前回、見事チー坊たちの作戦を読み切り、本城を守り切ることに成功した弥子たち。

しかしこのまま、2人が弥子たちを見逃すはずはありません。
すぐに再戦となるでしょう。

後半戦ー
後がないチー坊たちは、一体どんな手で弥子たちに戦いを仕掛けてくるのでしょうか。
そして弥子たちは、彼らにどう立ち向かうのかー

感想です☆





根絶やしの少年~第157話 「昔【かこ】」





※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

弥子(やこ)たちは、近くの警察署に一旦逃げ込んだ。
束の間の安全ーネウロは長居しないように4人に言う。
早く動かないと、敵はまたすぐに証言者を狙ってくるだろうからだー。

一方警察署の中で、吾代(ごだい)はずっとチー坊(ちいぼう)のことを考えていた。
彼の真っすぐ向かってくる姿を思い出しながら、質の悪い諦めの悪さだけは変わっていなかったな・・と吾代は思う。
それはここ、警察署での出来事だったー


ー刑事に呼び出されて少年課に出向いた吾代は、自分を呼んだのがチー坊だと知って憤る。
だが刑事たちは、チー坊は親が忙しくて迎えに来れないのだと話し、彼の携帯には吾代の番号しかなかったことを伝える。
そして吾代は面倒見だけはいいからな・・と彼らはチー坊を押し付けて、2人に帰るように促したのだった。

チー坊がやったのは、車上荒らしだった。
チームを抜けてもそんなせこい真似していたら意味ないだろ?
そう言って、吾代はチー坊をどつく。
チー坊は頭を抑えながらも、必死に訴えた。

自分は、忍(しのぶ)君が舎弟と認めてくれるまで続ける・・。
だって忍君みたいな肉食動物に・・強くなりたいんだ!!

そう叫ぶチー坊を、吾代は今度は本気で殴った。
彼はチー坊の首筋を掴むと、睨みつける。

勘違いするなよ、クソガキ。肉食動物なんか、この世で一番弱いんだー。
吾代は人に危害を加える者は逆に睨まれるのだ、と狼が絶滅した例を出して説明する。

最後まで残れないということは、イコール弱いということだ・・。
彼はチー坊を放すと、歩き出した。
草食動物は皆自分たちを笑ってるぜ。放っておけば、くたばるってな・・。

その後ろ姿を見つめながら、チー坊は弱弱しく呟いた。
違うよ、俺は違う。忍君・・。

ーそんなことを思い出し、吾代は息をついた。
いつまで警察にいなければいけないんだ・・。
そう呟くのを聞いた弥子は、彼が不良時代に警察にお世話になっていたのだろうと思い、笑う。

だから警察嫌いで、笹塚(ささづか)のことも目の敵にするのかー。
そう指摘された吾代は、それには答えなかった。
・・それだけじゃないけどな。

それから、弥子は改めて吾代に本城(ほんじょう)の件を聞くことにした。
笹塚はテラの証言者として彼に接触したが、吾代は一体どのようなことをネウロに頼まれたのかー?
それを尋ねると、吾代は天井を見つめた。

チー坊のことだよ・・。
彼はネウロに、自分と会わなくなってからのチー坊の動向を調べるように頼まれたことを明かした。

ーあれは、2人が知り合って少し経った頃だった。
ある喫茶店で、チー坊から日本を離れることを聞かされたのだ。

親の転勤が終わったのか?
そう尋ねると、チー坊は首を振って不敵に笑ったのだったー
ずっと求めてた人に出会えたんだ。その人に、俺はついていくー。

ネウロは、彼がその前後に会っていた奴を調べろと言った。
だから吾代はその周辺を洗っていたのだ。
そうしたら本城(ほんじょう)に行き当たったー彼はそう説明した。

本城は昔は偉い研究者だったらしいが、その頃は重大な研究をしていた。
彼は段ボールジャングルを作るための研究に必要な情報を集めるために、チンピラを高額で雇って繁華街の建造物の調査をさせていたらしい。
その中に、チー坊がいたのだー。

ーと、その時笹塚(ささづか)と本城が中に入ってきた。
笹塚はすぐに出る、と2人に告げる。
思い出探しーに行くらしい。

困惑する2人に、本城はびしっと指を突き立てる。
これは弥子たちの質問に答えるためなのだーと。

笹塚も吾代も、本城から聞き出したいことはかなり昔の話だった。
はっきり言って具体的なことは思い出せないー
そう言いながら、本城はスケッチブックを見せる。
だが心配無用。私の日常の研究や出来事は、つぶさに日記に記してあるー!!

それは弥子たちには読めないような暗号で書いてあった。
だが本城にはスラスラ読めるらしい・・。
それは彼の研究の機密保持が目的であり、全てを持ち歩くのは困難なほどの量になる。
だから彼はーそれを転々としてきた段ボールハウスの跡地に、埋めてきたのだというー。

・・つまりその場所が分かるのも、日記を解読できるのも本城だけということだ。
吾代は納得し、弥子も一緒に行くことにする。
それを見ていた笹塚は、弥子に声をかけた。

弥子ちゃん、護衛のパトカーは連れていくが、それでも敵から狙われないとは限らない。
だから自分は一般人はできるだけ連れていきたくない・・。

でもーさっき言われて、自分はネウロを信用することに決めた。
だから彼に聞いて行けと言われたなら、連れていくよー。

ーその言葉に、弥子はにっと笑みを浮かべた。
聞かなくても分かりますー!!と。


その後、一行は都会を離れ、郊外の森の中に向かった。
本城は森を見回しながら、どこに埋めたか・・と首を傾げる。

更に辺りには、霧が立ち込めてきていた。
そのせいか、後続のパトカーもついてきていない。
吾代はそれを警察の無能だ、と馬鹿にするのだった。

ーその頃、後続のパトカーはチー坊と葛西(かさい)の襲撃を受けていた。
葛西が全てのパトカーを燃やしつくすと、チー坊は後は自分が引き受けるーと笑う。

その目は、いつになく本気の光が宿っていた。
葛西はそれを確認すると、笑う。
やっと本気か。新しい血族ーヴァイジャヤ。




















日記を取り戻すために。

今回は本城の記憶を残す日記を手に入れるため、弥子たちが森へと探しに行く回でした。
次の戦いの舞台は、ここですね・・。
森というとネウロと蛭の戦いを思い出しますが、何か嫌な予感。
なんだかチー坊たちの手の内に呼び込まれているような・・そんな悪寒がします。

今回、チー坊の呼び名がようやく判明しましたね。
ヴァイジャヤーなんだかかっこいい名前だ!!

なんだか雰囲気も少し変わって、大人っぽくなりましたね。
これはかなり強敵となる予感・・。
助けも来なそうな場所だし、弥子たちの不利となるのではないでしょうか。

しかもこの土地に日記を埋めてあるとして、本城が思い出せなければ意味がないし、葛西に森を焼き尽くされたら逃げ場はないわ日記の隠し場所も燃えてしまうわ・・詰む未来しか見えません。
今回はかなりヤバそうな予感がしますね。
ネウロの指示があるとはいえ、果たしてどうやって戦うのか・・。

見守りたいと思います。


それにしても・・この霧も、ヴァイジャヤの能力なのではないでしょうか。
弥子たち本当に大丈夫なのかな・・?
さすがに毒ガスはばらまかないでしょうが、他の物質を操れるかまではまだ明らかになっていません。

毒を操る能力者ということが分かっただけで、他はまだ未知数・・。
うーん、何とも怖い。
早く彼の全てが明らかになるといいですね。。




さて、後は吾代とヴァイジャヤの過去について。

今回はちらちらと、2人の過去の映像が出てきました。
それを見てうーん・・何か切ないものを感じました。

ヴァイジャヤは恐らく家庭環境が良くないのでしょう。
親を呼ばず吾代を呼ぶし、そもそも家にも学校にも居場所がないから悪さするのでしょうし。

そういう中で、まだ彼は子どもです。
尊敬できる人を見付けたら、ついていきたい真似したいと思うのは当然のことでしょう。

実際吾代は面倒見がいいので、しばらくは仲良くやっていたようですね。
最後に会いにきたときの態度からも、それは伝わってきました。
でもヴァイジャヤはーより強い人物に、魅入られてしまった・・。

これも当然のことだと思うのです。
自分の憧れる人、世界があって、そうなりたいと思う。
そのカリスマのような人物が現れたら、一気に取り込まれてしまうということは誰にだってありうることでしょう。

だから宗教とかなくならないのでしょうし。
人は煽動されやすいものですから。

だからヴァイジャヤがシックスに魅入られてしまったのは、ある意味仕方ないでしょう。
彼が育ってきた環境があり、鬱屈したものがあり、彼は常に強くなって認められたいと思っていた・・。

いつもと同じ手口なら、シックスは彼を唯一無二のものとして扱い、彼の心に取り入ったはずです。
そんなものに少年だったヴァイジャヤが抵抗できたはずがありません。


そうやって純粋だった少年の心を奪われた気がして、なんだか切なくなったのです。
このまま吾代と一緒に生きてく選択肢だってあったはずなのに・・悪に目をつけられた時点で彼の未来は変わってしまった・・。
いつになく、シックスのことが本気で憎く感じました。

今までの2人は大人だったから、自分の判断だし責任です。
でもヴァイジャヤに関しては、わたしは違うと思うのです。
まだ子どもだったのだから、手は出してほしくなかった・・。

今回の戦いは、悲しい終わりを迎える気がしてなりません。
改めてシックス許すまじー
そういう思いが高まった回でした。




最後に、本城について。

今回、彼が重要な研究をしていた、と出てきましたね。
一見ネタに見えますが、これって結構重要なことなんじゃないかな、と感じたのでメモ的に記憶。

彼が異様に段ボールにこだわるのって、何か理由があるのでしょうか。
いや、性質についてほめていることは以前あったけど、そうじゃなくて何か・・新しい血族に関わる重要な伏線になっている気がしたのです。

でなければ、こんなにこのネタを引っ張ることもないと思うのですよね・・。
考えすぎかなぁ。
でもシックスたちともつながりがあるだろうと予想される以上、彼の行動や心理には必ず何か伏線があるように思えるのです。

その辺、日記から明らかになってくるといいなーと期待しています。
本城の素性が分かることが、新しい血族につながるヒントを得ることになるのかもしれませんね。

引き続き、注目していきたいと思います。









さて、次回はいよいよ後半戦の始まりですね。

新しい血族としての本性を現してきたヴァイジャヤ、そして葛西。
土地勘のない森での戦いを、弥子たちはどうやって乗り切るのでしょうか。

そして本城の日記は、無事に見つかるのかー?!


次回も楽しみです☆