前回、或との賭けに敗れた日向。
親友のまおをも失った彼女は自暴自棄になり、犬たちを雪輝たちにけしかけます。

けれども、彼女のことを憎めない雪輝。
彼はもう1度彼女と話し合おうと決意しますが、由乃はそれを拒みます。

VS10th戦。
その結末はー?!

感想です☆




Diary18~ 「君を殺しても」




※以下、ネタバレあり※










 ◎日記所有者一覧◎
・1st 天野雪輝・・無差別日記
・2nd 我妻由乃・・雪輝日記
・3rd 火山高夫・・殺人日記、死亡
・4th 来須圭悟・・捜査日記
・5th豊穣礼佑・・はいぱーびじょんだいありー、死亡
・6th春日野椿・・千里眼日記、死亡
・9th雨流みねね・・逃亡日記
・10th月島・・飼育日記
・12th平坂黄泉・・正義日記、死亡





◎あらすじ◎

自分を止めようとする由乃(ゆの)に、雪輝(ゆきてる)は訴えた。
無差別日記には、後20分後には全員が犬に襲われて死ぬと出ている。
だから時間がない・・日向(ひなた)を止めるしかないんだ、と彼は背を向ける。

由乃は尚も引き留めようとするが、その肩を或(ある)が押さえた。
行けばいいー
彼はそう言い、3人で犬を引き付ける役を受ける、と提案する。
雪輝はその隙に日向を止めて、全滅の未来を変えてくれー。

高坂(こうさか)はその案に顔をしかめるが、今は他に選択肢はなさそうだ・・。
彼が納得したのを見た雪輝は、後は由乃だけだ・・と様子を窺う。

すると由乃は、分かった・・とうなづいた。
彼女は林道を行けば、少しは犬をかわせるはずだーと雪輝に説明する。
その落ち着いた様子に、雪輝は案外あっさり認めてくれたな・・と安堵するのだった。

時間はない。
彼らはすぐに計画を実行に移すことにした。
或の号令で、皆一斉に駆け出す準備をするー

そして走り出した瞬間、由乃はくるりと身を翻して雪輝の後についた。
雪輝は仰天し、打ち合わせと違う、と叫び声をあげる。

だが由乃は、合ってるよーと笑った。これで打ち合わせ通り。
彼女は最初から、2人を裏切って雪輝についていくつもりだったのだ。

これで最初の打ち合わせ通り、あいつらを囮に私たち2人で逃げられる。
それを聞いた雪輝は、戦いの始めに由乃が言っていたことを思い出す。
・・そう来たか!!

由乃は、もう雪輝しか目に入っていなかった。
日向のところへ行くのだ、と言い聞かせても、彼女は助ける必要はないーと訊く耳を持たない。

だってあの女は、今日初めて会ったんだよ?昨日は赤の他人だったんだよ?
そんなに命を賭けるくらいなら、友達なんていらないでしょー?
そう言って、彼女はカッターの刃をカチカチと鳴らす・・。

その音に恐怖を感じながらも、雪輝は今までの自分の生活を思い出していた。
いつも友達がおらず、ただ皆を羨ましがって見ていた自分。
傍観者を気取って、寂しいのを隠していた自分。
その辛さを思い出し、彼の目からは涙があふれた。

・・駄目だよ、僕はもうあの頃に戻りたくない!!
雪輝は由乃に、そう叫んだ。
すると由乃は、仕方ないなーとため息をつく。

その手のカッターが自分に向けられているのに気づいた雪輝は、焦る。
何をする気だー?!
そう叫んだ瞬間、目の前の草むらから犬が飛び出してきた。

由乃はその眉間に、カッターを突き刺す。
彼女はそのまま雪輝を引っ張り、隠れるように言う。

そこで2人は、草むらに身を隠した。
その横を犬の群れが駆けていくー
由乃は震える雪輝に微笑みかけ、囁いた。

ユッキーの友達は、私1人でいいじゃない。
そう迫る彼女に、雪輝は怯えて尋ねた。
何で由乃は・・僕が友達を作るのを邪魔するんだよ・・。


その頃ー
或と高坂は、必死に犬の群れから逃げていた。
高坂は本当に逃げ切れるのか?!と半泣きだ。或も、どうだろうね・・と首を傾げる。
もし雪輝が間に合わなければ、僕らは終わりだー。

一方日向は1人、展望台にいた。
日記には、犬たちが雪輝と由乃を見失ったと記されている。
まおの様子を時折確認しながら、彼女は何でこんなことになってしまったのだろう・・と途方に暮れた。

彼女は、ただ父親と母親に元に戻ってほしいだけだった。
小さい時の楽しかったことを思い出し、彼女はおとん・・と呟く。

もし僕たちが勝てたら、一緒に帰ろう?
雪輝はそう言ってくれた。
でももう、自分に帰る場所なんてない・・。
彼女は膝を抱えて、涙をこぼす。

誰か・・誰か、ウチを助けて・・。

ー全員見殺せばいいよ、ユッキー。
由乃は雪輝にそう言った。

何も通じない・・。
彼は絶望を感じながらも、それは嫌だ・・と抵抗する。

由乃を振り払い、彼は駆け出した。
嫌だ嫌だ、絶対に助けるんだー!!
叫びながら、雪輝は必死に由乃を撒こうとする。

だって僕は日向を好きだし、まおと話すのだって楽しかった・・。
彼は追ってくる由乃に、そう訴える。
或だってかっこいいし、自分をだまそうとしたやつらだとしても、僕は皆と友達になるんだもん―!!!

そうして2人は斜面を滑り降りた。
その音に気付いた日向は立ち上がる。
彼女の手に携帯が握られているのを見た由乃は、雪輝より先に回り込んだ。

戻れ、α1!!
日向が携帯で指示を出す。
由乃はその後ろに回り込み、彼女の首筋にカッターを当てた。

雪輝は止めろ!!と声をあげる。
今すぐ、攻撃を中止させなさい!!
由乃は日向に迫る。

カッターの刃を見た日向は、急いで犬たちに命令した。
全頭、待機ー!!
そう彼女が言った途端、犬たちは大人しく座り次の命令を待つようになる・・。

それを確認した由乃は、日記をよこせ、と日向を揺さぶる。
出さなければ、お前も殺すー!!
彼女はそう言い、ためらいなく喉を切り裂こうとする。

雪輝はその行為をやめるよう、由乃に怒鳴った。
後は10th(テンス)の日記を押さえるだけでいいはずだー

だが由乃は、日向は危ない奴だ、と言って聞かない。
その取り乱した様子に、雪輝は困惑し尋ねた。
由乃・・何で僕が友達を作ろうとするのを邪魔するんだよ・・。

そう問われた由乃は、顔をほてらせる。
だって・・だって・・
彼女は更にカッターの刃を、日向に近づける。

ユッキーがこの女と仲良くなったら、ユッキーがこの女を好きになるかもしれない。
だから殺さなきゃ・・。

それを聞いた雪輝は、今度こそ戸惑う。
彼はふと、或たちが後ろにやってきたのに気づいた。
犬たちが襲ってこなくなったので、2人も無事だったのだ・・。

或たちにも気づいた由乃は、更にパニックになり叫ぶ。
誰もユッキーに近づかせないよ!近づく奴は、全員殺すから!!
お前らは私からユッキーを奪うつもりだろうー?!

その時、雪輝は気付いた。
由乃が気にしているのは、そこか・・!
彼は由乃の真意に気付き、どうすべきかを理解した。

ユッキーの友達は、私だけだよね?
由乃はそう問う。
そして問われた雪輝はー大きく息を吸うと、キッと彼女を見据えた。

お前は友達なんかじゃない!!
その言葉に、由乃の瞳からは涙がこぼれた。
だが雪輝はちゃんと話を聞け、と続ける。
お前は友達なんかじゃない・・

彼は皆の方を振り返ると、改めて紹介するよーと由乃を手の平で示した。
これが僕の彼女、我妻由乃(がさいゆの)だー。

それを聞いた由乃は、真っ赤になった。
激しく取り乱す彼女に、雪輝は恋人紹介をしただけだよ、と笑う。
3人も戸惑いながらも、うなづく・・。

それは、公認ということかー?
由乃は更に赤くなり、震える。
そんな彼女に、雪輝はいいのか?と尋ねる。

自分たちは7月26日にHappyEndを迎えるはずだ。今、僕に嫌われるのはマズいんじゃないのかー?
ここにいる皆を友達と認めて、後でまおには謝る。そして僕の彼女らしく振舞う。
・・分かったね?由乃。

その言葉に、由乃は陥落した。
はい・・。
彼女はうなづき、日向の拘束を解くー。

彼はもう由乃が手を出さないのを見て取り、日向を助けに歩み寄った。
日向は何で・・と雪輝を見つめる。
ウチはアンタを騙したのに、何で助けてくれたんや・・?
そう問われた雪輝は、もういいよ・・と苦笑した。

一緒に帰ろう、日向。
彼はそう言って、手を差し出す。
日向は涙を浮かべながら、その手を取るのだったー。

・・これで一件落着だ。
雪輝はようやく戦いが終息したことに、ほっと息をつく。

でも・・彼は新たな懸念に、胸をざわつかせていた。
言うまでもない、由乃のことだ・・。
彼は顔を真っ赤にして自分を見つめる由乃に、背筋を震わせる。

どうしよう、取り返しのつかない嘘をついちゃった気がする・・。

その時ー1匹の犬の首輪から、10thの声が響いた。
彼らははっとし、近づく。
すると10thは日向に、よくやったよーと声をかけた。

所有者を見誤ったのは、この父だ。
ここまでだな・・。

その声が弱弱しいのに気づいた日向は、大丈夫なのか?と問う。
おとんは時間を巻き戻してやり直すつもりだったんじゃ・・。
そう心配する日向の声を聞きながら、10thはかつての家族の写真を眺める。

そしてー彼は笑った。
何を言ってる・・そんなものは嘘だ。

彼は日向に言う。
全くお前は、騙しやすい。犬にも劣るな。
だから日向ーお前は父ちゃんみたいな悪い大人になったらあかんで。

それはまるで別れの言葉のようだった。
日向は涙ぐみ、かける言葉を失う・・。

そんな中、或はまおを助けるために救急車を呼んだ、と由乃に告げる。
思ったより、犠牲がなくて良かったー
そうほほえむ彼に、由乃は雪輝が頑張ったからだ、と睨みつける。

だが或は、いやいや、と首を振った。
自分が意外なのは、由乃が無傷だということだ。由乃を殺してでも、雪輝は皆を助けると思っていたからねー。
その言葉に、由乃は眉をひくつかせる・・。

そこに、10thからまたメッセージが入った。
彼は悪い大人は自分だけではない、特に善人面した奴には気をつけるんだ・・と語る。

そう話す彼の後ろにはー来須がいた。
来須は10thの後頭部に銃をつきつけ、その引き金を引く。

なぁ・・4th(フォース)・・。
その言葉と共に鳴った銃声に、雪輝たちは目を見開く。
10th戦は、予想外の幕引きを迎えたのだった・・。




















10th戦の結末。


今回は日向との戦いが終わり、10thが来須によって殺された回でした。

ここで来須登場・・!!まさか射殺とは思いませんでした。
いや、警察だから手は下さないと思ってたんですよね。
日記を壊すのは、由乃の役目かと・・w

犯罪を憎む人だと思っていたのに、自らが犯罪に手を染めてしまったのはどうしてでしょうか・・。
何か来須の言葉が、自分へのブーメランじゃないかと思えてきました。

雪輝に言ってたじゃないですか。
10thは相当追い詰められているのかもしれない・・って。
それは来須も同じなのでは、と感じたのです。

来須は雪輝たちと、未来同盟を組んでいます。
だから雪輝たちの身バレが次々起きていく以上、来須もまた身バレしているのではないでしょうか。

そうなったら、彼に照準を定めてくる者もいるでしょう。
来須は警察という特性上、大っぴらな戦いはできませんからね。
状況によっては、彼の不利は十分あり得ると思います・・。

てっきり来須とみねねがやり合って、いずれはどちらかが死ぬのかと予想していましたが、来須に引導を渡すのは別の人物かもしれないですね。
5巻は、いよいよ来須と戦うことになるのかな?
まさかこんなに早く彼と戦うことになるとは、思いませんでした・・。

それとも、雪輝たちは静観する?
どっちにしろ、日向の父親を殺した以上、来須との未来同盟は解消ですね。

この件にはみねねも絡んでくるだろうし、どんな展開を見せるのか非常に興味があります。
引き続き、注視して行きましょう。





さて、今回は雪輝と由乃の関係に新たな進展?が起きた回でした。
本当に、戦いを重ねるにつれてこの2人の関係は強固になっていくなぁ。

というか、今回の由乃もすごかったですね。狂気の塊・・。
雪輝に近づく奴は、皆雪輝が好きになっちゃうから、近づかせないし殺す・・って・・。
それじゃ、最後雪輝と由乃2人だけの世界になっちゃうじゃん・・。

もしかして、由乃って最終的には雪輝にすら勝利して、そういいう世界を手に入れるのが理想なのでしょうか。
今まで、最後の戦いは由乃が雪輝に勝利を譲るのかと思ってたけど・・無理やり屈服させることも彼女ならやりかねないなぁと今回感じました。

だって、雪輝の意志は無視ですもんね。聞こえてないんだもん。
これだけ自分の気持ちの比重が高いと、どんなことをやっても不思議じゃないですよ。

う~ん、今回の雪輝の策は日向たちを救うには有効だったけど、本当にそんな奥の手を使って良かったのでしょうか(^^;)
たぶん、これからもっと締め付けがキツくなりますよ。。

恋人関係を、上手く雪輝が操れればいいんですが、彼にそこまでの技量はなさそう。
今回も土壇場だからこそ、頭が動いて行動に出られた・・って感じでしたもんね。

この先、2人の関係はどうなるのか。
次回が楽しみですね!




次は日向と10thについて。

今回、日向は少し救われたようで良かったです。
雪輝の気持ちは本物で、たとえ騙されても日向たちとは友達でいたかった・・。
その思いがちゃんと伝わって、本当に良かったです。

まおも、どうやら助かるみたいですね!
きっと日向は学校をやめることになるでしょう。父親が犯罪者ですからね・・。
相変わらず辛い状況は続きそうですが、それでも彼女は本当の友達を手に入れました。

1人ではない・・というのは、彼女の心を支える糧に必ずなってくれることでしょう。
死ななくて良かったし、雪輝の言葉がちゃんと届いて良かったー
今までの不遇な日向を見て来たので、本当に強くそう感じました。

ラスト、10thとも少し気持ちを通わせることができて良かったですね。
彼が日向の気持ちを利用し戦いに巻き込んだのは、事実です。
でも、彼にも父親の心はあった・・。

少しかもしれない、でも娘を思う気持ちや家族と元に戻りたいという気持ちが今回の10thからは感じられました。
それはもう叶うことはありませんが、日向はこれからも父親を愛し続けることでしょう。

最後に、憎み合うような、愛されていないと感じるような2人じゃなく終われたことは、日向の救いになったと思います・・。

10thも最後まで掴み切れない人物でしたね。
ただ彼が口にした、家族と仲の良かった頃に時間を巻き戻したい・・というのは本心だったのかもな、と今回を読んで思いました。

考えれば、犬たちとの生活には現状彼は満足していたはずです。
そんな彼がゲームの勝者として更に何かを手に入れたいと願うとしたら、それはやっぱり家族だったのではないでしょうか。

10thの部屋に写真が飾ってあったのが、その証だと私は感じました。
神にならなければ手に入らない、家族との絆・・。
それこそが、彼が本当に欲していたものだったのではないか、と。

日向への声掛けに父親を滲ませた10th・・なんだか切なかったですね。
このゲーム、勝った者以外は助からないからなぁ。。
散っていく人たちのことを思うと、苦しくなります。

10th、お疲れ様でした・・。






さて、次回からは新たな戦いの始まりですね!
ついに来須と戦うことになるのか、それとも別の所有者が現れるのかー
気になるところです。

また、交際宣言をしてしまった雪輝。
その波紋は、雪輝と由乃の関係をどう変えていくのでしょうか。


次回も楽しみです☆