今回から、6巻です!

前回、イズミと出会ったときのことを思い返すエドとアル。
人体錬成を成功させるため錬金術師として成長したかった幼い2人は、イズミに弟子入りを志願しました。

一旦は承諾したイズミ。
しかし彼女がエドたちに課した修行は、2人の予想をはるかに超えたものでしたー!

果たして2人は無事修行を乗り越え、弟子として認めてもらえるのでしょうか?!

感想です☆





第22話~ 「仮面の男」





※以下、ネタバレあり※









◎あらすじ◎

ダブリスー
シグはエドたちのことを考えながら、あの子たちは大丈夫だろうかーと呟いた。

経験に勝る知識はない、とイズミは答える。
錬金術の基礎にして肝の部分を心身に叩き込むには、あの方法が一番いいのだーと彼女は確信していた。

これで何も学べなかったら、所詮2人はそこまでだったということ。
2人共必死だったから、これくらいの試験はパスするだろうーとイズミは予測していた。

それにここは南部だから、凍死の心配もないし、食料も豊富だから大丈夫だろうー。
イズミはそう言って、笑みを浮かべる。
それに島には、命を取られるような猛獣もいないしねー


だがその頃ー
エドとアルは、まさに猛獣相手に戦いを繰り広げていた。

いきなり襲い掛かってきた化け物は強く、2人をあっというまに吹き飛ばした。
エドとアルは応戦するも全く敵わず、とにかく逃げることに集中することにした。

木の陰に隠れて、必死に化け物が向こうへ行くのを息をこらして待つ・・。
そうしてようやく解放された2人は、顔を見合わせ大きく嘆息するのだった。

猛獣なんていないって言ったくせに、もっとヤバそうなのがいるなんて、師匠は嘘つきだ!
エドたちは憤りながらも、これからどうするかを考えた。

1ヶ月先までは、迎えも来ない・・。
とりあえず2人は、まずは食料を確保しようと決意するのだった。

だが罠を張り、念願の食料である動物を捕まえても・・
2人には、別の課題が立ちはだかった。

島にいるウサギを捕まえた彼らは、どうやって殺してさばけばいいのかーと戸惑う。
おまけにウサギの瞳は潤み、今にも放してくれと訴えているかのようだ。
エドとアルは互いを頼り合ったが、どちらも手を出せずに困惑した・・。

そうしているうちに、ウサギはキツネに横取りされて、持っていかれてしまった。
そのキツネにも子どもがいるのを見た2人は、追いかける足を止める。

どうすればいいのか・・。
彼らは動物たちに手を出すことが結局できないまま、獲物を魚に変えて湖へと向かうのだった。

ー湖では、ようやく魚が1匹捕れただけだった。
それでも2人にとってはごちそうだ。
彼らは急いで火をおこし、魚を焼いて食べようとする。

だがそこに、昨日の化け物が再び姿を現わした。
化け物はエドたちが怯んだ隙に魚を奪い、持ち去ろうとする。

それを見たエドとアルは応戦しようとするが、またも敵わず彼らは打ちのめされてしまう。
化け物はエドを木に打ち付けながら、鋭い瞳で睨んで言った。
俺の島だ、出ていけーと。

けれどもエドも、今度はそれに抗った。
今出ていったら、修行が駄目になってしまう・・。
彼は必死に抵抗するが、化け物が首根っこを掴む力はどんどん強くなっていく。

やがてエドは自分でも気づかない内に、意識を失ってしまっていたのだった・・。


それからー2日が経った。
化け物にやられた傷は、ズキズキと痛む。
エドとアルは怒りと焦燥感に苛まれながらも、絶対にあきらめないぞーという思いだけで、なんとか日々をやり過ごそうとする。

食料確保に奮闘し、襲い掛かる化け物と対峙する毎日・・。
そんな日々は、確実に2人の心を蝕んでいった・・。

ーある日、島には雨が降った。
草で作った雨除けに身を隠しながら、エドとアルはぼうっと雨が落ちるのをただ見つめていた。

そんな中、先に音を上げたのはアルだった。
床を殴りつける彼を見て、エドは自分たちがここで死んだらどうなるだろう・・と呟く。

それを聞いたアルは、死ぬのは嫌だ、と呻いた。
ウインリィやピナコが悲しむ。まだやりたいことだって、たくさんある・・。

彼は叫んだ。
こんなの・・錬金術と、何の関係があるんだよ!!もう嫌だ、帰りたいよ!!

ーするとそこに、化け物が現れた。
彼は2人の前に立ち、アルを殴りつけ気絶させると、エドに訴えかけた。
立て、戦え、と。戦えないのなら、出ていけーと。

その言葉に、エドは立ち上がった。
彼は極限に陥った精神の中、無我夢中でナイフを握り、そして化け物に向かった。
歯が鳴り、体中が震える・・。

それを見た化け物は、アルを手から放した。
そのまま地面に転がるアルを見て、エドの気持ちがふっと緩んだ。
彼もまたそのまま地面に倒れ、気を失ってしまうのだったー。


目覚めると、2人の下には大きな発破が敷かれていた。
その横ではセミが死んでいて、その死骸には蟻が群がっている。
エドはぼうっと、その光景を見つめた・・。

と、そこで彼は化け物が自分たちの横にいて、じっと見下ろしていることに気付いた。
化け物は、尚も言う。
立て。闘えー。

エドは彼に、殺したければ殺せ・・と答えた。
化け物は首を傾げ、死にたいのか?と問う。

死にたいか・・。
エドはそのことを考え、首を振った。
死にたくない。死にたくない。死にたくない。
その瞳から、涙がこぼれる・・。

ーその後、再び眠りにつき目覚めると、今度は化け物は魚を焼いていた。
彼は2人が起きたのに気づくと、その魚を1本ずつ分けてくれる。

驚きながらも、空腹の限界だったエドとアルは、無我夢中で魚を食べた。
目からは涙がぽろぽろこぼれ、止まらない。
そんな2人の様子を、化け物はただじっと見つめていたー。

お腹が満たされると、エドたちは魚を捕りに湖に出た。
ここで死んだらどうなるって話を、前したよなー?
エドは銛で魚を探しながら、アルに話しかける。

主観的に見れば、皆は悲しむ。だが客観的に見れば、自分たちが死んでも、この世界は何事もなかったかのように回り続ける。
そして自分たちが死ぬと、肉体だけが残るようになる。

人間の体は、いくばくかの元素の合成物でしかない。
だからしょせんはバクテリアに分解されて、植物の栄養となる運命だ。

でもその植物が草食動物を育て、草食動物は肉食動物を育てる。
世界はそうやって、循環してできているのだー。

魚を食べたことで、エドの中には何か腑に落ちたものがあった。
そうやって、自分たちは生かし生かされている・・。
彼らは魚を捕った後、罠を仕掛けた辺りに戻る。

すると罠には、子ウサギがかかっていた。
2人は眉を歪めながらも、ウサギに謝ってナイフを向ける。
そうしてー2人はウサギを殺し、その肉を食べたのだった。


それからの生活も、流れは今まで通りだった。
食料の確保に奔走し、化け物と戦う日々。
だが肚を決めた2人は次第に、その生活に順応していくようになるー。

そしてある日ー
ついにエドとアルは、理を知った。

彼らは夜空に浮かぶ満月を眺めながら、目には見えない大きな流れを感じた。
それを宇宙というのか、世界というのかは分からない・・。
でも・・
エドは空に向かって、手を伸ばす。

自分もアルも、その大きい流れの中のほんの小さな1つーつまり、全の中の一だ。
だけどその一が集まって、全が存在する。

この世は想像もつかない大きな法則に従って、流れている。
その流れを知り、分解して再構築するー

2人はうなづいた。
それが、錬金術ー!!


そして1か月後ー。
イズミは約束通り、2人を迎えに来た。

彼女は厳しい表情で尋ねる。
一は全、全は一の答えは分かったのかー?と。

そこでエドとアルは、すぐさま答えた。
全は世界、一は自分であるーと。
2人は自信満々に胸を張り、イズミの反応を待つー。

するとイズミは吹き出し、大声で笑った。
彼女はうなづき、それじゃあ本修行に移ろう、と話した。
2人は無事、試験に合格したのだー!

これからはびしびし鍛えるからね。
イズミがそう言うと、エドはにっと笑って拳を突き上げた。
この島で死線をくぐったことに比べたら、どんなことだって天国だぜ。もう怖いものなんて、無いよ!!

だがそう叫んだ途端、彼の頬にはイズミの容赦ないパンチがめり込んだ。
まだまだ怖いものはある・・。
エドは身をもって、その事実を知ったのだった・・。




















錬金術の理。


今回はエドたちが無人島での修行を通して、錬金術の基礎である理を学んだ回でした。
幼い2人には苛酷な経験でしたが、表情が見違えるほどたくましくなりましたね!
しかしイズミ、本当スパルタだわー・・。

エドたち、一時死にかけていましたからね(^^;)
化け物が助けてくれなかったら、どうなってたことか・・。

結局あの化け物はシグではなかったようだし、一体誰だったのでしょうね。
本当に先住民だった?いや、そんな偶然あるでしょうか。。
気になる。。


ただこの修行によって、エドたちは自分たちが生きる環境、そして関わる全てのものに目を向けることができました。
自分たちが錬金術で深く関わっていくことになるものですもんね。イズミが一番に知ってほしいと思ったのも、納得です。

自分たちも化合物でできた小さな個体であり、世界は全てそれらの化合物で成り立っている。
全て等しく、1つの個体から全体がなっている。すなわち、全体は1つから生まれているー。

その理を知ってからでないと、本当の意味での錬金術は使えないものなのでしょう。
万物の理を知り、それを理解し分解し再構築するー
うーん、錬金術って奥が深くて面白いですね!!

子どものエドたちにそれを気づかせるには、自然の中で極限状態で生活するのが一番だとイズミは感じたのでしょう。
どうやら彼女自身も、雪山で同じような体験を師匠にさせられたようですしね。
身をもっておすすめの修行といったところなんでしょう。自分なら絶対に嫌だけどw

エドとアルも、よく1か月も耐えましたよ。その目的が人体錬成という禁忌だったとしても、そこは本当にエラい!!
今までもいろんな苦難を乗り越えてきたことからも分かるように、2人の精神力はとても強くたくましいですね。

次回からはようやくダブリスでの本格的な修行らしく、ほっと一安心ですね。
イズミが2人にどんな修行をするのか、とっても楽しみです!


ただ少し引っかかるのが、こうやって命の大切さなどを学んだのに、結果としては人体錬成を行ってしまったということですよね・・。
まぁ2人が錬金術を学ぶ最大の理由がそこだったわけですから仕方ないのでしょうが、2人が子どもでなければ、途中で自分たちの考えの過ちに気づけたのかもしれないなーと思う訳です。

そこが非常に苦しい部分ですよね。
あの体験がなかったら、今頃2人は仲のいい兄弟としてそこそこ平和な人生を歩んでいたのかもしれないのに・・。
どうしてもそう考えてしまうのです。

イズミも全てを聞いたらきっと苦しむし、見抜けなかった自分を責めもするだろうな。
もっと向き合ってあげればよかった・・とか、絶対考えちゃいますよ。イズミとエドたちの関係って師弟というのもあるけど、親子みたいだし。。

誰が悪いというものではないけれど、何かが違っていたら今が違っていたんではないか・・という思いは、拭えませんね。
まぁ人生なんて、えてしてそういうものなのかもしれませんが・・。
なんだかすごく切ない・・。

幼いエドとアルが奮闘している姿を見ると、どうしても彼らに幸せになってほしいと願ってしまいますね。
まだしばらく回想は続くようなので、今だけでもかわいらしい2人の姿を堪能したいと思います。









さて、次回はイズミの元で本格的な修行が始まる回ですね。
きっとこの世の理を知ったエドとアルは、瞬く間に錬金術の才能を伸ばしていってくれるのでしょう。

そしてそれと同時に、近づく運命の日・・。
エドはその日に、一体何を見たのでしょうかー?!


次回も楽しみです☆