前回、2手に分かれてシックスとⅪとの戦いに向かった弥子とネウロ。
ネウロの信頼を受け、弥子はⅪと対峙することを決意します。

全ての戦いの行方を握る2人の戦いー
弥子は作戦通り、Ⅺの中のXを取り戻すことができるのでしょうかー?!

感想です☆





それぞれの決戦~第193話 「Ⅺ【アンノウン】」





※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

ヤコはエネルギー源だー
ネウロはシックスがその嘘を信じたことに、まずは安心した。

だがシックスは、決定的な隙など作ることはないだろう。
最も強力な手駒が戻ってくるまで、自分を逃がさない程度に攻撃してくるだろうー。

ネウロが読んだ通り、シックスは剣を抜く。
奴は弥子(やこ)を殺し全ての不安要素を排除してから、Ⅺ(イレブン)と万全の状態で止めを刺しにくるだろう。

つまり・・我が輩はどの道死ぬのだ。
ネウロはシックスの構えを見て、覚悟を決める。
弥子がⅪを倒さない限りー。


一方弥子は、無心でⅪの到着を待った。

Ⅺは人の脳が読める。だからそもそも策を講じても、意味などない。
戦うなら、正面からぶつかるしかないんだ・・。

そう考えながらも、不思議と弥子の心は落ち着いていた。
彼女はー心の底から負ける気がしなかったのだ・・。

ーそんな弥子の姿を、Ⅺは観察していた。
弥子は広めの空き地に立ち、どこからの攻撃にも対応できるようにしている。

だが・・無駄だ。
Ⅺはその瞳で、弥子の脳を覗く。

ネウロが無策で弥子を放っておくことはありえない。パパもそう言っていた。
だから私は・・全てを読んでから、攻撃する。

弥子の脳内には、ネウロから託された策ももちろんあった。
Ⅺはその策を読み込み、他に吹き込まれた情報はないことを確認する。

どうやら桂木弥子(かつらぎやこ)に自分を説得させるつもりらしい・・。
彼女はそれを知って、笑う。
だが私に説得など、通用しない。

やはり警戒すべきは、ネウロの策のみだ。
彼は桂木弥子には読まれてもいい適当な策を与えておき、その裏で密かに何か力を仕込んでいるのだろうー!!

ならば対策は簡単だー
Ⅺはネウロの姿に変身した。

この能力は、魔人さえも欺けた。
一切警戒させずに接近し、魔人の力が発動する隙も与えず首を撥ねる。
これが私の一番得意な戦術だー。

攻撃開始ー
Ⅺは、颯爽と飛び出した。

ヤコ!!
そう声をかけると、弥子は振り返る。

Ⅺはネウロの姿のまま、弥子に近づいた。
作戦は変更になった、と適当な理由を述べながら。
そして彼女は笑顔で歩み寄るー
だが、その時だった。

ネウロじゃない。・・そうだよね?Ⅺ。

弥子はしっかりとネウロの姿を見据え、そう言った。
その反応に驚いたⅪは、数秒動きを止める・・。

彼は動揺していた。
こいつの脳は確信している。確信を持って見破っている。
・・なぜ?

すると弥子は話した。
その姿はネウロそのもので、完璧だ・・と。

気配も仕草も、傷の位置まで全部本物だ。
でも・・彼女は告げる。
あのネウロが信じてるって言ったんだよ、この私をー。

あなたはそれがどれほどのことか分かっていない。
ネウロが私を信じた以上、戻ってきたネウロは偽物だよ・・。
ーその言葉に、Ⅺは変身を解く・・。

彼女はーまだショックを受けていた。
只の人間に即座に早退を見破られたショックは、一瞬の隙を作り出したのだー。

それを確認した弥子は、Ⅺに問いかける。
あなたの存在意義は、シックスの役に立つことだよねー?

でも今のままじゃ、役に立つどころか大事なところで足を引っ張るよ。
どこにでもいる女子高生に見破られちゃうんだから・・。
そう言われたⅪは、眉を動かす。
・・何が言いたいの?

弥子は平静を保ったまま、続けた。
彼女は数えきれない経験のなかで、確信したことがあった。
それはー人間の脳を全て一瞬で読むなんて不可能だということだ。

どんな大天才にも、不可能だったー
彼女は春川(はるかわ)を思い出し、そう語る。
それだけ脳は、難解だから・・。

だからつい最近生まれたばかりの薄っぺらい脳なんかに、見破られた理由は絶対に理解できない・・。
その言葉に、Ⅺはかっとなり弥子に襲い掛かる。

黙れ!!
彼女は木の枝を弥子に投げつけた。

能書きなんていらない。隠し持っているネウロの力を使ったらどうだ?
私はさっさとそれを封じて、お前を殺して、パパの元に戻らないといけないんだ!!
ーそう叫ぶⅪに、弥子は・・歩み寄った。

怖がらないで・・。
彼女は真っすぐにⅪの瞳を見つめ、語り掛ける。
ネウロは何もしないから。ここには私たちしかいないから。
その瞳から、Ⅺは目を離せずに戸惑う・・。

そこで弥子は言った。
さっき私の恐怖の記憶を読んで、過去の犯罪者に化けたよね。
だけど・・1つだけあなたは化けなかった。

化けるのを避けた犯罪者がいた。私が一番恐怖を感じた存在なのにー。
弥子はX(サイ)の姿を思い、Ⅺに迫る。

避けた理由は簡単だよ、Ⅺ・・ううん、X。
あなたは怖かった、自分を知るのが怖かったんだ・・。
弥子の言葉に、Ⅺの心臓はどくんと撥ねる。

17年間積み上げてきた自分を知ってしまえば、つい最近手に入れた自分を失いそうで、あなたは怖かった。
そう指摘されたⅪは平静を装い、言い返す。
怖い・・?今の私に、怖いものなどあるか!!

すると弥子は彼女の手を強い力で掴み、自分の胸に引き寄せた。
だったら私の脳も、怖がらずに読めるはず!

私の中に、あなたの失った正体がある。今の正体と昔の正体、両方なくては正体などと言えない。
不完全なままでいたくないなら・・私の脳を残らず観察してー。

ーその一連の言葉に、Ⅺの中で激情が膨れ上がった。
彼女は瞳を見開き、弥子の脳内に侵入していく。

今、弥子の中にさまよえる怪物がダイブしてきたのであった・・。




















弥子VS.Ⅺ!!

今回は弥子とⅪが対峙し、弥子がXの記憶を取り戻すよう迫った回でした。

最終決戦、第1戦は弥子とⅪの戦いとなりました。
ネウロの言うように、ここが正念場!
弥子がⅪの中にXを取り戻させることが、人間の勝利につながることは間違いありません。


っていうか、今回のネウロは余りに冷静で少し怖くなりました。
彼が死を覚悟しながらも、弥子に全てを賭けたこと・・
それがひしひしと伝わってきて、苦しくなりました。

自分は魔力ももう残っていない、シックスと普通に戦っても勝てない・・。
全てを冷静に把握しているネウロ。
彼がここまで弱体化しているのを見るのは、本当に辛いですね。

本来めっちゃプライドの高い人なのに、今は自分の弱さを理解して弥子に全てをゆだねる・・。
初期の頃には考えられなかったような変化です。
相討ち・・になっちゃうのかな、やっぱり。

彼の弥子への全幅の信頼は嬉しいことですが、らしくない態度にはやっぱり不安を感じますね。
どうか諦めず、最後までシックスとやり合って欲しいなと思います。

いつまでもドSでいて!!w心配になっちゃうから!!
弥子とⅪの戦いの結末が、ネウロを元気づけてくれること、祈っています。





さて、弥子とⅪの戦いですね。

負ける気がしないー。
この言葉に、心底弥子の強さを感じました。
うん、読んでいる方も負ける気はしなくなりましたよ!!

HALの事件のときも、弥子はそうでした。
静かに落ち着いて、自分の勝利を確信していたー
このモードになった弥子は、もはや無敵です!必ずやⅪの中のXを取り戻してくれるでしょう!

見ていても感じるけど、弥子の中に深みが増しているのに対して、Ⅺはまだ未熟な部分が目立つのですよね。
弥子も言っている通り、生まれたばかりだからでしょう。
大した経験もなく、シックスに従うばかりだったので経験値が乏しいのです。

そんな彼女に、様々な経験を積んできた弥子が負けるはずがありません。
能力の差は、経験値の差で巻き返すことができるのです。

そこを読み違えたシックス・・。
果たして彼の前に再び戻るとき、Ⅺは今のⅪでいられるのか、それとも・・?
これは次回が楽しみな展開ですね。


また、弥子の切り込み方も人心を掌握していて、本当に上手いんですよね。
挑発しながら、懐に潜り込んでいく・・。
こんなことをされたら、精神的に未熟なⅪは取り込まれてしまいます。
弥子はきっとそれも分かって、慎重に正しい手順で、語り掛けているのですよね。

彼女がついたⅪの闇ー
それは、自分の脳を読んだのに、Xには変身しなかったということ。

そういえばオールスターの登場に興奮して全然気づきませんでしたが、たしかにXには変身しませんでしたね。
無意識に避けていたのか・・。なるほど、その視点はありませんでした。

確かに怖いですよね。
うっかり前の自分の姿に戻ることで、自分を失ってしまったら・・と考えたら。
Xは常に細胞の変異で自分を見失いかけていたので、Ⅺがそれを恐れたのは当然だと言えるでしょう。

だからこそー
弥子はなんとしても、Xの記憶を見てほしかったんですね。
ここの畳みかけも上手い。弥子はカウンセラーとかにもなれそうだw

もはやXの詳細な記憶を持つ者は、弥子しかいません。
彼と関わってきたアイも葛西も、もうこの世にはいません。
ネウロやシックスが知らない素のXの姿ー
それを記憶の中で呼び起こせるのは、弥子しかいないのです。

彼女はそれを分かっていて、Ⅺに自分の脳を読ませた。
きっと弥子は、ただⅪに勝とうとしているのではないんですよね。

彼女はXとアイのやり取りを見て来た。
彼がアイの愛情を受けて、幸せそうにしている姿も見て来た。
だからこそ忘れるのではなく、Ⅺの中で受け入れ融合して、本来の自分を取り戻してほしかったのだと思います。

XもⅪも、どちらもXを構成する要素です。どちらかが欠けていたら、本当のXとはいえないのです。
弥子は本当のXに、罪を償ってその上でどう生きるかを決めてほしいと思ったのではないでしょうか。
それこそが、真に弥子がⅪ-Xに勝つ、ということなのだと思います。


この思いを込めた今回の作戦ー果たして成功するのかどうか。
それは、弥子の記憶にかかっています。
彼女の思いのこもった記憶を見て、Ⅺは何を感じ、何を取り戻すのかー

これがⅪだけでなく、Xとの決着ともなりますね。
弥子を信じ、見守りたいと思いますー。













さて、次回はⅪが弥子の中のXの記憶に触れる回ですね。

ⅪはXの記憶を取り戻すのか。そして彼女の中の自我は、どうなるのか・・。
ドキドキする展開ですね。そしてXが戻ってくるのか、楽しみでもあります。

強く揺るがない弥子。
ネウロ同様、私も弥子を信じて結末を見届けようと思います。


次回も楽しみです☆