前回、ただ一人の血族の繁栄を阻止するために、シックスに最後の戦いを挑んだネウロ。
けれどもシックスの力は圧倒的に強く、ネウロを翻弄します・・。

そんな中、ネウロは自身の命を賭けた反撃に出ますー!!
彼に勝機はあるのでしょうかー?!

感想です☆




謎~第198話 「6【シックス】」




※以下、ネタバレあり※











◎あらすじ◎

ーその赤ん坊が生まれたとき、父親はごくありふれた病院の新生児室にその子を入れた。

世界一の死の商人であり、大富豪の彼であれば・・その子供はいくらでも良い環境におけたのに。
・・なぜ?
彼はー確かめたかったのだ。

消灯前、父親は息子の手にそっと何かを握らせた。
彼は確かめたかったのだ。受け継がれる遺伝子の才能をー。

赤ん坊の腕力は、実はとても強い。1人でも母親の腕にぶら下がることもできるのだ。

カッコウの親は、他の鳥の巣に卵を産んで育てさせる。その雛は生まれてすぐ、本来の巣の主の卵を残らず落としてしまう。

蜘蛛にとって母親は単なる食糧だ。卵から孵った子どもたちは、さっきまで守ってくれていた母親の腹を食い破ることを躊躇しない。

彼は確かめたかったのだ。本能に眠る悪意をー。

力が同じ動物同士なら、悪意の強い者の方が勝つ。
迷いなき悪意で敵の弱点を見つけ、えぐり、つけこむ。その為には、いかなる研鑽も厭わない。
それが出来る者だけが家督を継ぎ、更に悪意の強い子孫を残す。
彼の一族は、そうやって先祖代々争いに勝って栄えてきたのだ・・。

ー翌朝、予想以上の結果に父親は満足した。
赤子は高い運動能力、知能、そして強すぎる悪意を示した。

彼は見たのだ、自分のベッドですやすやと眠る我が子を。
その赤子が、持たせておいたカミソリで他の赤子の頸動脈を全て掻ききっていたのをー。

見た目は同じでも、その悪意は人間とはまるで異なる生物ーいわば別種だった。
それも・・父親や先祖と比べても格段に!!!

ーその子の母親は、赤ん坊が2歳のときに自宅から謎の転落死を遂げた。
父親はその子が5歳のとき、自宅の書斎で箱詰め死体で発見された。
これが・悪意に愛された、ある男の肖像ー。


ネウロはシックスの剣をその胸に受けたまま、シックスの肩を掴んだ。
だが・・その手には、力が入っていなかった。
荒い息で立ち尽くす彼を見たシックスは、その哀れな姿を笑う。

弱ったな、そんな健気なことをされると・・私の本能が疼いてしまう。
彼はそう言うと、にっと邪悪な笑みを浮かべた。
そしてーネウロの体を、更に剣で貫いた。

ネウロはその攻撃に必死で耐えながら、シックスを思う。
底なしの悪意を絶えず誰かに向けずにはいられない、新生物の本能をー。

シックスは、その悪意を満足させるための手足を欲した。
彼の元に、優れた兵隊はすぐに集まった。優秀すぎて孤立を深める者に、彼自身の定向進化を見せるだけでいいのだから、その作業は簡単だった。

この方と同じだ。我々も人間ではない。人間から遥かに進化した新種なのだ!!
そんな歪んだ破壊への、大義名分。
シックスの元で彼らはその才能を犯罪に向けて花咲かせ、彼はその集団を新しい血族と名付けた・・。

幾度も攻撃を受けながらも、その手を決して離さないネウロに、シックスは驚いていた。
ネウロがシックスを思ったように、シックスもまたネウロを思う。

彼も魔人とて、生物だ。ダメージを与えれば、力も緩む。
なのに・・なぜ怯む気配を見せない?!
そう疑問を感じたシックスに、ネウロは口を開いたー。

その手が光り、何か新たな魔力を産み出していく・・。
彼はその力の遅さを自嘲しながらも、この兵器は自分の手持ちの中で最強のものだーと話した。

この力が完成すれば、魔界王であったとしても防げない。
ネウロはそう告げると、シックスに向かって笑う。
さあ、来るがいい。それまでに我が輩の命を削り切らねば、確実に貴様は死ぬー。

その言葉を聞いたシックスは、ネウロが自身の命を賭けて最後の魔力を使おうとしていることを知る。
彼はそれを阻止するため、すぐにネウロに手を伸ばした。
その強靭な指はネウロの喉元を押さえ、潰しにかかるー

すると血を吐きながら、ネウロは言った。
実は・・我が輩・・まだ人を殺したことがない・・。

彼はそう言いながら、いつか弥子(やこ)と話したことを思い出す。
意外な告白に驚いた彼女に、ネウロは言ったのだ。
人間は生きてさえいればまた謎を作るかもしれないから、極力殺さないようにしているのだーと。

一度折れた人間の脳こそ、強くなるチャンスを秘めている。
その人間に強い決意があるならば、折れた心を繋ぎ合わせ悪い箇所を修正して、必ずまた起き上がる。
それを我が輩は待っているのだ・・。

弥子は、その言葉をただ黙って聞いていたな・・。
そう思い返したネウロは、シックスの肩を掴む手の力を強くした。

待っているからこそ、奴だけは殺さなくてはならない。
奴は奴という種であるために、我が輩は我が輩という種であるために、種の本能と命を賭けて殺し合うのだー。

その顔に笑みがあるのを見て、シックスは違和感を感じた。
なぜ・・なぜ死なない?!

その心に、今まで感じたことのない焦りが生まれる・・。
シックスは目を見開き、ネウロを見つめた。

私の長年の経験と本能が告げている。
こいつはもうとっくに死んでもいい気配なのに、なぜ・・私の方が追い込まれている?!

彼の焦りを読み取ったネウロは、右手に魔力を集めた。
焦っているな、シックス。だがもう・・焦る必要はない。

その魔力はどんどん膨れ上がり、2人を包み込まんばかりに広がった。
ネウロはその力を制御し、シックスに向ける。

我が輩が死ぬ前に、貴様の死が決定した。
残念だぞ、シックス。それほどの悪意を持っていれば、究極の謎も作れたかもしれないのに・・。

そう告げると、ネウロは指を動かした。
魔帝7ッ兵器ー二次元の刃!!

ーこの剣には、切るという過程がない。ただ「斬った」という結果のみを造りだすー。

その言葉と同時に、シックスの体が割かれた。
体から血が飛び、彼の体は幾つにも分かれて散って行く・・。

それゆえ、ひとたび召喚に成功すれば、誰にも防げない・・。
ネウロはシックスの首を掴んだまま、言い放った。

一世代限りの新種よ。これが貴様の進化の結末だ。
そして最後にーお仕置きの時間だ。




















進化の結末。


今回はシックスの過去が語られ、そしてついに戦いに決着がついた回でした。
なんだか引き込まれすぎて、一瞬で読み終わってしまった・・。
すごいものを見た気がする・・。


まずはシックスの過去から。
赤ん坊のときから人間とはあまりに違う存在だったシックス・・。

どうやって赤ちゃんたちの頸動脈を切ったんだろう・・。
どんな手薄な病院だったんだw
なんか色々突っ込みたかったけど、野暮は言わないことにします。

それにしても、笑顔の後ろに隠れた真顔が怖い・・。
お母さんは良い人そうだったのに殺しちゃうし、お父さんも彼の悪意には勝てず殺され・・。
なんていう恐ろしい家系なのでしょうね。
さすが進化の最終形態!と思わされる過去でしたね。

・・で、この頃からもう人を箱に詰める好みはあったんですね。
表紙のシックスはⅪそっくりだったし、今回はⅪ(X)との共通点が色濃く出ていて興味深かったです。

こんなに似てるのに、それでもシックスと同等の存在は生まれなかったんだなぁとか。
彼はどこまで行っても、1人だったんだなぁとか。

まぁ悲哀を感じても、彼を許そうとかは到底思えないのですけどね。


今回ネウロが五本指のことを思い返すエピソードがあったけど、そこを見ても、やっぱりシックスは常に孤高の存在なんですよね。

仲間を求めたけど、仲間たちとはレベルが違った。
そしてー彼は力の足りない仲間を、切り捨ててきた・・。

ここでネウロの側の話が入るのが、また上手いんですよね。
人を殺したことがないネウロ。
その理由は、人間は一度つまづいてもまた必ず立ち上がれるから。
そして謎を生む可能性を秘めているからー。

これ、良いこと言ってそうだけど、要は再犯を希望しているからちょっと笑えますよねw
でも仲間を切り捨てるシックスと違って、ネウロは人間を見限ったりはしていないのですよ。
彼はどんな人間にも価値を認め、その可能性を信じている・・。

ここが、2人の大きな差ですよね。
本当この戦いでは、互いの差がどんどん浮彫になってきます。
そしてその差が、ネウロを強く、シックスを弱く見せていっている不思議・・。

根本は似ている2人なのに、この差が埋められないような力の差を生んでいるのってなんだかスゴいことですよね。
やっぱり人って1人では生きられないのだな・・とこの作品では何度も実感させられています。
最終回近くなって、特に最近は強く感じますね。

そこに気付けなかったシックスが負けるというのも、納得できます。
そして可哀想だなぁと思うと同時に、彼には最後まで弱いところなんて見せないでほしいとも思います。

彼が殺してきた人たちの数は他の皆の比ではないし、どれだけ苦しめて殺してきたのかと思うと・・とてもじゃないけど許すという感情は湧かないので、彼には最後まで悪意の塊でいてほしいのです。


ネウロも、シックスがここに来て改心するとはもう思っていないようです。
だからこそ彼はどこまでも冷酷に、新しい血族という種を滅ぼすことに、躊躇しないのでしょう。

他の人間には、究極の謎を生む可能性がある。でもシックスには悪意しかなく、人間を滅ぼすという目的しかない。
相いれないものは徹底的につぶすー
それがネウロなのです。

彼が最後にシックスに用意した武器も、本当にシンプルなもの。
でもだからこそ、一切の躊躇がないことを感じさせます。

ついに首1つになったシックス。
どこまでも冷酷で、生命を削っているネウロの姿が切なくも美しくて、もうヤバいですね。

更に、次回はついにお仕置きらしいです!!
ここに来てのお仕置き!どこまでも私たちの心を掴みにきますね!w

でももし余力があるなら、お仕置きよりも弥子の元に戻ってほしいというのもある・・。
うーん、悩むなぁ。どっちの展開も見たいですよ、ホント。

次回が、本当の決着ですね。
もはやシックスに待つのは、死のみー。
ネウロが彼にどんなお仕置きをして、この戦いを終わらせるのかが楽しみであり、ネウロが死んでしまうのかと思うと苦しくもあり・・。

でもここまで来たら、もう受け入れるしかないですね!
どんな結末になろうとも、ネウロは最後までやりきったー
そう考えて、終わりを見守りましょう!!









というわけで、次回は決着ですね。

本当に長かった新しい血族との戦いも、ついに終了です。
それと同時にネウロの命も・・もはや終わりが近づいているのでしょう。

彼はシックスと共に消えてしまうのか。それとも弥子の元に戻ってくることはあるのか・・。
可能性は五分五分だと思います。でもどんな結果になっても、見守りたいと思います!


人間の未来が開かれるときー
そこにあるものは何なのか・・。


次回も楽しみです☆