前回、全ての魔力をもって、シックスを討ち倒したネウロ。
彼は戦いの結末を見届け、その生を終えようとします・・。

けれども目を覚ました彼の前には、篚口たちがいてー?!

果たしてネウロは、助かるのでしょうか?

感想です☆




謎~第200話 「魔【まじん】」




※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

篚口(ひぐち)はネウロの手当を見守ると、医療ヘリにこのことは口外無用だーと口止めして、彼らを返した。
上には話を通してあるからー。
それを聞いた救急隊員たちは、不審がりながらも戻っていく・・。

そのヘリの音を聞きながら、ネウロはただ草むらに横たわっていた。
声が・・聞こえた・・。
彼がぼうっと考えるなか、篚口が声をかけてくる。

彼は、助けに来るのが早かったでしょー?と顔を覗きこんで笑った。
彼の元には、弥子(やこ)からネウロを探し出して助けてほしい、との連絡があったらしい。
そこで篚口はある最新のネットワークを使って、彼のいる位置を割り出したのだという。

そう言って篚口が掲げて見せたものは、最新の救助ネットワークを搭載した端末だった。
そこにはGPS、気象衛星、地震計、波高計・・あらゆる観測機器がリンクされていて、船舶事故や飛行機事故を特定できるのだという。

全てのジャンルに精通しないと作り上げられない複雑なシステムー
その骨組みとなるプログラムを作ったのは、春川(はるかわ)だったのだーと篚口は語る。

彼が作ったシステムが、ネウロを助けたー。
なんだか自分たちにとっては、因縁を感じる話だよね・・。
篚口はそう言って、笑った。

ー起きたまえ、ニューロンの申し子よ。
ネウロは死の淵で聞いたHAL(ハル)の声を思い出し、ほほ笑む。
ふん、何の関連性もない。やはり、ただの幻聴だー。

その瞳に、駆けてくる弥子と吾代(ごだい)の姿が映る。
我が輩は、人間に命を救われた・・。それだけのことだ。
彼はそう呟くと、再び目を閉じるのだった・・。


ー悪意は、時に必要なものだ。
ちょっとだけ近道をすること。良い意味で、相手の裏を掻くこと。
悪意がこの世にまったくなければ、人間の生活は刺激や可能性を失うだろう・・。

数日後、弥子は未だずっとネウロの世話に明け暮れていた。
彼はもう一週間も、昏睡状態のままだった。
弥子は心配しながらも、あかねに留守番を頼み、ある場所へと出向く・・。

その道中、彼女は考えた。
・・だけど悪意の用法と用量を間違えれば、それは犯罪を生む毒になる。
シックスの悪意は強すぎた。そのため彼は犯罪者の王となり、人間にとっての病気(シック)となった・・。

弥子は途中で花を買い、笹塚(ささづか)の墓参りへと向かった。
そこで彼女はー先に来ていた笛吹(うすい)と筑紫(つくし)の姿を見付ける。

笛吹は笹塚の墓に、シックスの事件の顛末を語っていた。
海で回収された戦闘機には、シックスの細胞が多数こびりついていた。
あの機上で何が起きたのかは分からないが、奴が粉々になって死んだことだけは断定できる・・。
笛吹はそう、淡々と語る。

警察が引導を渡したかったけどな・・。
彼はそう言うと、煙草を1本口にくわえた。
だがすぐに煙にむせこみ、筑紫が慌ててその背中をさする。

笛吹はせき込みながら、その煙草を笹塚の墓に供えた。
そして彼は一言言った。
終わったぞ、笹塚・・。

お前はそこにいろ。私は先に進む。
その言葉に、筑紫も力強くうなづくー。

そうして、2人は先に去っていった。
それを見届けた弥子は、笹塚の墓に歩み寄り花を供える。
それから・・彼女は笑った。

そう・・全部終わったよ、笹塚さん。
彼女はシックスに奪われた命を思い、皆に語り掛けた。
おじさん、会ったこともないたくさんの人たち・・。

多くのものを奪ってきた、あの悪意。
これからは罪のない命があの悪意に消されることも、才能ある人たちが魅入られて道を外すこともなくなった。
そしてシックスの影なんて、すぐに他のニュースに埋もれ去るだろう・・。

弥子は街の中を歩き、平穏が戻ってきたことを感じ、ほっとする。
新種の悪意なんてあっというまに飲み込んで、人間の日常は続いていく。

だけど・・彼女はその表情を曇らせた。
その日常と引き換えに、自分の餌場を守ることと引き換えに、ネウロは・・

全てを失くして、からっぽになったー。

彼は今までで群を抜く衰弱ぶりだ。
このままではまさか・・弥子の胸に、不安がよぎる。

事務所に戻り、弥子はそっと中に入った。
ネウロはきっとまだ眠っているだろう・・。
そう思って覗いた彼女は、ソファで眠るネウロの横に誰かが立っていることに気付く。

その人物は背が高く、フードをかぶっているため顔は見えなかった。
・・誰?!
驚く彼女の耳に、不思議な笑い声が響く。

ゲッゲッゲ・・ネウロ様、ざまあありませんや。
魔界にその名を恐れられた上級魔人が、この体たらくとはー。

それを聞いた弥子は、目を見開いた。
魔界・・?!ということは、この人は・・
そう考え、彼女はその人物に駆け寄ろうとする。
するとちょうどネウロのトラップが仕掛けられていたため、彼女はそこに引っかかり大きな音を立ててひっくり返ってしまった。

その物音に、ネウロの目が開くー。
彼は騒がしい・・と一言呟くと、横にいる人物を見た。

・・ゼラか。久しぶりだな。
彼にゼラと呼ばれたその魔人は、再びゲゲゲと奇妙な笑い声をあげながら、魔界では世話になったーと答える。

そしてゼラはそのまま、ネウロに襲い掛かろうとした。
今までの恨みー!!
そう叫んだ彼は、一瞬の内にネウロのトラップにハメられ、床にひっくり返る。

弱い・・。
弥子は無様にのびる彼を見て、呆れかえるのだった・・。


その後、ゼラは弥子に魔人の能力について話した。

魔人の力は、地上では万分の一ほどに弱くなってしまう。
ネウロでこうなのだから、自分のような下級魔人はこのくらいの力しか出ないのだーとゼラはさっきの失態を弁解した。

それを聞いた弥子は、じゃあゼラがネウロのように弱体化したら大変なことになるのでは?と尋ねる。
ゼラはうなづき、本来なら人間界に来るだけで消滅してしまうものなのだーと語った。

だが・・生物には、適応能力というものがある・・。
彼はそう言うと、自分の顔の半分の皮膚をはがした。
そこには、大きな穴が広がっていたー。

ゼラによれば、彼の内臓は魔界とつながっているのだという。
そのため、彼は魔界の酸素である瘴気も吸えるし、魔界の小虫を吸い込んで栄養にすることもできるのだ。

だが・・ネウロ様、あんたは違う・・。
ゼラはソファの上で横たわったままのネウロを見つめ、言った。

彼は、弱いが故に魔界を逃れた自分たちとは違う。
強大なパワーに任せて、強引に地上への道を開いてきたのだ・・。
そこに謎があるという理由だけで、肉体の負担も省みずに本能と情熱に任せて・・。

ゼラの言葉に、ネウロは何も返さなかった。
ゼラは弥子の方に視線を移し、魔界一知的な生物は、時に魔界一愚かな行動を取るものだ・・と話した。
ぶっちゃけ今回だってそうだー

彼は言い放つ・・。
ネウロ様、あんた死にますぜー。




















シックの後。


今回は新しい血族との戦いが終わり、平穏が戻ってきつつある回でした。
また情報過多で、頭が追い付きません!!

ネウロが助かってほっとしたというのに、やっぱりこのままでは死んでしまうという・・。
気持ちも追いつきませんよ!!本当!!

弥子とネウロのラストの表情が、とにかく切なかったです・・。
ネウロが助かる方法はないのでしょうか・・。




さて、まずは篚口の救出作戦から。

彼は弥子に頼まれて、ネウロを助けに来ていたのですね!
弥子は自分も怪我をしていたのに、とにかくネウロのことを一番に考えていたんだなー。
なんかさすが相棒って感じで、感動してしまいました。

そして篚口がすぐにたどり着いた理由が、また憎い!!
ここに来て、春川が出てくるだなんて・・!!

救助ネットワーク。その精巧なシステムを作ったのは、春川でした。
彼は間接的に、ネウロの命を救ったのですね!!
ネウロが死の淵で聞いたHALの声は幻聴だったのか違うのか・・それは分かりませんが、なんだか運命感じちゃいますね。

刹那の仇を取ってくれたネウロへの、恩返しだったりするのかな?
春川・・やっぱり好きなキャラだったなぁと改めて思いました。



さて、その後探偵事務所で療養するネウロ。
最初に来た頃はまったく眠らなかったネウロが、一週間も目覚めないなんて・・。
今回の戦いが、どれだけ彼の命を蝕んだかがよく分かる描写で不安になりますね。

弥子もきっと、ずっと付きっ切りで看病していたのでしょう。
ずっと死の恐怖と戦っていたのかと思うと、本当苦しい。
弥子は強い子ですね。でもなんだか頑張りすぎて、見てて辛くなっちゃいますよ・・。


そんな中、笹塚の墓参りに繰り出した弥子。
けれどもそこには先客がいました。

笛吹と筑紫ー。
2人にとっても、ようやくけじめをつけられる時が来たのですね。

笛吹はどうやら、シックスとネウロの間に何があったかは追究しないつもりのようです。
たぶん篚口からも詳しいことは聞き出していないのでしょうね。
その毅然とした態度が、また彼らしい・・。

そして笹塚の墓に、煙草を供える笛吹。
お前はそこにいろ。私は前に進むー。

この言葉に、笛吹の覚悟が全て詰め込まれていると感じました。
笹塚にとって、事件は終わった。でも生きている笛吹や筑紫には、まだまだ立ち向かわなければならない問題が沢山あるのですもんね。

新しい血族事件の後始末だって並大抵のことではないだろうし、事件は今後も起き続けるでしょう・・。
彼らはそれを1つずつ乗り越え、未来を生きていこうと今決意したのですー!!

今更だけど、Xが笹塚に変身した姿・・笛吹たちにも会わせてあげたかったですね。
きっと彼らも色々と交わしたい言葉があっただろうに・・。
それを思うと、切ない。。

ただそれが無くても、笛吹たちは前に進むことができたのだから、結果的にはこれで良かったような気もします。
笛吹には筑紫がいるし、筑紫にも笛吹がいますもんね。
2人は互いに側にいて、支え合っていくことができるから・・きっと笹塚との最後の会話は必要なかったのでしょう。

改めて、日常は必ず戻ってくるものなのだなーと感じました。
色々不安で張り裂けそうな出来事は起きるけど、それでも人間はどうにかして乗り越え、自分たちで平穏を取り戻していくのだなーと。

こんな時世だからこそ、余計に今回はそれが染みて、なんだかじーんとしてしまいましたよ。
うん、人間は本当に強い!!

そう思わせてくれる皆の姿が見られて、本当に良かったです。





ただ・・その一方で、今回の事件で命の火が消えかけている人物がいるのも、また事実なのですよね・・。
弥子は全てを見てきたからこそ、複雑だし、どうしようもなくネウロのことが心配なのでしょう。
彼女の表情が晴れないのが、今回は堪えるなぁ。。


で、そんな彼らの前に現れた魔人ゼラー。
以前ちらっと出た人物は、彼だったのですね!!
これは予想できないわw

ゼラによれば、魔人の力は人間界では万分の一にもなってしまうとのこと!
ネウロの本当の力って、あんなものじゃなかったんですね・・。

そして彼の語る魔人の背景は、ここに来て明かされることばかりでかなり面白かったです。

なるほど、魔人の世界は力のヒエラルキーが激しいのですね。
ゼラは元々魔力が弱かったため、力が減ると分かっていても、人間界で生きることを選んだ・・と。
色んな事情が、魔人にもあるんだなー。

で、ゼラには生き延びるための適応能力があり、魔界と内臓がつながっていることで人間界でも生きていくことができているそうです。
これは朗報か・・?!と思ったけど、ネウロは元々魔力が強いので、その適応能力は持ち合わせていなそうですね。
そもそも謎を喰うことで魔力を得ているから、ゼラとは本質的に体質が違いそうです・・。


どうやら思った以上に、事態は深刻なようですね・・。
恐らくネウロには、もう魔界に戻る魔力すら残っていないでしょう。
謎を喰いに行く力もないだろうし、これはもう衰弱するばかりなのでは・・。

ゼラの言い方からは、そういう含みが取れました。
死ぬー改めてそう断言されると、背筋がぞくっとしますね・・。

でもネウロは、少なくともシックスとの戦いを終えた後では、それでも良かったんじゃないかなぁ。
究極の謎を喰うためだけに、自らの命の危険も省みずに人間界に降りて来たネウロ。
そんな彼にとっては、謎を喰うことが最大の目的であり、それ以外はどうでもいいことだったのでしょう。

命を投げ売ったとしても、後悔もしなかったんじゃないかなぁ。。


でも弥子や他の人間たちと出会い、そして今戻ってこれたことで、ネウロの中には何か心残りのようなものが感じられます・・。
特にラストの表情には、含みがある・・。これ、絶対弥子を残していくことにためらいが生まれている顔ですよ!!

ああ、こんな状態でネウロが死んでしまうなんて耐えられませんね!!
何か彼を救う方法はないのでしょうか・・。そのために、ゼラは出て来たんじゃないのか?!

2人のこんな顔、見ていたくありません。どうか何か策がありますように・・。
そう願わずには、いられませんね。


最終回まで、後少し・・。
ネウロはどうなってしまうのかー
次回が待てませんねー!!










というわけで、次回はネウロが助かるのかどうかーですね。

一番助かる方法でありえそうなのは魔界に戻ることだけど・・、今のネウロにそれができるのでしょうか。
現状動くことすらできなそうなので、彼に魔力がどれだけ残っているかが気がかりです。。

他にも策はあるのかもしれませんが、どれもなかなか困難そうな予感がします。
でもそれでも、弥子はどうにかしてネウロを救おうとするのでしょうね・・。


ネウロを救いたいー。
皆のその思いが叶う方法は果たしてあるのでしょうか・・。


次回も楽しみです☆