前回、単身シックスの元に乗り込んだ笹塚。
彼は家族の復讐を遂げようとしますが、そこに石垣に扮したⅪが現れて・・?!

弥子たちは間に合うのか・・
そして笹塚の命は助かるのでしょうかー?!

感想です☆




出会えて・・~第180話 「士【じゅういち】」





※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

死の足音が近づいてくる中で、笹塚(ささづか)は普段よりも早く頭を巡らせた・・。
自分が死ぬのはいいとして、腑に落ちないことがあるー

石垣(いしがき)に化けて自分を刺したのは、十中八九X(サイ)だろう。
だがなぜ、釣りのときの会話を知っていた?!
もしや、あの時既に石垣は入れ替わっていたのかー?!

いや、違う・・。
彼は姿を変える石垣を見つめながら、本能で感じた。
もっと恐ろしい何かがある・・!!

その瞬間、笹塚はⅪ(イレブン)によって頭を掴まれた。
引きずり上げられた彼の顔を見たシックスは、笑みを浮かべる。
・・良い顔だ。混乱と無念と死期が、綺麗に混ざっている。

一方弥子(やこ)と吾代(ごだい)は、入口を塞いだがれきをどけようと必死に動いていた。
他の入り口を探して来いー
吾代にそう言われて、弥子は駆け出す。

彼女の心臓は、恐ろしいほどの速さで跳ねていた。
私は馬鹿だ。笹塚だけは何があっても、自分を見失わないと思っていた。
ただ隠すのが上手かっただけなのに!気付く機会はいくらでもあったのに!!


ーシックスは笹塚の顔を見つめながら、彼の能力を褒めた。
だがそんな有能な人物が、どうして敵を味方として誤認したのかー。
シックスはその理由を語る。

それはーXの新しい能力にある。
彼の名は、自分が新しくⅪと名付けた・・。
シックスがそう言うと、Ⅺは前に一歩出た。

その顔の細胞がみるみる変容し、笹塚の見慣れた姿に変化していくー
シックスはその様子を見ながら、Ⅺの能力を明かした。

Ⅺは再教育を終えた今、最終段階へと進化を遂げた。
元々実装していた類まれなる観察能力が、究極と呼べるレベルになったのだー。

その瞬間、笹塚は息を呑んだ。
Ⅺの顔が、父である兵士(へいじ)の顔に変わったのだ。

Ⅺは敵の顔面の筋肉から、脳内を流れる微弱な電流すら読めるようになったー
その説明通り、Ⅺの顔は笹塚の前で様々に変わった。
彼は笹塚の脳内を読み取り、父、母、そして妹の姿へと次々に変化する。

ー衛士(えいし)、駄目だぞこの方に逆らっちゃ。俺みたいに殺されちまう。
ーそうよ、衛士。あなた18の時にバイクの事故で大けがしたけど、私たちの苦痛はそれどころではなかったわよ。
ーあの日、あたし誕生日だったんだよ。アニキの帰りが遅いから、待ちくたびれて殺されちゃったよ。

家族たちは、それぞれ笹塚に語りかけた。
Ⅺは、笹塚の記憶すら読み取ってしまったのだ・・。
笹塚は3人の笑い声に、気が遠くなるような思いを感じた。

その戸惑う姿を見て、シックスは笑う。
記憶を読まれたら、もうこの子を防ぐ手段はない。どんな質問でも、この子と本物は見破ることはできなくなるんだ。
彼は誇る。
これが、怪盗Xが探し続けた自分の正体だー!!

ーそれを聞いていたⅪは、変身を解いた。
その見た目は、アイが初めて会ったときと同じー少女の姿をしていた。
彼女はにっこりと笑い、シックスに言う。
違うよ、パパ。私の正体は元々私だよー。

それから彼女は、笹塚を殺していいのか?と尋ねた。
だがシックスは首を振り、Ⅺが殺す必要はないーと拳銃を手に取る。

彼はそれを笹塚に向けると、にやっと笑った。
Ⅺ、お前は観察を続けなさい。私が彼を殺す瞬間までー。

その時ー
窓の外から、弥子の声が響いた。
彼女は鉄格子越しに笹塚の姿を見つけ、必死で叫ぶ。
しっかりして、今警察の人を呼んだから!!

その姿をシックスは一瞥すると、興味がなさそうに彼女から視線を外した。
そして彼は再び笹塚に向かうと、真実を語り始める。

実は、ここへは私がお前を呼んでいたのだーと。

シックスは、日本警察のボスと懇意だった。
だから一家惨殺事件などという小さな事件などでは、はなから彼が罪に問われることはあり得なかったのだ。
最初から無罪が保証されている状況ー
そんな中で遊んでみたくなったのだ、と彼は話す。

それは自分をエサにした、釣りだった。
かつてシックスが殺した人間の遺族の内の数人に、彼の言いなりになる人物を通して、わざと情報をリークさせたのだ。

遺族たちの執念が本物なら、そのヒントを元に必ず自分の元へたどり着くだろう・・。
シックスはそれを楽しみに待ち、そしてー1人の男がそれにかかった。
彼は笹塚を見つめ、笑みを浮かべる。

男は執念から何年もかけて復讐の準備をしてきた。
そんな彼が、今自分の眼前で無様に敗れ、屈辱的な死を迎える・・。
シックスはそのショーを存分に楽しんだ。だから・・笹塚に銃を向けた。

駄目・・。
弥子はその光景を、ただ見つめることしかできない。

Ⅺが、笹塚の顔をじっと覗き込む。
彼女は彼の脳の中を、見ているのだ。
笹塚が、死の間際に何を見るのか・・。

やめて・・。
弥子はそれを見ても、まだ声が出ない。

そしてーⅪは、笹塚の走馬灯を見た。
家族の思い出、刑事になってからの思い出、弥子に出会ってからの思い出ー。
そんな中、笹塚は弥子の方を見て、ほほ笑むー

読み終わった。もういいよ、パパ。
Ⅺがそう言った途端、シックスの銃が笹塚の頭部を撃ち抜いた。
辺りに血しぶきが舞い、笹塚はそのまま倒れ込む・・。

ー弥子はその光景を見てすらも、一言も言葉が出なかったー。


その後、シックスたちは笹塚の死を確認すると、引き上げることにした。
彼はⅪにこの場にいる部下たちの始末を全て任せると、ふとー弥子に気付く。
彼女は声をかけて来た時のまま、全く動かずにいた。
その顔色は、真っ白だ・・。

シックスはその顔を一瞥すると、彼女の表情に楽しそうな匂いを感じ笑った。
いずれ分解してネウロへの嫌がらせにでも使おうと思っていたが、生かしておいた方がより残酷で楽しい結果となりそうだなー。

彼はそう呟くと、建物を出る。
後に残ったのは、弥子と吾代だけ・・。
そしてーやっと異変に気付き現場を訪れた、ネウロのみなのだったー。




















笹塚の死。

今回はシックスとⅪの策の前に、笹塚が非業の死を遂げる話でした。
予想はしていたけれど、笹塚の死はキツすぎました・・。最後の笑顔が、悔やまれます。
予想していた一番最悪の結果となってしまいました。。

Ⅺ・・今回彼女の新たな能力が明らかとなりましたが、これはもう人間の手に負えるものではないですね。
ネウロですら、見破るのは困難なのではないでしょうか・・。
まさに、本物の怪物といった風情になってきました。

人の脳を読み取って、過去から何から全ての情報を抜き取っていくというのは、自分全てを知られることと同じです。
そんな状態で、どうやってⅪの心理的攻撃から逃れればいいというのでしょう。

人には誰しも、探られたくない部分や弱い部分があります。
笹塚がそうであったように、彼は石垣を部下として信頼していましたし、何よりも家族のことを大事にしていました。

その気持ちを利用されたら、普通の人間であれば戦意などなくなってしまいます。
まさにシックスが望んだ最終兵器という感じですね。
どれだけ人間の心を弄ぶつもりなのかーと暗澹たる思いになりました。


そしてⅪを見て、今後がますます心配になりました。
こういう心理的攻撃を仕掛けてくる相手、ネウロは一番苦手そうじゃないですか。

彼には人間の細かな心の機微が分かりません。
今回の失敗が、それを象徴していますよね。
笹塚という人間を大枠で捉えて、彼の心の変化までは見抜けなかったー
そんなネウロに、果たしてⅪと戦って勝ち目はあるのでしょうか。

こうなると、やっぱりⅪと戦うのは弥子になるのではないかーという思いが強くなってきます。
というより、弥子以外に彼女に太刀打ちできる相手はいないのではないでしょうか。

彼女のみが、Xの正体に唯一近づいた人物です。
そしてシックス以上に、アイとの絆についても知っている・・。
そこのみが、Ⅺを突破できる道ではないかという気がします。

もちろん戦闘能力では絶対に敵わないでしょう。
でもⅪになっても、Xに自分の正体を知りたいという気持ちがまだ少しでも残っていたら・・?
そうなったら、まだ弥子が入り込む余地はあるのではないかと思います。

この先どうなるかは分かりませんが、これだけの力を持ってしまったⅪとシックス2人を相手することは、ネウロであってももはや無理でしょう。
葛西を警察が、そしてネウロがシックスをーとなるなら、Ⅺは弥子が相手すると見るのが、妥当だと思われます。

今回笹塚が死ぬまでの流れを見ていたことが、幸いするかもしれませんね。
彼女はⅪの能力を見て何を感じたのか・・。
今後の描写が気になります。






さて、では・・本題に入りましょうか。
笹塚の死についてー。

いや、前回で予想はしていましたよ。その前からも死亡フラグは感じていたし。
でも実際にあんなにあっさり殺されてしまった姿を見ると、ショックは大きいですよね・・。

なんとなくネウロでは誰も死なないかなぁと思ってたけど、甘かったなぁ。。


シックスの笑顔が、憎らしくてたまりませんね。
彼からすれば、全て計算通りに進んだということなのでしょう。
ああ、どうしてこんな奴がいつまでものさばっているんだ・・。

彼の言っていた内通者に関しては、引き続き誰であるのか気になりますね。
今回の件で、石垣は外れたかな・・と思います。
となると、等々力・・?うーん、信じがたい。。

そろそろ最終戦なので、明らかになってくるでしょう。
これ以上のショックをまだ受けるのかと思うと憂欝ですが、笹塚の死を受け止めるためにも必要な展開なのですよね。。
これ以上弥子の心が傷つかないといいのですが。。


で、笹塚ですが・・最後に弥子に向けた笑みは、どういう意味だったのでしょうね。
今巻のサブタイを思うと、やっぱり出会えて良かった・・っていうことなのかな。

辛いことも沢山あったし、むしろ辛いことの方が笹塚の人生にとっては多かったでしょう。
でもその中で、家族との温かい思い出や、笛吹たち警察の仲間との日々、そして弥子たちと過ごした時間ー
それらは確実に笹塚の中で、色づいていたということなのではないでしょうか。

そんな時間を最後に思い出せて、そして弥子に別れを告げられたというのは・・少しは笹塚にとって救いとなったのでしょうか。

それとも、単純に苦しみから解放されることへの笑み?
弥子に心配するなーという意味での笑みだった?

色々推測できますが、きっとその全てだったのではないかなと思います。
ただ1つ絶対に言えるのは、悔しさを滲ませて逝くのではなく、最後に笑えるような人生で良かった・・ということ。

笹塚にとって人生が辛いものだけでなくて、本当に良かった・・。
亡くなった今となっては、そう思います。

それに彼の思いは、きっと仲間たちが受け継いでくれます。
笹塚は、それも分かっていたのでしょう。
自分が死んでも、皆が絶対にシックスたちを倒してくれるー

そう思えたから、死んでいけたのだと思います。
苦しいけど、本当に何度も言うけど、笑って死ねたことは救いでした。

それにもう笹塚が出てこないことは苦しいし、残された皆の気持ちを思うとやり切れませんが、きっと誰かが動き出す声掛けをしてくれるでしょう。
あのメンバーなら、絶対に立ち上がってくれるはず!!

その時がシックスたち新しい血族の終わりのときだと信じて、この先の展開を待ちたいと思います。






最後に、ネウロについて。

今回笹塚の異変に気付けなかったネウロ。
弥子の精神も心配ですが、彼がどんな反応をするのかも気になります。

初めて読みを外した訳ですからね・・。
そしてシックスに、笹塚を殺されてしまったー
これは彼にとって、かなりショックであり屈辱的なことだと思います。

また、彼は内通者に関してはどう考えているのでしょうね。
気付いていないということはないと思いますが、全然触れませんよね・・。
どういうことなんだろう。。


なんだか有利に進んでいるように見えましたが、ここのところ暗雲が漂っていますね。
やっぱりネウロが魔人であるが故、人間心理をよく理解できていないことが根本にある気がします・・。

ジェニュイン然り笹塚然り、彼らは人間であるが故、ネウロの予想を裏切ってきました。
人間と協力しようという考えは良かったのですが、なかなかネウロにはそれが難しかったということですね・・。
そのサポートのために弥子がいますが、彼女には経験値が少ないし。。

でも、彼らはこんなことではめげないと思います!
きっとこの反省を活かし、より強固な絆で問題を解決していってくれることでしょう。

課題は、乗り越えられるものです。
しかも2人でなら、その力は倍になります。

今回の事件は辛い結果に終わりましたが、彼らもまた乗り越えて絶対にシックスたちを倒してくれるはずー
そう信じて、見守っていきたいと思います!











さて、次回は笹塚が亡くなったことを知った皆の反応でしょうか・・。

気になるのは弥子、ネウロ、そして笛吹といった辺りでしょうか。
関りが深かったメンバーほど、その心の傷が心配ですね。

また、内通者についても依然謎は解けていません・・。
笹塚亡き今、そろそろ正体が明らかとなるでしょうかー。


次回も楽しみです☆