今回から、14巻です!

前回、グラトニーの腹の中から無事に脱出したエド。
そんな彼の前に現れたのは、父親ホーエンハイムでした。

ホムンクルスを作った「お父様」は、ホーエンハイムだったのか?!
彼の正体はいかにー?!

感想です☆





第54話~ 「愚者の足掻き」




※以下、ネタバレあり※









◎あらすじ◎

エドとアルの前に、お父様が立ちはだかる。
その顔を見たエドは、目を見張った。
・・ホーエンハイム?!

お父様はじっと2人を見つめ、彼らの鋼の手足と鎧を見て眉を上げた。
エルリック兄弟か?!
彼がぐっと顔を近づけてきたので、2人は驚く。

・・自分たちを知らない?ホーエンハイムではない?
エドがまじまじと見つめるのに気づいたお父様は、その名を聞いて更に顔を寄せてくる。
それはヴァン・ホーエンハイムのことか?奴とはどういう関係だ?

そこでアルが、ホーエンハイムは自分たちの父親だ、と明かす。
するとお父様はエドの顔をむんずと掴んで、しげしげと眺め笑った。

驚いた!あいつ、子供なんぞ作っておったのか!!
そう頭を撫でるお父様に、エドとアルは困惑するばかりだ・・。

こっちから質問を振っても、お父様は聞いている様子もない。
あまりにマイペースなその振る舞いに、2人は頭が痛くなるようだった・・。

その時、お父様は2人の身体が傷ついていることに気付いた。
彼はアルの腕にそっと触れると、グラトニーの腹の中に持っていかれた手のパーツを錬成する。
これでいいかな?
何気ないことのように彼は訊くが、その業にエドとアルは目を見開いた。

その後、お父様はエドの腕と肋骨の傷をも触れただけで治してみせた。
完璧に治っていることを確かめたエドは、信じられない・・と目の前の老人を見つめる。
この男・・何のモーションも無しに術を発動させている!!

お父様は2人を見つめ、人柱なのだから身体は大事にしろーと話した。
彼の本意が見極められず、エドたちは混乱し続ける。
ふと思い立ち、アルはこの機会にリンの怪我も治してほしい、と申し出た。

だが・・リンは首を振り、お父様に向けて剣を突き出した。
彼の目は見開かれ、その身体はわなわなと震えていた。
蒼白になりながら、彼は問う。
なんだ、お前は・・?あり得ない、その中身・・!!

するとお父様の表情が変わった。
彼はぎろりとリンを睨みつけ、問い返す。
お前こそ、何だー。

それからお父様はグラトニーに、リンは食べてしまってもいい、と告げた。
それを聞いたエドは慌て、自分たちの仲間だから見逃してほしい、と頼み込む。
だがお父様は興味ない、というように視線を逸らした。
知らん、私には必要のない人間だ。

なぜお前のような要らない人間が、ここにいる?
仲間かどうかなど、知ったことではない。私にとって必要か、そうでないかだけだー。

彼の冷たい言葉に、エドは思わずかっとなる。
けれどもアルがそれを止め、耳打ちした。
あいつはホムンクルスを作った張本人なんだ!
エドは驚き、様子を窺う・・。

その間も、リンとお父様は対峙し合った。
リンは震えながらも、お父様の目や態度が気に入らない、と言い放つ。

彼にはお父様の目は、人間を愚か者と言っている風に映っていた。
さすがホムンクルスの親玉だな・・。
そう言い捨てると、お父様は息をつく。

愚か?そんなことは思いはしない。
彼は冷酷に言い捨てる。
自分にとって人間はレベルが違いすぎる。愚かという感情もわかないほどに興味がないー。

その瞬間、エドは彼と自分たちとの間に壁を錬成した。
彼は今の発言に、お父様とは相いれないことを察した。
だからー彼と戦うことにしたのだ。

アルとリンは早計だと驚くが、エドは聞かない。
短期決戦で行くぞー!
その言葉に、アルとリンも顔を見合わせ・・覚悟を決める。

まず、エドがパイプを錬成し、エンヴィーたちの足元を狙った。
エンヴィーは笑いながら、その攻撃をよける。
だがエドの狙いはー2人ではなかった。

彼が狙うのは、お父様ただ1人ー!
パイプはエンヴィーたちをすり抜けて、お父様の身体に絡みつくー

けれどもお父様は、そのパイプを一瞬で破壊した。
今度はエンヴィーが、3人に攻撃を仕掛ける。

エドはそれをよけると、彼の脳天に拳を叩き込んだ。
そして今度は真正面から、お父様に向かって蹴りを飛ばす。

そこに、アルとリンも加勢した。
アルが壁を作ってお父様の視界を遮り、リンが背後から剣を振るうー。
だがお父様はちら、と一瞥すると、背後のリンを攻撃した。

彼の動きには、一分の隙もない。
そして何のモーションもなしに、錬成をやってのける・・。
なぜなんだ・・?!
エドたちはその奇跡の業に、目を見張る。

その時、お父様はため息をついた。
時間の無駄だな・・。
彼が一言そう言うと、周囲の地面が揺れ、光に包まれるー


ーその振動を、遥か遠くにいるホーエンハイムは感じ取った。
彼は気配がする方に目をやるが、そのまま本来の目的に戻り、地図で目星をつけた場所へと向かうー。

同刻ー
エドたちは、錬金術を使えなくなっていた。

地面に手をつき錬成を行おうとしても、術が発動しないのだ。
一体何をしたんだ・・?!
驚く2人は、隙を突かれエンヴィーに取り押さえられる。

一方リンもまた、グラトニーに押さえつけられていた。
戸惑うエドたちを見ながら、エンヴィーは下卑た笑い声をあげる。

人間という下等生物は、大きな力を得た途端に喜び勇むだけで、それがどんなものかも知らずに使い続ける。
今の繁栄も、自分たちの力だけでやり遂げたと思っている。
実に滑稽で愚かだー!!

ーそれを聞いたお父様は、しゃべりすぎだ、とエンヴィーを諫めた。
彼はグラトニーの下にいるリンを見つめると、威勢が良いし体力もありそうだな・・と呟く。
どうせ殺すなら、人間という資源を無駄にしない方がいいかー

彼は額に指を当てる。
すると皮膚が裂け、そこから瞳が覗くー。
その瞳は、賢者の石を産み落とした。
お父様はそれを手にすると、リンに向かう。

今ちょうど、強欲(グリード)の席が空いているー。

その言葉を聞いたエンヴィーは、あれをやるのか!と歓声をあげた。
彼によれば、お父様はホムンクルスを作るつもりらしい。
人間の血液の中に賢者の石を流し込むと、上手くいけば人間ベースのホムンクルスが出来るのだー。

だが賢者の石は、高エネルギー体だ。
だから賢者の石を取り込むと、人間と石の中の魂は身体の乗っ取り合戦を繰り広げることとなる。
それに勝てば、リンは強大な力を得ることができる。

でもーエンヴィーは笑う。
大抵の人間は、石の力に負けて死ぬけどね。

ーそれを聞いたエドとアルは、必死にもがいた。
何とかして止めなければ・・!
そう思うものの、錬金術が使えない2人はエンヴィーの力に敵うことができない。

その間にも、お父様はリンに近づいていく。
エドはがむしゃらに叫んだ。
やめろ!そいつには待っている奴がいるんだ!!だからー・・

彼はホークアイの銃を携帯していることを思い出し、咄嗟に引き金を引く。
そしてエンヴィーを撃とうとしたが・・なぜかリンの声がそれを止めた。

撃つな、エド。俺はこれでいい・・手を出すな!!

彼は笑みを浮かべながら、エドたちを牽制する。
戸惑うエドたちが見守るなか、お父様が近づき、リンは賢者の石を受け入れるー。

その瞬間、リンの身体は激しい拒絶反応を示した。
身体が燃え盛り、彼は悲鳴にもならない声をあげる。
だがそれでもー彼はエドとアルが助けようとするのを制した。

何だ?リンは何を考えている?!
エドたちには、その真意が分からない。
その表情を見て、リンは笑みを作って見せた。

いいからどっしり構えてろ。俺はシンの皇帝になる男・・だ・・

そう言った途端、彼の意識は内側に持っていかれた。
精神の世界ー
何百もの魂が蠢き、彼を乗っ取ろうとする。
その喧噪に、リンは頭が割れる思いがして叫んだ。

するとー彼の前に、真っ黒な精神体が現れた。
それはリンの顔を見ると、なぜ子供がこんなところにいるんだ、と笑った。
お前の身体をよこせ!このグリード様が使ってやるよ!!

その言葉に、リンはそれこそがグリードだと気づく。
リンはうなづくと、それの前に自分の身を差し出した。
この身体、くれてやるー!!!

ーそれを聞いたグリードは、リンを呑み込んだ。
リンの身体は苦しみに暴れるのをやめ、動かなくなるー。

その後、リンの目が開かれた。
彼は頭を押さえながら起き上がり、ここがどこであるかを確認する。

その姿に、エドは声をかけた。
リン・・?
ーだがリンの姿をした者は、それがこの身体の持ち主の名かーと呟く。

彼は頭を押さえていた手を外した。
そこから現れた顔に、邪悪な笑みが貼り付いているのを見たエドたちは驚愕する。

そこにいるのは、リンの姿をしたリンではない者だった。
グリード・・
リンは強欲のホムンクルスに、身体を乗っ取られてしまっていたのだったー。




















お父様との邂逅。


今回はエドたちがお父様と出会うなかで、リンがグリードに身体を乗っ取られてしまう話でした。
まさかの展開に、言葉が出ませんでした・・。
リンがグリードになってしまうなんて・・。

シンの皇帝になるためにアメストリスへ来たのに、彼はこの国の事情に関わりすぎてしまいましたね。
今後、彼はどうなってしまうのでしょうか・・。

ここに、メイも向かっているのですよね。
リンの変わり果てた姿を見たら、メイはどう思うのかな。
彼女の性格からして、喜ぶということはなさそう・・。怒る・・かな。

恐らくリンがグリードに身体を渡したのは、グリードの賢者の石が欲しかったからだと思いますが、自身を差し出してまで手に入れなきゃいけなかったものだったのかというと疑問は残りますよね。

それこそエドが言ったように、彼には待っている人たちがいます。
ランファンにフー・・2人はリンの変わり果てた姿を見たら、どれだけ悲しむか。。
想像するだけで、辛いですね。

それとも・・リンには、何か秘策があるのでしょうか。
あの短時間でそれを思いつけたのだとしたらスゴいですが、さすがに乗っ取られたら彼の意志が働くことはなさそうだし、後から何かするのは難しそう。

だとすると、ランファンたちに自分を殺させ、賢者の石を取り出させようと考えてるのかな・・。
それだったらリンは皇帝になれなくても、リンの一族は優遇されるようになりそうですしね。

うーん、でもなんか違和感があるんですよね。
リンはあれだけ皇帝になろうとしていたのに、そんな簡単に諦めるでしょうか。
自分が皇帝になれない選択肢なんて、彼は取らないような気がするのですが・・。

となると、やっぱり何か妙案が思いついたから受け入れたということかな。
それにしたって、大抵の人間が拒絶反応で死ぬというのにあえて受け入れるなんて、すごい度胸です。
やっぱり彼、只者じゃないな。器的には、リンの方が皇帝に向いているように思えました。

とりあえず、リンが死ななかったことは救いでした。
いや、彼の精神が消えたとしたら、死んだと同義なのかな・・。

ホムンクルス側に変化してしまったリン。
彼の今後の動向ー気になります。。




続いて、お父様について。
今回、彼について重要な事実が2つ明らかとなりました。

まず1つ目は、お父様はホーエンハイムではなかったこと!

これはなんとなく納得。
前回も書きましたが、ホーエンハイムよりお父様の方が老けているように見えるんですよね。

今回両方出てきたので見比べてみると、やっぱりその違いがはっきり分かります。
ホーエンハイムの方が、若いですよ!

でも2人は無関係という訳ではなく、やっぱりホーエンハイムはホムンクルスに深く関わっているようです。
ただ今回のお父様の反応を見るに、ホーエンハイムとはもう長い間会っていないみたい・・。
エドたちのことも知らなかった訳ですしね。

そうなると、私が予想しているホーエンハイム=プライド説はなくなるのかな。
今回もどのホムンクルスたちも、そんなこと触れてないですし・・(^^;)

見た目が似ているので、やっぱり兄弟説が濃厚なのでしょうか。
お父様が兄で、ホーエンハイムが弟?
だとしたら、2人はどうして長い時間を別々で過ごすことになったのでしょう・・。

うーん、謎が多い・・。

ホーエンハイムも、何を目的として旅をしているのでしょうね。
ずっと旅してますよね。
目的地はあるようなので、そこに何かホムンクルスや賢者の石に関わるものがあるのでしょうか・・。

2人の関係も気になるし、ホーエンハイムが結局何者なのかもすっごく気になりますね!
早くこの2人のことがもっと明らかになることを待ち望んでいます!



で、もう1つの事実。
それは、お父様の錬金術について。

今回、何のモーションもなしに錬金術を発動してみせたお父様。
更に彼は、錬金術の発動を止めることもしてみせました。

一体お父様の身体は、どうなっているのでしょうね。
賢者の石を取り込みまくっているから、あんな業ができるのでしょうか・・。
それとも何か鍵があるのでしょうか?

もし何か方法があるのだとしたら、エドたちもそれを取得できたらいいですよね。
真理の扉を見ることで2人は錬成陣無しの錬金術を発動できるようになったから、もしかしたら真理の扉を何度も開くことで真理を得て、できるようになるのかも?

でも、そんなに何回も開くものではないですよね・・(^^;)

後は、錬金術の発動を止めたのもどういう理屈なのでしょう。
なんだかエンヴィーが言ったことがヒントになりそうなんですが、上手くひらめかない・・。

要は、世界の流れを知るのが錬金術の全てを理解することにつながるのかなー・・。
人間にはまだ知らない領域があるというか・・。
上手く説明できないですけど、錬金術師たちとは根本の考え方が違うからこそ、様々な使い方がお父様はできるのかなーと思いました。

その辺は頭のいいエドたちのことですから、何か考えてくるでしょう。
お父様の謎、明らかにできるといいですね!


ただ今は、ものすごいピンチ・・。
このままだとエドたち、生け捕りなんてことにもなりかねないですよね。
錬金術が使えないままだと、2人がホムンクルス4体に敵うことは不可能でしょう・・。

そんな中で救いとなりそうなのはメイとスカーですが、2人も錬金術が使えないと詰みますよね。。
一体どうしたら、この状況から逃れることができるのでしょうー。

心配です・・。






ということで、次回はエドたちのピンチに、メイたちが駆け付ける話でしょうか。

リンがグリードとなり、ホムンクルス4体に囲まれて絶対絶命のエドとアル。
2人を救うのはー彼らを追っているメイとスカーとなるのでしょうか?

錬金術も発動できない今、彼らはホムンクルスたちとどう戦えばいいのでしょうか。
この危機的状況から、逃れる術とはー?!

次回も楽しみです☆