前回、自分を襲いにきたⅪに、真っ向からぶつかった弥子。
彼女は自身の全ての力を結集し、ⅪにXの記憶を読ませることに成功します。

Ⅺは弥子の中のXに、何を見るのか。
そして2人の戦いは、どこへ向かうのかー

感想です☆





それぞれの決戦~第194話 「i【かたわれ】」





※以下、ネタバレあり※












◎あらすじ◎

Ⅺ【イレブン)は弥子(やこ)の脳内に侵入した。
ごちゃごちゃしたその中で、弥子は彼女をX(サイ)の記憶へと誘導する。

目を逸らさず、見てほしかった・・。
そう話す弥子に、Ⅺは出来損ないの頃の私の記憶か・・と呟く。

だが弥子は、出来損ないじゃないーと返した。
これも間違いなく、あなた自身なのだー
弥子はそう告げ、自身の記憶を呼び起こす。

姿は変わっても、芯は変わっていない。
Ⅺも、自分を知ることを欲してる。だから今、自分の脳を見てくれているのだろう?
彼女はⅪを誘導した。
もう一歩深く入ってきて、あなたの正体を知るためにー。


一方ネウロとシックスの戦いは、完全にシックスの有利で進んでいた。
シックスの攻撃をただ受けることしかできないネウロを見て、シックスは呆れる。
脆すぎる。これがあそこまで警戒していたネウロなのか・・。

まぁ、五本指を消費する価値はあったということかー。
彼はそう呟き、笑う。

ーネウロはその笑い声を、朦朧とする意識の中で聞いた。
今奴を倒すには、方法は1度きりの1つしかない・・。

隙を見つけて懐に入り、残った魔界電池を消費して攻撃する。
だが・・シックスには、その隙は一切なかった。
更にシックスへのダメージが小さかった場合、やられるのは万策尽きた自分の方だー
ネウロは止まない攻撃の中、打開策に必死に頭を巡らせるのだった。


ー弥子の脳内で、彼女はⅪにXのことを語った。
一番最初に会ったとき、Xは彼女にとって恐怖でしかなかった。
今思えば、当然だ。彼はシックスによって生物兵器として開発されていたのだから・・。

だがー弥子は続けた。
2回目に絵石家(えしや)の事件で会ったとき、弥子にはXの超人的な力の奥に、人間としての素顔を見たー。

するとⅪは、違うーと弥子の言葉を否定する。
私はパパのクローン。人間を超えた新しい生物・・新しい血族なのだ!!

しかしその叫びを聞いても、弥子は話すのを続けた。
3回目に会った時、私はあなたにとても重要なパートナーがいるのを知ったー

弥子はアイの姿を思い浮かべる。
彼女の落ち着いたたたずまい、静かな笑み、Xを見守る優しい眼差し・・。

その記憶を見たⅪは、そんなものは知らない、と首を振る。
私の中の余計な記憶は、パパが消去している・・

記憶媒体に、完全な消去はありえないー!
弥子はその言葉を、否定した。
彼女は篚口(ひぐち)から、記憶には必ず復元の手がかりがあるのだと聞いていたのだ。

脳の中に記憶がなくても、きっと全身の細胞が覚えてる。
大切な思い出を思い出す手がかりは、時には音楽や食べ物の味、頬に当たる風の感触などにある。
きっとあなたの正体は、彼女と過ごした時間が覚えてるー!!

弥子は語り掛けた。
思い出して。私も精いっぱい、彼女を思い出すから・・。
その言葉と同時に、Ⅺの中には弥子のアイの記憶が流れ込む。

ハンカチを借りたときのこと、Xのアジトで出会い、食事をもらったこと、彼女が持っていた熊の置物・・
その記憶の中に、弥子の記憶でないものが混じっていくー

ー?!
Ⅺはその記憶に、目を見張った。

そうだ、あの置物は自分があげたものだ。
彼女はいつも呆れた顔で、それを受け取った・・。

ーX、X・・
聞きなれた声に、Ⅺの脳は揺れた。

知ってる・・。こいつは・・自分のことを知っている・・。


ーへぇ、血の匂いがしたから入ってみれば、酷いことする奴らがいたもんだね。
笹塚(ささづか)邸で、Xはアイと共に凄惨な現場を眺めた。

血だらけの部屋には、木箱が3つ置かれていた。
その中に、3人の人間の遺体が詰め込まれているようだ・・。
アイは一瞥すると、まるでXの犯行のようだ、と呟く。

Xは箱の中身をあらためると、これは良い案かもしれない、と笑みを浮かべる。
この方法なら、自分の正体が分かるかもー。
彼の言葉に、アイはなるほど・・とうなづく。

つまり殺すだけでなく、更に詳しく観察するーと。
彼女はXの意向をすぐに汲み取ると、それなら木の箱よりガラスの箱の方が観察しやすいのでは?と提案する。
Xはそれを聞いて、ますます良い案だーと笑った。

そこでアイは、深々と頭を下げる。
かしこまりました、X。以後、そのように準備いたしますー。

彼女はすぐに、箱の形状を確かめ始める。
その姿を見ていたXは、そういえばーと声をあげる。

俺、本当にこの顔でいいの?あんたが識別に困るっていうから、この顔に固定してるけど・・。
彼は色んな顔に変化しながら、アイに尋ねる。
すると彼女はくすっと笑い、言ったー。

X、そのままがいい。
アイは、自分の命を助けてくれたときのXの姿が好きだった。
自分に生きる意味を見つけさせてくれた顔ー

その顔が、私は好きー。
彼女の柔らかい笑みに、Xはじゃあいいか・・と納得するのだった。


・・いた。私の・・俺の側には、確かにこいつがいた。
Ⅺは全ての記憶を余すことなく拾おうと、目を見開いた。
彼の中に、どんどんアイとの日常の記憶が流れ込んでくるー・・。

ーあなたがお望みの正体にたどり着くまで、どこまでもお供いたします。私もあなたの正体を知りたいから・・。

ー私はアイでいい。あなたの側の、アイでいいー。

彼の中に、アイとの優しい時間が満ち満ちていく。
そして・・Xは思い出した。

俺は・・俺たちは、2人Xiー!!!


私の脳から・・視線が外れた。
弥子は自分の頭を掴んでいたⅪの手が、離れていくのに気づく。

Ⅺはふらふらとしながら、うつむいている。
私が伝えたい全てを、読み終えたのだ・・。
弥子はそう理解し、彼女の言葉を待つ。

その結果、今目の前にいるのはⅪなのかXなのか。
弥子には・・もうそれはどうでもいいことだった。

全ての正体を取り戻したのなら、この先どっちの正体を選ぶのかは彼(彼女)の自由だー。
私はできることを全てやった・・!!
弥子はそう考え、ただひたすらにⅪが動くのを待つ。

その時ー彼(彼女)は邪悪な笑みを浮かべた・・。


シックスの止まない攻撃に、ネウロは血だらけだった。
体を引きずる彼に、シックスは幕引きを宣言する。
もう体力を削るのにも飽きたし、それにちょうど役者も揃ったようだー。

その言葉と共に、Ⅺが森の中から姿を現わした。
彼女は片手にー弥子を抱えていた。

その手は鋭く刃物のように伸び、弥子の体を貫通していた・・。
血を滴らせたその体を掲げて見せ、Ⅺは静かに告げる。
全部片付いたよ、パパ。

ネウロはその光景を、薄れゆく意識の中で見る。
今戦いの終局は、確実にネウロたちの元に迫っているのだったー。




















アイの記憶。


今回は弥子の脳内にⅪが侵入し、Xの記憶を取り戻す話でした。

アイの姿多めで、泣きそうになりました・・。
Xは戻ってきても、もうアイは戻らないんだよなぁ。悲しすぎる。。


弥子の脳内は、なかなかカオスで笑いましたw
なんで変な吾代がいるのw弥子が何考えてるのか、イマイチ分からんw

そんな脳内を、弥子は自ら案内してⅪを招き入れます。
どういう仕組みかは分からないけど、そういうこともできるんですね。
弥子の脳内がクリアになっているから、できる業でしょうか。

そしてー弥子の脳内では、Xの記憶はリンゴの形をしていました。
これ、最初は意味分からなかったんだけど、1話通して形を変えるリンゴを見て感動!
Xとアイの関係を、リンゴの形状で表しているだなんて・・なんて素敵な発想。
こういうところ、本当天才の成せる技だと思います。

Xをできそこないだと馬鹿にするⅪに、そんなことはないと力強く否定する弥子。
彼女は分かっていました。ⅪもXも、どっちも大事な正体なのだ、と。

それはXとアジトで対峙したときにも、彼女が言っていましたね。
Xの正体に関して、弥子は一貫して彼の全てが正体なのだーと主張しているのです。

そしてそれは、今尚変わらない。
XもⅪも、全てが彼の正体なのだ、と。
その思いー今度こそXに届いたのでしょうか。


彼は弥子の記憶から、自分の記憶を辿る旅をしました。
それはXiの物語。

始めはXiだった1人の怪盗は、XとIに分かれた。
そのIは途中で崩れ、再びiに戻った。
そしてiは元の位置に戻るかのように、Xの記憶の中で彼の中に戻り、Xiとなるー。
Xとアイは、2人で1つー

すごく美しいたとえに、背筋が思わずぞわっとしちゃいました。
なんていうか、こう、謎が合致して解けていくかのような美しさなんですよね。
失くしていたパズルのピースが全て揃った・・みたいな?

そんな過程を通じて、ⅪはついにXの記憶を取り戻します。
それを見て満足そうな弥子が、またすごい。

もう正体がXでもⅪでも構わないって・・達観しちゃってますよね。

確かに理屈ではそうなんですよね。
両方の自我を備えた今のX(Ⅺ)なら、どちらを選んでも両方の記憶を持っているのですから。
でもその視点には私は至らなかったので、改めて弥子の洞察力の深さに感心してしまいました。

弥子・・本当成長っぷりが半端じゃないです・・。


ただ、ラストは衝撃でしたね。
恐らくフェイクだとは思いますが、Ⅺによって串刺しにされている弥子の姿はなかなか心臓に悪いものがありましたよ。
ネウロは・・気付いてるのかな?どうだろう。

シックスはまったく疑ってないようですから、きっと次回Ⅺに寝首を掻かれるのでしょうね。
自分の子どもに2度も裏切られる心境ー果たしてどんなものでしょう。
戦いの優位を誇っていたところにその仕打ちなら、おそらく彼のプライドはズタズタになると思われます。

おまけにⅪの中にXを取り戻させたのは、毛じらみと馬鹿にしていた弥子ですからね。
自分の読み間違いを、彼は許せるのでしょうか・・。
いや、きっと激昂するだろうな。

その時がきっと、シックスの一瞬の隙となるのでしょうね。
ついにネウロ、反撃の時でしょうか。

今回の彼のボロボロの様子は正直かなりショックでしたが、逆転の芽がついに見えてきました。
次回、弥子、ネウロ、そしてXの3人が鮮やかにシックスを出し抜くところー
非常に楽しみです。

人間は血族なんかには、絶対に負けない。
そのことを、今こそ証明するときです。

たとえ相討ちになったとしても、ネウロが必ずやシックスを倒してくれると信じています。
弥子たちの戦いが終わった後は、いよいよ本当の最終決戦。
結末まで、しっかりと見届けようと思いますー。









さて、次回はXがシックスを裏切る回でしょうか。

ネウロにとって唯一の勝機となる弥子の勝利ー
果たして弥子は、Ⅺの中のXを目覚めさせることに成功しているのでしょうか?!

そしていよいよネウロの反撃が始まるときかと思われます。
これが人類の命運を賭けた、本当に最後の戦いー

ネウロとシックス、勝つのは一体どちらか、見逃せないですね!!


次回も楽しみです☆