前回、テラとチー坊の情報を得るために行きついた先で、弥子たちは本城と再会します。
弥子たちは新しい血族の情報を、彼から引き出すことができるのでしょうか。

そしてそんな4人の前に、チー坊と葛西が立ちはだかります。
いよいよ第3戦ー
ネウロ無しで、弥子たちはこの戦いを乗り切ることができるのでしょうかー?!

感想です☆





根絶やしの少年~第156話 「異【ちがい】」





※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

弥子(やこ)たちは、エレベーターに向かった。
だがなぜかエレベーターは開かない・・。
戸惑う4人の姿を発見したチー坊(ちいぼう)たちは、笑った。

ホテルから出すと、面倒なことになる・・。
だからチー坊は事前に色々と手を打っていた。
それを聞いた葛西(かさい)は、いつもの密室を作ったのかーと笑みを浮かべる。

チー坊はうなづいた。
そう、ここはもうホテルじゃない。脱出不可能な狩場さー。

ーそこで弥子たちは、階段で下へと降りることにした。
その道中、笹塚(ささづか)は吾代(ごだい)に、犬が溶けたことを明かす。
それを聞いた吾代は、自分が見たときと同じだーと息を呑んだ。

2人は顔を見合わせ、うなづき合う。
間違いない。あれは毒ガスだー!!

一方弥子には、ネウロからの司令が入っていた。
彼は携帯にくっついたあかねを使い、カメラ回線も使うーと話す。
自分は人間を有効活用するために、見なければならない。だから全てをカメラに映せー。
ネウロはそう言うと、瞳を光らせるー


1階に降りた4人は、絶句した。
ロビーに毒ガスが充満し、そこにいた人々が皆殺されていたのだ・・。

4人は口を押えると、玄関から脱出するのは諦めようーと身を翻す。
だが上からはチー坊たちが来ている・・
下に逃げるしかないのか、と追い込まれていることを感じながらも彼らは階下へと更に進むのだった。

ーその様子を眺めながら、チー坊たちも階段を降りた。
彼はこれで奴らは1回からは出られなくなったと笑い、葛西に視線を投げる。
この状況を作るためには、惜しまず殺せ。それが新しい血族であり、吾本指だろー?

彼は部下たちを使い、全てのドアをロックすることに成功していた。
通信手段も遮断しているー
これで逃げ場のない地下で、思う存分狩りができる。
チー坊は地下に降り立つと、周囲を見渡すのだった。

一方弥子たちは、車の陰に隠れていた。
電波が遮断されているが、あかねの力で辛うじてネウロとの通信はつながっている・・。
弥子が次の指示を待っているのに気づいた笹塚は、ふと彼女に声をかけた。

思ったんだけど、ネウロっていつもこんなことをさせてるのー?

彼の言葉に、弥子は目を見開く。
笹塚は、それだったら自分は彼を信用できないなーと続けた。
生命の危険があるのを承知で女の子に無茶をさせているのだとしたら、新しい血族と変わりないじゃないかーと。

弥子はそれを聞いて考え込む。
だが吾代が、今はそんなことを話している場合じゃない、と2人を遮った。
今はどうやってここから脱出するかだー

彼は全ての出口が開かないことに言及し、つまりは2人だけでホテルを制圧してしまったのだーと嘆息する。
これが新しい血族って奴なのか・・。

すると本城(ほんじょう)が、いくら強くてもこんなことは長くは続けられないだろう・・と話す。
4人の眼には、彼らを探す2人の敵の姿が映る。
いずれは外の人間が異変に気付くはずだ。20分でも耐えれば、きっと助けが来る・・
ーそれを聞いていたネウロが、はっと目を開いた。

ヤコー上だ。
それを聞いた弥子は、天井からチー坊がナイフを振り下ろそうとしているのに気づく。
彼は本城を狙っているー!!
咄嗟に弥子は身を乗り出して、彼をかばった。

どうやら自分たちを探すうちの1人は、ダミーだったようだ。
笹塚はすぐに銃を放つが、その間にも今度は葛西が動き出したー

だがその時だった。
弥子が上への階段を指し示し、叫んだのだ。
上ー1階に上がって!!

彼女は本城を連れて、階段を駆け上がる。
上には毒ガスが・・
笹塚と吾代は慌てたが、構わず上っていく2人を見て舌打ちした。
ーくそ、手間のかかる!!

それから、2人も弥子たちに続いた。
彼女に言われてドアをしっかりと閉めるー
それを見た葛西は、気づかれたか・・と笑う。

ー心理の密室だ。
ネウロは逃げる弥子たちに、そう伝えた。

彼は人々が一瞬で命を落とすような強力な毒ガスを使っているのに、チー坊たちの装備が軽装なことに疑問を抱いていた。
またガスを使っているなら、犬一匹をわざわざ殺して見せなくても、客室や駐車場の全てに流し込めば済む話だ。
それで皆殺しにできたのに、なぜしなかったかー。

1階に着いた弥子は、足を止めた。
そしてーチー坊たちを待ち受ける。
彼女の周りには霧のようなものが立ち込めていたが、それは毒ガスではなかった・・。
つまり、2人は毒ガスを散布したように見せかけていたのだ。

それはなぜかー?
ネウロは弥子の耳元で、尚も話し続ける。

恐らく敵が使っている毒は、塗るか射つかして服毒させるタイプだろう。
だが彼らはわざわざ犬やおびただしい数の人間を殺し、あたかもガスで殺したように見せた。
その理由は・・

弥子は、1人で立ちはだかる。
本城は身を隠しながらも、彼女に攻撃を仕掛けてはいけないのか?と問う。
だが、それは駄目だーと弥子は頑なに断った。

敵は怪盗X(サイ)のように、化け物じみた生命力を持っている。
下手に攻撃して倒せなかったら、その時はこちらが反撃を喰らうのだ・・。それはリスクが高すぎる。
隠れている笹塚と吾代も、息を呑んだ。

証人を護りたければ、逃げるしかないのだー!!

ーその瞬間、2人は弥子の後ろからバイクに乗って飛び出した。
彼らはチー坊たちを蹴散らし、その隙に弥子は本城と共に逃げる。
やられた・・!!
攻撃をかわした葛西は事態を把握し、舌打ちした。

ネウロは、チー坊たちが毒ガスが散布されたように見せかけた理由を、標的が1階から逃げることを防ぐためだ、と気づいていた。
だから弥子に誘導させ笹塚たちも上階に逃げさせたと見せかけ、駐車場でそのまま待機させていたのだ。

プライベートを重視する高級ホテルでは、窓の多い空間はロビー以外限られている。
だから1階ロビーに毒ガスが充満していると思い込ませれば、他の閉じた階へと標的を追い込んで始末することができる。

だがそれは逆に言えばいくらロックをかけていようとも、1階からならいくらでも脱出する方法があるということだー!!
弥子は笹塚の背中に掴まって、バイクに乗った。
2人は猛スピードで入口の扉へと突っ込んでいくー


こうして、4人は無事にホテルから脱出することができた。
チー坊たちは彼らを逃がしたことを確認すると、急いで身を隠す。

ー弥子は笹塚の背中に掴まったまま、彼に話しかけた。
さっきのことだけど・・。
彼女は笹塚がネウロのことを信用できないと言ったことを挙げ、でもね・・と笑う。

ネウロは人間をゴミのように扱うけど、捨て石にして殺したりは絶対にしない。
全力で立ち向かえば、必ず開ける道を用意している。
それが・・新しい血族とネウロの違いだよー。

それを聞いた笹塚は、分かったよ・・と呟く。
それから彼ら4人は、一旦身を隠す場所を探すために移動を続けたのだった。




















ホテルの攻防戦。

今回は証言者である本城を巡り、弥子たちとチー坊たちがぶつかり合う話でした。


いやー、息つく暇もない展開でしたね!
どうやって逃げるのかーと終始ハラハラしてしまいましたよ。
とりあえずは4人共無事でよかったです!!

そして、ついにチー坊の能力も明らかとなりました!
どうやら毒使いーで間違いないようですね。
植物系ではなかったかー・・残念w

まだどうやって毒を注入しているのかは分かりませんが、そこは毒使いの進化系なのでかなり巧妙な手口なのでしょう。
手段が分からない以上、まだまだ油断はできませんね。。


ただ作戦に関しては、今回はネウロに軍配が上がりましたね。
現場をよく見て、どういう状況かを知る。
そしてこの状況を打破するために、どう手駒を配置するかを考えるー。

まさに軍師!ネウロにそんな才能もあったとは、ちょっと驚きでしたね。
下で動く弥子たちの理解力と動きもすごかった・・。
彼ら、本当に良いチームだと感じました。

この結束力があれば、新しい血族とやり合うのも行けるのでは・・と思えるようになってきました。
チー坊たちもこのままでは済まさないでしょうが、やっぱり信頼とか結束の力は弥子たちの方が強いでしょう!
そこの差で、新しい血族を出し抜いてほしいと思います!

ここからが後半戦かな。
まだチー坊も本領を発揮していないと思われるので、油断は大敵です。
でも変に気構えず、このまま戦っていってほしいところです。




さて、後は弥子と笹塚のやり取りについて。

今回の笹塚の視点は、まさに第三者からの視点という感じで、改めて弥子とネウロの関係をあぶりだしていましたね。
そうだよね、笹塚は妹を亡くした身ー。
女の子が危険な目に遭っているのは耐えがたいし、それをネウロが何とも思っていないのであれば許せないと感じたことでしょう。

なんか見慣れていたから何も感じなかったけど、確かにこの状況はネウロのことを悪く取られても仕方なかったと思います。

でも弥子は、ちゃんとネウロのことを理解していましたね。
彼が自分をひどく扱うのは、自分を信頼しているからー。
そのことがちゃんと分かっているから、弥子はいざという時にはネウロのために動けるのです。
そこを彼女がちゃんと理解していたこと、嬉しく思いました。

彼女はよく、自分には何もできないーと後ろ向きになってしまいます。
まぁネウロは魔人ですし、他の皆もそれぞれ得意なことがありますからね。
そういう心境になってしまうのも、当然でしょう。

だからこそ、弥子は必要とされ信頼されることが嬉しいのでしょうね。
今回の弥子の発言からは、そういう心理がよく伝わってきました。

ここでこういう描写を入れてくるのは、本当うまいよなー。
離れているからこそ分かる、相手の重み。
2人の絆の強さをよく感じさせられた回でした。

大体信頼していなきゃ、あんな毒ガスが充満していそうなロビーに戻ることなんてできないですよね。
でも弥子はネウロの言葉を聞き、彼を信じてあの場に身を投げ出した・・。
その勇気と人を信頼する気持ちは、本当にすごいことだと思います。

そういう意味では、また弥子の成長を感じた回でもありましたね。
この辺の強固な絆が今後の展開にどんな影響を及ぼすか・・

楽しみにしながら、次回を待ちたいと思います。









さて、次回は戦いの後半戦でしょうか。

既に顔が割れているチー坊。
葛西に関してはどうなのでしょう。笹塚は気付いたかもしれないですね。

そんな状況で、彼らが猶予をくれるはずがありません。
再びすぐにでも襲い掛かってきて、本城を消そうとするでしょうー。


更に一度失敗したとなっては、後がありません。
次はもっと恐ろしい手で挑んでくるだろう新しい血族ー
弥子たちは彼らにどう立ち向かうのでしょうか。


次回も楽しみです☆