前回、兄弟の絆を取り戻し、錬金術の師匠の元へと旅立つことにしたエドとアル。
ウインリィも同する、彼らの旅はどんな景色を見せてくれるのでしょうか。

一方、内乱の情報からある重要な真実にたどり着いてしまったヒューズ。
秘密を知った彼は、ラストとエンヴィーによって殺されてしまいます・・。

急転直下!マスタングたち軍の人間は、この事態にどう動くのでしょうか?!

感想です☆





第16話~ 「それぞれの行く先」





※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

汽車の中、ウインリィはエドたちに、なぜ急に師匠の元を訪れようと考えたのかを尋ねた。
エドが、理由は2つあると語る。

1つは、最近負けてばかりなので、とにかく強くなりたいと思ったこと。
2つ目は、師匠に人体錬成について訊きたいからだった。

2人は師匠の元で錬金術を学んだものの、人体錬成や賢者の石について聞いたことはなかった。
賢者の石の正体が色々と明らかになる中で、彼らはいっそ師匠にストレートに元の体に戻る方法を知らないか聞いてみようと考えたのだ。

だがそう言いながらも、2人は師匠に怒られることを考えて憂鬱になった。
その落ち込む様子を見たウインリィは、そうだ、と荷物からあるものを取り出した。

それは、ヒューズの妻グレイシアが持たせてくれたアップルパイだった。
アルは食べられないので、エドとウインリィが早速口にする。
その甘くて温かい味わいに、2人はうっとりする。

ヒューズもグレイシアもエリシアも、皆良い人だったー。
ウインリィは彼らの家に泊めてもらったときのことを思い出し、ほほ笑む。
エドもまた、忙しいのに見舞いに顔を出してくれたヒューズに感謝し、中央に戻ったら何か礼がしたいなーとうなづくのだった。


その頃ー
中央では、軍によるヒューズの葬儀が執り行われていた。

彼らがヒューズの入った棺を土に埋めていく様を見たエリシアは、グレイシアにどうして父親を埋めてしまうのかーと問いかける。
いやだよ、埋めたら仕事ができなくなっちゃうよ・・。
まだ死を理解できないながらも不安を訴えるエリシアに、グレイシアの瞳にも涙が浮かんでいくー。

その姿を目の端に捕らえながら、軍の人間たちもまた涙した。
大切な仲間を喪った彼らの傷は、皆一様に深いのだった・・。

その後マスタングは、ヒューズの墓の前に立った。
殉職で2階級特進した友の墓を前に、自分を下で支えると言ったのは誰だ・・と彼は1人呟く。

そこへホークアイが、様子を見に来た。
彼女に気付いたマスタングは、錬金術師とは嫌な生き物だーと話す。

彼の頭は、今必死に人体錬成の理論を組み立てていた。
エルリック兄弟が母親を錬成しようとした気持ちが、よく分かる・・。
そう語るマスタングに、ホークアイは大丈夫か・・?と顔を覗き込む。

するとマスタングは、雨が降ってきたようだーと帽子を深く下げた。
雨など、降ってはいない・・。
ホークアイはそう思ったが、ふとマスタングの頬を一筋の涙が伝うのを見て口を閉ざした。

彼の気持ちを痛いほど理解したホークアイは、冷えるから戻ろう・・とうつむく背中に声をかけるのだった。


それからのマスタングは、まずはヒューズの足取りを追った。
急に思い立ち、資料室へ向かったヒューズ。
その資料室には、彼が何者かと争った形跡を示す血痕と、荒れた部屋があった。

その後ヒューズは怪我を負いながらも、受付で電話をしようとしたらしい。
だが結局どこへもかけずに出かけてしまった・・。
部下の女性は、そう証言して涙を流した。

ヒューズが向かった先は、外の公衆電話だった。
所内で通信できたのに、わざわざ外に出て自分に連絡を取ろうとした・・?

更に東方司令部の電話交換手は、彼が「軍がヤバい」と言っていた・・との証言をしている。
何だ?ヒューズは何を伝えたかった?
マスタングはヒューズの軌跡を追い、考え込むー。

そこに、ホークアイがアームストロングを連れてやってきた。
彼はマスタングに、ヒューズを殺した者たちの目星はついているが、その正体が分からないのだーと不可解な言を述べる。

どういうことだ?
マスタングが問いただしても、アームストロングはそれ以上は語れない・・と口を噤む。
大佐である自分にも言えないのか?
マスタングは苛立ってそう問うが、それでもアームストロングは言えないーと頑なだった。

ーそこでこれ以上証言を期待できないと感じたマスタングは、彼を解放することにする。
するとアームストロングは背を向けながらも、言い忘れたことがあるーと口を開いた。

数日前まで、エルリック兄弟が中央にいたー。

アームストロングの言葉に、マスタングは眉を動かす。
・・彼らの探し物は見つかったのか?
マスタングがそう尋ねると、アームストロングは首を振る。
それだけで、マスタングには十分だったー

ー2人のやりとりを不思議がるホークアイに、マスタングは説明してみせた。
ヒューズを殺害したと思われる者たちーつまり、相手は複数だ。組織で動いているのかもしれない。
次に大佐にすら口を割ることはできないというのは、もっと上の者に口止めされているということ。
軍上層部が絡んでいるとみていいだろうー彼はそう言って、目を細める。

更にアームストロングの口から、エルリック兄弟の名が出たー。
これは、ヒューズの死に賢者の石が関わっているという示唆だ・・。
これらを聞いたホークアイは、考え込んだ。

軍上層部に関わる組織と賢者の石、そしてその2つとヒューズの関係ー
2人にはさっぱりそのつながりが分からない。

だが、このままで済むものかー。
マスタングは鋭い瞳でそう呟き、早晩自分が中央に召喚されることをホークアイに明かした。

この人事異動は、渡りに船だ。
彼は上層部を探り、必ずヒューズを殺した奴をいぶりだしてやるーと闘志を燃やす。

公も私もない。大総統の地位をもらうのもヒューズの仇を討つのも、全て自分個人の意志だー!
マスタングはそう語ると、上層部に食らいつくがついてくるか?とホークアイに問うた。
ホークアイは一笑し、何を今更ーと彼に付き従うことを表明するのだった。


同じ頃ー
スカーは、夢の中をさまよっていた。

彼は懐かしいいイシュヴァ―ルの匂いを感じ、ここはどこだ・・?と周囲を見回す。
兄者、師父・・皆どこにいるのだ・・。
スカーは夢と現実の区別がつかず、砂の中をさまよい歩く・・。

その時ー彼は人影に気付き、目を見開いた。
黒髪の長髪を後ろにまとめ、スカーを悠然と見下ろす1人の男ー
その邪悪な雰囲気に、スカーは何者だ・・?と男に尋ねた。

すると男は笑みを浮かべ、挨拶が遅れたーと両手を広げた。
その手には、錬成陣が刻みこまれている。
彼はそれをスカーに見せつけながら、名乗った。

私はこの地区の殲滅を担当する、国家錬金術師ですー

その瞬間、夢の場面は変わった。
グラトニー、そしてラストと戦ったときの光景が鮮やかに思い出され、彼は自分が戦いに傷つき倒れたのだ、ということを思い出す。

そうだ、グラトニーの攻撃はかわしたが、そこにラストがやってきて、自分はそのかぎ爪から逃れようと・・。
スカーは思い出す。
攻撃を逃れるため、手を伸ばし壁を破壊したことを。
それから、自分は・・

ーその時、スカーははっと目を覚ました。
気が付くと、彼は布団に寝かされていた。
小屋のようなプレハブの中にいることを彼が確認すると、そこに1人の少年が入ってきた。

少年はスカーが目を覚ましたことに気付くと、ここはイーストシティのはずれにある貧民街だ、と教えた。
自分は助けられたのか・・。
スカーが呟くと、少年は笑顔でうなづく。
彼はスカーが下水道を流れてくるのを発見し、この小屋で介抱したのだ。

事情を聞いたスカーは、改めてボロボロの小屋を眺める。
その視線に気づいた少年は、こんなボロ屋に住んでいるのに人を助けたのには訳があるーと話した。

彼は、スカーがイシュヴァ―ル人だと気づいていた。
そして自分の母親もイシュヴァ―ル人なのだ、と明かしたのだ。
その事実に、スカーは目を見開く。

少年はその後、近くに住む老人を呼んだ。
小屋に入ってきた老人もまた、イシュヴァ―ル人だった。
彼らはスカーが軍のお尋ね者だと知りながらも、身内だから売ったりはしないーとおおらかに笑う。

更に小屋には、次々にイシュヴァ―ル人が顔を見せた。
こんなに生き残りがいたのか・・。
驚くスカーに、老人は各地に生き残りはいて、皆元気にしているよーと話した。

それを聞いたスカーはほっとし、世話になる・・と笑みを見せた。
彼は起き上がろうとしたが、全身に激痛が走りまともに動けなかった。
死にかけたのだから当たり前だ、と少年は呆れたように息をつく。

するとスカーは少年に、自分の右腕はちゃんとついているか?と尋ねた。
少年はうなづき、四肢は無事だ、と布団の中を確認する。

でもすごいな、おじさんの右腕ー
少年は改めてスカーの体を見回し、その腕の入れ墨をしげしげと見つめる。

スカーの右腕には、錬成陣が刻まれていた。
その腕を見上げながら、スカーはああ・・と答える。
これは家族にもらった大切なものだー。

彼はそう一言言い、それ以上詳しくは語らなかったのだった。




















それぞれの決意


今回はエドたち、マスタング、そしてスカーがそれぞれの境遇を認識し、新たな道を模索し始める話でした。
いよいよ物語が本格的に動きそうな予感がしますね!今までが序章だったのかな。


エドたちは、師匠の元へ。
本当、どれだけ怖い師匠なんだろう・・w
次回出るかな、楽しみです。

師匠ということで、情報量は豊富そう。
人体錬成や賢者の石、そして2人の体が戻る方法に少しでも近づけるといいですね!


それにしても、アルって眠れないし食事もできないし・・。改めてそういうシーンを目の当たりにすると、胸がきゅっとしますね。
仕方ないとはいえあの姿を間近で見ていたら、そりゃぁ早く元の体に戻してあげたいってなるよね。

今回のアップルパイはグレイシアが作ったものだけど、作り方を聞くとウインリィが言っているので、アルが元の体に戻った暁には、是非作ってあげほしいですね。
早く皆が幸せになれる姿、見たいものですー。





さて、続いてはマスタング。
やっぱり親友の死は相当堪えたようですね・・。雨だと言って、こっそり涙を流す姿・・泣けました。

2人で正しい姿の軍を目指して、上に行こうと話してましたもんね。
マスタングが大総統を狙い、ヒューズがそれを支えるー
その夢が断たれた。しかも何者かに殺されて・・。
到底割り切ることなど、できないでしょう。

うーん、やっぱり今後のマスタングが心配になりますね。
ホークアイとの会話からも復讐に燃えているのが感じられます・・。

これが親友を失ったショックから来る一時の感情の昂ぶりならいいのですが、ずっと復讐に囚われてしまうとマズいでしょう。
本来の、国を良いものにしたい、正義を守りたいという意志から外れてしまうと、ゆくゆくは彼の良さも奪われることとなりかねません。
今慕っている仲間たちだって、離れていくやもしれないのです・・。

どうかそんなことにならないように、時間はかかると思いますが、マスタングには自分を見失わないでほしいですね。
更に不安なのは、彼のヒューズへの気持ちに敵がつけいってこないかということ・・。
敵はかなり狡猾だし組織的なので、足元をすくわれるようなことがないように願いたいと思います。

ホークアイやハボックたち、マスタングを下で支える部下たちが支えになってくれると信じています。
中央に行くのも、すぐなのかな?
マスタングの目指す道には苦難も敵も多そうですが、応援していきたいと改めて感じました。





最後に、スカーについて。
久しぶりの彼。かなりの重傷でしたが、生きていたので安心しました。

しかも拾われた先が、イシュヴァ―ル人の隠れ家!これはかなり嬉しかったことでしょう。
初めてスカーの表情が緩むところも見れて、なんだかほっこりしました。
彼だって、本当は温かみのある人間だったのでしょうね。

生き残ったイシュヴァ―ルの人たちも、貧しいながらも力を合わせ楽しく暮らしているようで良かったです。
いつか軍の上層部や敵の目論見が明らかとなり、彼らの地位も向上するといいですね。
恐らくイシュヴァ―ルの戦いには、なんらかの裏があったはず・・。
そこが明らかになり、イシュヴァ―ル人の名誉が回復することを祈っています。


で、今回スカーの夢や会話などで明らかとなったことー。
まず、キンブリーと因縁があったということですね。

爆弾狂のキンブリー。
彼がイシュヴァ―ル戦に関わっていたことは以前ちらっと描かれていましたが、やっぱりスカーと関係ありましたね。

キンブリーの口調から察するに、彼は最前線にいて、殺戮を楽しんでいた様子・・。
ということは、キンブリーは軍の人間なのかな?国家錬金術師のようだし。

軍も大変な人物を所属させていたのですね。どう考えても、殺人を楽しむなんて頭おかしい・・。
今投獄されているのも、彼が人を殺しすぎたとかが理由なのでしょうか。。
うーん、どう考えてもヤバい匂いしかしない。

で、これは予想ですが・・彼、敵の組織の一味だったのではないでしょうか。
イシュヴァ―ル戦が敵の一味に仕組まれて起きた戦争だというのは、ヒューズが何か気付いたことからも恐らく確実でしょう。
であれば、それを煽動する軍の人間が必要だったはず。
キンブリーは、その中の1人だったのではないかと思うのです。

彼の殺人を楽しむような態度、敵にとってはまさに計画の遂行にうってつけだったはずです。
キンブリーも、喜んで案を引き受けそうだし・・。
どうもきな臭いんですよねぇ。。

恐らくキンブリーはいずれ脱獄なり、出所なりしてくるのでしょう。
そしてこの物語に関わってくるのでしょうね・・。スカーとの因縁があるので、戦う運命も免れないでしょうし。

話の展開が早いのでうっかり忘れそうになってしまいますが、キンブリーのことも注視していこうと思います!



後は、スカーの兄の件。
スカーには兄がいたのですね。恐らく家族は皆死んでしまったのでしょう・・。
彼も本当に気の毒な人です。

その兄が残したという錬成陣。
ということは、お兄さんも錬金術師だったのかな?
スカーが錬金術を使えるのも、エドたち同様兄弟で錬金術師だったからなのかもしれないですね!

で、お兄さんが残した錬成陣は、一体何の錬成陣なのでしょうね。
わざわざ体に刻み込むということは、かなり重要な錬成陣であることは間違いないです。

もしかして、賢者の石関連かも・・?
お兄さんが既に殺されていることを考えると、何か敵側に不都合があったから殺された・・という線も否定できないですね。
この辺も、因縁がありそう。気にしていったほうが良さげですね。

スカーが抱えているものは、想像以上に大きいもののようです。
イシュヴァ―ル人の生き残りたちが悲しみを乗り越えて生きようとしている中、復讐?に燃えて殺人を繰り返す彼・・。
それほどまでに彼を動かすものは、一体何なのでしょうね。

スカーのこれからの道も、物語の本筋に大きく影響するのでしょう。
今回はエドたち、マスタングたち、そしてスカーの行く先がそれぞれ提示され、いつかその3つの道が交差するのだということを暗示させるものでした。
これが新たな物語の始まりなのですね。

一体この3組の道が、どう絡むのかー
今後も大注目ですね!面白くなりそうな予感でいっぱいです!!










さて、次回はエドたちが師匠と再会する話でしょうか。

散々エドたちが怖がっている師匠・・w
一体どんな人物なのでしょうね。

またウインリィが2組の間を取り成すのかな?
彼女も苦労が絶えないなぁw


それぞれの道は、どんな方向に拓けていくのか非常に楽しみですね。
マスタングやスカーの新展開もあるのかな?
ワクワクしながら、待ちたいと思います!


次回も楽しみです☆