前回、ウインリィたちと合流したアル。
彼らは要塞への足を止め、エドたちの助けを待ちます・・。

そんな中、キンブリーに計画がバレ、エドとキンブリーは戦うことに。
しかし賢者の石を持った彼の前に、エドは倒れてしまいます・・。

その余波は、アルの身体にも変化をもたらし・・?!
エドとアル、2人にとって最大のピンチが訪れますー!!

感想です☆




第77話~ 「逆転の錬成陣」




※以下、ネタバレあり※









◎あらすじ◎

坑道への入り口ー
エドは激痛に耐えながら、どうすべきか考えた。

ー這いずり回ったって格好悪くたって、生き延びなきゃ。沢山の人が、あなた達が元の身体に戻ることを待っているはずよ。
ー僕が元の身体に戻るその時は、兄さんの身体も一緒だよ。
ー次に泣くときは嬉し泣きだって、約束したから。

皆の言葉が、彼の脳裏によみがえる。
・・どいつもこいつも、こんなことで泣かせる訳にはいかないよなぁ。
エドは歯を食いしばり、拳を地面に打ち付けた。
そして身体に刺さった鉄柱を半分に分解すると、彼はキンブリーの部下たちの上の瓦礫を錬成でどけてみせた。

キメラ2人は驚き、どうして自分たちを助けたんだー?!とエドに駆け寄る。
エドはゼイゼイと息を荒くしながら、腹に刺さっている鉄柱を抜いてほしい・・と彼らに頼む。
2人はどうすべきか・・と悩んだが、キンブリーからエドを殺す命は出ていなかったので、助けてもらった礼に・・と協力することにした。

だが鉄柱を抜いたら、大量に失血してそれこそエドは死んでしまうだろう・・。
部下たちはそう案じる。それに対しエドは、抜いた瞬間に錬金術で傷を塞ぐ、と話した。

彼は医療系の錬金術に明るい訳ではなかったが、人体錬成を行ったときに一通りのことは勉強していた。
それでも、怪我をしている部分は内臓だ。キンブリーが怪我を治したときは、賢者の石を使用したと聞くー
そう話す部下たちに、エドは考えはある・・と答えた。

それはー自前の生命エネルギーを使って、力の底上げをするというものだった。
寿命は縮むかもしれない。それでも迷っている暇はない。
自分の甘さが招いたツケなら、ケツは自分で拭かなきゃな・・。
彼の眼には、決意がこもっていたー。

その瞳を見た部下たちは、迷っている暇はなさそうだな・・と了承する。
ライオンのキメラの方が、鉄柱を思いっきりぐっと引き抜いた。
エドは意識を体内に集中させ、痛みに耐えながら錬成を行うー

そうだ、自分を1個の生命エネルギー体と考えろ。賢者の石と、同じだー!!

引き抜くときの痛みは、エドの意識を持っていこうとする程の激痛だった。
だがエドは必死に意識を保たせ、全神経を内臓の方へと向けた。
俺は今、魂1個分の賢者の石だ。
思い出せ、あの感覚を。エンヴィーの賢者の石を使ったときの、感覚を・・!!

魂を使う感覚を!!

その瞬間、鉄柱が引き抜かれた。
エドは目を見開き、力を内臓に注ぎ込み、錬成するー!!

・・一瞬バチっという大きな衝撃があった後、辺りは静かになった。
エドの身体からは鉄柱が外れ、キメラたちは動かなくなった彼をじっと見つめた。

・・死んだか?
そう2人が呟くのを聞き、エドは勝手に殺すな・・と息を吐いた。

彼の錬成は、成功していた。
だが無事な組織を繋ぎ合わせただけなので、とりあえず血を止めただけの応急処置だ。
エドは立ち上がろうとするが、まだフラフラしていた。
それを見たライオンのキメラは、傷が開くから・・と仕方なく彼を背負う。

彼らはエドに、どこに行くつもりかと訊いた。
エドは苦しそうに息をしながら、キンブリーを追ってほしい・・と頼み、そのまま意識を失う。
随分無理していたようだ・・。
キメラたちは顔を見合わせ、どうしようかと思案した。

上に出たら、ブリッグズ軍が待ち構えているだろうから自分たちが危ない。かといってキンブリーを追っても勝ち目はない・・。
彼らは息をつき、別の道から外に出よう、と決めた。
エドには悪いが、まずは医者を探すべきだろうー。
そうして、3人は瓦礫につぶされて死んだことになるよう、痕跡を残さずここを立ち去ることにするのだった。

その時ーふと、ゴリラのキメラの方が地面に光るものを見つけた。
それは小さな真っ赤な石だった。
なんだ、これは・・?
賢者の石を見たことのない彼は、1人首を傾げるのだったー。


ブリッグズの雪山ー
スカーたちはアルの身体をバラバラに分け、皆で運んで移動をしていた。

どれくらい経っただろうか・・。
アルはスカーの背の上で目を覚まし、状況が読み込めず慌てる。

近くには、ちょうど隠れられそうな空き家があった。
彼らは一旦その中に入り、すぐに皆でアルが突然意識を失ったことを説明した。

アルは段々その時のことを思い出し、そうかー・・と息をつく。
ウインリィは彼に、今までもこんなことがあったのか?と尋ねた。
アルはうなづき、皆と合流する少し前にも一度経験したことを告げる。

短期間に2度も・・。
一行は顔を見合わせ、そんなに倒れられては移動に影響するのでしばらく身体をバラバラにして移動すべきか・・と考える。

その時ー
バラバラという単語に、メイが反応した。
彼女は何事か考え、マルコーが運んできたスカーの兄の書物に目をやる。

それから彼女はその書物を受け取ると、いきなり紐を解いて本の中身をバラバラにした。
スカーたちは驚き何をするのだ、と目を見張るが、メイはそのページを1枚ずつ拾い上げて皆に自分の考えを語った。

この書物には、金とか不老不死を意味する言葉が多すぎる。一度研究書をばらして、同じ語句の部分を重ねてみたらどうだろうかー?

それを聞いたスカーとマルコーは、はっと顔を見合わせた。
やってみようー
彼らは早速ページの中の単語を拾い上げ、そこに同じ意味の単語の書いてあるページを重ね合わせていく・・。

他のメンバーは、その光景をただただ息を呑んで眺めた。
そして最後の1ページを、マルコーが載せる。
すると各ページに、錬成陣の図案が入っているのが目に入った。
彼らはその図案を、1本の線で結んでいく。

これは・・。
そこに現れたものを見て、その場にいた全員が目を見開いた。
そこに浮かび上がったのは、賢者の石の国土錬成陣だったのだー。

これは私が予想したものじゃないか・・!
マルコーは落胆し、膝をついた。
今更こんなものを知ったところで、何になる!!

彼の言葉に、ジェルソとザンパノもため息をつく。
じゃあこの研究書は、今の時点では全く役に立たない代物だったのかー?!危機的状況を逆転させる一手ではなかったのか?!

ーそんな皆の失意を横目に、スカーは兄に問うていた。
兄者・・俺に伝えたかったのは、これだったのか?
イシュヴァール人の忌み嫌う錬金術を研究し、それでは飽き足らず異国の錬丹術にも手を伸ばしたと言うのに、ここまでだったのか・・?

まだ何かあるのではないだろうか・・。
彼がそう考えていると、寒さに震えたヨキが大きなくしゃみをした。
その勢いで、重ねられたページが吹き飛びそうになり、皆は慌てる。

表裏もバラバラになってしまったので、一行はまたページを並べようと動いた。
その時ーふとアルの頭に、1つの考えが浮かぶ。

危機的状況を逆転させる・・。
彼は叫んだ。
逆転だ!!

アルはすぐにスカーに、ページをひっくり返して並べるように告げた。
それを聞いたスカーたちはうなづき合い、すぐにページを裏返しにしてさっきと同じように並べる・・。

その結果ーメイはアルの顔を見て、こくりと首を縦に振った。
当たりですね・・。

そこには、新たな錬成陣が浮かび上がっていた。
これは錬丹術を組み込んで発動する、新たなアメストリス国土錬成陣です!!


同刻ー
キンブリーは1人、坑道の中を探索していた。

彼が進んだ道には、人が通った気配はない。
道を間違えたようだ・・。
キンブリーはそう考え、元来た道を引き返そうと背を返す。

その時ー彼の眼に、大きく✖が描かれた扉が飛び込んできた。
その扉は時間の経過からか、錆びて歪んで隙間を生み出している・・。
キンブリーはその先に興味を持ち、扉に手をかけ中へと足を踏み入れてみた。

階段を降り、敷かれた線路の上を歩く・・。
その足元には、人骨が転がっていた。

なるほど、スロウスが掘っていたトンネルの瓦礫を出すために、ここが使われていたのか・・。
キンブリーは灯りで周囲を照らしながら、そう納得する。
ふとー彼は背後に身も凍るような殺気を感じ、動きを止めた。
いつからいたのか・・。彼の後ろには、無数の眼が迫っていたのだ。

その眼はキンブリーをぎっと睨むと、紅蓮の錬金術師か・・?と尋ねた。
そして自分はプライドだーと名乗った。
キンブリーは眼だけ動かし、何か用か・・?とプライドに問う。

するとプライドは、スカーを追うのは後にするように・・と話した。
先にブリッグズに、血の紋を刻むのですー。

そうして、彼はキンブリーに自身の計画を明かした。
ブリッグズ軍の一枚岩の強さを逆に利用した、ある策をー。

ーホムンクルスたちの計画の実行は、もうすぐそこまで迫っていた。
スロウスの掘るトンネルの開通が間近となるー
プライドはその中で、お父様の手足となり暗躍するのだった・・。




















起死回生の一手。


今回はエドが一命を取り留めたなか、ついにスカーの兄の研究の謎が明らかとなった回でした。
ようやく見えてきたホムンクルスの計画を止める一手!
スロウスのトンネルが完成間近なので時間はありません。この発見が、人間側の逆転の芽となるのでしょうかー?!



まずはエドから。
自分の生命エネルギーを使って、一命を取り留めたエド。
とりあえず死ぬことはなさそうで安心ですが、まだ当分動くことはできそうにないですね。

となると、一旦怪我を治すために戦線離脱かな。
今回賢者の石を使うと予想していましたがそれはしなかったので、恐らく今後も彼は賢者の石を使うことはないのでしょう。
だとしたら、後はエドの自前の力を信じるしかなさそうですね。

でも3人は事故に巻き込まれたので、捜索される身・・。
特にキメラ2人は行方が知れないと分かったら、キンブリーや軍の人間は彼らの捜索の手を緩めないでしょうね。
事情を知っている者として、2人を消そうとするでしょう・・。

そう考えると、この近くの病院にかかるというのは難しそうですよね。
ブリッグズ軍に匿ってもらえれば安心ですが、今回のキメラ2人の会話を聞くに、それも無さそう・・。
だとすると、一旦北から離れるという可能性もあるのではないでしょうか。
彼らは中央軍ですから、中央に行けば顔のきく医者もいそうな気もします。。

現在オリヴィエも中央にいますし、アルがメイと一緒にいるので、エドが無理して北にとどまる理由はないと思います。
むしろここで中央に行き、マスタングたちと繋がるという線もアリかなーと個人的には感じるんですよね。
決戦の舞台が中央であるなら、いずれはエドもアルも戻ってくることになりましたしね。

プライドがキンブリーに指示したことが気になりますが、今のエドの状態では力になれないことも事実。
ここはしっかり休息をとって、最後の戦いに備えてほしいと思います。

それに・・助かったとはいえ、自分の生命エネルギーを使うのって無茶が過ぎますよね。
寿命を減らした可能性もあるなんて、怖すぎる・・。
仲間が聞いたら泣きますよ。

いくら自分の甘さが生んだ結果だとはいえ、これ以上エドには無茶をしてほしくありません。
そう思うと敵だったとはいえ、大人2人がエドと一緒にいてくれたことは良かったなーとも思います。
無茶をしようとしたら、しっかり叱って止めてくれそうですからね。

一安心はしましたが、油断は禁物です。
アルやウインリィと再会するときには、元気なエドに戻っているよう祈っていますー。





続いて、アルたちについて。
今回、ついに彼らはスカーの兄の書物の謎を解き明かしました!
バラバラの境遇の者たちが頭を突き合わせ、解答を導くー
なんだかゾクゾクしてしまいました!

その前に・・アル、とりあえずは意識が戻って良かったです。
エドに引っ張られて、一時的に大きなショックを受けたという感じなのかな。
それともエドが目覚めなかったら、あのままアルも意識を失い続けたままだったのでしょうか・・。
まだ不安要素は残りますね。。

それでもアルがいたことで、謎を解き明かせたといっても過言ではありません!
やっぱり若い頭は思考の柔軟性が違うなぁと感じましたwメイも、お手柄だった!

新たなアメストリス国土を錬成する錬成陣ー
これが、スカーの兄が導き出したものでした。

やっぱりスカーの兄は、アメストリスが何をするか理解していたのですね。
そしてそれに対抗する錬成陣を編み出したー
天才だったのですね・・。本当に惜しい人を亡くしたのだなー・・と改めて思いました。

きっとこの錬成陣を使用することが、スカーの兄を弔うことにもつながるのでしょう。
というより彼は復讐とかよりも、そうすることをスカーに望んでいたからこそ、スカーに書物を託したのでしょう・・。
兄の思いを知り、スカーはどう感じたのでしょうね。

ーで、この錬成陣をどうやって発動するか、が問題です。
ホムンクルスたちだって何百年もかけて錬成陣を用意してきています。相当な警戒をもって、その日に当たるでしょう。
そんな中、錬丹術を完璧に発動できるのは現状メイだけ・・。
こんな状況で、逆転の方法が分かったとして彼らにひっくり返すことができるのでしょうかー。

錬丹術を、どの程度利用するかにもよるのかな・・とは思います。
錬金術の発動に関しては、エドもアルもマルコーもスカーもいます。
錬丹術の必要な割合が少なければ、どうにかなるのかもしれません。

でも・・やっぱり結構いちかばちかな賭け的な方法ですよね。
人数的にもホムンクルスに負けているので、なかなか厳しいと言わざるをえません。
起死回生の一手は見えたけど、まだまだ劣勢の状況は変わらないでしょう・・。

どうすれば、この錬成陣を発動できるのかー
それは次回以降、答えが見えてくるのでしょう。
今はただ、この錬成陣が上手く発動できることを祈るしかありませんね。

スカーの兄が託した思い・・
どうにか結実させたいですね。
今回もできたので、皆の知恵を結集させればできるはず!

そう信じて、見守りたいと思います。






最後に、キンブリーについて。
坑道を1人進むキンブリー。
スカーたちはヨキがいたので順調に進むことができましたが、彼は苦戦していますね。
とりあえず追いつかれなくてよかった・・。

ですが、ここでキンブリーとプライドが接触!
どうやらキンブリーはプライドとは初対面のようですね。
イマイチキンブリーがどこまで理解しているのかが、読めない・・。

キンブリーに、ブリッグズに血の紋を刻むように、と唆すプライド。
もう時間がないことを示していますね。
スロウスのトンネルが完成次第、計画は実行されるのでしょう・・。

そのためには、ブリッグズの人たちの命も自分たちの手中にしなければいけません。
オリヴィエが中央に行ったし、中央軍が要塞に入った今が襲撃のチャンスだという訳でしょう・・。
となると、要塞に送られた中央軍は犠牲を増やすための囮という訳か。辛いなぁ。。

以前予想したように、恐らくホムンクルスたちはドラクマを唆し、開戦を申し込むつもりでしょう。
これに関してはブリッグズ軍は強いのであまり心配していませんが、今回のプライドの発言には引っかかりますね。
一枚岩の性質を利用するとは、どういう意味でしょう・・。

1つ考えられるのは、エンヴィーを使うのではないか、ということ。
彼は変身能力があるので、ブリッグズ軍の誰かになりすますことなど訳ないです。
そうして、皆をかく乱するつもりなのかな・・と思いました。

ただこの手法は今までも使われているので、あまり目新しさはないですよね。
話の展開的には、何か別の方法を用意しているのかな、とも感じます。
それが何か・・となると思いつかないんですが、こうやってプライドが動いている以上彼に関係するものかなー、と。
そうなると、本当に恐ろしいことが起きそうで怖いのですが・・。

いよいよ次回、開戦となるのでしょうか。
オリヴィエのいないブリッグズ軍の戦いがどんなものかー楽しみでもあり、不安でもあります。
その戦いを先導するのがキンブリーというのも、嫌な予感に満ちています・・。

どうかブリッグズ軍が皆無事でありますように!
そう願って締めたいと思います。








さて、次回はブリッグズの地にいよいよ戦乱が訪れる回でしょうか。
計画実行の日まで、後わずか・・。
ホムンクルスたちの手は緩みそうにありませんね。

一方、ついに逆転の錬成陣を手にしたアルたち。
彼らはどうやってこの錬成陣を発動するのかー
ホムンクルスを止める手段として、期待がかかります。

どんどん現実味が強くなる、計画実行のその日。
勝つのは人間か、ホムンクルスかー

次回も楽しみです☆