今回から、7巻です!

前回、謎の男の接触を受けたエドとアル。
その男は、黒づくめの組織と関りがあるようで・・。
今度の彼らの目的は一体?!

一方、中央勤務に異動となったマスタング。
優秀な部下を連れ、彼はこのまま軍の上層部に切り込んでいくのでしょうかー。

感想です☆   





第26話~ 「主の元へ」




※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

ダブリスでの生活は、続いた。
イズミは主治医に記憶の取り戻し方を尋ねたり、エドとアルも鍛錬に励みながらも知識を蓄えていった。
そんな最中、エドはある重大な事実に気付くー。

なんと彼は、今年の査定を受けるのを忘れていたのだ。
国家錬金術師は年に1回査定を受ける義務があり、受けないと資格がはく奪されてしまうのだ。
とりあえず、急いで軍に顔を出さなければー
エドは慌てて荷物を詰め込むと、一番近い南方司令部に向かうことに決める。

そうして彼はアルを残し、1人南方へと向かうのだった。


同刻ー
スカーは、リハビリを行っていた。

床からも起き上がれるようになり、彼の怪我は順調に回復していた。
そんな彼の元に、1人の男性が訪ねてくるー。

それは、スカーの師父だった。
生きていたのか・・!
スカーは驚き、感嘆する。

なんでも師父は戦火を逃れ、南の山間部の寺院に身を潜めていたらしい。
だがその南部も、最近軍人の動きが慌ただしくなってきているという。
師父は混乱に巻き込まれないように東に逃げてきた際に、スカーの噂を聞きつけ立ち寄ったのだった。

彼はスカーに向き合うと、国家錬金術師を殺して回っているそうだなーと尋ねた。
スカーはその問いに、うつむく。
師父は彼を見つめ続けたまま、気持ちは分かるが・・と語り始めた。

だがお前のしていることは、八つ当たりに近い復讐だ。
復讐は、新たな復讐の芽を育てる。そんな不毛な循環は、早々に断ち切らねばならないのだ。
耐えねばならないのだよー。
彼はそう、スカーに説いて聞かせる。

だがその時ー柄の悪い男たちが、彼らのいる住居に侵入してきた。
男たちの目的は、御尋ね者となっているスカーらしい。
大怪我して動けない賞金首がいると聞いて来たー
彼らがそう笑うのを聞いたイシュヴァ―ル人たちは、血相を変えた。

一体仲間の誰がそんなことを・・?!
一行は周囲を見回し、はっと1人の男に目をやる。
そこにはーヨキがいた。

彼は落ちぶれて行く宛てがないところを、イシュヴァ―ル人たちに助けられていた。
それなのに、恩を仇で返すようなことを・・!!
皆に囲まれたヨキは汗をかきながらも、叫んだ。

うるさい、敗北者共め!
自分は賞金の分け前を元に、またのし上がってやるんだーーー!!

ーそれを聞いたスカーは、住居から出た。
おれがいては、迷惑になるようだ・・。
そう静かに語るスカーに、男たちは聞き訳が良い奴だーと手を伸ばす。

だがその瞬間、男の手が吹き飛んだ。
けたたましい悲鳴が場に響き、もう1人の男も驚きスカーに詰め寄る。

彼はスカーに向けて、拳を振り上げた。
しかしその前に、スカーは男の顔を掴み、その腕に力をこめる。

神に祈る間をやろうー。
彼はそう呟くと、拳に力をこめた。
男の顔がぐしゃっとつぶれ、絶命していくー。

その光景を、イシュヴァ―ル人たちはただ黙って見ていた。
スカーは一行を見やると、残った男とヨキに向かっていく。

男もヨキも、スカーの業を見て激しく震えていた。
悪かった、助けてくれ。
そう謝り続ける男たちをスカーは見つめーその足元に落ちている自身のサングラスを拾い上げた。

それを見た師父は、行くのか・・とスカーに問うた。
兄が悲しむぞ。
そう話す師父に背を向け、スカーは一言答える。

もう後戻りは出来ぬのですー。
それだけ言うと、彼は世話になった集落を1人離れるのだった。


その頃ー
アルは1人、イズミのおつかいに行こうとしていた。

肉屋を出た彼は、ふと頭上から落ちてきたゴミに気付く。
それは紙を丸めたゴミだった。
ポイ捨てなんて、誰が・・
彼はそのゴミを拾い、広げてみる・・

するとその中身を見たアルは、動きを止めた。
彼はそのまま、ある場所へと向かうのだったー。

ーアルが向かった先は、街はずれの寂れた地域だった。
彼が1人でやってきたのを認めた黒づくめの男の仲間たちは、3人がかりでアルを囲むように飛び出した。

男2人と女1人ー
アルは3人を見回すと、拾ったゴミを手に掲げる。

そこには「お前の秘密を知っている。西の工場跡地に来い」と記されていた。
自分も、自分の秘密を知りたいと思っていたんだ・・。
アルがそう言うと、巨体の男が一歩前に出た。

ならば話は簡単だ。我々についてこい。
それを聞いたアルは、でも知らない人についていったら駄目だし・・と迷いを見せる・・

振りをして、アルはいきなりもう1人の男に蹴りかかった。
突然の反抗に他の2人は眉を上げ、アルを睨む。
そんな彼らに、アルは言った。

自分はおじさんたちを踏ん縛って、秘密とやらを訊くことにしたよー。

それを聞いた巨体の男は、手に武器を取る。
・・結局は力づくかー。
そうして2人は、互いに睨み合ったー。

まず動いたのは、アルだった。
来るか・・。
男は構え、アルの間合いを読む。

だが男の予想とは裏腹に、アルは彼らの横をすり抜けて猛ダッシュで逃げ出した。
男たちは意表を突かれながらも、急いで彼の後を追うのだった。


アルは一目散に、町の方へ向かって駆けた。
男たちは彼を追いながらも、自分たちの方が優勢だ・・と笑みを浮かべる。

自分たちの方が、この地については詳しい。
奴はどうせその内、袋小路にハマるだろう・・。
彼らはそう考え、余裕をもってアルを追う。

がーすぐに彼らは、自分たちの目論見が外れていることに気付く。
アルが、なぜかスイスイと抜け道を通っていくのだ。

それもそのはず、アルは修行中に何度もこの辺りでエドと鬼ごっこをしていたのだ。
彼は入り組んだ道を使って、どんどん距離を離していく・・。

ーそこで、男たちはアルの目的に気付いた。
アルは魂だけの鎧の体だ。だから彼には疲労感というものがない。
アルは逃げ回るだけ逃げ回って、自分たちを疲れさせてから仕留めようと考えているのだー!

それに気づいた男たちは、急加速した。
アルに蹴られた男ードルチェットと、ショートカットの女ーマーテルが先に行き、足止めすることにする。
巨体の男ーロアはそのままアルを追うことにし、彼らは協力して策を仕掛けるのだった。

一方ー3人を撒いたアルは、この後どうしよう・・と考えた。
自分も錬成陣を引かずに、ぱっと錬成ができやら良かったのだけど・・。
そんなことを思案していた彼は、はっと頭上に目をやる。

見ると、巨大な鉄柱が真っすぐに落ちてこようとしている。
そしてその間から、ドルチェットが顔を見せたー。

ドルチェットは持っていた剣でその鉄柱をぶった斬ると、アルにも剣を向けた。
だが峰打ちではアルにダメージを与えることができず、アルもまた攻撃に転じてきた。

ドルチェットはその攻撃をよけながら、舌打ちした。
彼らはボスの男に、アルを殺さないように命じられていた。
それに加えて鎧の体。
やりにくい相手だ・・ドルチェットはどう攻撃するか悩む。

だがその間にも、アルはドルチェットに向けて腕を伸ばした。
そのリーチの長さに戸惑っている間に、ドルチェットは吹き飛ばされてしまう。
彼はその瞬間に、剣でアルの頭部だけ振り払って倒れた。

一方、アルは転がって行った頭部を追う。
すると、今度はマーテルが動いた。
マーテルはアルの体に飛び乗ると、その鎧の中に潜り込んでいくー。

予想外の出来事に、アルは酷く慌てた。
感覚は無いのに、なぜか気持ち悪い感じがするー!
彼は暴れ、なんとかマーテルを外に出そうとする。

だが中にいるマーテルは、自分が動くことでアルの鎧の体を制御しようとした。
そのせいでアルの動きは鈍ってしまう・・。
そこに、追いついたロアが立ちはだかった。

彼はアルの腕を掴むと、マーテルごと組み伏せる。
動きを封じられたアルは、そのまま3人に捕らえられることとなるのだった。

ーその後、3人はアルの体をマーテルに捕捉させたまま、アルの頭部と分けて連れ出すことにした。
我が主の元へ来てもらおうー。
ロアがそう告げるのを、アルはただ黙って聞くのだった・・。




















アルの秘密を求める者。

今回はスカーが旅立つ中、アルが黒づくめの組織の人間たちに捕らえられてしまう回でした。
アルも健闘したけど、複数相手はキツかったですね。

エドがいない中で起こった事件。
男たちは初めからアルを狙っていたようですが、アルの秘密の何を知りたいのでしょうね。

普通に考えれば、アルの魂と鎧の錬成がどうなっているのか・・ということでしょうか。
その技術を欲しがっているのかもしれないですね。理由は分かりませんが。

ただアルにはその錬成についての知識はないので、彼を捕まえていっても意味はないですよね・・。
男たちには、そのことが分かっていないから仕方ないけど、これは大きなミスですよー。
そのことが明らかになったときの、アルの処遇が心配です。

まだ彼が捕らわれた理由がはっきりしないので予測に過ぎませんが、敵の手にある以上アルの身は心配ですね。
エドもすぐには戻ってこられないでしょうし、ここはイズミの出番なのかなぁ。

イズミは肉体的にもかなり強そうなので頼りにはなりますが、病気持ちなのが懸念されるところ・・。
どうにかして、無事にアルが戻ってくることを祈りたいですね。


ただ冒頭にあったように、何らかのショックを与えることで、アルの記憶が戻る可能性があるのも忘れたくないところ。
この事件をきっかけに思い出す可能性も、十分にあると思うんですよね。

特に、彼が鎧の中に人を入れたのは初めてのことで・・この違和感が、彼の中の何かを呼び起こすという可能性はあるのではないでしょうか。
その辺は、期待したいところですね。

今まで黒づくめの組織には苦渋を味わわせられてばっかりですが、そろそろ挽回したいところ!
どんな展開になるのか、しっかり見守っていこうと思います!




さて、後はスカーについて。

久々登場の彼ですが、怪我は回復してきているようで良かった。
仲間も意外と生きているようで、これは彼にとって希望となりますよね。
それでも大多数は亡くなったのでしょうが、いつか世界に平和が訪れたときに、再建への道は開かれたかと思います。

そして、そこで師父と再会したスカー。
しかし師父はスカーの行っている行為を間違っていると言い、止めようとしました。

師父の言っていることは、もっともですよね。
復讐は、新たな復讐しか生まない。復讐に堕ちては、今度は自分が恨まれる側になってしまう。
これはいつの時代も言われることで、そうやって人々は何とか悲しみと折り合いをつけてきたのです。

でも同時に、スカーの気持ちも分かるから辛いのですよね。
彼だって、傷ついていなければこんなことはしなかったのです。
彼から全てを奪い復讐に走らせてしまったのは、彼を取り巻く環境だったのですよね・・。

改めて、戦争は何も生まないなぁと思います。
こうやって傷つく人ばかり増えて、手に入るものはわずか・・。
それも、国民にとってはほとんど関係のないものばかりで、その損得の恩恵を受けるのは国の上の方の人たちだけなのですよね。

だからこそ戦争は悪だと語られる訳ですが、実際にこうやって復讐に駆り立てられている人を見ると、確かに戦争は悪だ、と言わざるをえませんね。
戦争は、次なる火種をもまた生むのです・・。まさに悪循環としか言いようがありません。

戦乱のない世が、この世界にも来るように望まれますね。
スカーの傷が癒え、再びイシュヴァ―ルの人たちが隠れずとも生きていける世界・・。
マスタングなら、そんな世界も作ってくれるのでしょうか。

師父によれば、南部でも内乱が増えてきているとのこと。
相変わらずこの世界の状況は良くならないままですが、それでもマスタングたちが動いたりエドたちが悪に立ち向かっていくことで、少しずつ良くなっていくという希望は捨てたくないですね。

スカーもいつか復讐から解放されて、良い世の中を作っていく方に回っていってくれればいいなーと思いました。
彼は本当は、悪い人ではない。仲間を思いやる気持ちもある。
そんな人がいつまでも復讐で手を汚していく姿は、見たくないですね・・。

仲間がいることだけでは駄目なのだとしたら、彼の心を救えるものは一体何なのでしょう。
どうかスカーにも、いつか救いの道が見つかりますように。。
彼の孤独な旅立ちを見て、そう感じた今回でした。



あっ、後、ヨキですよ!1巻に出てたヨキ!
落ちぶれたけど渋とく生きてて、相変わらず汚い根性でしがみついてましたね。

ここで彼がスカーと会ったのは、単なる偶然?
まだこれからも出番あるのかな?w
もうあの集落にはいられないだろうし、彼こそ今後どうしていくのでしょうね・・。

まさか再登場があるとは思っていなかったので気になったけど、今後果たして彼の出番はあるのか・・?!w
まぁ忘れない程度に、気にかけていきたいと思います!









さて、次回はアルが黒づくめの男の元へ連れていかれる回ですね。
そこで今回の誘拐の目的が語られるのでしょう。
男たちが何を求めているのか、気になりますね。

彼らと関わることによって、アルの秘密は明らかになるのでしょうか?
また、記憶が戻ることもあるのでしょうか?


次回も楽しみです☆