前回、ブラッドレイによって記憶を取り戻したアル。
彼とエドはホムンクルスへの過剰な戦闘に疑問を感じ、軍の様子を探ることを決意します。

一方、中央に異動したマスタングたち。
その1人ホークアイの元に、死刑囚NO.66バリー・ザ・チョッパーが現れます!

この出会いは、何を意味するのでしょうかー?!

感想です☆




第31話~ 「己の尾を噛む蛇」




※以下、ネタバレあり※








◎あらすじ◎

ホークアイに呼ばれていったマスタングは、そこでバリーを見て目を丸くした。
バリーの見た目のおかしさに、マスタングはうさん臭さを感じる。
だが彼はホークアイの報告を受けて、息を呑んだ。

バリーは、あの死刑になったはずの犯罪者、バリー・ザ・チョッパーだというのだ・・!!

ーその後2人はファルマンを呼び出し、倉庫街の使われていない倉庫の中に身を隠した。
ファルマンは記憶力が良く、バリーの起こした事件のこともよく覚えていた。
彼はバリーが本物かを確かめるため、事件に関する質問を次々に繰り出す。

それに対し、バリーはすらすらと答えてみせた。
結果、ファルマンは本物で間違いないだろうーとの判断を下す。
それを聞いたマスタングは、なぜ死刑になったはずなのに、今も鎧の体で生きているのかを尋ねた。

そこでバリーは、第五研究所のことをちらつかせる。
彼がそこでエルリック兄弟と戦ったと聞いたマスタングは、バリーと賢者の石に関わりがあることを悟る。

詳しく話せ!
マスタングがそう迫ると、バリーは条件がある、と指をあげた。
自分の体をこんな見た目にした奴らに知らせないことと、処分を下さないことー
マスタングはその条件を、即座に受け入れる。

そうしてー2組の取引は成立し、バリーは全てをマスタングたちに語って聞かせた。
第五研究所では、不完全ではあるが賢者の石が作られていた。
その材料は生きた人間だった。
だが今は研究所は崩壊し、証拠を探すことはできない・・。

マスタングは常にメモを取りながら、情報を整理する。
軍の施設と研究員が関わっていたということは、軍の上層部も噛んでいるはずだ。
ラストとエンヴィーなる者が、恐らく軍につながっている・・。

その2人の容姿を聞き取ると、マスタングはバリーの魂を錬成したのも彼らなのか?と尋ねた。
違う、研究者たちがやったことだー
バリーは答え、自分の魂は錬成とは少し違う、と説明した。

彼の場合は、体から魂を無理やり剥がされて、鎧に移されたのだー。
その苦痛は、死ぬ方がよほどマシなくらいだった・・。
彼は笑いながら、そう話す。

そこでファルマンが、その研究者について調べようかーとマスタングに耳打ちした。
だがそれを聞いたバリーは、無理だ、と断言する。

第五研究所にいた研究者たちー
彼らは皆、研究所が崩壊する数日前に、石の材料として使われてしまっていたのだ・・。

もう石を作る必要がなくなったということか?
3人は首をひねりながら、全ての情報を頭の中で組み合わせるー。

ー最後に、マスタングはバリーに1つだけ尋ねた。
1ヶ月と少し前、中央の電話ボックスで軍の将校を殺したのは、お前かー?

その瞬間、場の空気がピリついた。
ホークアイとファルマンが息を殺すなか、バリーは戸惑いながら知らない、と答える。
そいつは切り裂かれていたのか?

・・その答えにマスタングは、知らないならいい・・と席を立った。
そして彼はファルマンにもう帰っても大丈夫だと声をかけ、今夜聞いたことは忘れてくれーと告げる。

この件は、どう考えても危険だ。
自分に付き合って、深く関わる必要はない・・。
マスタングにそう言われたファルマンは、しばし考え込む・・。

だが彼はにっと笑うと、自分は記憶力が良いから忘れるのは無理だ、と語った。
行くところまで付き合いますよ。私にできることがあれば、なんなりと言ってくださいー。
その言葉に、マスタングは胸を打たれる・・

と思いきや、それを聞くなりマスタングはファルマンにバリーの世話を命じた。
ポカンとするファルマンに、彼は休みを与えるから、とバリーを匿い見張るように言いつける。
そしてまだ状況を飲み込めない2人を置いて、マスタングとホークアイは倉庫を出ていったのだった・・。


中央司令部。その地下深く・・。
ブラッドレイはそこで、仲間たちに迎え入れられた。

南方の視察はどうだった?
そう訊かれた彼は、意義あるものになった・・と答える。

鋼の錬金術師の師匠も、人柱になりうる人材かもしれない・・。
そしてもう1つ、思わぬ収穫がー。
ブラッドレイはそう言うと、十字架に括りつけたグリードを皆に見せた。

懐かしいわねー、とラストが声をあげた。
顔を見るのは1世紀ぶりだ・・。
そう言うと、彼女はグリードに起きるように言う。

そこで目を開けたグリードは、部屋にラスト、グラトニー、エンヴィーが揃っているのを見て眉を上げた。
最強の盾がいいザマね。
ラストにからかわれたグリードは、最強の矛を持つラストをおだてる。

変わってねーな・・。
彼は周囲を見回し、グラトニーもエンヴィーも昔のままであることを確認する。

この場にいないスロウスも、相変わらず仕事中かー
グリードは苦笑しながらも、その目をブラッドレイに向けた。

で・・こいつは誰だ?

そう問われたブラッドレイは、静かに口を開く。
憤怒のラースー

ラストが、その後を継ぐ。
彼はグリードが仲間を裏切って出ていった後、今から60年前にお父様によって造られた新しい兄弟だ。
キング・ブラッドレイという名の人間として、数々の戦場で武功を立てて40代で独裁者になりあがった。
全ては最後の詰めに用意されたためー。

それを聞いたグリードは、だが年を取るホムンクルスなんてあり得るか?!と声をあげた。
すると横にいたエンヴィーが、おかしそうに笑った。
ありえないなんてことはありえないーあんたの口癖だったじゃないか!

グリードは、そう笑うエンヴィーを一瞥した。
そして彼は、吐き出すように言うー。
黙ってろや、不細工が。

ーあ?
喧嘩を売られたエンヴィーも、眼光鋭く睨み返す。
2人は互いをけなし合い、場は一触即発の空気に包まれるー

だがそれを、止める者の声があった。
よさないか、お前たち。

その声に、グリードははっと顔を上げた。
よく見れば、部屋の奥に多くのチューブが繋がった椅子に座る男の姿があった。
その男は分厚い本を読みながら、おもむろに全員に語り掛けた。
兄弟で争うなど、そんな醜いことはこの父の前でしてくれるなー。

・・よう、親父殿。いたのかよ。
グリードは笑みを浮かべ、「父親」に話しかけた。
彼の軽口を受け流しながら、男はグリードに問う。
我が魂を分けた息子よ・・。なぜこの父を裏切った?

その問いに、グリードははっと息を吐いた。
なぜだと?それは親父が一番分かってるんじゃないのか?

彼は「強欲」として、父親によって産み落とされ、その通り生きてきたのだーと話した。
父親の元にいたのでは、自分の欲は満たされない。
だから彼は、ここから逃げ出したのだー。

グリードの答えを聞いた男は、もう一度自分のために働いてくれないか?と尋ねかける。
だがグリードは、即座にその提案を蹴った。
NOだ!

ーそれを聞いた男は、静かにため息をついた。
そうか・・、仕方がないな。
彼がそう呟くと同時に、グリードの吊るされている真下の地面が口を開いたー。

穴は広がっていき、中から光が漏れ、グリードは目を細めた。
そこからむわっとした蒸気が顔を覆う。
グリードの目に、巨大な沸騰した鍋が映るー

何が行われようとしているのか気付いたグリードは、趣味が悪い・・と舌打ちした。
彼を吊った十字架はブラッドレイの操作により、次第に鍋の方へと下がっていく・・。

そしてー足が湯に浸かると、グリードは苦悶の叫びをあげた。
彼の体は次第に呑まれていき、その熱さに体が溶けていく・・。
皆が見守るなか、グリードは最後に笑い声をあげた。

・・いい湯加減だな、チクショー!地獄の業火は、これほどぬるくはないだろうな!!

彼は叫びながら、かつての仲間たちを見回す。
皆一様に冷たい瞳で見据えるばかりだが、グリードは最後まで虚勢を張り、笑みをたたえた。

どんなもんか、先に行って見てきてやるぜ、兄弟!!
ー生まれた場所へ、我が魂へ還るが良い、グリード。
上等だぁ!腹壊しても知らねえぞ、親父ぃ!!

ーその笑い声は、グリードの姿が完全に消えるまで続いたのだった。

その後・・
男はグリードが溶けた湯を濾過し、少量の飲料に替え、杯に注いだ。
彼はそれをラストたちに向けて高く掲げると、悠然と言い放つ。
来たる日に向けて、お前たちの変わらぬ中世と安寧を祈るー。

それから、男は杯をぐいっと飲み干した。
そしてーしっかりと、飲み込むのだった。


夕刻ー
ブラッドレイは、自宅へと戻った。
彼が廊下を歩いていると、息子のセリムが彼を見つけて駆けてきた。

家族と会うのは、南部に行って以来だ。
ブラッドレイはにこやかにほほ笑み、妻と息子に南部でのことを話した。
鋼の錬金術師に会ったーそう口にすると、セリムがぱっと顔を明るくして身を乗り出した。

彼は12歳で国家錬金術師になったエドを尊敬しているのだー。
その話を聞きたい、とセリムは父親にせがむ。

ーその姿は、平和な家族の姿そのものだった。
ブラッドレイは小さなセリムの手を引き、妻と3人で仲睦まじく歩くのだったー。




















ホムンクルスを統べる者。


今回はマスタングたちがバリーによって賢者の石の情報を得るなか、裏切り者のグリードが仲間たちによって粛清された話でした。

前半はわりとほのぼのしてたのに、後半の緊張感凄まじかったですね!
ついにお父様が登場・・!
ホムンクルスたちも一堂に会し、ドキドキしました。

ブラッドレイも、一体いくつの顔を持ち合わせているのか・・。
本当に目が離せない男ですね!
ホムンクルスなのに、子供もいるのか・・。

では、見て行きましょう☆



まずはバリーから。

マスタングたちと知り合ったバリー。
互いの利害が一致して、見事協力関係となりました!

マスタングの、手段を選ばないところ好きですよ(^^)
それくらいじゃないと、ブラッドレイには太刀打ちできないですよ。きれいごとだけでは、トップには立てないものですよね。


バリーによって、第五研究所で行われていたことを知った彼ら。
ついにヒューズが死んだ理由にも近づきましたね。
彼が何を調べ、口封じに消されたのか・・。マスタングの思いは、どんなことになっているのでしょう。。

更に、ラストとエンヴィーの情報も得たマスタング。
まだ彼らとヒューズの殺害の関係にはたどり着いていませんが、だいぶ真相に近づいた感がありますね。
これは意外と、決戦も近いのかも・・?
ラストたちのやっていることを考えると、早く彼らを止めてほしいですね。

バリーにも尋ねていましたが、マスタングの復讐の炎はまだ消えていません。
彼は絶対に、ヒューズの仇を取ってくれるでしょう・・。
そう思わせてくれる、強い瞳でした。

ただ同時に、危うさもあるんですよね・・。
ホークアイやファルマンもなんとなく感じ取っているようですが、復讐に燃える余り我を失ってしまわないか冷や冷やもしました。

戦いの中で自分を見失うのは、トップを目指す者としては良くないですよね。
心の乱れは隙を生むことにもなるし、彼自身の身にも危険を及ぼしかねません。
そこは懸念されるなぁ。マスタングも、なんだかんだまだ若いから。
自分のコントロールが、今後の彼の課題となるかもですね。。


で、更にマスタングたちは今回良い着眼点を得ていましたね。
第五研究所を破壊したのは、もう賢者の石を作る必要がなくなったから・・?
これは鋭い観点だと思います。

確かに、そんな重要な研究をしていた施設や研究者を全部消してしまうのって、不自然ですよね。
研究者だって、よりすぐりの人材を揃えていたはずです。
全て失うのは、あまりにもったいない・・。

それなのにそうしたのは、賢者の石がもう必要ではなくなったから・・という説は、十分にあり得るでしょう。
というより、それくらいの理由がないと研究を全て無駄にはしないですよね。

ではなぜ、賢者の石が必要じゃなくなったのか・・。
これはまだ分かりませんが、個人的な予想は1つ。
来たる日に向けての準備は、ほぼ整っているから・・ではないでしょうか。

以前もラストたちがそんな言い回しをしていましたからね。この線は、結構あるのではないかと思います。
賢者の石も、度重なる内乱によって十分な量を用意できた。
ホムンクルスも、必要な人数揃えた。
そういう状況が重なって、研究所はもう不要ーという結論に至ったのではないか、と。

何百年も前から、計画を温めてきたようですからね。
今、準備が整ったとしても、全くおかしくないでしょう。
まだ計画を実行しないのは、人柱が足りないから・・そんな感じでしょうか?

実際計画を実行するためにブラッドレイが用意されたのだとしたら、彼の年齢を考慮しても近い内に事が起きる確率は非常に高いと思われます。

だからこれはいい気付きであると同時に、マスタングたちには早く軍の内部に切り込んでほしいですね。
中央に来ていきなり幹部を敵に回すのはキツいですが、計画が実行されてしまったらもう間に合わないのですから・・。

事態は着々と進んでいます。
マスタングの中央での活躍ー期待していますよ!






さて、続いてはホムンクルスについて。

ついに今まででてきた顔が、全員揃いぶみ!(スロウスはいないけど)
禍々しい雰囲気に、つい緊張してしまいましたw

っていうかびっくりしたんですけど、ホムンクルスのアジトって中央司令部の地下にあるんですね・・!
堂々とそんなところにアジトを作るなんて、本当に何人の軍人が計画に加担しているのでしょう。
上層部は完全にズブズブなんじゃないかという気になってきました・・(^^;)
まぁ国のトップがホムンクルスですもんね、もう何でもアリか。。

ブラッドレイは、グリードを連れ帰ってきていたのですね。
グリード、ガチガチに拘束されていて、見ていて辛かった・・。

彼は組織を抜け出していたのですね。だからブラッドレイのことを知らなかった・・と。
ホムンクルスが作られたのは、それぞれ時期が違うようで・・。
ラストがリーダーっぽいのは、彼女が一番最初に作られたのかもしれないですね。


で・・お父様の登場ですよ!
ブラッドレイがお父様ではなかったのですね!

チューブにつながれていましたが、彼はあそこから動くことができるのかな?
見た目も老人のようだし、もしかしたらチューブによって生きながらえているのかな・・と感じました。

しかしその威厳は、やはりホムンクルスたちを統べるだけある・・。
っていうか、お父様はホムンクルスではないのでしょうか?
ホムンクルスを統べてきたのなら、彼も相当長く生きてきたのではないかと思われますが、見た目は老人だしなぁ。
ちょっと謎です。

まぁありえないなんてことはありえない、だそうなんで、ブラッドレイ同様年を取っていくホムンクルスなのかもしれないですが・・よく分かりませんね。
人間ではないでしょうが・・そもそもホムンクルスなら、誰がお父様を作ったんだって話だし・・。

後、気になったのは血を分けた、という描写。
これ、お父様の血をホムンクルスたちはそれぞれ受け継いでいるという訳ですよね。
錬成の際に、お父様の血を混ぜられているのかも。

だとしたら、やっぱりお父様の存在が最初にありきーだと思われますね。
じゃぁ、彼って一体・・?
うーん、分からない!

少し謎が明らかになると、新たな謎が増える・・。
面白すぎて、溜まらないです!!


それと今回気付いたのですが、ホムンクルスたちは皆性格の特性もあるのですね!
憤怒のラースに、強欲のグリード、後は色欲のラスト・・?
7つの大罪から、来ているという訳ですね。全く気付かなかった(汗)

ということは、グラトニーは暴食、エンヴィーが嫉妬、スロウスが怠惰・・か。
そして更に、もう1人プライドがいるということになりますね・・。
それでホムンクルスは全部と考えるのが、妥当かな。


で、今回グリードが消えましたが、お父様の血と賢者の石があれば、再び作ることは可能なのでしょう・・。
逆に言えば、材料が揃う限り、いくらでもホムンクルスは再生可能ということになりますね。
これはちょっと、マズい予想だ・・。

敵はグリードを抜いても、後6人。プラスで、お父様。
しかもブラッドレイのような猛者ばかり・・。
ただでさえこの状況なのに、再生の余地まであるとなると、人間側はかなり詰みますよ・・。

ただ、賢者の石の製造が第五研究所の崩壊で終わったと思われるので、数に限りがあるのが唯一の光明でしょうか・・。
でもホムンクルス側に比べて、条件が弱いなぁ。。

なんだか敵の正体が明らかになるにつれて、人間の劣勢がどんどん浮彫になってきますね。
人間ならざる者を打破する術はあるのか・・?!

早く明るい兆しを、見たいものです・・。



それにしても、グリードの退場は個人的には残念でした。
彼のさっぱりした性格、好きだったのになぁ。

他のホムンクルスは底が知れない感じが恐ろしいですが、グリードは強欲だからか人間臭かったんですよね。
まぁだからこそ、異端分子として始末されたのでしょうが・・。

これで、グリード勢は全滅。
かなりキツい結末となりました。

本当にこの物語、あっさりと人が死ぬから油断できない・・。
これ以上悲しい思いはしたくないものです。
皆が無事でいられること、祈ってます・・。










さて、次回はエドたちがアルの記憶に関して、検証する話でしょうか。
今回、兄弟出てこなかったですからねw

アルの記憶で一番気になるのは、やっぱりもう1人のアルの存在。
もし「彼」と共に真理の扉の部屋にアルの体があるとしたら・・。
取り戻す術も、見えてくるのではないでしょうかー。

エドとアルが体を取り戻す道を着実に進める、足掛かりとなりますように!


次回も楽しみです☆