前回、無事に錬金術の理を知り、イズミの修行を乗り越えたエドとアル。
2人は正式に弟子として認められ、イズミのもとで錬金術を学ぶこととなります。

人体錬成のためー
その目的を隠したまま、2人はどんな成長を遂げるのでしょうか?!

感想です☆





第24話~ 「叩け 天国の扉」





※以下、ネタバレあり※









◎あらすじ◎

リゼンブール。
汽車が駅に着くと、エドとアルは一斉に飛び出した。

ダブリスに行っていたはずでは・・。
駅員たちは目を見張るが、2人は修行を終えて帰ってきたのだ、と胸を張る。

ダブリスに行って、まだたったの半年・・。
追い出されてきたのではないのか?
町の人たちは、そう首を傾げるのだった。

ーだが2人の表情は、半年前から見違えるようにたくましくなっていた。
おまけに彼らはものすごい量の食事をたいらげるようになっていた。
帰ってきて早速食事にありつくエドたちを眺めながら、ウインリィとピナコは呆気に取られる。

だがウインリィが質問をすると、2人の動きはぴたっと止まった。
修行はどうだったの?
そう訊かれたエドとアルは、途端にブルブルと震え出す。

・・どうやら言えないような話らしい。
ウインリィたちが慌てて取り成していると、そこに村の子どもがやってきた。
彼は父親に頼まれて、エドたちを呼びにきたのだ。

なんでも羊小屋が大風で壊れてしまったらしい・・。
現場に出向いたエドたちは、早速被害を確かめた。

その様子を見ていた父親と母親は、さすがにこんな大きいものを直すのは無理か・・?と首をひねる。
だがエドとアルは小屋の周りにあっというまに錬成陣を記すと、たちまちのうちに小屋を復元してしまった。
彼らの修行の成果に、周りの人間は皆驚き、歓声をあげる。

それでも師匠には到底及ばない・・と2人は苦笑する。
2人の師匠イズミは、錬成陣なしで両手を合わせるだけで錬成できるのだ。
彼らはそう語りながら、厳しい修行を思い出すのだったー。


ー錬成陣の基本は、円の力。
イズミは錬金術の解説を行いながら、同時にエドとアルの攻撃を受け止めた。

円は力の循環を示し、そこに構築式を描くことで、力の発動が可能になる。
力の流れと法則を知ることで、あらゆる事に対応できるー
2人はイズミに全力でぶつかっていくが、イズミはそれをものともしない。

彼女はいとも簡単にエドたちを捉えると、わずかの力でひょいっと攻撃を受け流してしまう。
相手の力の流れを知り、それを利用して相手に返すのもすなわち力の循環だ。
2人は毎回ボロボロになるまで、イズミに負けてしまうのだった。

イズミの修行は厳しくも、温かいものだった。
傷の手当をする時も、彼女はよく2人に錬金術を解説してくれた。

流れを理解した上で、創造する者ーそれが錬金術師だ。
世の中は常に大きな流れに従って流れている。人が死ぬのも生まれるのも、その流れのうち。
だから人を生き返らせようなんてことはしてはいけないー
彼女は厳しい表情で、そう語ったものだった。

ある日、ふとアルは疑問を感じてイズミに尋ねた。
先生は手のひらを合わせただけで、錬成できますよね?
両手で輪を作るのが、円を表しているのは分かる。でもそれなら、構築式はどこにー?

そう訊かれたイズミは、自分自身が構築式のようなものなのだ・・と答えた。
2人にはその意味がさっぱり分からなかったが、イズミはそれ以上は語らなかった。
真理にたどり着けば、できるようになるかもね・・。
ただそれだけ、彼女は呟いたのだったー。

ーリゼンブールに戻ってからも、エドとアルはその言葉の意味を考え続けた。
だが全く答えは出ず、2人には両手で錬成を行うことはできなかった。
真理には自分の力で地道にたどり着かなければならないってことだよー。
唸るエドに、アルは苦笑しながら話す。

地道、か・・。
エドは考え、もう一度人体錬成の理論を組み立ててみよう、と決意する。
2人は共に机を囲みながらも、早く母親に会いたい・・と願うのだった。


その後、毎日は何の問題もなく過ぎていった。
冬が去り、春を超え、夏が過ぎ・・その間もエドとアルは、錬金術の鍛錬を怠らなかった。
そして秋に近くなったある日ーエドはついに、人体錬成の錬成陣を組むのに成功する。

彼らは早速、必要なものを集め始めた。
水、炭素、アンモニア、石灰など・・。
2人はそれを納屋に隠し、来たる日に備える。

母さんに会ったら、最初になんて言おうー。
そう悩むアルに、エドは笑顔で返す。
そんなのもちろん、師匠には黙っといてーだ!

ーそして、ついにその日が来た。
大人1人分の体を構築する元素、構築式。
それからエドとアルの魂の情報として、彼らは自分の指から血液を採取する。

彼らはそれらを全て錬成陣の真ん中に配置すると、早速錬成に取り掛かった。
2人同時に錬成陣に力をこめ、錬成を始めるー

すると錬成陣が、光を放った。
エドとアルは錬成が始まったことに表情を明るくしたが、すぐに異変を感じ眉をひそめた。

何か・・空気の動きが変なのだ。
2人は互いに顔を見合わせ、不安を口にする。
まるで暗い何かに囲まれているようだ・・。

その時ーアルが悲鳴をあげた。
見ると、彼の腕に黒い何かがまとわりついたのだ。

その黒いものは、アルの体を引きずろうとする。
エドは泣き叫ぶアルに手を伸ばすが、彼もまた体に衝撃を感じた。
足が、チリチリと変形しようとしているのだ・・。
それを見たエドは、息を呑む。

リバウンドだー!!

いつのまにか、2人の体は黒いものに取りつかれていた。
その黒いものは、エドとアルを引き離そうと別々の方向に2人を引っ張る。
エドとアルは互いに手を伸ばしたが、その手は離れていってしまうのだったー。

そしてーエドは気が付くと、大きな扉の前にいた。
そこには彼1人で、アルの姿はなかった。
自分は何をしていたんだっけ?
エドは1人周囲を見回し、扉を眺める・・。

するとその扉から人の声がして、エドは驚いた。
よお。
そう声をかけてきた謎の人物は、自分は目の前にいるーとエドに語り掛ける。

気付くと、確かに1人の人物が前にいた。
だがその人物はシルエットがあやふやで、容姿もよく見えない。
エドがやっとの思いで、誰・・?と問うと、その人物は笑った。

俺はお前たちが世界と呼ぶ存在だ。
彼は、そう話した。
あるいは宇宙、あるいは神、あるいは真理、あるいは全、あるいは一。

そしてー
彼はエドに向かって、指を向ける。
俺はお前だー。

その言葉と同時に、エドの背後で大きな扉が開いた。
ようこそ、身の程知らずのバカ野郎。
扉の中からは大きな瞳が覗いていた。その横から、わらわらとさっきと同じ黒いものがエドに向かって伸びてくる。

そしてエドは黒いものに体を掴まれ、扉の中へと引きずられて行った。
余りの恐怖に悲鳴をあげるエドに、「彼」はお前が欲しがったものじゃないかーと息をつく。

真理を見せてやるよー。
彼のその言葉と共に、エドは扉の中に入り込む。
そして・・扉は固く閉じられてしまうのだった。


ーなんだこれは。
エドは扉の中で、ただただ目を見張った。

扉の中は様々な知識であふれていた。
その知識の渦の中で、エドは自分の体が壊れていくのを感じ、震えた。

やめろ!頭が割れる!
分解される。いやだ。やめてくれーーーーー!!!

彼は必死にもがき、手を伸ばした。
その時ーふとエドは、何か頭にひらめきを感じて衝撃を感じた。
これは・・これは・・
彼はその何かに向けて、無我夢中で手を伸ばすー

だがそこで、扉は閉じられた。
いつのまにかエドは扉の外にいて、さっきの「彼」がまた横にいた。
エドはまだ手を伸ばしながら、掴めなかったものを思い、呼吸を荒くした。

そんな彼に「彼」は、どうだった?と尋ねた。
・・ものすごい情報の量を脳に直接ぶちこまれたみたいで、頭がガンガンする・・。
そう答えながらも、エドは感じていた。
自分が、唐突に理解したことを・・。

彼は扉を見つめ、確信した。
これがー真理だ!!

扉の中には、真理があった。
自分たちの人体錬成理論は間違ってはいなかった。だが、この先にはその真理があった。
エドは興奮しながら、もう一度真理を見せてほしい、と「彼」に懇願した。

だが「彼」は、駄目だね、と首を振った。
これだけの通行料だと、ここまでしか見せられないー。
そう返す「彼」は、エドの通行料はそれだーと指で示した。

そこで、エドははっと気が付いた。
自分の左足が、無くなっていることにー。
驚愕し言葉を失うエドに、「彼」は迫り、にっと笑うー。

等価交換、だろ?なぁ、錬金術師ー。

その瞬間激しい痛みを認識し、エドは意識を取り戻した。
彼は納屋の中で足を失った痛みにのたうち回り、アルの姿がないことに愕然とする。

こんなことがあってたまるか・・。
彼は痛みに体を引きずりながら、必死に助けを求めた。
助けて。誰か・・母さん・・!!

ーその時、エドは思い出して錬成陣に目をやった。
そうだ、母さんはどうなった?!
一縷の望みにすがり、エドは近づいた。
だが・・彼の目に映ったものは、地獄だった。

錬成陣の上にいたのは、およそ人間とは思えない化け物だったのだー。

エドは余りのことに、後ずさりして首を何度も振った。
嘘だ。違う・・。
彼は何度も現実を否定しようともがき、涙を流した。

だが・・いくら泣いても、目の前の光景は変わらなかった。
エドは吐き気を催し嘔吐する。
そして幾分すっきりすると、体を震わした。

こんなのを望んだんじゃない。でもアルのことも、全部自分のせいだ・・。
彼の中には、自身への怒りも燃え滾っていた。
どうにかしてやる・・。
エドは足の傷の止血をすると、手についた血で錬成陣を記した。

返せよ、弟なんだよ・・。
痛みで朦朧とする意識の中で、エドは力を振り絞って錬成陣を完成させた。
そしてー彼は渾身の力で、錬成を始めた。

足だろうが、両腕だろうが、心臓だろうがくれてやる。
だから返せよ!たった1人の弟なんだよーーーー!!!
そう叫ぶと、エドは両手を合わせたー

ー気が付くと、彼はまた「彼」の前にいた。
再び戻ってきたエドを見た「彼」は、ため息をつき言った。
バカだな。また来たのかー。




















運命の日。

今回はエドとアルが人体錬成を行い、その体を持っていかれた回でした。
物語の始まりともなる、その日を描いた回・・。
後半の絶望感が酷すぎて、涙が出ました。
エドの恐怖を思うと、もう・・。

あんな幼い子が経験する類のものじゃないですよ。トラウマすぎる・・。
特に母親じゃないものが錬成陣の上にいたとき、そしてアルの姿がなかったとき・・。
どれだけ怖かったし、絶望したのでしょう。
これは・・かなり衝撃だった・・。
夢に出そう。

禁忌を犯すことは、ここまでの罰を受ける行為なのかーと呆然としてしまいました。
アルが取り戻せたのは本当に良かったけど、そりゃこれだけのことがあればエドは自分を責めるよなぁ・・と腑に落ちた感じもありました。

等価交換、怖い・・。
これは体を取り戻すのも、並大抵のことでは無理そうですねぇ。
絶対に何かを引き換えにしないといけないということだもんなぁ。2人は何を引き換えにするつもりなんでしょうか・・。

特にアルの魂を取り戻すのは、何を引き換えにすればいいのか分からないほど代償が大きいように予想されます。
そのために2人は賢者の石を求めていたんだろうけど、その賢者の石も人の命を代償にしたものだったからなぁ。
詰んでる感、半端ないですね・・。

唯一の光明は、エドが一度真理にたどり着いていることでしょうか。
その真理の中に、きっと答えは隠れているでしょうからね。
イズミと協力すれば、解明に関してはそこまで難しくはないのかも。

エドとアルの人体錬成は失敗した訳ですが、真理を知った状態で行うとまた違うかもしれないですしね。
等価交換の法則をどうするかはまだ解決できないですが、錬成に関しては次は完璧にできる可能性は大きいかなと感じます。

でも試してみることができないのが、難しいところ・・。
うーん、何か良い方法があるといいのですけどね。この先の展開に期待、というところでしょうか・・。


後気になるのは、アルは真理を見ていないということ。
まぁ初めは彼の全てを持っていかれたから、気を失っていたのだとは思いますが・・果たして本当にそうなのかな?

記憶の混乱が起きているという可能性はないのでしょうか。
エドだけが真理を見たというよりは、アルも見たけど覚えていないの方が整合性が取れるような感じがするのですが。。

アルに何が起きたのかは、本人の話を聞かないことには分からないですね。
その辺にも、この過去編で触れてくれることを期待します。



で、人体錬成ですが・・半年の修行でそこまで至るなんて本当この兄弟は天才ですよ!
イズミの教え方が上手いこともあるのでしょうが、錬金術の理論をここまでしっかり理解できるのは2人の元々の特性だと思います。
後は母親への思いが強かったのでしょうね。

イズミに強く言われていたのにも関わらず人体錬成を進めたことは残念に感じますが、それだけ彼らが母親を欲していたというのも事実だから怒る気にはなれないんですよね・・。
幼いんだもん。母親に側にいてほしいに決まってるよ。。

父親がいたら、話は違っていたのかもしれません。
でもそれを言っても、彼らの境遇は変わらないんですよね。

またイズミともっと付き合いが長ければ、イズミは彼らの母親代わりになったかもしれません。
でもたった半年、修行という名目での付き合い・・。
そこまでの関係には、至らなかったのでしょう。

イズミも2人を大切に扱っているのは、随所に伝わってくるんですけどね。
厳しいし言うことも怖いけど、ちゃんと食事を用意したり傷の手当をしてくれてるし・・。

その辺2人にも伝わっていたとは思いますが、母親への思いのほうが勝ってしまったのでしょうね。
結果的にはエドとアルにとっても、イズミにとっても辛い未来が待っていた訳ですが・・誰が彼らの思いを責められるでしょうか。

何かが違えば、未来は違ったと思います。
でもそうならなかったのだから、今は事実を認めてこの先どうするかを模索すべき時なのでしょう。
イズミが2人の過去を全て聞いたとき、どんな判断を下し、2人にどう接するのか・・
見守りたいですね。

人はできるかもしれないという可能性があれば、それを求めてしまうんだな。。というのがよく伝わってきた回でした。


 






さて、次回は人体錬成に失敗した後の2人の回想でしょうか。
自分の体を犠牲に、アルの魂を取り戻したエド。
しかしその代償はあまりに大きく、彼らの体はオートメイルと鎧の姿に変化を余儀なくされました。

それらの事実を知ったとき、イズミは何を語るのでしょうかー?!


次回も楽しみです☆