前回、ついにシックスの正体にたどり着いた弥子たち。
彼らは笹塚からの連絡を待ち、シックスとの戦いのときに備えます。

しかし笹塚の様子はおかしく・・?!


更に、葛西によって突きつけられるシックスからのメッセージ。
この不吉な予感の正体は、一体何なのでしょうかー・・。

感想です☆




笑み~第178話 「変【ひょうへん】」





※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

ーシックスは、国内でもトップの力を持つある人物と会談を行っていた。
彼らは人体実験の件は製薬会社の暴走ということで極秘に処理することを約束し、シックスの顔に泥は塗らないと約束する。

シックスはほほ笑みながらうなづき、男性たちの判断をほめる。
利権と保身を考慮した上での、最良の選択だ・・と。

するとー男性たちは暫し考え、それからうっすらと笑みを浮かべた。
・・不思議なものだ。あなたと話していると、良心やモラルなどどうでもよくなる。
普通なら、こんなダーティーな取引はとてもできないのに・・。

それを聞いたシックスは、満足そうに笑った。
大丈夫、もっと汚れていいんだよー。

ーこうして、口封じは無事に成功した。
秘書の男は、シックスのこの後の予定を確認する。
今日は夜に、極秘商談が入っている。
人目を避けるために場所は向こうから指定してきたー

そう言うと、シックスはつまらなそうに息をついた。
臆病なことだ。どうせ臆病なら、葛西(かさい)のようにやればいいのに・・。


ネウロは、昨夜シックスの犯行予告が上がった地区を見に来ていた。
今度の敵は逃げ回る気らしい・・。
彼は鋭い瞳でビルを眺める。

予告はなかった。恐らく今後もこれを繰り返す気なのだろう。
着実に人間を減らし、自分の焦りに付け込む戦略かー。

一方笛吹(うすい)たちも、手口の掴めないこのテロに焦りを感じていた。
普通、火は火元から徐々に燃え出すものだ。
だが今回の事件の目撃者は皆、ビル全体が一気に燃え上がったと証言している・・。

筑紫(つくし)はある事件を思い出し、考え込む。
手品のような火の使い方。これはまるで彼の・・。
笛吹もまた、同じ人物に思い当たるー

ーしゃらくせえ、小僧共!!
葛西様と一緒に死ねる奴だけ、こっちに来な!!
周りに火をまといながら叫び、警察を挑発し今も罪から逃れているあの男を・・。

そこで笛吹は筑紫に告げた。
犯人が誰であるかは、今は関係ない。
警察全ての誇りに賭けて、こんなことは今日で必ず終わらせてやるぞー。

その瞳は強く、真っすぐに敵に向かおうと力に満ちていた。
近くでその一部始終を見ていたネウロは、彼に声をかけることにする。
それなら、弥子(やこ)の推理を授けましょう。タネは、地下にあるー・・


その頃ー
弥子は吾代の見舞いで、病院に来ていた。

弥子は昨夜ネウロに聞いた笹塚の家族の事件の真相を、全て吾代に話して聞かせた。
吾代も黙ってそれを聞き、それで弥子はどう思ったのだ・・?と尋ねてきた。

弥子は考え、すごく納得できたーと答える。
だが吾代は、そんなことが聞きたいんじゃない、と彼女を制した。
彼はなぜか少し焦った様子で、弥子に問う。
笹塚がそれを聞いて、ヤバい行動に出るとは思わないのかー?!

そう言われた弥子は、戸惑った。
彼女はすぐに、笹塚なら常に冷静な人だから大丈夫だろう、と笑う。
何かあったら、ネウロにも連絡が来るはすだー
そう話していると、吾代の携帯が鳴った。

電話の相手は、劉一(りゅういち)だった。
吾代が出ると、すぐに彼は電話口で叫び声を挙げた。

あり得ないぜ、吾代。笹塚の野郎、仲間を全部潰して情報を強奪して行きやがった!!

彼はガタガタと震えながら、さっき起きたことを吾代に語る。
あいつは10年前と同じだ。いや、それ以上だ・・。
あんな奴に狙われたら、もう誰も助かりはしないー!!

その動揺しきった様子に、吾代もただごとではない、と体を起こす。
彼はそのまま全てを聞き出すと、電話を切りー弥子に声をかけた。

行くぞ!!
彼は怪我を心配する弥子に、いいから早く、と怒鳴る。
それから弥子を指さして言った。

やっぱりお前はただのガキだ!
何にもあいつのことを分かっちゃいないー!!


その夜ー
シックスたちは、相手企業に指定され、廃ビルを訪ねていた。

だがおかしなことに、相手は姿を現さない。
社長とは連絡を取れているので、ここにいるのは間違いないと思うのだが・・。
部下たちはそう話し、周囲を見回す。

ーその陰で、笹塚は煙草をふかしていた。
彼の足元には、拘束した社長とその仲間が転がっている・・。
タイミングを図り、彼は手に持っていた起爆スイッチを押したー

その瞬間、入口の方で爆発が起き、建物が崩れた。
葛西の部下の女性ーサーシャ含む一行は一斉に振り返り、すぐに銃に手を伸ばす。

そして彼らは様子を窺い、周りを調べようと足を踏み出した。
だが足元にも、起爆スイッチは配置されていた。
それを踏んだ部下たちは罠にかかり、命を失うのだったー。

・・その光景に、シックスは興味深そうに眉を動かす。
彼は自分を狙う、猫のような鋭い視線を感じていた。
ほう・・。
視線の先を見つめながら、彼は笑みを浮かべるー。

FRP素材によるブービートラップか。
素材の強度と柔軟性を活かして、巧妙に暗闇に溶け込ませている。
何者かは知らんが、相当な知識と鍛錬を積んでいるな・・。

彼は周囲を一瞥し、敵の能力を計った。
そして楽しそうに、背後の人物に声をかける。
私を殺そうとしているのか、無謀なる者よー。


一方弥子と吾代は、彼の車で急いで劉一に聞いた場所へと向かっていた。
道中、吾代は劉一がアジアンマフィアの若頭で、国内外の情報に精通していることを弥子に説明した。

10年前から、既にその世界では有名だった劉一。
笹塚は・・そんな彼の元を、ある日訪ねてきたのだという。

彼は、家族の事件を調べてほしい、と依頼に来たのだった。
だが劉一には、カタギの頼みを聞く義理はない。
追い返そうと彼は笹塚に、何発か拳を入れた。
そうしたらー・・

笹塚は逆に、劉一を25階から逆さづりにし、脅したのだそうだー。

それを聞いた弥子は、驚く。
笹塚はその当時は、まだ警察ではなくただの大学生だった。
だがただの大学生が、目的のためには体も心も怪物になる・・。

吾代はそう言い、弥子に告げた。
豹変しない人間なんて、いないんだ。お前が一番、仕事の中でそれを見て来たはずだろうが。
笹塚は自分たちと違って、その怪物がちょっと奥の方にいる・・というだけの話なんだよー。

ーその瞬間、弥子はあっと声を挙げた。
彼女は思い出したのだ。違和感の正体を。
笛吹が心配していた、笹塚の異変を。

・・どうして見落としていたんだろう。
弥子は焦りと動揺で、心臓がバクバクするのを感じた。
自分は見ていた。笹塚の、どの犯罪者よりも激しい豹変をー!!

それは、吾代を見舞いに来た病室でのことだった。
次の事件は抜けるからー
そう言い帰ろうとした笹塚。
あの時、彼はー

笑っていたのだー!!!

急ぐぞ、奴の場所は分かってる。
吾代は弥子が青ざめるのを見て、そう声をかけるのだった・・。




















笑み。

今回は笹塚がシックスに接触を試み、弥子と吾代がそれを止めようと奔走する話でした。
やっぱり最悪の展開となってしまいましたね・・。
ネウロ、読みを外してるよー!!早く気付いて!!

そして弥子も、これはショックだったでしょうね・・。
人の心情を理解する力に長けているというのが、彼女の長所だったはずです。

それが今回は全く笹塚の異変に気付けず、吾代に教えられるまで想像もできていなかった・・。
これで笹塚が死ぬようなことがあったら、弥子はどれだけ自分を責めるでしょうか・・。
考えると、耐えられませんね。

ただ今回のことは、弥子には気付けなくても仕方なかったと思います。
弥子も父親を亡くしていますが、彼女の側にはいつもネウロがいました。
すぐに犯人を暴いて、制裁も与えてくれていますもんね。

でも笹塚は違います。
彼は10年前に家族を全員失い、ずっと犯人も捕まらないなか復讐の念を育ててきてしまいました。
大切な人を失った痛みは同じでも、弥子と笹塚には決定的な差があるのです。。

おまけに弥子はまだ子どもです。
葛西には気付けるような煙草を吸う理由なんかも、弥子には見当もつかないでしょう。

色んな経験をして裏の世界を知った吾代には笹塚の闇が見えても、そんな世界経験したこともない弥子には理解できなくても当然でしょう。

だから笹塚の本音が見抜けなかったとしても、仕方ないと思います。
ただ本人がそう考えるかは別ですよね・・。


そして、ネウロは今回のことを受けてどう考えるのでしょうね。
ある意味彼は初めて、推理を外しています。
それがこんな最悪の事態を招いた・・
彼はそのことを、どう思うのでしょう。

弥子にさえ分からなかったのだから、魔人であるネウロに笹塚の心の機微なんて理解できたはずはありません。
でも推理を間違えたのは事実です。
もし笹塚が死ぬことがあったらーそれは彼の完全なミスと捉えられてもおかしくないのです。

こんなことで仲間割れしてほしくはありませんが、人1人の命がかかっていることを思うと、今後ネウロと人間の間に亀裂が生じる可能性もありそうですね。


葛西の件も大変な事件ですが、早くネウロにも笹塚の行動に気付いてほしいです。
というより、葛西の件は笛吹たちが引き継いでくれそうな感じがしてきましたね。
日本の指名手配犯ですし、確かに警察VS葛西の方が盛り上がるかもしれません!!

これで対戦カードもほぼ決まったようなものです。
だからネウロ、急いでーー!!






さて、後は笹塚の作戦について。

まずは出だしは順調な滑り出し、といったところでしょうか。
シックスの部下も恐らく血族だと思われますが、彼らを罠にかけあっというまに始末してしまうその手腕は大したものです。

さすがにシックスには読まれてしまっていますが、部下全員を倒すくらいは簡単にやってのけそうですね。
運よく血族の中で強そうなのもサーシャだけだし、笹塚がどこまでシックスに迫れるかは少し期待しちゃいます。


ただ・・1つ気になっていることがあるのです。
それはⅪのことー
彼、今どこにいるのでしょうね?

未だ来日してから姿を見ていないですが、シックスと共に来たことは確かです。
だからもしかしたら、この場にいる可能性だってあると思うのです・・。

私たちはまだ改良された後の彼を見ていません。
どんな能力を持ち、どんな見た目になったのか・・分からないから、既に紛れ込んでいてもおかしくないのです。

もしこの予想が当たったとしたら、事態は更に悪い方向へ向かいます。
シックスとⅪ相手に人間1人が立ち向かうなんて、到底無理な話でしょう。
その時はー本当に、笹塚が死ぬ時でしょう。

ずっと死亡フラグを立てていた彼のことですから、ある程度は覚悟はしています。
でも復讐を遂げられずに死んでいく姿を思うと、どうしてもそれは避けたい・・!!

どうかⅪがこの場にいませんように。
そしてネウロがここにたどり着きますように・・。

戦いが始まってしまったのでもはや祈るしかできませんが、最後まで信じたいと思います。。






さて、次回はいよいよ笹塚とシックスが対決のときですね。

笹塚の作戦は、シックスにも有効なのか。
そして弥子と吾代は、戦いの場に間に合うことができるのかー

まさに人間VS新しい血族の戦いという感じですね。
勝利はどちらにほほ笑むのか・・
その結末を、見守りたいと思います。


次回も楽しみです☆