今回から、20巻です!

前回、リオールを訪ね、そこでプライドと対峙したホーエンハイム。
彼は来たる日に向けて、ホムンクルスに宣戦布告をします!

一方、プライドの指示によってドラクマを焚きつけたキンブリー。
ついにブリッグズでも、戦いが始まってしまいます。

このままホムンクルスの計画は進んでしまうのでしょうかー?!

感想です☆




第79話~ 「蟻のひと噛み」





※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

ブリッグズ要塞。
中央軍は戦いの結末を眺め、感嘆した。

アームストロング少将がいなくてもこの戦果・・素晴らしい!
さすが一枚岩と名高いブリッグズ軍だな!!
彼らはそう賞賛し、高笑いする。

その一方で・・ドラクマのトップは、呆然としていた。
目の前にあるのは、ブリッグズ軍になす術もなく敗れた軍隊の姿・・。
結果は明らか。ブリッグズ軍の圧勝だったのだー。

その横で、キンブリーが拍手をした。
いやあ、見事!瞬殺とはまさにこのこと。
もう少し持ちこたえると思ったけれど、なんとも呆気ない・・。
そう他人事のように語る彼に、ドラクマのトップは話が違う!!と喰ってかかった。

彼はアメストリス軍の上層部を数名手懐け、自分たちが攻め込んだ時には加勢するように何年も前から画策していた。
だがいざ戦いとなっても、ブリッグズの砦はぴくりとも揺れることはなかったのだ・・。

そのせいで自分たちは負けたー!
そう憤るドラクマのトップを、キンブリーは涼しい顔で眺めた。
そんなことより・・と彼は、この戦いの中を生き残った自分たちは選ばれた者なのだ、と自身とドラクマのトップを称える。
話の論点をずらされたドラクマのトップは、ますます怒りに震えたー

その時、彼に銃弾が当たった。
ドラクマのトップはそのまま即死する。
・・話の途中で死ぬとは、なんと無粋なー。
キンブリーはその光景に、顔をしかめる・・。

ドラクマ軍たちが、撤退を始めた。
彼らはこの茶番に憤り、キンブリーにも本部へ来るよう銃を向ける。
それを見たキンブリーはー口の中から賢者の石を取り出した。

数秒後、ドラクマ側で激しい爆発が起こった。
その音に驚いたブリッグズ軍は、誰も撃っていないことを確認し、何の音だ・・?と訝しむ。

その後爆発の衝撃で、ドラクマを雪崩が襲った。
それはまさに、とどめの一撃だった。
かくして、ブリッグズとドラクマの戦いは幕を下ろすのだったー。


アムベック、貧民街ー。
食料調達から戻ったザンパノは、街の子供たちにマルコーの居場所を尋ねた。

子供たちによれば、マルコーは朝から薪を拾いに丘の上の林に出かけているらしい。
ザンパノは礼を言い、すぐにそっちへ向かうことにした。

ふと子供の1人が、ザンパノの横に顔を隠した人物が立っていることに気付いた。
その人は?
そう訊かれたザンパノは、よそから流れてきたイシュヴァール人で、マルコーに怪我を見てもらいたいと言うんだ・・と答える。

その横で、男はにやりと笑みを浮かべた。
それはーイシュヴァール人に化けたエンヴィーなのだった・・。

その後彼らは、丘の上へ上がった。
そこにいたのはマルコーとジェルソで、彼らはやってきたザンパノを見て眉をひそめる。

そちらの方は・・?
マルコーが、ザンパノの後を歩いてくる男について尋ねた。
すると男は笑みを浮かべ、三文芝居はもうおしまいだー、と変身を解く。

そこに現れたエンヴィーの姿に、マルコーたちは目を見張った。
こんにちは、ドクター。顔を変えて、こんな所で何をしているのかな?
エンヴィーはそう言いながら、マルコーたちに近づく。
ゴミ虫共が、我々を出し抜こうだなんて・・

その瞬間、彼の足元で爆発が起こった。
そしてエンヴィーの足を、地面から出てきた槍のようなものが貫く。
何だ、これは・・?!
エンヴィーは驚き、ザンパノの方を振り返った。

ザンパノは一目散に、マルコーたちの元へ駆けていく・・。
ハメられたー
そう気づいたエンヴィーは、表情をゆがめた。

その顔を見たマルコーが、これは全てエンヴィーを誘い出すのが目的だったのだ・・と明かす。
えげつない貴様のことだ。私が生きていると分かれば、更なる絶望を与えるために自ら追ってくるだろうと踏んだのだー。
それを聞いたエンヴィーは怒りに満ち、マルコーたちの元へ駆ける。

だが一歩足を進めると、今度は巨大な石の拳がエンヴィーを襲った。
訳が分からず戸惑う彼に、マルコーは笑みを浮かべながら告げる。
地雷式の業だよ。錬金術は、日々進化しているんだー!

そんな馬鹿な錬金術がある訳・・
エンヴィーはそう叫ぶが、その間にも彼には次々に罠が発動した。
それなら・・とマルコーたちの足跡を辿って動こうとするが、その目論見も空しく彼は攻撃を受け続けた。

なんでだーーー!!!
エンヴィーは悲鳴をあげる。
地面に手をつき動けなくなる彼に、マルコーは話した。

その業は、ホムンクルスにだけ反応するように出来ている。そしてこの一帯にみっちりと細工がしてある。
雪のせいで、どこに何が待ち構えているかも分からないだろう?
どうだ、カスだゴミだと扱ってきた自分たちになぶり者にされる気分はー?

ーその様子を、物陰からアルとメイが窺っていた。
騙されていますね・・。
メイは計画の成功に、笑みを見せる。

一連の錬金術は、彼女が遠隔で行っている錬丹術だったのだー。
雪のおかげで、仕込みが隠れたのはラッキーだった・・。
彼女はそのまま、エンヴィーに向かって攻撃を打ち続ける。

だがその時ーエンヴィーがふらりと立ち上がった。
彼は全身を怒りに震わせていた。
格下だと思っていたものに欺かれた屈辱、侮蔑・・
それらはエンヴィーを、グラトニーの腹の中で見せた化け物の姿に変えた。

突然現れた巨大な化け物に、ザンパノたちは目をむく。
エンヴィーはまずは尻尾で、マルコーを叩き潰そうとした。
間一髪でジェルソがマルコーを拾い上げ、空き家の屋根へと飛び移る。

デブのくせに素早いな・・。
エンヴィーは舌打ちし、2人を追いかけようとする。
だがそれを、背後からザンパノが止めた。

彼もキメラの姿に変化し、ヤマアラシの棘を飛ばした。
その攻撃はエンヴィーの眼を刺し、彼は苦痛に呻く。

と、そこにスカーも加勢した。
彼は隙を見てエンヴィーの背中に飛び乗ると、渾身の力をこめてエンヴィーの身体を分解した。
エンヴィーの身体は激しい衝撃に捻じ曲がり、大量の血を吐いたー。

そうして、彼はついに倒れ込んだ。
やった!
マルコーが拳を握りしめる。
だがその瞬間、エンヴィーは舌をべろっと出してマルコーを絡めとった。

思わぬ攻撃に、マルコーは身動きが取れなくなってしまう。
ジェルソたちが慌てて駆け寄るが、エンヴィーはそれを制して笑った。
おっと、動くなよ。このままポキッとやっちゃうよー?

彼はマルコーの身体を、キツく締め上げた。
自分に逆らったマルコーに骨の髄から恐怖を思い出させようと、エンヴィーはまた、村を1つ消してやろうか・・?と囁く。
その言葉に、マルコーはそんなことはさせない・・と歯を食いしばった。

だがその頭を、エンヴィーが爪で弾いた。
まだ抵抗するの?本当に馬鹿だね。
そう嘲笑されたマルコーは、血を流しながらもエンヴィーを睨みつける。

・・私は上層部の言うがままに賢者の石を作り、貴様らに脅されただ嘆き暮らしてきた。
何もしなかった自分に、腹が立つ・・!

震えながらそう語るマルコーを、エンヴィーはうるさそうに見やった。
そして、黙らないなら・・と彼は眼下に見えるイシュヴァール人のスラムに視線をやった。
あのスラムを、見せしめにぶっ潰してやろうかー。

彼は驚愕の表情を浮かべるマルコーに、楽しそうに語りかけた。
それもただ潰すだけじゃ面白くないなぁ。生きのいい女子供を中央に連れていって、賢者の石の材料にしちゃおうかー?

貴様!まだあそこであんなものを作っているのか!!
マルコーは怒鳴った。
彼は研究所にいる自分の部下たちを、今すぐに解放しろーとエンヴィーに迫る。
だがそれを聞いたエンヴィーは、馬鹿にしたように大笑いした。

解放なんて無理だよ。あいつら全員、賢者の石にしちゃったもんー。

その言葉に・・マルコーは身体から力が抜けていくのを感じた。
彼がわなわなと震えるのを眺めながら、エンヴィーは尚も挑発を続けた。

何を今更悲しむことがある?
今まで散々賢者の石を作ってきたんだろう?ー人の命を使ってさぁ!!

マルコーは瞳を見開いた。
彼の瞳から、涙が一筋零れ落ちる。
その口が、弱弱しく開かれた。

そうだ・・、私は多くの人を犠牲にして賢者の石を作った。
そうとも、この国の誰よりも石の作り方をよく知っている・・。

彼はグローブを外し、両手でエンヴィーの舌を掴んだ。
・・作り方を知っているということは、壊し方も知っているということだ!!

その瞬間、マルコーはエンヴィーの身体の賢者の石を分解した。
エンヴィーは雄たけびをあげ、身をよじった。
その身体が激しい衝撃と光と共に、壊れていく・・。

彼はもがき苦しみ、口から大量の液体を吐き出した。
舌の拘束が外れ、マルコーは雪の中に弾き出される。
やがてエンヴィーは雪面に崩れ落ちた。

その巨体から、小さな奇妙な物体が1匹這い出てきた。
その生き物は痛い痛いと泣きながら、次第に姿を変えていく。
そしてー虫けらのような姿ながらも、彼はエンヴィーの見た目に戻った・・。

その姿を見た一行は、戸惑いを隠し得なかった。
彼らの表情を見たエンヴィーは、泣きながら見下すな!!と叫ぶ。
見下すなよ、人間がああああああ!!!

そう慟哭すると、エンヴィーもまたそこに倒れた。
その身体は、灰となって崩れていく・・。
そしてその場には、1匹の虫だけが残ったのだったー。

見るな・・。虫けらが・・。
ーどうやらこの虫こそが、エンヴィーの本体のようだった。
キメラたちは余りの姿にあきれ返り、スカーもまた自分たちはこんな奴に踊らされていたのか・・とため息をついた。

スカーはそのままエンヴィーをつまみ上げると、雪の中に倒れたままのマルコーの元へ近づいた。
マルコーの顔は更に醜く変形していたが、意識はあるようだった。
スカーは静かにエンヴィーを掲げて見せながら、仲間の健闘を称える。
勝ったぞ、マルコー・・。


その後、マルコーはメイによる手当を受けて、起き上がれるまでに回復した。
彼は画歯が抜け落ちた自分の顔に苦笑しながらも、皆に深々と礼をした。
ありがとう、私のわがままに付き合わせてしまって申し訳ない・・。

そのほっとしたような、どこか清々しい表情に、皆は戦いが1つ終わったことを感じた。
虫になったエンヴィーは、ジェルソがしっかり捕まえていた。
彼の手の中で蠢きながら、エンヴィーは何とか逃げられないか、と周囲をきょろきょろする。

ふとー彼はメイに、目を止めた。
あいつ、中央の地下に忍び込んだ小娘だ・・。
彼は彼女を睨みつけながらも、ある策を思いつくのだったー。




















マルコーVSエンヴィー!!

今回はエンヴィーを呼び出したマルコーたちが、ついに彼を倒し捕らえる回でした!
マルコーの復讐、ついに!
彼の決死の思いを賭けた錬金術ーまさに体が震えました!

色々と受け入れられないことはありますが・・それでも仲間たちのために、犠牲になった人たちのために、何より自分のためにー
一矢報いられたことは大きいです。

エンヴィーもこれで、ほとんど無力化しましたね。
何かよからぬことを企んでいるようですが、この身体ではもうどうすることもできないでしょう・・。
まずは1人!これは今後の戦いにおいて、偉大な戦果です!!

でもエンヴィーはマスタングが倒すと思っていたので、この展開はちょっと意外でしたね。
ここまでエンヴィーがやられるとは、正直思っていませんでした。
ヒューズの仇を取る件は、これで終わりなのですかね?

まぁマスタングの真の敵は、ブラッドレイだということなのかな。
ブラッドレイに関してはスカーも戦うかと思っていましたが、こうなってくるとその読みも外れそう・・。
うーん、なかなか予想通りには進まないのがまた面白いです。

まぁエンヴィーもまだ何か企んでいるようなので、ここでは終わらないのかも。
そうなったら、マスタングとの最終戦もあり得るかもしれませんね。

とりあえずはザンパノも裏切っていなかったし、マルコーも長年の苦しみをぶつけることができてよかったです!
彼のした罪も消えることはないけど、他の皆のように精いっぱい人々のために生きることで報いることはきっとできると思います。

まずは1つ前進。久々に胸がすっとし、心が明るくなった回でした。
酷い見た目になっちゃったけど、それも戦った証ですよね。
マルコー、本当にお疲れ様でした!!


で、1つこのことで思ったんですけど・・
以前リンたちがグラトニーを捕まえたとき、最初はシンの皇帝の元へ連れ帰ろうとしていましたよね。
ってことは、エンヴィーをメイが連れ帰ったら、次の皇帝になれる可能性がぐっと近づくのでは?

リンが今何をしているのかは定かではないですが、ホムンクルスたちの眼もあるし自由には動けないはず。
ランファンたちも腕のリハビリに励んでいるのだろうと考えると、これってすごく有利に転じたのではないでしょうか!

本当は今すぐにでも連れ帰ることができたらいいのでしょうが、現状はスカーやアルのこともあるので最終決戦が終わってからになるのかな。
でもこれで、リンたちと堂々と並び合いましたね。

シンの皇帝の後継者はどちらになるのかー
最近その話題忘れていましたが、最終決戦も近づきこちらの結果が出るのもそろそろですね。

ただここまでスカーたちと一緒に行動してきたメイが、賢者の石を持ち帰るという選択をするのかは、ちょっと疑問を感じるところではあります。
その辺も含め、彼らの今後の動向も気にしていきたいですね。

メイはアルのお嫁さんになるという選択肢もあると思うんだけどなぁw
2人お似合いですよね!なんか空気がほのぼのしているし(^^)

とりあえずエンヴィーと暫く行動を共にするので、彼が悪さをしないことを祈りましょう!





続いて、ブリッグズとドラクマの戦いについて。
たった1ページで決着がついてしまった戦いw
圧倒的な強さを見せて、ブリッグズ軍が勝利しました。

キンブリーもこの結果を読んでいたようで・・彼は結局何がしたかったのでしょう。
ドラクマ側を逆に抑えておきたかった?
どうも目的がよく分かりませんね・・。

中央軍が加勢するのも嘘だったということは、もしかして血の紋を刻むにはドラクマ側の血だけで十分だったということでしょうか?
ブリッグズ軍は一枚岩だから、そう簡単には崩れないだろう・・。
だから相手国を倒して血の紋を刻ませればいいー
プライドの計画は、そういうことだったのでしょうか。

ちょっとこの辺よく分からなかったので、次回以降に答え合わせがあるのかな、と思います。
それでもブリッグズ軍に犠牲が出なかったのは、本当に良かったです。
っていうか、こんなに強いんだ・・。改めてオリヴィエの統率力には頭が上がりませんね。

彼らが最終決戦に加わってくれれば、まさに百人馬力です!
オリヴィエが中央にいるので、その線も十分あり得るでしょう。
エドたちは本当に仲間に恵まれているなぁ・・と感じた今回の戦いでした。








さて、次回はエンヴィーを捕らえたスカーたちが次なる動きに出る回でしょうか。
エンヴィーから連絡がなければ、ブラッドレイもおかしいすぐに気づくはず。
敵はすぐ動き出すでしょうから、スカーたちには余り猶予はありませんね。

そういえばアルたちは、まだエドが怪我をしたこともずっと行方不明であることも知らないのですよね。
ブリッグズ要塞に今行く訳にもいかないし、そろそろ今後の行き先を考える時でもあるでしょう・・。

でも中央も北もイズミのところも軍の眼が光っているので、なかなか行くところがないですよねぇ。
ラッシュバレーに行くと、今度はウインリィの仲間に迷惑がかかるしなぁ。。

何か良い手があるといいのですけどね。
そして、エドと合流を果たせるといいのですが・・。

次回も楽しみです☆