前回、警察と早坂兄の強靭なタッグにより、ついに追い詰められた葛西。
五本指最後の男は、ここで終わりを迎えるのでしょうかー!!

一方失意の弥子の元には、刑務所にいたはずのアヤの姿が!!

弥子の探偵としての初めての犯人であるアヤー
彼女はなぜ今、弥子の前に現れたのでしょうかー?!

感想です☆




出会えて~第185話 「会【のこす】」





※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

アヤが目の前にいるー
事態が呑み込めず戸惑う弥子(やこ)に、アヤは優しく微笑みかける。

何も聞かず、まず話して。
苦しいんでしょ?何もかも私にぶちまけてー。

その言葉に、弥子の涙腺は崩壊するのだった・・。


一方ー
刑事たちは、葛西(かさい)を完全に包囲していた。
だがその最中も笑みを浮かべたままの彼を見て、刑事たちは警戒を怠らない。

血族はX(サイ)に匹敵する強靭な肉体を持っている。
決して気を緩めるなー!!
最前線に立つ筑紫(つくし)が皆にそう叫ぶ。

ーその様子を見ていた早坂(はやさか)兄弟は、勝負あったな・・と武器を下ろした。
ユキは兄に礼を言い、2人は引き上げることにする。
これ以上警察を助ける必要もないだろう。ここからの逆転はもう無いはずだー

だがその時、葛西は動いた。
彼は奇妙な手の動きを見せながら、刑事たちに問う。

・・なぁ、小僧共。
俺は確かに火を操るさ。手から炎だって出せるんだ。
なのに、なぜ煙草はマッチで点火すると思うー?

そう言って彼がマッチを摺るのと同時に、刑事たちは一斉に射撃を始めた。
その音は、鳴りやむことなく続くのだった。


ー教室で、弥子はアヤに今までのことを一気に語った。
その間、アヤはただ黙って笑顔で聞いてくれていた。
弥子は安心し、全ての思いを吐き出したのだった・・。

そしてー全てを聞き終えると、ようやくアヤは口を開いた。
出会わなきゃよかったーネウロを怒らせたのはその言葉ね?
彼女にそう訊かれ、弥子はうなづく。

それが決して言ってはいけない言葉であることは、彼女にも分かっていた。
ネウロがどれだけ、その言葉に失望したかもー。
でも・・弥子はうつむく。
それでも耐えられなかった・・。

彼女はアヤに話す。
人と人の出会いは、磁石に似ていると思うーと。

その人と出会うと、磁力同士が引きつけ合ってくっついて、自身の体積が増える。
それ自体は嬉しいことだが、その人が消えるときにはその人の磁力が強いほど、出会った時以上に自分は体積を持っていかれてしまう・・。

だったら、もう出会わなければいいー。
大事な人なんて、少ない方がいい。増えもしないけど、減りもしないから・・。
弥子がそう話すと、アヤは彼女の目を真っすぐに見つめた。

探偵さん、私は少なくともあなたと出会わなければ良かったとは思ってないわ。
彼女は優しく語る。
自分も出会ったが故に、犯罪を犯した。それでも出会ったことを後悔はしていない。
出会いは必ず、何かを残すから・・。

残す・・。
その言葉が、弥子の胸に沁みていく。
するとアヤは弥子の鞄を指して、見るように言った。

視線をやった弥子は、はっとする。
彼女の鞄の中には、大好物の焼鳥が詰め込まれていたのだ。
中には叶絵(かなえ)からのメッセージも入っていた。

無理やり食べて、元気出せ!!

そこにはクラス一同ーと書かれていた。
串の数も、クラスメイトの人数とぴったり一緒だ。
皆で1本ずつ買ってきてくれたのねー
アヤはにっと笑う。

ね、あなたが出会った皆が残してくれたー。
そう言うと、アヤは笹塚(ささづか)と事情聴取のときに話したことを教えてくれた。

彼はいつも、本心を押し殺していた。
だからアヤは、一度訊いてみたことがあったのだという。
あなたはどんな時に笑うの・・?と。

すると笹塚は淡々と答えたのだ。
本当に笑いたいときは、笑うよーと。

そんな彼が、最期のときに弥子を見て笑顔を残した。
その残した笑顔の意味が、私には分かる気がするー
アヤはそう言い、ほほ笑んだ。

もし自分が同じ状況で弥子を見たら、一瞬心配した後にやっぱり笑うと思うー。
それを聞いた弥子は、どうして・・?と問う。
アヤはー答えた。

あなたには力がある、運がある。そして皆の助けがある。
私はそれを知っているから、この子なら問題ない、この先どんな試練も乗り越えていけるだろうと考えるから・・。

そう話すと、アヤは話を本城(ほんじょう)のことに移した。
出会いは必ず何かを生み、何かを残す。
彼は何かを残さなかったのかー?と。

弥子は考え込み、心当たりを探る。
その時ーふと彼女は思い出し、はっとした。

ー私の家・・片付けて・・

彼は最期に、そう言い残して死んでいった。
だが今思えば・・その言葉はどこかおかしい。
なぜあの時に、そんなことを言ったのだ?

本城はルーズな人だった。
ゴミは押し込みっぱなしだし、引っ越したら前の家は放置するような人だった。
そんな彼が、自分に片付けを頼んだ。それは・・なぜだ?

弥子の中で、ある考えが浮かぶ・・。
もしかしてあの家に、自分に伝えたい何かが残されているのではー?!

彼女の表情が変わったのを見て、アヤは立ち上がった。
行きましょう、確かめなくちゃ。
そう言うと、彼女は弥子の手を取る。

残したものを確かめるまで、お願い、出会わなければ良かったなんて言わないで・・。
そう語り掛ける彼女の表情は、少し悲しそうだった。
弥子はうなづき、力強く差し出された手を握りしめるのだった。


一方ー
笛吹(うすい)は刑事たちに、号令をかけた。
ストップだ、撃つのをやめろ!!

彼の声で、場は一気に静まり返る。
そんな中、笛吹は血だらけで立ちすくむ葛西の姿を凝視した。

おかしい・・余りに無抵抗すぎる。
なぜ反撃も逃走もしてこないのだ?!

それなのに、葛西の顔には相変わらず笑みは浮かんだままだ・・。
まさかー・・
彼はある疑問を、葛西自身にぶつけてみる。

葛西、お前・・生身か?

その問いを聞いた途端、葛西は笑いながら地面に倒れた。
強化細胞なんて都合いい代物や、生まれ持った超能力に頼るのは犯罪者としての美学に合わないんだー・・。
そう話す彼の服は乱れ、起爆スイッチのようなものが見え隠れする。

自分は全部トリックだよ。一から十まで全てなー。
彼は、自分はただの人間だから手から火など出せる訳がない・・と笑う。
刑事たちは、その独白をただ黙って聞いた・・。

するとー葛西は血を吐きながら、だが間に合ったようだ・・と呟いた。
炎の達人葛西様が、ただビルを登ってきたと思うのかいー?

彼は誰も喋らないなか、自分がしてきたことを独白した。
・・火炎放射器の燃料は、下のフロアに全部ぶちまけてきた。今頃下のフロア全体は燃え尽きてるはずだ・・。

そこに、強いビル風がヒビの入った窓を割ってなだれこむ。
不完全燃焼でくすぶる火種に、一気に大量の酸素が供給されると炎は爆発的に蘇る・・
そこまで聞いて、笛吹ははっとした。

ーマズい!!

だが気付いたときには、もう遅かった。
バックドラフトってやつさ。燃える結末だろ?
葛西のその言葉と共に、ビルは激しい爆発を起こし、一気に炎に包まれるのだったー。




















決着。


今回は弥子がアヤとの対話で励まされていくなかで、ついに警察と葛西の戦いが終わった回でした。

最後の葛西の攻撃は、まさに捨て身でしたね。
脱出経路もなく瀕死の状態の葛西。彼は自分も巻き込まれることを覚悟して、最期の反撃に出たのでしょう。

刑事たちの安否が心配ですが、彼らは間違いなく葛西に勝ったと言えるでしょう。
本当に人間の尊厳を見せた素晴らしい戦いでした!

ユキの無事も確認できたし、ほっと一安心ですね。
やられた分は、やり返すー
まさに意志の強さが戦いに影響したと感じます。

ネウロ頼みでいるばかりでなく、人間も協力するという形で力を増強することができました。
この経験を忘れずに、人間にはこれからも苦境と立ち向かってほしいものですね。

シックスとの戦いが終わったとしても、また新たな火種は常に起こり続けるでしょう。
でも1つの苦境を切り抜けたことは、確実に皆の力になっていると思われます。
笹塚が安心して見守っていけるよう、これからも彼らには一致団結して頑張っていただきたいですね。

何はともあれ、お疲れ様でした!
最後の爆発で、犠牲者が出ないことを祈ります。




さて・・葛西についても、もう少々。
今回驚いたのは、なんといっても彼が強化細胞を受け入れていなかったことでしょう。
他の五本指とは明らかに違う彼の行動に、異質なものを感じました。

思えば他の皆は名前も家族も捨ててきているのに、彼だけは未だ葛西と本名を名乗っていますもんね。
甥っ子に会いに行ったり、今考えると他の血族とかなり違う行動をしています。

これ・・どういうことなのでしょうね。
葛西がシックスを尊敬し崇拝していることは明らかです。
でも・・なんか他の血族とは意識も違うような感じがするのです。

自分を捨てきれていない・・というのかな。
血族であるけど、人間でもあるー
そんなこだわりを彼からは感じるのです。

このことを、シックス含め他のメンバーはどう思っていたのでしょうね。
実力があれば、全てOKだったのでしょうか。
うーん、そんなメンバーには見えないんだけどな。。

どうも今回の一件で、葛西とシックスの関係に疑問が沸いてしまいました。
というより、血族って一枚岩でないことがいよいよバレた・・という感じでしょうか。

最初に違和感を感じたのは、ヴァイジャヤの時なんですよね。
彼はシックスを崇拝しながらも、それでも吾代への思いも捨てきることができませんでした。
その時、感じたのです。
血族も、結局は人間なのだなーと。

その時と同じ感情を、今回の葛西にも感じました。
五本指の中に、2人もそんな人物がいるー
それって、シックスにとって屈辱ではないのですかね。
彼はもっと完璧な存在を目指していたのではないのかな?

・・なんだかうまく言えませんが、シックスを取り囲む状況が少しずつ崩れていっているような気がします。
警察は葛西を倒したことで自信をつけ、なんとしてもシックスを捕まえようと動き出すでしょう。
更にネウロも、彼の居場所をどうにかして探り出そうとしています。

そんな中、シックスの側にいるのは後はⅪのみ・・。
これって、絶対にシックスが初めに思い描いていたビジョンとは違いますよね。
彼はこのことをどう受け止めるのでしょうね・・。

とはいえ、まだまだ脅威であることには違いありません。
この勝利に油断せず、皆には無事戦い抜いてほしいと思います。

ただシックス側の有利がどんどん崩れてきているのも事実・・。
彼の来日中に、最終決戦となるのでしょうかー。

どんな展開となるか、楽しみです!!








さて、最後に弥子とアヤについて。

この2人の対話は、本当にゆっくりと穏やかな時間が流れているのが伝わってきて、ほっとしますね。
アヤの言葉も、深みがあって聞いてて納得してしまう不思議さがあります。
それでいて嫌みじゃないんですよね・・さすが人を惹きつける歌姫だな、と毎回感心させられます。

弥子も思いを全て吐き出して、ようやく物事をクリアに考えられるようになって良かったです。
友人たちの粋なプレゼントも、なんだか泣けちゃいますね・・。
皆に愛されてるんだなぁ、弥子は。

アヤの言う通り、笹塚もそんな弥子の強さを信頼し、笑顔を残していったのだと思います。
弥子なら大丈夫ー
その気持ちを思うと、前に進む勇気も沸いてきますよね。

そして本城のメッセージに気付いた弥子。
恐らくこの流れだと、彼はシックスの居場所を記しているのではないでしょうか・・。
見つかるといいですね。

その情報を持って、弥子は恐らく戦う覚悟を再び持ち、ネウロの元へ戻るのでしょう。
ネウロが許すかは分かりませんが、弥子ならきっともう一度思いのたけをぶつけることができるはずです。

まだまだ続くアヤとの時間ー
弥子がその貴重な時間の中で色んなことを見直し、前に進む手がかりにしていってくれると信じています。

そして本城の思いが無駄になりませんように・・。
これ以上いたずらに弄ばれる命が減ることを祈り、次回に向かいたいと思います。









というわけで、次回は弥子とアヤが本城の家で彼の遺したメッセージを見つける回でしょう。
本城は自分の死を覚悟したとき、何を弥子に残そうと思ったのか・・。
弥子はその事実と向き合うことができるのか。
必見ですね。

そして葛西と警察の戦いは、どうなったのか。
死を覚悟して臨んだ葛西の爆発で、刑事たちの命が奪われてはいないかがとても心配です・・。


五本指との戦いが終わり、いよいよシックスの背中が見えてきました。
ここから一気に最終決戦に向かって盛り上がっていくのでしょうか?!


次回も楽しみです☆