前回、笹塚の死を受けて団結し、血族の抹殺を誓う刑事たち。
彼らと葛西がぶつかる日も、近づいてきました・・。

そんな中、弥子は本城と2人で会いました。
弥子の推理は果たして正しいのか。
本城はなぜ嘘をついているのか・・

全てが明らかとなる時です。

感想です☆





出会えて~第182話 「幸【しあわせ】」





※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

弥子(やこ)は自分の推理を伝えながらも、まだ本城(ほんじょう)のことを信じていた。
本城は色んな場面で、自分たちを助けてくれた。そんな人が、笹塚(ささづか)を陥れる訳がない・・。

彼女のそんな表情を見て、本城は背を向けた。
彼はなぜかシャツを引き裂きながら語る。
ガキよ、この世には1つだけどんな天才にも計算できないものがある。自分の本性だー

そう言うと、彼は弥子に自分の胸部を見せた。
そこには「6」という数字が刻まれていたー。

・・お前の言う通りだ。私はあのお方にお前たちを差し出し、私の全てを差し出した。
彼の言葉に、弥子は震え言葉をなくす・・。

ーそれは、事情聴取をしていた時のことだった。
テラの話をしながら、本城は何気ない風を装って笹塚の前で言ったのだ。
テラが怪盗X(サイ)事件のニュースを見て、呟いていた・・と。

ーこの国でも怪盗Xの事件ですか。警察の無能は、どこの国でも同じですね。
最初の方は犯人が違うことにすら、気づいていない・・。

それを聞いた笹塚は、身を乗り出した。
そしてもっと詳しく話してくれ、と本城に頼んだのだ。
ほのめかすだけでいいー
そう言われていた本城にとって、その反応はまさに思う通りだった・・。

ヴァイジャヤの件もそうだった、と彼は続けた。
弥子たちを暗殺する場へと誘いこむよう指示を受けた。
全ては・・あの方の指示だ、と本城は震えながら話す。

だが弥子は理解ができず、叫ぶ。
なぜだ、そんなことしたら本城だって死ぬ危険性があったのに・・!!
そう問うと、本城はそれでも良かったのだーと呟いた。

彼はDR(ディーアール)が起こした洪水テロの直後、シックスの使者が来たことで一連の事件が彼によるものだということを知った。
その時・・彼は心底喜んだのだ。
ああ、またあのお方の役に立てるーと。

・・また?
その言葉に、弥子は引っかかる。
すると本城は弥子を見つめ、うなづいた。
かつてあのお方に、娘を献上したときのようにだー


ーそれはいつものように、刹那(せつな)とたわいもない会話をしていた時のことだった。
その場には、先客がいた。
刹那は客人に気付くと、笑みを浮かべ挨拶する。

それから、彼女は出かけていった。
その後ろ姿を見送ると、客人ーシックスは、本城との面談に話を戻した。

彼は怪盗Xを自分たちが見失った理由を、Xの脳が弱いからだと考えていた。
無敵の体を持ちながら、それを脳が制御できていない。だから記憶を失い、自分のことも忘れてしまったのだ。
体に負けない強い脳を作る技術が必要だー
そのため彼は本城の知恵を借りに来ていたのだった。

そこで・・とシックスは、1つの薬瓶を本城に見せる。
彼は自身の知る頭の良い人間たちに、その薬を飲ませて実験をしているのだーと話した。

この薬が完成すれば、脳細胞に強い変異が促される。
つまりXに必要な強い脳を構築することができるのだ。

だが薬を試すには、予め活性化した強い脳の持ち主で試さなければ意味がない。
だからシックスは本城を選んできたのだ・・。
事情を理解した本城は、自分で役に立てるなら、と喜んでその申し出を受けようとする。

けれどもーシックスはなぜか本城を見つめ、にこにこと笑うだけだった。
不思議に思う本城に、やがて彼は言う・・。

聡明そうな娘だね・・。

その言葉に、本城は初めは喜んだ。
だが・・彼は次第にその意味を理解し、震え始める。
唇をわななかせる本城の姿に、シックスは笑みを崩さずに話した。

私が人の苦痛の顔が大好きなのは知っているね?
愛娘を実験台に差し出す実の親の顔ー薬を1本無駄にしてでも見たいものだ・・。

彼は本城の前に立ち、その頬に手を伸ばす。
私を喜ばせてくれるね・・?
そのオーラの前に、本城もまた笑みを浮かべながらうなづく・・。

はい、あなた様は私の神です。あなたという存在無しで、私は存在できない・・。
そう跪く本城に、優しくシックスは声をかける。
良く分かってるね。褒美に私の名前を体に刻む権利を許可してあげようー


・・その話を聞いた弥子は、理解できずに首を振った。
どうして・・?本城は、刹那は幸せだって言っていたのに・・。
彼女がそう呟くと、本城は自分がシックスに惹かれる理由を語った。

自分のような脳に自信を持っている者ほど、ああいう人間に惹かれる・・。
その脳を容易く溶かし、破壊していく悪のパワー。あのお方は計算で計ることすらおこがましい!!
あのお方に搾取されるということは、この上なく光栄なことなんだー!!

そう言うと本城は橋の上に足をかけ、飛び乗った。
そして彼はー叫んだ。

刹那、幸せだったろう?!あのお方の実験動物になれたのだから!!
幸せだっただろう?!あのお方がひと時喜ぶ玩具になれたのだから!!

刹那ー!!
そう叫び笑う彼を見て、弥子はめまいを覚えた。

狂ってる・・。
彼女は顔をしかめる。
笹塚は、刹那は、春川(はるかわ)はーこんな遊びと狂気のせいで!!

その瞬間ー本城が動いた。
彼は刹那と叫びながら、自分の首に注射針を刺した。
そしってー一粒、涙をこぼした。

ごめん・・。

弥子は目を見開く。
その瞳の中で、本城が口から血を吐き倒れていく・・。

・・あのお方は悪くない。悪いのは全部私の弱さだ・・。
ずっと自分を殺したいほど憎んできた。世を捨て、死に場所を探してきた。
ありがとう、すまない、桂木弥子(かつらぎやこ)・・。

彼はそう呟きながら、最期の笑みを浮かべるー
私の家、片付けておいて・・。

それだけ言うと、彼は橋の上から川へと落ちていった。
水音を聞いた弥子ははっと我に返りーそれから頭を掻きむしった。

あ・・あ・・
震えが止まらず、涙があふれ出す。
彼女は膝から崩れ落ち、悲鳴をあげるのだったー。


その夜ー
葛西(かさい)は予告の準備をしていた。
彼はビルの中で配線をいじりながら、鼻歌を口ずさむ。

この世の全ては、あの方の玩具だ。
長生きの秘訣は、玩具の歯車に徹することさー。

が、その時だった。
彼はいきなり左手を撃たれ、驚く。
そこにー警察が現れた。

やはりお前だったか、葛西善二郎(かさいぜんじろう)。
笛吹(うすい)が最前線に立ち、その周囲を刑事たちが囲む。

放火を主に、脱獄も含めて前科100犯。
お前から犯罪を奪ったら、何も残らない。
そう言うと、笛吹は指を突きつけた。

ーだから奪ってやる。
お前から全てを奪って、お前という人間を終わらせてやる。

それを聞いた葛西は、にやりと笑みを浮かべた。
しゃらくせえ、小僧共・・!!

今、人間と血族の戦いが始まるのだったー。




















本城の正体。


今回は本城の正体が明らかとなり、刹那の病気の真相が判明した回でした。
なかなかにショックな回でした・・。
春川と刹那の気持ちを思うと、やりきれない。
本城の死も、衝撃でした・・。


内通者は、やっぱり本城でしたね。
弥子の推理は当たりましたが、これは当たってほしくなかったでしょう・・。
弥子のすがるような表情が切なかったです。

ただ事実は予想していたものより、遥に残酷でした。
本城は血族の1人かと思っていましたが、普通の人間でした。
ただ脳の出来が常人と違う・・それゆえ、巨大な悪に惹かれてしまった哀れな人間だったのです。

自分の脳の範囲を容易く越えていく存在ー
そんなシックスにどうしようもなく惹かれてしまった本城は、シックスのためなら何でも差し出そうとしました。

その結果シックスに大事なものを見抜かれ、それを差し出すことを求められてしまったのです。
そう、刹那という大事な1人娘を・・。

シックスはこういうところ、本当によく周りを観察していますね。
人が誰よりも恐れることを察知し、そこに付け込むー
本当に恐ろしい人物だと思います。

あんな提案をされた時点で、本城に逃げ場はありませんでしたね。
同情はしませんが、彼が苦しんだことは事実でしょう。
大切なもの2つを天秤にかけた結果、その1つを永遠に失ったのですから・・。

今回の彼の独白は、全てが本音だと思います。
シックスを崇拝し慕う心も本物。だから刹那も幸せだっただろう、と考えた心も本物。

一方で刹那と春川の事情を知りながら、娘が死ぬのを見ているしかなかった本城の後悔もまた本物だったでしょう。
実の父親である自分のエゴで、娘は死んでしまった・・。
2つの相反する気持ちが、彼をずっと苦しめてきたのだと思います。

そしてシックスはそれを知っていて、尚彼に笹塚をおびき出す役もやらせたのでしょうね。
弥子との出会いで少し明るさを取り戻していた本城ー
そんな彼の幸せに、シックスが気付かないはずはないですから。

どこまでも人を傷つけ、再起不能までにするのがシックスのやり方です。
彼の手にかかった時から、本城にはこういう悲しい結末しか待っていなかったのでしょう。
それを思うと・・複雑ですね。

何も知らずに死んでいった刹那と春川のことを思えば、到底許すことはできません。
でも本城もまた被害者・・そう思うと、彼を責められず苦しいです。

分かってます、悪いのはシックスだと。
でもそれだけでは言い表せない気持ちが、どうにも気持ち悪いです・・。
本城の死・・辛いですね。


ところで、最後の本城の弥子への言葉は、どういう意味だったのでしょうね。
家を片付けろ・・ということは、家に何かあるのではないでしょうか。
彼は聡明です。いつかこうなることを予期して、準備をしていたのでは、と予想されます。

となれば、彼が用意していたものとは何でしょう。
全てを告白した文書か、シックスの情報ではないかな、と個人的には思います。

弥子がそれを見つけ出せば、一気にシックスを捕える足掛かりとなりそうですね。
ただかなりショックを受けていたのが心配です。果たしてどうなるか・・。

笹塚に続き、本城も失ってしまった弥子。
さすがに続けてこの出来事とは、彼女も精神状態を保つのは難しいかもしれません。

吾代や笛吹たちが気が付いて、フォローしてくれるといいのですが。
後はネウロ・・せめて一番近しい存在の変化には気付いてくれるといいなと思います。

心配ですが、見守っていきたいですね。。






さて、後は葛西VS警察について。

ついに直接対決となりましたね!
現場にたどり着けたのは、ネウロの助言のお陰でしょうか。
どうやらタネ明かしはできているようです。

ずっと追っていた指名手配犯ー
警察としても、何としてもここで葛西を捕えたいことでしょう。

笹塚の無念を晴らすためにも、葛西を捕えてシックスへつなげたい。
刑事たちの表情からも、その強い思いが伝わってきます。

相手の葛西も一筋縄では行かないですが、きっと彼らなら勝利してくれるはずー!
そう信じて、戦いの行方を追いたいと思います。










さて、次回は葛西と警察の戦いですね。

五本指最後の戦いは、人間と血族の戦いとなりました。
これは胸熱・・まさに最終戦にふさわしい展開だと思います。

笹塚の死を乗り越え、警察は日本中を震撼させた指名手配犯を捕えることができるのかー
警察の底力を見せてもらう時ですね。

勝利を掴むのは、どちらかー!!


次回も楽しみです☆