐きそうになるー

その顔に一瞬歪みが走ったと同時に、倒壊寸前だったビルに亀裂が走る。
テラはネウロに向かって笑みを浮かべる。
分かるだろ?ボクの言いたいことが。

地盤を割る計画は、もうやめた。その代わり、もっと単純にビルを使うよ。
その言葉と共に、ひび割れたビルが数多のコンクリート片となって地面に降り注ぐ。
魔界樹もその威力の前には、崩れ落ちるよりなかった・・。

お次は6万トンの散弾だよ。
テラは、マンションに住んでいた住民の命は諦めるように言う。
どうせ新築だから、大した人数はいない。それよりも放っておくと、びっしりと敷き詰めた下の100人がーネウロの大事な謎の製造者が埋まっちゃうよー?

彼は勝利の笑みを浮かべた。
助けたいなら、ほら・・。いっぱい魔力を使わなきゃー。


ーその瞬間、ネウロは2本目の魔界樹を発動させた。
テラはそれを眺めながら、悠々と彼を見下ろす。
良い子だ・・空っぽになってくれたようだねー。
その言葉通り、ネウロは魔力の消耗に激しく体を震わせた・・。

ーテラは馬鹿だ。馬鹿は一度決めたら、迷いがない。
葛西はネウロの消耗を見つめながら、テラの勝利を確信した。

彼はビルの使い方を変更するのにも迷わないし、強化細胞の副作用や体に武器を埋め込む苦痛を前にしても迷わない。
どれだけ犠牲を払おうが、最後に征服すればそれでいい。
そういう奴が、一番怖いんだー。

ネウロは肩で息をし、うなだれる・・。
その姿に、テラは告げた。
終わらそうか、ネウロ。

悟ったか?ボクが君の征服者だー。




















テラの本領。

今回は反撃に転じたネウロが、本領を発揮したテラに再び押されてしまう回でした。

テラ、強い・・!!
葛西の解説が時々入るのがなんかウケましたが、確かに彼の言うとおり。
ネウロとは相性の悪い相手だと今回つくづく感じました。

元々ネウロも空気を読まず強引に自分の流れに持っていくタイプですが、テラは更にその上を行く自由さですからね。
天然だからこそ、タチが悪いを地で行くタイプだー・・(^^;)


そして馬鹿だからこそ、DRより更に歪んでいますよね。
以前も書きましたが、DRは人類をダニと蔑んでいました。
でもテラは人類は殺したくはないという。
ただ、醜い顔を見たくないから埋めるのだ・・と。

同じことをしているのに、厄介なのはテラの方ですよね。
本人がそこに悪気を感じていないのも、また戸惑わせる・・。
なかなか強烈なキャラを出してきたなー・・と改めて松井先生の凄さを思いましたよ。

そんな彼の真の目的は、人間をネウロの前で殺そうとすることでした。
あんなの見たら、ネウロも魔力を使うしかないですよね。
分かっていてあそこまで酷いことをする・・。
テラの残虐さに、今回は本当ぞっとしました。

あの人たちはこのマンションの住人ではないのかな。
どこから連れてこられて、あんな酷い目に遭わされたのだろう・・。

DRのときは可哀想でしたが、一瞬の出来事で皆何が起きたかも分からなかったと思います。
でも今回はじわじわと恐怖で首を絞められているような感覚だったのではないでしょうか。。
どっちがより悪いとかはないですが、卑劣さはテラが遥に上回ると顔を背けたくなりました。

本当に、タチが悪い・・。
すっとぼけたキャラですが、もう絶対に許せませんね。
ネウロにはしっかりと制裁を与えてほしいものです。


ただ今のネウロに、その力すら残っているのか・・。
もはや彼は瀕死状態なのではないかと推察されます。
この状況で、逆転など起こりうるのでしょうか。

それにここに警察が現れたとしても、一体何ができるのか・・。
顔に強化細胞が埋め込まれていないのであれば、そこを集中的に攻撃するという手もあるでしょう。
でも逃げられる可能性もあるし、そもそも警察だけではあの埋められた人たちを救うことはできないでしょう。

ネウロが魔界樹でビルの攻撃を抑え続けない限り、人々の命は無残にも奪われてしまいます。
でもそれを続ければ、先にネウロのほうが死の危険に陥ってしまう・・。
もはや、詰んだともいえるのではないでしょうかー。


この状況を打破するには、どうすればいいのか。
考えましたが、私には答えが出ませんでした。
まだネウロに少し余力があるとか、そういうことでもない限りもう無理な気がするのです。

まさか2人目で、こんなに苦戦させられるとは・・。
こうなると、この先どう対応するかが本当に急務の課題となりますね。

今回の戦いで、ネウロの力だけでは無理だということが本当によく分かりました。
でも戦いをやめることはできません。
人類と協力して戦うなら、どう協力していくのかー。
そしてこの戦いをどう乗り切るのか。

もしかしたら、ネウロにまだ何か案があるのかも。でも現状ではそれも分かりませんね。
今はただ、見守ることしかできません・・。

テラ戦の結末がどうなるのか・・。
ネウロが負ける覚悟もして、見届けたいと思います。








さて、次回は瀕死のネウロがどうこの戦いを乗り切るのかーという話ですね。

正直ここまで消耗するとは思っていなかったので、テラの策にはただただ圧倒されるばかりでした。
やっぱり2人目ともなると、DRのときのようにすっきりした展開とはなりませんね。

相性の悪いテラという敵ー
ネウロは彼を倒すことができるのでしょうか・・。


次回も楽しみです☆